ガチャと俺のプライベートプラネット 番狂わせの召喚王 【第1巻発売中!】   作:太陽くん

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変態仮装行列

 

ダンジョン第82層  アイモア海  豪華客船船上

 

 

いやー、バカンスっていいね!

 

俺が暇つぶしとして王様っぽいことや麻雀とかをして遊んでいたのだが、何と現在のダンジョンマスターから復興しつつあるダンジョンの視察をかねて、豪華客船で優雅にバカンスでもしないかとお誘いが来たのだ。

 

俺はこの誘いに喜んで飛びつき、近衛隊やその他魔王軍の上位士官達を連れてバカンスへとダンジョンに向かった。

 

 

向かった先は第82層。この層はダンジョンの運営などの政務を行う高位種族『魔人』達や彼等に仕える人々が暮らし、各層の有力者が別荘などを構えるリゾート地が存在する階層だ。今はダンジョン戦争の際に貴族同士による凄絶な内乱が発生して荒廃状態だが、それも部分的に復興しつつある。

 

 

 

アイモア海は魔のダンジョンで最も美しい海であるらしい。そんな海で俺は豪華客船に乗り、優雅なバカンスを楽しんでいた。

 

 

これこそ、王様の特権って奴だよ!今考えたら、俺って王様なのに王様っぽい暮らしをしたことなかったなあ。

 

用意された豪華客船は、元々はダンジョンマスターが保有していた豪華客船艦隊の一隻らしい。

 

 

艦隊って。豪華客船は別に専用の一隻があれば十分だと思うのだが。なんで何十隻もダンジョンマスター専用の豪華客船が存在してるんだ。船内は俺が想像していた以上に豪勢で、大きなカジノやレストランにシアターといった、様々な施設が充実していた。

 

ほんとあいつは散財しすぎだろ。いくらダンジョンマスターが超ド級の大金持ちだからって、金遣いが荒すぎる。そんなダンジョンマスターは暗黒騎士団の新兵からやり直し中で、今頃は過酷な訓練で鍛え直しているだろう。

 

 

 

 

降り注ぐ太陽の光が心地よい。昼寝してしまいそうだ。俺は氷が入った冷たいオレンジジュースをストローを通して飲みながら、ゆっくり寝そべる。

 

 

今は近衛隊が新鮮な鶏肉を串に刺して焼いて貰っている。炭火焼きだ、もうさっきから美味しそうな匂いが煙と共に流れてくる。

 

 

 

 

 

「おーーい、そろそろ焼け「「悪魔クラーケンだ!」」

 

 

 

 

 

 

「ぴぎゅあああああああああああ!」

 

 

「突撃!突撃ィィィィィィィ!」

 

「タコ刺身にしてやる!!」

 

「我が魔剣の糧となれ!」

 

 

 

豪華客船を襲おうと突如としてクラーケンが海中より出現し、その巨大な触手を伸ばし、豪華客船に纏わり付く。

 

だがホムンクルス達はすぐさま応戦しクラーケンに反撃。触手を血祭りにあげ、クラーケンの本体にまるで軍隊蟻のように群がり、分厚い皮膚を切り刻んで肉片へと変えていく。

 

 

絶叫を挙げながらクラーケンはたまらず海中へと潜行し逃げようとする。だがホムンクルスは海中であることなど気にせずしがみついて離れず、百人以上が群がるホムンクルス共々深く海の底へと、血で海を真っ赤にしながら潜っていく。

 

 

「ああ、遅れた!俺たちも飛び込むぞ」

 

「まだ間に合う!俺たちは水中戦闘装備、先行した奴らより有利だ!行くぞ!」

 

 

ボチャンボチャンボチャン

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

気づけば客船には俺と豪華客船の乗組員、数人のホムンクルスしか残っていなかった。

 

なんでだ?なんでこいつらには休むという考えがないんだ?休暇だぞ?

 

 

本来は優雅なクルーズのはずだった。ダンジョンにはダンジョン崩壊時に支配下ではない野生の魔物達が大繁殖し、今もなお駆除が続いている。

 

 

今回のクルーズでは既に駆除が完了しセーフティエリアとなった安全な海域を航行するはずだった。

念のため、護衛としてダンジョン戦争を生き残った護衛艦が配備されていたのだ。

 

 

 

 

 

しかしホムンクルス達がこれに反対。危険な海域にこそ行くべきだと主張しだしたのだ。

俺はもちろん反対した。「なんで休みの日に危険な目に遭わないといけないのだと」

 

 

だがホムンクルス達は「休みの日だからこそ、狩りをしたいんですが」と押し切られてしまった。

 

そんな訳で、不幸にも豪華客船の航行ルートに存在した魔物達はホムンクルスに発見され次第討伐されてしまっている。

 

 

 

 

 

 

「山田様ー、もうすぐ焼けますよ」

 

 

そうだ、全員が全員戦闘狂なわけではない。何人かのまともなホムンクルスはモンスターのことに興味を持たず、プールで泳いだり料理を食べ続けている。

 

 

 

近衛兵が焼いているのは怪鳥ブラックソード。爪が剣のように長く鋭いDランクモンスターだ。猟銃で撃ち落とした物を捌いて、串焼きにしたのだ。

 

 

「うっま、塩だけでも結構いけるな」

 

「ささ、タレもどうぞ。天才魔術師の工房にあったレシピ本を解読して作られたタレですよ」

 

「天才魔術師何やってんだよ。魔術の研究しろよ」

 

俺たちは豪華客船に残った数人で焼き鳥を食べていく。そんな中、一匹の犬が1人のホムンクルスに餌をねだっていた。

 

「お、お前も欲しいんですか?ははは、ちょっと待つっす」

 

「お前のペット?」

 

「僕がこの前ペットショップで買った犬です。触りますか?」

 

「うん」

 

俺はホムンクルスが抱いた真っ黒な大型犬の背中を撫でる。

 

 

「なんかひんやりしてる」

 

「遺伝子改良されて凍結魔術が使えるようになってますからね。狩りの時、獲物の鮮度を保つのに役立ちますよ」

 

 

そっか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

UC『日刊 宇宙空母を作ろう!』

 

 

 

出現したのは、一冊の雑誌と一本の大きなコンテナだった。

 

 

雑誌のカバーには、大きな宇宙空母から艦載機が出撃する様子で飾られており、背後には巨大な艦船が星々の間を航行する様子が美しく描かれている。

 

俺はワクワクしながら雑誌を見る。たまにCMでこういう初回購入特典が豪華な雑誌の宣伝を見ていたのだ。一度は買ってみたいと考えていたが、まさか今見る機会が得られるとは。

 

雑誌の中身は、宇宙空母技術の最新情報や宇宙開拓時代に生産された空母の設計図や方法に関する記事が豊富に掲載されていた。

 

 

さらには理解できない高度な宇宙工学や未知のエネルギーに関する記事、乗組員の訓練に関する特集記事も含まれている。

 

写真やイラスト、図表が満載で、俺は宇宙へのワクワク感を味わい、雑誌は俺のロマンを刺激し、宇宙の可能性についての探求心をくすぐり、何度も何度も読み返して思った。

 

 

 

 

 

いや、これ結構重要な本じゃん!

 

 

俺はガチャから宇宙に関するアイテムを多く入手している。衛星軌道上に存在する駅、海洋惑星や食物連鎖地獄惑星など、その他多くが宇宙に放置されている。

 

だが、この雑誌を元に宇宙空母を作れば、俺たちは宇宙へと向かうことが出来る!

俺はすぐさま妙物管理機構にこの雑誌のコピーを取らせ保管、コピーをマッドサイエンティストに渡して分析に取りかからせた。

 

 

 

そして雑誌の最終ページに挟まっていたハガキには、こう書かれてあった。

 

 

次号購入希望者はコンテナに物資を要求量まで投入してください。要求量投入後コンテナは出版社に転移します。返送は受け付けておりません、この物資転移が本誌の代金365日分前払いであり、コンテナ転移後、初回特典の『宇宙空母の一部』が送信されます。毎日一冊とおまけの『宇宙空母の一部』が送信され、365日後には宇宙空母が完成します。

 

 

俺はすぐにコンテナに物資を投入した。物資を投入すればするほど、コンテナのメーターが貯まり、価値の高そうな物を投入すればメーターが早く貯まる。

 

 

むむむ、結構資源を要求するな。だが宇宙空母に比べたら安い物だ。俺は物資を投入し続けコンテナは転移によって送信され、代わりに一本の金属棒が送られきた。は?

 

 

 

鑑定!

 

 

●宙域アンカー

 

宇宙空間内で座標を固定するアンカー。海上船でいう錨のような物です。専用の機材があれば起動できます。

 

 

 

………なんか微妙だ。というか、これ単体だと使えないじゃん。

 

俺は一抹の不安を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

朝目が覚めると、枕に一枚の紙が落ちてあった。

 

 

『倒産しました。探さないでください』

 

詐欺師め!

 

 

 

 

 

その後、どういう方法を使ったのか出版社の社員数十人が裁判にかけられていた。ちなみに弁護人はいないし、裁判開廷した瞬間に判決が下った。有罪、罰として強制労働らしい。

 

山田王国に弁護士は存在しないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

C『ラストエリクサー症候群』

 

 

 

RPGゲームなどにおいてエリクサーは貴重なアイテムであり、その効果はHPやMPなどを全回復させるという貴重な物。その貴重さから使用を控えた結果、一度も使わないこと。

 

 

 

出現したのは、紫色の一本のガラス瓶だった。

 

豪華な宝石や装飾品で飾り立てられ瓶は、美術館で展示されてもおかしくないほどに輝いていた。

 

紫色のガラスは光が透けて輝き、中に封じられた液体の輝きを際立てる。

 

瓶の蓋は金や銀で飾り付けられ、宝石や宝飾品がきらめいており、瓶の周りには細かな装飾が施され、瓶だけでどれだけの制作費が使われているのやら。

 

 

 

 

じゃあ、飲もうか。

ゲームではHPが回復するなどの効果だが、現実ではどうなるのだろうか。やっぱり不老不死とかかな?

 

なーに、一口くらいなら大丈夫大丈夫!

 

 

俺は瓶の蓋を開けようとした。

 

 

だが、開けることはできない。な、なんだ⁉、さっきまで開ける気だったのに、今は猛烈に開けたくない!

 

ラストエリクサー症候群。つまり、俺が飲むことを惜しんでいるのか⁉

 

 

その後俺は四苦八苦しながらエリクサーを開けようと半日を費やしたが、結局開けることはできなかった。

 

 

 

俺は深い落胆に包まれていると、スーツを着たインテリヤクザのような見た目のホムンクルスが話しかけてきた。

 

 

 

 

「閣下、よければエリクサーを貸していただけませんか?」

 

「いいよ、はい」

 

 

そのホムンクルスは普通に瓶を開けた。

 

 

「え、えぇ⁈」

 

「ラストエリクサー症候群、つまりエリクサーを貴重だと考えるから開けられないのです、申し遅れました。私こういうものです」

 

ホムンクルスが名刺を渡してくる。

 

 

ミナモトインダストリーCEO ヘラクレス

 

 

「我が社はすでにエリクサーの量産体制に入っております。ダンジョン第19層『永遠の森』にエリクサー製造プラントを既に5基建設しており、今後も増産すべく生産体制を整えていきます」

 

 

「先進技術を利用した我が社の製品、是非お楽しみください」

 

 

 

そうしてヘラクレスは帰っていった。ちなみにエリクサーは肉体的な傷を治すだけのようだ。

 

 

 

 

正直言ってホムンクルスが増えすぎた。今もホムンクルスが生産され続けており、はっきり言って俺はその全貌を把握していない。

 

 

まあいっか!その方が予想外の出来事で俺を楽しませてくれるし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第14エリア 天空山脈墓所クラレント 中央戦線

 

 

僕は道路国家ルテニアの新兵だ。別に愛国心とかがあったわけじゃない。ルテニアに軍に入れば奨学金も全額軍が払ってくれるし、有用な資格もほとんど無料で受けさせてくれる。

 

 

 

まさか、戦争に行くなんて思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

「おい新兵!さっさと対空弾を詰め込め!!」

「は、はい!」

 

 

 

僕は上官であるホムンクルスに従い、対空砲に弾薬を詰めこむ。ちなみにこの人は生まれて一か月も経っていないホムンクルスなのに、軍曹と僕よりも上官だし、威厳がある。

 

 

対空砲は自動で天使を正確に狙い、凄まじい弾幕で天使達を打ち落としていく。

 

だが、その弾幕も完全じゃない。苛烈な対空砲火を躱した純白の鎧に身を包んだ美しい騎士天使達が僕のいる陣地に突撃する。

 

 

 

「悪魔の軍勢がッッ、よくも同胞を!」

 

 

「うわああああああああ、来るなあぁぁぁぁ!」

 

「慌てるなッ、神器起動!孤月!」

 

 

 

軍曹が投げたブーメランは異次元の軌道で、押し寄せた天使達を真っ二つに切断する。

 

 

その天使達の死体が僕の目の前に落ちてきた。何も出来ずに一瞬で殺され、何が起きたのか分からないというような顔で、僕を見つめてくる。

 

 

「ひ、ひぃぃぃぃぃ」

 

 

「その程度でびびるな!情けない!」

 

あんたらがイカれてるんだ!

 

恐怖に震えていると、大地が揺れ、遠くの方からずしんずしんと響いてくる。まるで大きな動物の足音が近づいて来るかのようだ。

 

僕は音のする方向を見ると、土煙を巻き上げながら、四足歩行型超大型のロボットがゆっくりと歩いている。背中に搭載されたレーザーやミサイルが、あっという間に天使達を堕としていく

 

 

 

「な、なんですかあれは」

 

 

 

「移動駆逐艦のイアソンだ!あれの対空砲火で天使を落としてくれる優れものだぞ!傭兵め、高い金を支払っただけはある……む、ちょっと待て。本部から命令だ。総員集合せよ!」

 

軍曹が呼ぶと、周りのホムンクルス達が集まってくる。ホムンクルス達の魔王軍は装備に統一性がない。それぞれが自分の装備したい防具や武器を着込んでいるのだ。できの良い仮装パーティのようだった。

 

 

 

「総員傾聴!これより友軍である重魔法連隊の砲撃が敵陣地に降り注ぐ!俺たちはその間敵陣地に突撃し、敵を殲滅し制圧する!何か質問は⁉」

 

 

「な、何言ってんですか⁈砲撃中に突撃だなんで、正気じゃないですよ⁈」

 

「なーに大丈夫だ!砲撃で9割吹き飛んでも、残った1割が闘えばいい」

 

「そ、そういう問題じゃ………」

 

「簡単なことだ!武器をもって突撃するだけだ、それ以外は新兵に望まん!全力で走れ、足が無くなったら腕で進め!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?全軍突撃ーーッッッ!!!」

 

 

「一番槍は私だ!!!ユニコーーーン!!」

「ゲパルト対空戦車隊突撃!踏み潰せ!」

「燃やせ!全部燃やせ!あははははははははは」

「呪え!呪え!」

「ナマハゲ!ハゲーーーッッ」

「首よこせ!!血が足りない!魂寄越せ!」

「山田閣下ばんざーい!!」

「アチョーー!」

「よくわからんけど突撃します!ファイアー!!」

 

 

 

もうやだ…

 

 

 

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