ガチャと俺のプライベートプラネット 番狂わせの召喚王 【第1巻発売中!】   作:太陽くん

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賠償金寄越せゴラァ!!!

魔王軍の主戦力であるホムンクルス達は、周りをこれでもかと要塞化された堅牢なエリア、天空山脈要塞クラレントの攻略を続けている。

 

敵の士気は尋常では無く、既に凄まじい被害が出ているにも関わらず敵は苛烈な攻撃を続けている。おまけに数もやたらと多い。山脈を丸々と何百重もの塹壕や壁、砦などで囲っているのだ、どこか防御の甘い箇所を探してはいるが、それがないのだ。はっきりいって異常である。

 

そのため進軍は地道にコツコツ、一つ一つ塹壕を突破し、一人一人天使を堕としていく。これではいつになったら山脈中央に位置する墓所の攻略が始まるのか。

 

 

 

 

そんな悪戦苦闘、いや時間はかかっているけど前線はこちらの圧倒的優位に進んでいるから悪戦ではないか。

 

………まあ、そんなホムンクルス以外の魔王軍は何をしているのかというと、既に攻略が完了したエリアの敗残兵狩りと戦利品の回収である。

 

 

 

敗残兵狩りは今のところ順調である。殆どの天使(天使以外もいた)は圧倒的な理不尽の前に士気が崩壊し降伏し捕虜となっている。抵抗戦力も僅かながら存在するが、黄金球を堕とした影響で大規模な兵器は殆どがだめになっており、物資も不足しまともな組織的抵抗もできず、順調に排除中である。

 

 

 

 

そして戦利品だ。俺は部下より上がってきた報告書に目を通す。

 

 

俺が攻略した湖はどうやら水底に隠れた軍事基地があったらしい。この軍事基地は水中にもかかわらず、泡のような物の中に基地があり、中は空気で満ちていた。

 

現在この現象を発生させていたと思われる装置の回収に成功。この装置の解析を進め、量産化を目指してマッドサイエンティスト達が研究中。この量産に成功したら、この惑星の海底調査と、いつか訪れる海洋惑星開拓の際に大きく役に立つだろう。

 

 

次は天使達が運用していた艦隊だ。港にあった艦艇は黄金球を堕としたことで殆どが吹き飛んでしまったが、どうやら敵の司令官は有能だったようで、俺が黄金球を堕とす前に多くの艦艇を港より脱出させていた。

 

だが直撃はしなくても黄金球落下時の風などで多くが転覆し沈没または横転、海上に展開していた艦隊の生き残りはほぼゼロである。

 

 

そのため多くの艦艇は損害度は低く、俺は海の上に浮かんだり、浅瀬に沈む艦艇など、比較的損害軽微な艦艇のサルベージを始めている。これらを丸ごと魔王軍の海軍戦力として流用するつもりだ。

 

 

 

一部の島々にも、地下ドックに無傷の艦艇や天使の兵器があるので、こっちも解析中だ。敵の兵器解析により、我が軍は優位に立つことだろう。

 

 

 

さて、他にもあるぞ、俺は回収した天使の死体を転生の祭壇で蘇生させ、天使には艦艇の操作方法や他のエリアの情報、天使の生態や天使世界の情勢、国家や軍の編成などを聞き取り調査を行っている。一般兵は荒廃した魔のダンジョンの復興作業に投入した。人手不足が少しだけ解消されたとダンジョンマスターは喜んでいた。

 

 

多くの天使がイヤイヤながら口を割る中、第45層エリアの人々は驚くべき事に俺たちに協力的だ。

 

理由を聞くと、どうやら45エリアの天使達は追放されていたようで、そもそも俺たちユーザとの戦争のことなんて起きたことすら知らなかった。

 

それに死んだという自覚もないらしい。俺が一瞬で黄金に変えたから痛みとかがなかったのだろう。むしろ狭い聖域から解放してくれてありがとうと一部の人々に感謝されたくらいだ。

 

第45エリアの人々は信仰の自由を保障してくれるのなら協力的に従うらしいので、保障した。

 

 

そして俺は、聖域の守護者ソフィアより、とある情報を入手した。

 

 

 

 

 

 

 

 

元々はこの天空山脈墓所クラレントを攻撃したのは、墓所に眠っている過去の英雄達を転生の祭壇にて蘇生し、自軍に加えるためであった。

 

 

ただの墓を膨大な費用を費やして要塞化なんてするか?

 

恐らく、相当な英雄や影響力を与える天使、そして副葬品として何か神器などが眠っているのかもしれない。それを奪取する為に進軍したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの墓所に埋葬されているのは、英雄ではありません」

 

 

「かつて地上が飢餓により荒れ果てた時代、冥府の水を汲み上げ周囲に恵みを与え、その代償として命を失った神」

 

 

「冥府の神エリオ、神が眠る墓なのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標変更。

 

 

 

 

神の死体を手に入れ、転生の祭壇にて蘇生し俺の神話体系に組み込む。

 

 

 

 

 

 

ん…?神?

 

 

神………………?

 

 

 

 

 

「ああそれと、今俺が送ったものはこの女神の死体だ。絶対にホムンクルスに合成したり、戦争王や首無しにアンデッドとして蘇らせて使うなよ。いつか使い道がわかるはずだ」

 

 

 

あっ。

 

 

 

 

俺は、信号機の女神の死体のことを思い出した。

 

転生の祭壇がガチャより排出されたのは、この女神の死体を手に入れた後。

 

これに使えってことか!

 

でも今は転生の祭壇は、天使の蘇生で忙しいので一旦放置!!

 

 

 

 

 

それでは、今日の無料ガチャ!

 

 

 

 

ガタンッ!

 

 

 

R『月光』

 

太陽光が月に反射した光。

月光とは要するに太陽光なのである。その光約0.2ルクス。

月明かりとも呼ばれ、満月の際は夜はそこそこ明るくなるのだが、反射してこの光の強さ。太陽光の光の強さがわかる。

月光という名字の日本人がいる。ちなみに読み方はげっこうではなくつきみつ。

 

 

 

 

出現したのは、まるで電球のように白く光る、ぷかぷかと浮いた小さな球だった。

 

ま、眩しい!光の強さが半端ではない!

 

ショッピングモールがこの強すぎる光のせいで真っ白だ!

 

いや、そんなことより。

 

 

 

 

 

月は恒星じゃないんだが⁈

 

 

 

 

 

 

 

その後、月光は意外な顛末を迎えることとなる。

 

最初は月光をエネルギー源とした月の加護を受けた武装の製造計画が立案された。

 

しかしその案は問題を抱え没に。

 

さらに月光とホムンクルスを合成しようとも考えたが、もっと別の利用方があるのではないかと多くの案が立案されては没にを何度も繰り返し、二転三転。

 

最終的には月光を利用した発電所を魔のダンジョン内部に建設する予定だったのだが。

 

 

 

 

月光は行方不明となった。

ガチャ産アイテムの初の紛失である。

 

 

 

今後はガチャから出たアイテムやダンジョン産などの貴重又は危険なアイテムは厳重な管理下に置かれ、書記官をリーダーとした妙物管理機構を設立。

 

今後はこの機構がアイテムの管理記録保管を行い、許可の元貸し出し、研究運用が行われる。

 

 

これまでは一つの倉庫に詰め込まれていたアイテム群は種類ごとに分類され、アイテム番号が付けられる。

組織も大きく再編成。記録課、保守課、防衛課、運用企画課、管理計画などに組織化されることとなる。

手始めにアイテムを管理するための様々な施設の建設が始まり、管理機構直属の部隊も多く設立された。

 

 

 

 

 

 

 

今日のログインボーナスはシステム確定ガチャコイン!

 

 

きた!他のユーザーのユニットなどと話してみて、どうやら俺はフレンド機能やメール機能など多くの機能が開放されていない。

 

だが、このシステム確定ガチャでどれか一つ、もしかしたらまだ他のユーザーが存在すらしらない未知の機能が開放されるかもしれないのだ!

 

 

さぁ、レッツガチャ!

 

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

HR『機能開放 どこでもガチャ』

 

 

●ガチャの機能が一部開放されました!これからわざわざガチャにコインを入れてレバーを回さなくても、我々ナビゲーターに回したいガチャと使いたいコインを指定することで大丈夫です。

 

 

 

 

…おお!よかった!俺はガチャを引く為にいちいちショッピングモールに行かなくてはならないことを面倒臭いと思っていたのだ!

 

 

 

しかし問題が一つ。今手元には、回せるガチャコインが何かあった時用のSSR確定ガチャコインしかないということだ。

 

 

 

…あのさぁ。

 

こういう時ぐらい、無料で一回ぐらいガチャを回させてよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1層 ホド島

 

 

俺は少しでもホムンクルス達の攻略を助ける為、スイス指定ユーザーであるミュラーから傭兵達を雇用しにきた。

 

 

俺は早速黄金で取引をしようとしたのだが、断られてしまった。

 

エマが運営している通貨取引所で一度APと呼ばれる通貨と交換し、その通貨を使ってくれと。

 

交換できるのは、魔力が込められた石や宝石、他には鉄やアルミなどの鉱物、ゴムや食料など、まぁ兵器製造に必要な様々な資源だ。

 

 

俺は今後ともいい取引相手になるであろうことを考えて、経済を壊さないように黄金をわずかばかり交換、他はダンジョンから採掘した魔力結晶や鉄などと交換した。

 

 

 

よくみてみると、他のユーザー達や傭兵たちもこのEPを使い取引をしていた。

 

独自の経済圏の構築を始めているようだった。自分が発行可能な通貨が世界の標準になるのは経済的にもメリットが多い。

経済戦争的なことも考えているのか。すごいなぁ。

 

 

 

また、ミュラーとの交渉、というか値切りの際に交渉スキル持ちの商人系ホムンクルスと近衛隊を連れていったのだが、ホムンクルスを見て一言。

 

 

「そうか、戦力に自信があるというのは、本当だったのか」

 

 

こいつ、俺の近衛隊の力を見抜いてやがる。

鑑定防止用のアイテムをホムンクルス達に持たせているのにだ。

 

一目でホムンクルスの力を見抜くとは、ただものではない。

 

さらにミュラー率いる下位ユーザー連合軍は第1エリアから第5エリアを同時並行で攻略している。作戦計画の大まかな立案や総指揮は全て彼女がやっているのだ。ユニットに任せずにだ。やべぇ。

 

 

 

そんな化け物相手に傭兵雇用費用を何とか割り引いてもらい、契約を完了した。

 

 

 

 

 

 

事件は帰りに起きた。

 

 

 

 

 

「閣下」

 

「わかってる」

 

俺たちは足を止める。

 

「おい、おまえ。隠れてないでさっさと出てこい」

 

 

 

 

 

「ふん、ばれたか。優秀なユニットだな」

 

姿を出したのは、一人の背が高い男だった。だが肌は紫色で髪は白い。耳もエルフのように尖っており、服はヨーロッパの貴族のような格好だ。

ユーザーではない。誰かのユニットだろう。

 

「なんのようだ」

 

「ここでは誰かに聞かれるかもしれん」

 

 

男は魔法陣が刻まれた大きな宝石に触れると、一瞬で俺たちの周囲を取り囲むように結界が張られてしまった。

 

 

 

「どうしますか?この程度なら時間があれば壊せますが」

 

「いや、いい。おい、何のつもりだ」

 

「ククク、勧誘に来たのだ。貴様、我らが魔王軍に入るつもりはないか?」

 

「…魔王軍?」

 

「そうだ、我々は有能な仲間を求めている。偉大なる陛下の下につく気はないか?貴様以外にも大勢のユーザーが陛下率いる魔王軍の傘下に加わったぞ」

 

「いや、嫌だけど」

 

「…………は?何故だ?仮入会でも良いぞ?」

 

「魔王軍なんて名乗るそんなよくわからない組織に行くか」

 

「ああそうか、貴様、魔王軍のことを知らないのか」

 

「それなら、力を見せるとしよう。多くのユーザーがこれを見て目の色を変えた、我が力!」

 

 

 

 

「権利使用、ランキング表示権!」

 

 

 

その瞬間、光が俺を貫いた。

 

 

 

 

●ユニットがあなたに対して【ランキング表示権】を使用しました。あなたの名前と次回中間発表時に公開されたランキング順位の情報が権利使用者に公開されます。

 

 

 

 

「ははははははは、どうだ?今私が何をしたかわかるだろう?ショップで購入できるランキング表示権だ。それも高額、下位ユーザーであろう貴様では買うことすらできない非常に高価な権利だ。私はこの他にも多くの権利を閣下より与えられている。これで魔王軍の力がわかったはずだ。わかったのならさっさと我らが魔王軍に忠誠を誓えグハァッッッッッッ!」

 

 

 

男は俺の護衛であるホムンクルスの飛び膝蹴りをまともに食らった。

 

それを皮切りに、次々と男をボコボコと殴ったり蹴ったりし始めた。

 

あ、ちょ。

 

 

「貴様!山田組長に何しやがった!」

「穂無ン苦流栖、舐めとんちゃうぞゴラァ」

「宣戦布告と受け取っていいのだな!」

「指1本じゃ足りねえぞ!」

 

 

 

「ま、待て!話を聞け!」

 

ホムンクルスは人の話を聞かない。

 

「おい!こいつらを止めさせろ!」

 

 

いやあ、止めたいのはやまやまなんだけど、今ホムンクルスはヤクザブームなんだよ。

 

ブーム中のホムンクルスを妨害すると、すごく落ち込んでしまう。だからブームにノリノリなホムンクルスは飽きるまで放っておくのが基本なのだ。

 

それに一応手を抜いている。ボコボコと蹴ったり殴ったりしているが、普通に話す余裕はあるし。もし本気なら既に肉塊になっているだろう。

 

 

さて、鑑定。

 

 

 

 

 

●簡易鑑定では情報取得ができません

 

 

 

 

 

…こいつ、簡易鑑定が効かない!

 

もしかしてこいつ、結構高位のユニットか?

 

 

 

 

「ま、待て!魔王軍に入ると多くのメリットがあるのだ!」

 

「いいか、先ほど使ったランキング表示権は非常に高価なのだ!貴様が逆立ちしても買えない権利だ!我々はこの権利を湯水のように使うことができる!」

 

「陛下に従うというのなら、この権利を含めて死の軍勢やイベントポイント、アーティファクト、他にも多くの物が陛下より与えられる!陛下に絶対服従するだけでいいのだ!」

 

「絶対服従?誰がそんなことするかよ」

 

 

「多くのユーザーが最初は不満を持つ。だが、陛下の指示通り動くと全てが上手くいくのだ!!みな顔色を変えて忠誠を誓うのだ!」

 

 

「絶対服従なんてするくらいなら下位連合軍に入った方がマシだ。あそこはユーザーを部下として扱ってくれるからな」

 

 

「は、あの女のことを言っているのか⁈陛下の魅力もわからぬあの愚か者が!」

 

「いいか、あいつは下位ユーザー全てを支配下に置いて自身がランキング上位争いに参加することを考えている」

 

「だが陛下は違う!既に多くの中位ユーザーを仲間に引き入れているのだ!戦力差は歴然!未だ下位エリアで燻っているあの女とは違うのだ!」

 

「俺たちはそのための仲間を集めている。陛下に従うのなら早いほうが良い。いずれ全ユーザーのトップになるお方!」

 

 

 

「さあ、陛下に従え!」

 

 

「お前みたいな偉そうな奴に従うかボケ!」」

 

 

峰打ちパンチ!!!

 

 

「グハァァッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●権利使用者が【ランキング表示権】を解除しました。次回中間発表時に山田氏の順位は公開されません

 

 

 

 

 

「解除したぞ…、さあ、もういいだろう。私を解放しろ」

 

「は?これで終わりとでも思ってんの?」

 

 

今のは、マイナスがゼロになっただけだ。

 

例えば、誰かを殴ったとして、その傷をポーションで治したら無罪になるか?

 

詫びが必要だろう?

 

 

 

 

「賠償して?」

 

 

 

 

俺は半泣きになったこの男から賠償として対呪シールドを貰った。これがあれば10年間呪いを無効化できるらしい。

 

 

 

やったね!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●能力制限についてのお詫びと補償に関するお知らせ

 

 

いつもお世話になっております、運営チームです。

まず初めに、突然の能力制限についてご理解よろしくお願い申し上げます。

 

この度はお詫びの意を表し、またご迷惑をおかけしましたことの補償と今回のエリア攻略報酬に関して、運営スタッフを派遣させて頂きます。

 

補償と報酬に関しましては、派遣する運営スタッフに全権を任せており、運営チームは一切の責任は負いかねます。




男の敗因
➀山田がランキング表示権の価値をわからなかった。
②山田のミュラーに対しての好感度が高かった(挨拶をする)(初手で攻撃してこない)(物事を強制してこない(部下に任せず自分から直接会ってスカウトする)
③陛下率いる魔王軍のことを山田は知らない)
④山田は偉そうで物事や人は全て自分の想像通りに行くと考えている奴が嫌い。利益度外視でその想像を壊したくなる。逆張り精神。
⑤この偉そうなやり方で既に何人ものユーザーのスカウトに成功していたため、まさかスカウト失敗するとは思わなかった。油断慢心。
⑥ホムンクルスが人の話を聞かない

SNS https://twitter.com/taiyoukuntax


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