ガチャと俺のプライベートプラネット 番狂わせの召喚王 【第1巻発売中!】   作:太陽くん

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突然の理不尽が獣魔将軍を襲う!

魔王装備は重いから脱いだ。なのでまたパジャマとジャージの生活に戻った。

 

王としての威厳?うるさい、そもそも基本的に誰も、俺を王として扱ってないからな。

 

ほとんどの奴は俺を普通の人間として見ているし、一部は俺を神と崇める馬鹿達。一応敬意のようなものはみんな俺に対して払ってるが、心から俺を王として尊敬しているのは皆無に等しい。

 

 

 

 

まあ、結構ノリノリで楽しめたしこの俺自ら前線に出て左腕の触手で敵を串刺しにして蹂躙して満足したんだけど、この魔王装備が非常に重いしうるさい。

 

ガチャガチャガチャガチャガチャ。動く度に音が鳴るため、もう鬱陶しいのなんの。

 

 

あー、全身が痛い。普段使ってない筋肉が悲鳴を上げている。いやー、肩が凝るなぁ。ピカピカの傷一つ無い魔王装備は今現在武器庫に放置中。これが使われる事はしばらくないだろう。

 

 

 

 

そんなことより、何とバーテンダーに与えた卵が一つ、ついに孵化したと興奮したバーテンダーが俺に報告してきたのだ。ちなみにバーテンダーの店は今大盛況だ。ホムンクルスも大量に増え、ベーシックインカムで大量の金を得たホムンクルスから莫大な利益を上げているようだ。

 

 

生まれた鳥の雛は、バーテンダーの掌の中ですやすやと眠っていた。緑色だ。インコか何かかな?

 

 

「この鳥の名はシームルグ。非常に大人しい、人懐っこい子ですよ」

 

「へー、シームルグっていうのか。で?これは何の鳥なの?」

 

「ですから、シームルグです。鳥の品種と個体名がシームルグ。いやぁ、ただならぬ気配を感じていましたが、まさかシームルグとは。これは残りの2つも楽しみです」

 

 

固体名だけじゃなく、種族名がシームルグ⁈

 

 

 

 

 

シームルグ。イラン神話に登場する伝説の鳥。

 

偉大なる鳥の王。自身が得た食べ物の余りを他の動物が食べられるように置いていくという、心優しい鳥である。

 

かつてはエデンの園の生命の樹に住んでおり、この樹の上で羽ばたくとあらゆる種類の植物の種子が発生するという。樹が枯れると、イランのアルブルズ山(実在)に移住したらしい。

 

 

伝承では、シームルグの体は象さえ運べるほど巨大だという。しかし今目の前にいるシームルグは非常に小さい。今後成長するのだろうか。しかしシームルグの卵は250年かけて孵化するという。つまりガチャから出た時点で孵化する直前だったというわけだ。どのようなペースで成長するか想像できない。

 

 

そして、どうやら生命の樹の上で無くても種子を生み出すことが出来るらしく、飛ぶ夢を見ているのかパサパサと羽を動かし、ポロポロと、種子を落としている。

 

 

幼くてもその能力は健在のようだ。

 

…しかしその種子が問題だった。

 

柿の種のような物、イチゴの種のような物から、大きな球根。さらに光り輝く宝石から氷の塊、燃えさかる、しかし熱くない種まで。

 

 

 

………これは種子なのだろうか。

 

 

困惑していると、話を聞いていたのか、運命教会最高司祭のアリスが運命書を書いていた。

 

「なるほど、山田様は邪神を従えるだけでなく、植物に関する権能を所持している眷属を生み出したのですね。運命書に書き加えておきます」

 

「やめろ!黒歴史を増やそうとするんじゃない!その本を捨てろ!」

 

「捨てても無駄かと。既にデータとして保存し発売中です」

 

「あぁぁぁぁぁ!こんなものが発刊されるなんて世も末だ!」

 

「しかし、山田様。昨日は魔王と名乗っていたではありませんか。今更では?」

 

「あれは…その時のノリだよ。思いついたからやってみたかったんだ。我慢が出来ないんだよ俺は。まさか書いてないよな」

 

「大丈夫です。既に魔王軍結成の瞬間は運命書に記録してあります」

 

「あぁぁぁぁぁぁっクソがッ」

 

 

 

 

 

 

今日のログインボーナスは兵士確定ガチャコイン。

 

兵士。俺は前線でホムンクルス魔王軍兵を率いて戦う軍人達を考える。昔引いた軍人十連ガチャ。

引けたのは潜水艦搭乗員やら従軍記者など、正直言って大半が前線での戦闘をメインとしている軍人ではなかった。

 

なので俺はこの兵士確定コインという物に対して期待はしていない。

正直言ってただの兵士が来ても大量のホムンクルスがいる現状、一人兵士が追加されたところであまり意味が無いのだ。

 

 

それでは、ガチャ!

 

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UC『ゲリラ戦特化兵』

 

ゲリラ戦。敵軍とは正面から戦わず、少数の戦力で、主に敵の後方を奇襲し、補給戦への攻撃、破壊工作、暗殺、攪乱や攻撃を繰り返し行う戦闘のこと。

 

ゲリラ戦は主に民兵や反政府勢力などの劣勢の武装組織が行うが、ゲリラ・コマンドというゲリラ戦を行う正規軍部隊も存在する。

 

 

出現したのは、セーラー服を着た、少女たちだった。

セーラー服ということは、日本人なのだろうか。

 

しかし髪がピンク、黒、黄色、水色。目の色もカラフルだ。どう見ても日本人ではない。かといって欧米人ではない。何だこれは?既存のどの人種にも当てはまらない気がする。

 

彼女たちは自分を軍事教育を受けた女子高校生と名乗り、その中でもゲリラ戦を得意としていると話してくれた。すぐにでも私たちに命令を与えれば、ゲリラ戦を行い敵を消耗させると話した。

 

いやぁ、流石に女子高校生をそんな、単身後方に送り込むなんてできないよ。危険すぎる。

 

「それは心配ないかと。私たちは頑丈です。頭に弾丸を喰らってもデコピンと同じ程度の痛みと傷しか感じません、まぁ実際に見ればわかるでしょう」

 

リーダーの黒髪の女子高校生が、ピンク色の髪の女子高校生に手で何が合図を送る。するとピンクの女子高校生は黒髪に向けて銃を連射した。

 

だが、黒髪は鬱陶しそうにしているだけで、少しアザがあるだけ。特に大きな負傷もなければ、服も破れていたりはしていない。

 

「い、いやそういう問題じゃなくて。ダンジョンは大量の魔物がいるんだ。あいつらを突破して後方に行くなんて不可能だよ」

 

「大丈夫です。私たちには空間魔法が使えます。ダンジョン後方まで少人数ならワープが可能です」

 

「な、何だって⁈それはすごい、今ダンジョンに関する情報が足りないんだ、すぐにでも行って情報を集めてくれ」

 

 

「了解…む、これは………、申し訳ありません。このダンジョンには対空間魔法用の防御システムがあります。このシステムを突破するのには、しばらく時間がかかるでしょう」

 

「気にしなくていいよ。システムは俺の方でどうにかするから、のんびりしな。あっそうだ。四人だけじゃ戦力不足だし、あいつらを自由に使っていいよ」

 

そうして俺は、あの二人を呼ぶ。

 

カワウソ偵察兵とアリクイ火炎放射器兵だ。

 

ゲリラ戦において役立ってくれるだろう。

 

 

「か、かわいい………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の無料ガチャ!

 

ガタンッ

 

 

 

 

 

 

R『進化ポーション』

 

進化。

生物群が世代を重ねるにつれて、その形質、性質を少しづつ変化させていく現象のこと。

キリスト教などの一部宗教は、人間は創造主により創られたと主張しており、この進化という言葉と非常に相性が悪い。

 

ゲームなどでは進化という言葉は、キャラクターや武器をより良い形へと変化または成長させるという意味で使われる。

 

 

 

 

出現したのは、ピンク色の液体が入った瓶だった。

これは進化ポーション、ダンジョンからドロップする回復ポーションなどと同じ種類のものだろうか。

 

うーん、進化ねぇ。これはあれかな?俺の持つユニットを強化してくれるのかな?だったら非常にありがたい。首無しなんかに使って見たら面白そうだ。ちょっと鑑定してみよう。

 

 

鑑定!

 

 

 

 

●進化ポーション

 

優れた錬金術師により、星のカケラから作られた進化ポーション。レベルを最大まで上昇させ、進化させます。この際進化素材を必要としません。

ユニットの能力を大幅に上昇させ能力限界を突破、さらに新たなる力を得ることでユニットとして進化し種族を超越する力を手に入れることができます。

一度使用すると進化前に戻ることはできませんので注意してください。

 

 

 

まーた知らない用語が出てきた。レベル?進化素材?うーわ、このゲームにレベルシステムがあるとは考えてなかった。

 

…いや、待て。そう言えば、俺はどうしてあの重い鎧を着れたんだ?

 

確かに最近、軍人からトレーニングを受けていたが、だからって金属製の全身鎧を着てダンジョン攻略に参加して走り回るなんて、どう考えても俺の体力では不可能だ。

 

俺はホムンクルスとマッドサイエンティストに話して検査をしたところ、何と製造直後のホムンクルスと前線で戦うホムンクルスとの能力に大きな差が存在するらしい。

 

更に聞き取りをすると、少年Aがダンジョン攻略を始めてから炎を長く出せるようになったと答えた。

 

どうやら元々レベルシステムは存在していたらしい。

 

 

 

……さて。

 

これ、どうしよっか。マッドサイエンティストにあげるか?それともホムンクルス合成にぶち込むか?

 

 

うーん、迷う。本当に迷う。どうしようかな。

 

 

考えていると、7号が俺に話しかけてきた。

 

 

「それ、飲みたい」

 

「いや、本気か?何が起きるかわからないんだぞ?こういうのは首無しにでも飲ませればいいんだよ」

 

「ううん、私が飲みたいの。これ飲めば、もっと強くなれるんでしょう?」

 

「多分な。能力上昇って書いてあるから、悪いことは起きないんじゃないかな」

 

「じゃあ決まりね。私が飲む」

 

「…まぁ、そこまでいうなら」

 

ホムンクルス7号が進化ポーションを飲み干す。おお、一気飲みだ。

 

 

その瞬間。

 

 

膨大なエネルギーの奔流が7号の胸より溢れ出し、周りのものが吹き飛ばされる。

 

 

「な、何だ⁈」

 

●超大成功!戦闘用ホムンクルスが限界まで進化します!

 

●レベルが限界まで上昇しました。これより進化が始まります。進化素材は必要としません

 

●戦闘用ホムンクルスが戦闘用ハイ・ホムンクルスに進化しました!

 

 

 

ホムンクルスが進化した。だが、エネルギーの奔流は止まらない。

 

●レベルが限界まで上昇しました。これより進化が始まります。進化素材は必要としません。

 

●戦闘用ハイ・ホムンクルスが戦闘用エリート・ホムンクルスに進化しました

 

●レベルが限界まで上昇しました。これより進化が始まります。進化素材は必要としません。

 

●戦闘用エリート・ホムンクルスが指揮型ホムンクルスに進化しました

 

●レベルが限界まで上昇しました。これより進化が始まります。進化素材は必要としません。

 

止まらない、システムウィンドウが止まらない。

 

●…

●…

●…

 

…………

 

 

 

●超大成功!!!

パラケルスス・ホムンクルスは全ホムンクルス統括個体 ハブへと進化しました!

 

システムウィンドウの展開が終わった。7号は今、俺の前に何事もなかったかのように、特に見た目もかわらずに立っている。

 

 

な、7号?大丈夫か?

 

「大丈夫、私は今、すべてのホムンクルスを統括するリーダーとなった。これでもっとあなたの役に立てる」

 

 

その目は力に溢れ、表情は自信にあふれていた。ドヤ顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ、失敗作ね」

 

我が生まれた時、初めて聞いたのがその言葉だった。

 

後から知ったが、その声の主はシュラハト。この『魔』のダンジョンマスターらしい。らしいというのは、私はシュラハト様に、この時以来会っていないからだ。

 

 

そして私は、名乗りすらもさせてもらえず、第一層の副司令官に任命され、転移させられた。

 

理由は、失敗作だから。

 

馬鹿な、なぜ私の能力も見ずにそんなことがわかる。

 

これは今は亡き司令官より聞いた話だが、私のような筋肉隆々で獣人のような顔のユニットはハズレが多く、逆に人間のような顔に痩せ型のユニットの方が能力が高い傾向にあるらしい。

そしてダンジョンマスターは人間型が好みらしい。

 

そんな、能力も見ずに、決めたのか。

 

確かに、ダンジョンマスターの側近や下層ダンジョン司令官、その他『魔』のダンジョンの要職の者たちは人間と同じような見た目をしていた。だが、そんな、見た目で決めるなんて。

 

その後すぐ司令官が冒険者により死亡し、私が司令官へと繰り上がった。

 

だか、与えられる部下は知性なき魔物たち。まともな部下は与えられない。冷遇される日々。

 

だが、私は諦めなかった。

 

次から次へと冒険者に殺される、下層の司令官。

 

だが、私は生き続けた。休むことなく槍を振い、鍛錬を欠かさなかった。

 

そして私は、禁忌に手を出した。

 

蠱毒。第一層の迷宮を一部隔離し、その隔離エリアで何万もの次から次へとスポーンされる魔物たちに殺し合いを命令した。

それを何年も行った。

 

そうして生き残った、たった一人の魔物を殺し、膨大なDPを使い加工したのが、この蠱毒槍。膨大な呪詛が込められた禁忌の槍。

 

もちろんデメリットもある。この蠱毒によりダンジョンは呪いにより汚染され、30年ほど一層の約半分のエリアが立ち入ることすら不可能となった。

 

罰を受けることは覚悟した。

 

しかし、特に何か言われるようなことはなかった。

 

シュラハト様はダンジョン運営に興味がないのだ。

ただ遊びのように私たちを生み出し、適当にDPを使い暇を潰す。

 

このダンジョンは何もしなくても大量の冒険者達が来る。その上、傘下のダンジョンマスターからの上納金だって凄まじい額になる。

 

 

そうして、我は最高の槍を手に入れた。

 

なのに。

 

 

「なぜ当たらん!」

 

どれだけ槍を振るっても、当たらない、いや、手応えがない。空気を切っているかのようだ。

 

敵は軍服を着たゴースト。物理攻撃の効果が薄いのはわかっている。だが、呪詛まで通じないのはどういうことだ⁈

 

「申し訳ありませんが、あなたは勝てません」

 

「まだわからん!」

 

 

「いえ、無理なのです。彼は世にも珍しい、完全な霊体とでも言いましょうか。純粋な魔法攻撃、実体の対攻撃以外は効かないのですよ」

 

「そんなことはわかっている!だが、なぜ呪詛が効かない⁈」

 

 

「あなたの槍は、凄まじい呪詛が込められている。ですが、それはあくまで槍に込められた能力でしかありません。純粋な魔法攻撃とは言えません。彼にダメージを与えることはできません。詰み、というわけです」

 

「そんなふざけた能力があるかぁ!!!」

 

私がたどり着いた、槍術と呪詛を組み合わせた武の極地。

 

注射針のように敵を穿ち、呪詛を一気に流し込む奥義だ。

 

しかし、槍は軍人幽霊を貫通し、そして何事もないように軍人幽霊の持つナイフが心臓を刺す。

 

 

「無念…」

 

結局、全ては無駄だったのか。

私は、何のために生まれたのだ。

 

「最後くらい、全力を出して戦いたかった」

 

「安心してください。あなたもいつか、アンデッドとして蘇らせてあげます。その際は、我らが王のために存分に働いてもらいます」

 

「爆発するのはごめんだ」

 

「そうではなく、一人の戦士として、よみがえるでしょう」

 

 

「…それは楽しみだ。今度は、是非、今度こそ、まともに戦いたい、理想の主君に仕えたい」

 

 

私は眠りにつく。だが、この化け物の言葉を信じるのなら、一時的な眠りに過ぎない。

 

願わくば、シュラハトを、殺してくれ。

 

 

 

●第一層司令官 獣魔将軍 リザリオンが死亡しました! 

報酬として、指揮官確定ガチャコインがプレゼントボックスに追加されます。

 

 

 

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