ガチャと俺のプライベートプラネット 番狂わせの召喚王 【第1巻発売中!】   作:太陽くん

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お金持ちが大好きなあれ

山田ドラゴンガチャ王国 

ヘルメス宇宙センター

 

 

ロケットの発射施設や開発研究所などを一カ所に集めた宇宙センターを人工島に集める計画が終了した。

 

 

この計画のために作りましたよ、人工島。作り方は簡単、魔のダンジョンの魔術師団が何日も準備し、山のように並べた魔石と土や石などの材料を消費し、召喚魔法で超大型のゴーレムを生成、それを海に浮かべて陸地とした人工島である。

 

 

この人工島の優れているところは、ロケット発射に適した天気や風速、湿気などの環境が揃った海域に移動できるという点である。ロケット発射作業は繊細なのだ。このために人口島を誕生させた。

 

 

さらに宇宙旅行への願掛けとして、ヘルメス神のお地蔵様を宇宙センターの中心に神社を建設した。

 

ヘルメス神は旅の神でもあり、さらに空を飛ぶ靴を持っているのでここに設置する神としては適していると思われる。

 

 

 

そんなわけで、今日はロケットの打ち上げだ!

 

目の前には、宇宙服を着用したホムンクルス達。彼らは整列し敬礼をした。マスクで表情は見えないが、きっと宇宙への期待に満ちた表情をしているだろう。

 

 

「我ら山田魔王軍宇宙空軍、行ってまいります!」

 

「行ってこい!」

 

宇宙服を着たホムンクルス達がロケットの隣に建てられたエレベーターに乗り、そしてロケットに搭乗していく。

 

 

「第1ロケット『ドラゴンブレス』最終チェック報告!70%グリーン!20%イエロー!10%レッド!」

 

 

 

………………んん⁉

 

 

 

「打ち上げさえできればそれでいい!発射せよ!」

 

「いやいや、だめだろ!なんで70%しか出来てないんだよ!」

 

「この時間帯に発射成功の祈願を運命教会にさせているんです!何としてでもこの時間帯に打ち上げなければならんのです。3.2.1…発射!」

 

 

宇宙センターの所長が赤いボタンを押した。ロケットのエンジンが稼働し、赤い炎と凄まじい量の煙を排出する。

 

 

 

 

空を切り裂き、巨大なロケットが地上から咆哮とともに打ち上げられ、その尾を引くような炎が空に煌めきながら燃え盛るエンジンの力でロケットは次第に高度を増し、地球との重力の束縛から解き放たれようとする。

 

暗闇を切り開く炎の中、ロケットの外殻が煌々と光り、星のように輝いている。

 

 

そして、一際大きい輝きを放って、消えた。

 

 

 

「あっ」

 

「爆発しました!まぁ最初はそんなもんです。この失敗を無駄にしないようにしましょう」

 

「いや、大丈夫なのか⁈早く救出を………」

 

「ホムンクルスはあの程度で死にませんよ。それに今頃転移ゲートにいるはずです。さあ、時間がありません。次行きましょう」

 

 

ホムンクルスが倉庫から大型のロケットを運び出してくる

 

 

 

「…あれは?」

 

「第2ロケットです。今日は100本の様々なロケットを打ち上げていきますので」

 

「ええ………」

 

「さぁ、次の人員、搭乗開始!」

 

 

 

 

 

 

 

「第27ロケット、爆発!」

 

 

また爆発した………

これ一本にいくら使っているんだ?

 

もっと時間をかけて発射をすればいいと思うのだが………

 

 

 

「うーん、なかなか上手くいきませんね。でも大丈夫!データは集まってきてます!次発射する第28ロケット【青龍】は凄いですよ?仙法と栄養学、精霊術に龍脈学を応用した優れものです!」

 

 

栄養学……?栄養学を何をどうしたらロケットに軍事転用するんだよ!

 

ホムンクルスは基本的に好戦的なので、あらゆる技術を軍事転用する。

知的好奇心がまずい方向に振り切っている。ヤバい。

 

 

 

そうして、青龍は空高く飛んでいく。

 

だがこれまでのロケットとは違った。

 

光り輝くロケットは宇宙へ向かって旅路を切り開いていき、次第に遠ざかり光が小さくなる。

燃え盛るエンジンの力でロケットは次第に高度を増し、地球との重力の束縛から解き放たれていった。

 

 

「せ、成功です!」

 

 

ロケットに搭乗したホムンクルスから映像が送信される。近くには山田宇宙ステーションがあり、それに対して揚陸作戦を行うとのこと。

 

 

 

ああ、ロケットっていいなあ。世界中の金持ちが何故ロケット開発に精を出すのか分かった気がする。

 

 

 

「よぉし!どんどん打ち上げて行け!」

 

 

 

宇宙開拓時代の始まりだ!

 

 

 

 

 

と思ったら、ホムンクルス宇宙飛行士達はまともに行動できなかった。

 

一応宇宙空間での活動に備えて、訓練をしているとのことだったが、していたのは宇宙怪獣との戦闘シミュレーションと宇宙艦隊同士の戦闘シミュレーション、さらに宇宙映画を見たりしているだけ!

 

 

 

 

馬鹿!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今日の無料ガチャ!

 

 

宇宙戦艦とか来い!

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

SR『料理の基本さしすせそスキルパック』

 

 

調味料の頭文字。実は調味料を入れる順番を覚えるための語呂合わせ。

「さ」は砂糖。

「し」は塩。

「す」は酢。

「せ」は醤油。

「そ」は味噌。

 

醤油は昔はせうゆだったから。

じゃあ味噌はみ「そ」だから。お前だけ無理矢理なんだよ!

 

 

 

 

 

 

●スキルを5つ習得しました!習得したスキルは以下の通りです!

 

 

●錆神『滅』の権能

 

包丁で指を切りそうな時、包丁は錆びて粉になります!安心安全!

 

 

●焼土冥府の火

 

弱火から強火まで、火加減は調節可能!

 

 

●透き通った光輝く聖水

 

細菌や寄生虫はこれで一掃!衛生面でも安心ですね。

 

 

●絶対的捕食者

 

魚は体を硬直させてまともに動けません!ピチピチ跳ねないので調理がしやすくなります。

 

 

●狙撃手の瞳

 

食材の目利きが達人級になります。良い食材を選びましょう!

 

 

 

 

いや、説明とスキル名が合ってない!

どう考えても、スキルの説明間違ってるだろう!絶対料理用のスキルじゃないし!物騒すぎる!

 

 

………いや、これあたりでは?

 

なんかよく分からないけど、どれも強そうなスキル名だ!絶対役に立つ!

 

 

 

●ひらがな50文字頑張って集めましょう!

 

いや、さしすせそってそういう意味じゃねーから!

 

 

 

 

 

………まあ、とりあえず使ってみるか。俺は調理室を借り、料理の準備を始める。

 

 

 

 

まずは手を洗わないとな!

 

早速使ってみよう!『透き通った光輝く聖水』!

 

 

 

その瞬間、どうしようもないほどの吐き気を感じ、耐えられず口を開いた。

 

 

カボカボガボガボ!!!

 

の、喉の奥から水が止まらない!なんだこれ、不潔だろ!調理に使えないよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、マーライオン山田黄金像が建設された。

 

俺の見た目をした黄金像の口から温水が出て、足湯に使っていた。

 

 

 

 

………マーライオン要素ゼロじゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

C『噴水』

 

 

いや、大っきい!

 

 

出現した噴水は、遠目から見ても世界遺産に登録されてもおかしくないレベルに大きな噴水だった。

 

 

大理石で作られたと思われる噴水はマンションのように高くそびえ、豪華な花や天使、葉のモチーフなどで飾られ、湧き出る水しぶきが、キラキラと太陽の光を受けて美しく輝いていた。

 

水しぶきが上昇する中央には、美しい彫刻が施された噴水の柱がそびえ、水流が上空へと舞い上がりながら周囲にはしご状の水流が織り成す美しい模様が広がっていた。

 

高くから滝のように落ちる水が途中で分散し、霧のように散布され、俺はそれを吸ってしまった。

 

 

 

 

 

●悪魔世界の水を摂取しました。悪魔属性の武器との親和性が上昇します。悪魔召喚魔法の成功率と上位悪魔の召喚確率が上昇します。

 

 

は?悪魔?

 

 

俺は大仰に飾られた噴水を見た。

 

………よくよく集中すれば、微量だが魔力を感じる。それも異質というか、邪神の魔力に近い物だ。

 

 

 

………鑑定!

 

 

●悪魔の世界のとある湖に通じる噴水。噴水から湧き出る水は排水口で悪魔の世界に還っていきます。基本的に水しか戻せず、こちらから悪魔の世界に行くことはできません。

 

 

 

お前悪魔の湖なのに、なんか綺麗な雰囲気出してんじゃねーよ!!!

 

一気に不気味に見えてきたわ!

 

 

 

 

 

 

 

その後、ホムンクルスの手により、悪魔の泉は農業用水へと転換された。

 

元々出現した地域は特に水源がなく、周りには平らな土地が広がっている。せっかくの水資源、使わない理由はないとのことだった。

 

用水路が掘られ、既に大規模な農業が行われている。さすがは無限の体力を持つホムンクルスだ。

たった1日で地平線まで農作地となっている。農業ロボット猪鹿蝶もフル稼働だ。

 

 

………安全性は大丈夫か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ合衆国 NASA

とある宇宙飛行士視点

 

 

私はシステムウィンドウを展開し、その光景を見ていた。

次々と爆発し、それでも5回に1回は打ち上げ成功して宇宙へと旅立つロケットを。

 

地球の人間は誰でもシステムウィンドウを開いてユーザー達を観察することができた。このおかげで動画閲覧サイトやテレビ番組は大打撃らしいが、まぁそんなことはどうでも良い。

 

 

ロケットが宇宙ステーション(合衆国が使っているような小さなものではない、SF映画に出てくるような超大型)付近に停泊し、宇宙服をきたホムンクルスたちが無重力空間を泳ぐようにして、宇宙ステーションへと乗り込んでいく。

 

彼らはステーションの入り口に侵入し、そこまでの道への誘導灯や食糧品などの物資をロケットから運んでいく。

 

だがその作業は拙い。当然だ、彼らはまともな訓練なんてしていない。着慣れない宇宙服に拙い作業。地球から送られてくるホムンクルスばかりが増え、作業は遅々してと進んでいない。

 

 

私もいつか、宇宙に行くと考えていた。

長い間、訓練を受けてきた。いつの日かその訓練の成果を発揮する日が来るのだと。

 

 

だがそんな日は来なかった。

 

 

中位ユーザーの中に、宇宙艦隊を所持した奴がいる。このドイツ人は大規模な宇宙艦隊による超長射程からの正確な射撃により天使を撃ち落としていた。

そんな奴が地球に売り込んできたのだ。我々の宇宙船を買わないかと。

 

私たちが何億とかけて開発してきた宇宙ロケットよりもはるかに性能の良いロケットを超低額で買わせてくれる。今ドイツ政府を仲介として各国が購入交渉をしているようだ。今後宇宙事業はドイツ主導で行われるだろう。

 

アメリカ合衆国政府はNASAの予算を削減して、宇宙船を買うらしい。

 

でもそれを使うのは私たちじゃない。技術流出の阻止のため、ドイツ人ユーザーの所有するユニットである軍人が乗るそうだ。宇宙飛行士である俺たちは乗れない。宇宙関連事業では大幅な人員削減が起きるだろうと噂だ。

 

なんでもユーザーとユニットの取引では物を送り合うことができても、生き物はできないらしい。

だがこのドイツ人は、ユーザーの中で唯一星間航行を行うことが出来る。

 

今ドイツ人の宇宙艦隊が、搭乗員であるユニットを大勢乗せて地球へと向かっている。派遣会社のようにユニットを国家に雇わせるようだ。

 

 

結局、無駄だったのだ。私は宇宙に行くことはない。

 

「いいなぁ」

 

宇宙空間でわちゃわちゃしているホムンクルス達を見て、無意識に言葉が溢れる。

 

 

羨ましくもあり、腹が立ってくる。

私ならもっとできるのに。

 

ため息をついて、システムウィンドウを閉じる。

今日はもう寝よう、寝室へと向かい、ドアを開く。

 

「ご機嫌いかが?」

 

「うわぁ、え、え、いやなんで俺の部屋に、いやお前見たことあるぞ!」

 

目の前にいるのは、スーツ姿の男。コイツは…あのガチャから出た…

 

「ええ、ええ!私はスカウトマン!山田ドラゴンガチャ王国人事院人材発掘室室長のスカウトマンです!」

 

「どうですか、この映像?憧れましたか?羨みましたか⁈」

 

「まぁ、そりゃ」

 

「そこで提案です!山田ドラゴンガチャ王国で働いてみませんか!映像を見ればわかるように、まともな専門的知識を持ったホムンクルス達は皆無!あなたにホムンクルスを率いて欲しいのです!」

 

「さあ、どうします⁉私の手を取れば、すぐにでも宇宙へ!」

 

「…取るに決まってるだろ!宇宙に行きたいんだ!」

 

「では、夢を叶えましょう!この時空間ゲートに入った入った!」

 

「うわぁ!!!」

 

「家族への説明や荷物の輸送は後で行いますので心配はご無用!ささ、出発までしばらくはご歓談のほどを」

 

 

スカウトマンに連れられた空間には、大型の宇宙船?と大勢の人々が倉庫の中にいた。

 

彼らは皆楽しそうで、目は希望の光に満ちていた。

新参者の俺に気づいたのか、大勢の人たちが俺に殺到する。

 

「あなたはなんの専門家ですか?俺は数学科です!教師としてスカウトされました!」

「私は恐竜学者なんです!トリケラトプスに会えるなんて夢のようです!」

「俺はただの技術者だよ。一労働者の俺が、弟子を取ることになるとはな」

「僕の研究が認められた!母国よさらば!俺の研究に金を出さなかったことを後悔しろ!」

 

どうやらみんな、スカウトされたようだ。

人々の中には見覚えのある顔の奴らもいた。

ははは、なんだよ、みんな考えることは同じか。

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