幻想郷のドリフターズ   作:多聞丸

2 / 2
八雲紫に幻想郷へ招待された島津豊久。彼は一体どこへ連れていかれたのだろうか。


#2 流転の先

ー?ー

豊久は懐かしい夢を見た。まだ自分の父が生きていた時の話である。豊久の初陣は沖田畷の戦いであった。元服もしていない13の頃、父であり総大将であった島津家久は僅かな手勢で、『肥前の熊』と恐れられていた龍造寺隆信を討ち取った。彼もその初陣の戦いで首を1つ取った。朝鮮の役でも前線で戦った。本当に永き夢であった。亡き父から起きろと言われた気がした。

 

豊久「う…」

?「?!起きた?!し…師匠!!」

 

豊久の薄目には兎の耳がついた少女が駆けていった。

 

豊久(ここは…何処じゃ…)

 

傍には自身の甲冑と野太刀が置いてあった。ドタドタ!という音がした。

 

?2「…あんな傷を負ってまさか生きているとはね…」

?「あ…貴方もう大丈夫なんですか」

豊久「…おまん達が俺(おい)を助けてくれたんか」

永琳「私は八意永琳。この永遠亭の医者よ」

鈴仙「こ…ここの研修医の鈴仙・優曇華院・イナバです」

永琳「貴方の名前は?」

豊久「… 島津中務少輔豊久」

永琳「はっ…?」

 

思わず素っ頓狂な声が出た。島津豊久は400年前の人物である。彼は烏頭坂の戦いで井伊直政と戦い死んだはずである。

 

永琳「…本当に島津豊久?」

豊久「それ以外に何があっ」

永琳「…」

 

嘘をついている訳じゃないらしい。だとすれば過去の人物が幻想郷に入ったことになる。

 

永琳(…またあの女は…)ハァ…

豊久「…すまんな。俺は帰らんと行かん」

鈴仙「か…帰るってどこへ…」

豊久「決まっちょい、薩摩じゃ」

鈴仙「さ…薩摩?」

永琳「…この世界に薩摩はないわよ。ついでに言うと侍もいないわ」

豊久「?!どうゆう事じゃ!」

永琳「ここは貴方とは別の世界よ。徳川幕府もなければ島津氏もいないわ」

 

豊久は愕然とした。生き残ったなら薩摩に帰ろうとした。しかし自分のいた世界とは別の世界に来ていた、もう帰る場所もない。

 

豊久「…おじ上は…薩州に帰ったんじゃろうか」

永琳「…ええ、彼は薩摩まで帰ったわ」

豊久「…なら良か」

 

ー迷いの竹林ー

豊久「送ってくれてあいがとでごわす」

鈴仙「い…いえ。この竹林は迷いやすいので…」

鈴仙(…侍って師匠が言ってたわね。妖夢とはまた違った格好だし…)

鈴仙(…とりあえず博麗神社に連れて…)

 

ガサガサ…

 

豊久「…!」

 

バッ!

 

豊久に向かって妖怪が襲いかかってきた。

 

鈴仙「?! 妖怪?!」指向け

 

鈴仙が弾丸を撃とうとした時、既に抜刀した豊久が飛び出した。そして鉤爪の妖怪を一刀両断にした

 

妖怪「ぎゃあああああ?!」バサッ!

鈴仙「あわわわわ…」

 

幻想郷では妖怪は人間より強い。だがしかし、この男は戦国時代を生き抜いてきた。しかも薩摩武士は幼い時から武芸を教わっている。戦国時代の日本人が渡来してきた宣教師が評価しているのは軍事力の高さである。農民ですら石で人を殺める術を教わると当時の資料には書かれている。

 

豊久「大丈夫か?」

鈴仙「は…はい」

豊久「そうか…なら良か」

鈴仙(こ…この人…何者…)

 

ここは幻想郷、忘れ去られし者が来る場所である。そこに1人の侍が幻想郷入りした。




#2 はここまで。薩摩弁って難しいですね…。昔の忍者が薩摩弁だけは習得が難しかったと言われてますね。第二次世界大戦の時にアメリカ軍が暗号解読しようとした時、薩摩弁で書かれたやつは混乱したそうですね…。次回は人里編。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。