ハケン・ユーティリティ   作:ジョイン君

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彼女の侵攻


Resonant Defensive

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-93

 

 それは廃墟から湧き出た。

 

 ゲヘナで、トリニティで、ミレニアムで。

 

 そしてD.U.近郊、耽溺のオントロジーから。

 

 どこに隠れていたのか。

 いつから潜んでいたのか。

 

 歯車を幾重にも重ねて作られた歪な威容の集団。

 

 ドローンが、機械兵が、巨大な機体が。

 

 キヴォトスの三大学園、そしてD.U.へと布陣する。

 機械仕掛けの軍隊、見覚えのある機械兵やドローン、しかしその機体たちの周囲にはきらきらと輝く半透明な歯車のような何かが浮いている。

 

 その軍隊の中に一体ずつ存在する巨大な機体にも同様の現象が見て取れる。

 

 その歯車を浮かべた謎の集団は、廃墟の中から次々と湧き出て街へと歩みを進める。

 その進軍速度は決して早くはない。

 

 しかし、その無機質な集団の進軍は、速度は遅くとも異様な威圧感を放っていた。

 

 廃墟から湧き出てきたその威容は程なく廃墟を埋め尽くし独特な威圧感を放つ。

 

 それは各学園に住まう者たちが遠目から見てすぐさまわかるような異質さであった。

 

 

 

 

 

 市街地より離れた廃墟、荒野から謎の機械の集団が現れ、進軍して来るという報を受けたゲヘナ風紀委員会。

 

 ヒナはイオリや他の風紀委員たちを引き連れ、現場へと向かっていた。

 

「アコ、先生からの連絡と情報の精査は終わったかしら?」

 

 通信機器、そのモニタに表示される、風紀委員の執務室に待機しているアコへヒナは声をかける。

 

『はい…現在先生からの情報によればゲヘナ以外にトリニティ、ミレニアム、D.U.地区に同様の集団が現れ、ゆっくりと進軍をしているとのことです』

 

「そう…先生はどう動くか、聞けたかしら?」

 

『先生は現在アビドス廃校対策委員会の面々と行動を共にしているため、D.U.地区での迎撃に当たるとのことです。そしてそれに目途が立てば…』

 

「元凶を叩きに行く、ということね…とはいえ、ここから見える敵の物量…個々の戦闘能力は直接当たってみなければわからないけれど少し骨が折れそう…例の耽溺のオントロジーの場所は特定できた?」

 

『はい、先生からの連絡に座標の位置も合わせて送られてきました。まぁ、突然現れた巨大建造物ですし…うっすらと見える方角からも間違いはないかと』

 

「私の端末にも送っておいて。そろそろ現着するからいったん通信は切るわね。何か問題や追加の情報があったら適宜連絡を」

 

『わかりました…お気をつけて、ヒナ委員長』

 

 通信を切る。

 

 ヒナが現着のために乗っている車から、すでに見えてきているその集団へと目を向ける。

 ドローンや機械兵には別段目を向くものはない。

 なんなら、少し型落ちではないかという印象を受ける。

 

 しかしその機械の波から頭をのぞかせる巨大な影、そして目にすることのあまりない鋭角なフォルムを感じさせる、巨体の横を浮かぶ戦闘機。

 その威容は何度か目にしたことのあるゴリアテとはまた違う重厚な印象を受ける。

 そしてその隣を飛ぶ戦闘機。

 知識にあるそれとは微妙に違うそのフォルム。

 見た目通りに素直に空を飛ぶだけで済めば面倒がないだろうに、と少し諦観の念を持ちつつ、搭乗していた車はその集団の進軍する方向の手前、市街地から少し離れ、すでに待機をして迎撃態勢を整え始めていた風紀委員たちの元へとたどり着く。

 

「委員長!」

 

 車から降り、陣地の前方へと向かえばヒナに気づいたイオリが駆け寄ってくる。

 

「イオリ、先行お疲れ様…状況は?」

 

「まだ本格的に戦闘を行っていないからなんとも言えないけど…威嚇で撃った遠距離砲撃に対してはあの空を飛んでるヤツにいくつか迎撃されたけどそれ以外は着弾して最前線を進軍している歩兵やドローンに何発か当たった…んだけど」

 

「だけど?」

 

「…ヤツらはそれに対して何か反撃を行うでもなく、そのまま進軍を続けてる。高所から様子を見てる風紀委員からの話だとここから見える廃墟一帯から次々と湧き出て正面のこの集団に続々と集まってるらしい。ただ真っすぐ、ここを突破するつもりでいるみたい」

 

「そう…チナツは?」

 

「少し下がった場所に医療用の簡易テントを立ててもしも怪我人が出た時にすぐに応急手当ができるようにしてもらってる…ここ最近に訓練内容で重点的にやってたこと、だしね」

 

 イオリはそう言って視線を落とす。

 大規模な戦闘行為に際し、救護班と連携をし、すぐに引き渡すために前もって応急処置をする必要性やその手順を訓練にて重点的に行う事の重要性を問い、それを実践へと反映したのは誰だったか。

 

「ねぇ委員長…ハジメはやっぱり、こうすることを見越してたのかな?キヴォトスに終焉を、なんて本気で言ってたのかな?」

 

 肩を落とすイオリ。

 ヒナが周りを見渡せば、その周囲の風紀委員たちも皆一様に同じように下を向いてしまっている。

 誰も憤っているような様子がない。

 彼女の言葉の通りならば、こんな《騙された》状況だというのに。

 

「ねぇイオリ。それに皆も…少し、おかしいと思わない?」

 

 ヒナは一歩、敵集団のいる方向へと足を踏み出す。

 その様子をイオリは、風紀委員たちはじっと見つめる。

 続く言葉を聞き逃さぬよう。

 ヒナは肩にかかる豊かな髪を手で背へと流し続ける。

 

「私、ハジメのことは大切な友人だと思っているし、実務面でも信頼しているわ...でもね、何かをやらかしたときのあの子のこと、全然信用してないのよ」

 

「…へっ?」

 

 ヒナの言葉にイオリや風紀委員の面々は唖然とする。

 まさかあの風紀委員長から、限定的とは言え、信用していないという言葉が出るとは思ってもいなかったのだ。

 

「あら、だってあの子の空回りは皆も知っているでしょう?何人かは直接見ている子もいるのではないかしら。あの子はいざって言う時は全然自分を顧みないし、全部自分の責任にして話を納めようとするじゃない?」

 

「そんなこと…は…いや、ある。確かにハジメってそういうところある!!」

 

「でしょう?」

 

 否定をしようとしたイオリは心当たりがあったのか、意見を翻す。

 周りの風紀委員たちも思うところがあったのか納得した顔や少し遠い目をしている者たちもいる。

 

「だから今回もどうせ何かやらかしてこんな事になったに違いないわ...まずは私が正面から打って出て、あの大型に当たる。イオリたちはそれ以外の奴らをここから通さないように。余裕があれば援護をお願い…それと」

 

「それと?」

 

「あとでハジメに言う恨み言、きちんと考えておくこと。これだけ面倒な状況を作ったんだもの、みんなできっちり文句を言ってやらないと。そうでしょう?」

 

 そう言って、ヒナは【終幕:デストロイヤー】を担ぎ上げ、コックハンドルに手をかける。

 そして通信機のスイッチを入れ、風紀委員各員に持たせた通信機へと指示を送る。

 

「…ゲヘナ風紀委員会各員に通達。これより正面の敵集団へ突撃する。各員最善を心がけ、目前の対象を制圧する事、通信終わり」

 

 通信機のスイッチを切り、ヒナは前方の敵集団へと駆け出す。

 ヒナのその矮躯に似合わぬ大きな愛銃を抱えてなお、その速さは弾丸の如き苛烈さで。

 

「よし!みんな!私たちも委員長に続け!目の前の規則違反者どもを蹴散らすぞ!!」

 

「「「「「「了解!!!」」」」」」

 

 イオリの激に風紀委員たちは応え、共に駆け出す。

 

 ゲヘナ学園防衛戦が、これを以て開始されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 同時刻、トリニティ総合学園近郊。

 

 廃墟やカタコンベへとつながる地下通路と思しき場所から次々と湧き出た集団は、ゲヘナと同じくトリニティ総合学園へとその歩みを進めようとしていた。

 

 そこかしこから出てくる機械の波は、やがて一つの塊となりトリニティへと押し寄せようと進軍する。

 それはあまりにも露骨とも言える敵対の意思。

 迎撃すらもすべて飲み込むと言わんばかりの鋼の津波。

 

 それはゆっくりと、静かに、だが確実にトリニティ総合学園へと押し寄せていた。

 

 

「…周辺から次々と湧いたドローン及び機械兵は正面のあの大型に合流、そのまま真っすぐとこちらへ向かっているようです。高所に展開済みの狙撃部隊からの報告からも間違いないかと」

 

 ハスミの言葉にその場にいた他の生徒たち、正義実現委員会とティーパーティー所属の生徒たち、そしてイチカ、ナギサ、セイアは顔を見合わせる。

 イチカはその言葉に頷き、正義実現委員会の生徒へと指示を送る。

 セイアはナギサへと視線を送り、ナギサはその視線を受け、イチカと同様にティーパーティーの生徒たちへと指示を出す。

 

「前線は正義実現委員会に任せる。ティーパーティーはその後ろから榴弾砲での遠距離支援と漏れてきたドローンや歩兵の対処に回ろう」

 

「了解っす、正義実現委員会(こっち)も基本はツルギ委員長の遊撃に任せて漏れた前衛を狙撃と前線で排除っす。榴弾支援で奥側を散らしてもらえば対処もだいぶやりやすいっすね」

 

 セイアの提案にイチカが答え、正義実現委員会とティーパーティーの生徒たちは各々の持ち場へと散っていく。

 

 ダァン、ダァン、と響く2発の銃声。

 

 それは現在ハスミやナギサ達が集まり陣を敷いている場所よりも少し先の高所から響いた。

 

 目の前から進軍してくる波の中央、大型機の片方、飛行しているクルーズチェイサーが突然その場で機体を360度回転させるような機動を見せる。

 その場で見ていた者たちは一瞬その動きに目を奪われる。

 

 ハスミはその動きをした飛行型の大型機からは目を離さずに、通信機を耳に当てる。

 

「…はい、なるほど、こちらでも共有しておきます。念のために即座に狙撃位置の変更を。撤退も視野に入れてください…気をつけて」

 

 ハスミは通信機に当てていた耳を離すと、その場にいた面々に向き直る。

 

「今マシロから連絡が入りました。中央の大型の機体へと超長距離の狙撃を試みたところ、重量型の方は大したダメージも見受けられず、飛行型の方は狙撃と同時に旋回行動を取り、回避されたとのことです」

 

「ふむ…どちらも簡単には撃退させてくれないようですね…」

 

 ハスミからの情報共有にナギサがそう返す。

 

「と、なれば…」

 

「こちらも最大戦力をぶつけてどうにかするしかあるまいよ」

 

 ナギサの呟きにセイアが返し、そして。

 

「…え?最大戦力って私と剣先ツルギの事?」

 

 うへぇ、と表情を歪ませるミカ。

 ツルギは微動だにせず重量型の大型機へと視線を向けている。

 ミカの傍らに立つコハルは所在なさげに視線を落としている。

 

「デカい方は私が破壊する」

 

「それじゃ、私とコハルちゃんであの飛んでる奴かぁ」

 

「…えっ!?わ、私も行くの!?…行くんですか!?」

 

 ミカの言葉にコハルは驚いて声を上げる。

 この作戦の重大な局面でまさか自分が最大戦力と共に行動するなどとは思っていなかったのだ。

 

「あれ?行きたくない?私も正直めんどーい。あんなよくわからない玩具みたいなの相手にしてる暇あったらさっさとハジメちゃんのところ行きたいよねぇ」

 

「そのためにもさっさとあれを片付けないとという話なのだが…」

 

「わかってるよーだ!セイアちゃんっていちいち細かい事言うんだから!」

 

「…ミカさん、軽口の類であることはわかるのですがあまり周りの士気を下げるようなことは…」

 

「ナギちゃんまで!?うわーん!私の味方はもうコハルちゃんだけだよー!!」

 

「ひょわっ!?ミカ様!?」

 

 泣き真似をしながら縋り付いてくるミカにコハルは悲鳴じみた声をあげる。

 その様子をナギサとセイアはため息をつき、ハスミは苦笑しながら見ている。

 ツルギは視線を反らさず、イチカを含めた他の生徒たちは少し驚いた様子だ。

 なぜかコハルに縋り付いたミカに顔を真っ赤にして慌てたコハルだが、今この時も近づいてくる驚異を目にし、抱き着くように縋り付いているミカの顔を見上げ、口を開く。

 

「そ、その、ミカ様…確かにハジメになんでこんなことをしたのかって問いただしたい気持ちはありますけど…め、目の前の脅威をそのままにするのはやっぱりよくないっていうか…み、みんな困っちゃうし、きちんと解決してからにしないと…」

 

「えー?でもハジメちゃんさえ止めちゃえばアレもなんとかなると思うんだけどなぁ…」

 

「そ、それに!これがハジメがやってることならきちんと止めないとなんです!わ、私はハジメの先輩だから!」

 

 コハルが発したその言葉に周囲の目が一気に向けられる。

 ある者は驚いたように。

 ある者は感動を覚えたように。

 歓喜、高揚、瞠目、様々な視線。

 

 その言葉を聞いたミカは、

 

「そっか、それじゃあコハルちゃんは私と一緒にあの飛んでるのだね!」

 

 そう嬉しそうに言う。

 

「は、はい!…ってぇ!?い、いやいやいや!私がミカ様と一緒に行っても足手まといになるだけで役に立てないでしょ!?…ですよ!?」

 

「え?そんなことないと思うけどなぁ…ハジメちゃんとここ最近訓練がんばってたでしょ?どんなこと習ってたの?」

 

「へ?ど、どんなことって…遠距離の精密射撃とか、密集した集団への効率的な投擲物の使い方、とか」

 

「おあつらえ向きじゃんね?書類仕事とかも一緒にしてたんだっけ?模擬戦もしたの?」

 

「しました、けど…正直手も足も出なくて、ハジメは投擲物オンリーでやってたくらいで…それだってたまにしか勝てなかったし…!」

 

「コハル、()()()()

 

 皆がミカとコハルのやり取りを見守っている中、その言葉にミカもコハルも、ざわついてた周囲すらも口を噤む。

 ツルギの放った一言で。

 

「ツルギ、委員長…」

 

「私はあのデカブツに突き進む。コハルとミカ様でアイツだ」

 

「ミカでいーよ、剣先ツルギ」

 

「ツルギでいい、ミカ…コハル、お前はミカのサポートだ。模擬戦場で私相手にハジメと何度もやっただろう。私がアレに代わって、パートナーがハジメからミカになっただけだ。いつもよりラクになったくらいだろう」

 

 コハルは思い出す。

 耽溺に沈んでいた、しかし確かにそこにあった日常を。

 後輩を自称する友人と過ごした日々を、訓練を。

 後輩と共に立ち向かった偉大な委員長との相対も。

 

「…普段よりも周りが騒がしい事は間違いないが、そこは周りがなんとかする。正義実現委員会各員、ミカとコハルの周辺の敵の掃討を優先」

 

「「「「「了解っっっ!!!」」」」」」

 

 ツルギの指示に正義実現委員会一同が応える。

 

「ティーパーティー一同、榴弾砲による遠距離からの先制制圧を優先。状況を見て正面への迫撃砲も使用できるよう準備を。前衛ができるものは正義実現委員会の方々と連携しつつ怪我人が出た時はそちらを救護委員会の方へ移送できるように準備を」

 

「「「「「かしこまりました」」」」」

 

 ナギサの言葉にティーパーティー所属の生徒たちも恭しく答える。

 

「コハル、我々正義実現委員会が、ティーパーティーの皆さんが全力であなたたち3人をバックアップします」

 

「ハスミ先輩…で、でも、ほんとに私がミカ様と一緒になんて…できるんでしょうか…」

 

「…コハル、あなたの先輩としてあなたが後輩にすべきことを一つ教えてあげましょう。それは…」

 

 ハスミはそこで一度言葉を切り周囲への指示伝達を終えて傍らに待機していたイチカへと目を向け、続ける。

 

「後輩の尻拭いと、それをネタにして先輩風を吹かせ続ける事、ですよ」

 

「…へ?」

 

「ちょっ!?ハスミ先輩勘弁してくださいっすよ~!!私は私ですごい苦労してるっすよ~!?」

 

「えぇ、イチカの頑張りには日々助けられてますよ」

 

 突然水を向けられたイチカが叫び、それを笑いながら答えるハスミ。

 

「え、えっと…」

 

「ハジメが先輩と呼ぶのはこのトリニティではあなただけですよ、コハル」

 

「確かにそうっすね。つまりハジメさんの問題は全部コハルに丸投げっす!コハル!任せたっすよ!」

 

「えぇ…」

 

 ハスミの微笑みに、イチカのいっそ清々しい丸投げにコハルは困惑する。

 

「うぐぐ…わかってはいたけど…やっぱり面倒なタイプだったわね、私の後輩…!!わかりました!やりますよ!私とミカ様であの空飛んでるヤツなんてあっという間になんとかしちゃいますから!!ミカ様、準備しましょ!!」

 

「おっ、やる気満々だー☆あんなのささっと片付けてハジメちゃんにデコピンしてやりにいこーね!」

 

「デコピンなんかじゃ足りませんよ!お尻ぺんぺんもしてやらないと気が済まないんだから!」

 

「あっははは!ハジメちゃんのお尻おっきいから叩き甲斐ありそ~!」

 

「椅子にギリギリ座れるくらい徹底的にやってやるんだから!それじゃ、一度準備してすぐに戻ってきます!」

 

 どこか吹っ切れたようなコハルはミカを伴って臨時の装備保管用のテントへ歩き出す。

 銃弾や投擲物を用意するのだろう。

 

 そんな二人の背中を見送ったハスミとイチカは顔を見合わせ、

 

「…ギリギリ座れるくらいで済ませるっすね…」

 

「コハルは優しい子ですから…」

 

 お互いに苦笑し合う。

 

 少し弛緩した空気は、ハスミが表情を切替ることによってすぐさま元の張りつめたものへと戻る。

 

「ではイチカ」

 

「こっちの部隊はコハルの身の安全を最優先、ミカ様は…多分自力でなんとかできるでしょうし優先度はコハルっすね」

 

「お願いします。こちらはツルギの通った道に残る物の掃討を優先に。どちらを先に打倒したとしても状況を見て速やかにもう片方へ合流しましょう…ツルギはどう動きます?」

 

「…デカブツを処理したら残りは適当に…きひひ…くひっひひひひ!」

 

 先ほどまでの冷静な様子から一転、ツルギはいつものように、否。

 いつもよりも幾分か高揚しているような様子であった。

 

「随分と機嫌がよさそうですね、ツルギ」

 

「そうっすね…まるで先日にハジメさんと正面から敵拠点に突っ込んだ時みたいな…」

 

「お待たせしました!!」

 

 ツルギが笑いを零し、その背を見るハスミとイチカの元に、肩に掛けた鞄を先ほどよりも膨らませたコハルが駆け寄ってくる。

 その後ろを着いてくるミカはニコニコと満面の笑顔だ。

 

「うふ、きぃへっへっへっへ……」

 

 その言葉を聞いたツルギは常の不気味に聞こえる笑い声を漏らし。

 

「わかりました…それではナギサ様!」

 

 ハスミはティーパーティーへと指示を飛ばしていたナギサとセイアの方へと声を上げ。

 

「…それでは皆様、礼砲は略式で。ですが、正義と肩を並べている事ををお忘れなく、お客様のお見送りも、丁寧に」

 

 ナギサの合図にセイアは砲手たちへと、

 

「これよりトリニティ防衛戦の狼煙を上げる」

 

 張り上げるような大きな声ではない。

 それはただ静かに、耳朶を軽やかに通り抜けるように、砲手たち全員が聞き逃すことのない、旋律のような調。

 

「第一射はすでに全砲放つのみである。招かれざる客であろうとトリニティの矜持で懇切丁寧に見送ってやろうではないか…総員、第一射。Feuer(ファイエル)

 

 セイアの放った言葉に砲手たちは一斉に第一射を放つ。

 放たれた榴弾は弧を描き、客人(敵集団)の正面に、中ほどに、広範に渡り、着弾し。

 

 

「さあ!暴れる時間だぁぁぁぁああああ!!!!」

 

 

 大音量の雄叫びと共にツルギが砲弾の如き勢いで今しがた榴弾砲により被害を受けた敵集団へと真っすぐ突き進む。

 

「コハルちゃん!行っくよ~!!」

 

「は、はい!ミカ様!!」

 

 コハルへと声をかけ、軽やかにステップを踏むような動きでツルギに追随するように走り出すミカ。

 その速度はその見た目とは裏腹にやはり凄まじい勢いであった。

 

 それを追うコハルは全力疾走の体で足を踏み出す。

 先の二人に比べればいくらか不格好に見えるその後ろ姿は。

 

 

「前衛総員!3人に続くっす!!」

 

 

 一歩一歩がしっかりと大地を踏みしめ、揺れることのない正義の如き芯が見えるものであった。

 

 

「正義実現委員会一同!各々の正義を実現してください!」

 

「ティーパーティーの皆様!無粋な客人の方々に教えて差し上げましょう!トリニティ総合学園を!!」

 

 ハスミはそう叫び、自らも走り出す。

 ナギサが檄を飛ばし、ティーパーティーが正義と共に駆け出す。

 トリニティ総合学園防衛戦が、これを以て開始されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 同時刻、D.U.、ブラックマーケット郊外廃墟地区。

 

「カンナ局長!周囲に市民の姿はなし!各員の戦闘準備も間もなく終わります!」

 

『局長ー、こちら生活安全局の合歓垣、敵集団の予測進軍経路上の市民のみなさんの避難は滞りなく進んでますよー。なので終わったらドーナッツか休暇あたり融通してもらえないかなーって…』

 

 周囲のヴァルキューレ警察学校の生徒たち、そして通信機越しに報告を送ってくる合歓垣フブキの呼び方に尾刃カンナは目を瞑って軽く息を吐く。

 

「…お前たち、私は今は臨時の公安局長だと知っているだろう…」

 

「なーに言ってんですか!」

「カンナ局長以外に公安局の長は務まりませんって!」

「先日も多大な功績をあげて正式に公安局長に返り咲くのはもう決まったようなものじゃないですか!」

 

『カンナ局長は立場が揺らぐことも厭わず市民たちの安寧を勝ち取った素晴らしい人です!中務キリノ、現在の地区の避難誘導を完了しましたのでご報告いたします!ほらフブキ!次の地域に移動しますよ!』

『えぇー…もう指示された予定区域はここで終わりじゃん?そんなに張り切らないで一度そのへんでドーナッツでも食べてゆっくりとさぁー』

『何を言ってるんですかフブキ!市民の皆さんの安全を最優先にして動くのが私たち生活安全局の使命ですよ!』

 

 いつの間にか通信機の向こうからの声が二人分に増えていることにカンナは少し口角を上げる。

 生活安全局の生徒たちに避難誘導の指示と注意喚起の指示を飛ばしたがこの二人は他の生徒に比べれば圧倒的に仕事が早い。

 通信機越しの言葉の通りにキリノだけが張り切っていたのならこうはなるまい。

 なんだかんだでフブキもキリノと共にやるべきことをきっちりやり切っているという事だろう。

 

「いや…合歓垣、中務両名は他の地域よりも早く指示を完了している。それより先の地域への誘導や注意喚起を行うとしても他の者たちが終わるまで時間を空けるべきだろう」

 

『おぉ!?ということはつまりこのまま休憩してドーナッツを貪れるという…』

 

「そんなわけがあるか馬鹿者め。お前たち二人には一度こちらに戻ってきてもらう。今回の作戦には我々ヴァルキューレ警察学校の総力を以て当たる。生活安全局のお前たちにもきっちりと働いてもらうからな」

 

『中務キリノ、了解です!ほらフブキ!すぐに戻りますよ!』

『うへー、マジで?…はいはい、合歓垣フブキ、りょーかいぃ…』

 

 やる気のある声に心底面倒に感じていそうな声。

 二人の声に再度合流の指示をして通信機を弄り、フブキたちからの通信に一度待たせていた相手へと周波数を切り替える。

 

「すまない、待たせたな…さっきの通信から何か動きは?」

 

『特には。すでにRABBIT1、2両名共に敵側面に布陣、捕捉されていないとは言え、こちらを気にすることなく敵集団はゆっくりと前進を続けています。RABBIT3、4も予定のポイントに配置完了しています』

 

 通信機越しにカンナの耳に届くのはRABBIT1…SRT特殊学園所属、RABBIT小隊の隊長を務める月雪ミヤコの声だった。

 

「流石に仕事が早い。それでは当初の作戦の通り、正面で()()があがったらそちらも横っ面から奇襲をしてくれ。追撃や撤退の判断はRABBIT1の君に一任する。どうしても指示が必要と判断した時にはこの通信の周波数とは別に用意した非常用の周波数から通信を飛ばす。その場合は済まないが戦闘行為を最低限にして通信を受けることを優先してほしい…まぁ、必要はなさそうだがな。他に何か確認をすることはあるか?」

 

 カンナの言葉にミヤコは少し間を空けて、

 

『…確認というか、気になる点はひとつ』

 

「なんだ、言ってみろ」

 

『この襲撃は、本当に安納さんがキヴォトスへの敵対のために起こしたものなのでしょうか』

 

「…月雪、いやRABBIT1も安納とは見知った仲か」

 

『はい、何度か親交を深める機会がありまして。私たち小隊一同皆安納さんとは交流をさせていただきました。小隊の行動に関して意見を交わし合ったりとか…特にRABBIT2は安納さんの勤勉な姿勢を気に入ってよく話していましたね』

 

「ふむ…では私見で構わない。この襲撃が安納ハジメが起こしたという事に疑問を覚えたのは何故だ?」

 

()()()()()()()()()()()()。私たちの知る安納さんの勤勉さ、伝え聞く優位性、安納さんと共に先生の指揮の元、暴徒を鎮圧した経験。それらを踏まえて現在各地にて発生しているという此度の襲撃はあまりにもお粗末すぎる。これではまるで…』

 

 ミヤコは一度言葉を切る。

 カンナはそれに言葉を挟むことなく無言を貫く。

 沈黙で、続きを促す。

 

『まるで、襲撃をしたという事実のみを求めた自爆行為です。確かにこの襲撃に用意された敵集団の物量は非常に多い。あの大型2体も脅威でしょう。しかしそれにしても運用があまりにも…』

 

「あまりにも安納ハジメらしからぬ無能な采配だ、ということか?」

 

『…率直に言ってしまえば』

 

「…同感だ。ただ、今回のこの一件、実は少し心当たりがある。数日前の話になるのだが…たまたま勤務中の空いてる時間に安納ハジメと出くわして聞かれたことがある。詳細は省くが…その時聞かれた内容をかいつまんで言えばこうだ。『自分が罪人だと出頭したらどうしますか?』だ」

 

『…それはまた…随分とピンポイントな…それに尾刃局長はどう答えたのですか?』

 

「裁きには理由が必要だ、と答えたよ。何しろその時には動機や犯行の証拠を聞いても何も出てこなかった。それでは法の番人たる我々は何も動けない」

 

『…その、つまりこの襲撃は』

 

「…あまり考えたくはないのだが…理由作りだろうと私は見ている」

 

『…その、なんというか…安納さんらしいというか…』

 

「…正直私は安納ハジメとはそこまで親しいわけでもないのだが…なんだ、あいつはそういうタイプなのか?」

 

『そういうタイプ…というと?』

 

「自己の犠牲を勘定に入れないタイプなのか、という事だ」

 

『えぇと…その、出会った当初は確かにそのような傾向も…』

 

「なるほど、改善傾向にあったのに悪化したのか…まったくもって嘆かわしい。あいつは再犯傾向は少ないタイプだと思っていたんだがな」

 

『再犯、ですか』

 

「親しくもないのにお互いがたまたま顔を突き合せたら会話する程度には付き合いがあるということは、つまりそういう事だ。まぁ、当初の罪状はもっと可愛らしい、キヴォトスにはよくあるようなものだったんだがな…とはいえ罪は罪。きちんとこの騒動を納めて相応に贖ってもらうとしよう」

 

 カンナの言葉に、ミヤコは答えられず沈黙が降りる。

 そんなミヤコの反応を気にせずにカンナは続ける。

 

「まったく、規模の大きな()()()()()を起こしてくれる。とはいえ安納ハジメはシャーレ所属だ。先生が厳しく指導をするだろう。あとはまぁ、被害状況を抑えれば安納ハジメ自身にそこまで責は及ぶまいよ。どんな意図があるのかは知らないが、未だにああして廃墟からゆっくりと進軍してくれる状況なども含めて()()()()()()()()。市街地に被害が及ぶ前に迅速に対処してしまえばいい、という話だ」

 

『…っ!なるほど、それでは私たちRABBIT小隊にとっても普段の訓練を実践する機会としては()()()()()()()()ですね』

 

「あぁ、SRT特殊学園と我々ヴァルキューレ警察学校、機会は少なくはあるがこうして共に同じ作戦を遂行する機会は今後も起こるだろう。終わった後はお互いの作戦行動や動きについて意見を交わす場を設けてきちんと話をしようじゃないか」

 

『それは素晴らしい申し出ですね。えぇ、もちろん今回の作戦行動のきっかけになった人たちも交えて有意義な場を設けられることでしょう』

 

 カンナとミヤコが口角を上げる。

 通信機越しにお互いの顔を見ているわけでもない。

 だが、二人は共に、通信機越しにお互いがどのような表情を浮かべているのかが容易に想像できた。

 

「それではRABBIT小隊、諸君らの健闘を祈る。適当に動け(最善を尽くせ)

 

『RABBIT1、了解…RABBIT小隊各員、応答を』

 

『RABBIT2、了解!!』

『RABBIT3、了解~』

『ら、RABBIT4、了解です…!』

 

 RABBIT小隊からの通信を切ったカンナは視線を廃墟の奥へ、呆れるほどにゆっくりと進軍を続ける鉄の波へと向ける。

 

「間もなく作戦を開始する!正面にデカい花火をあげてそれを合図に我々も一気に攻め込む電撃作戦だ!後詰の部隊は市街地に万一敵が突っ込んできた時の対処、後から合流する中務キリノ、合歓垣フブキをはじめとした生活安全局と連携を取りながら対処するように!」

 

「「「「「了解です!!」」」」」

 

 カンナの号令にヴァルキューレ警察学校の面々は大きく声を返す。

 そしてカンナは後ろを振り返り。

 

「さて…待たせてしまったか?」

 

 

 

「ほーんと、待ちくたびれちゃった!もうほっぽってさっさとおっきな花火あげようかなって考えてた~」

「ムツキ…まぁ、よく堪えた方ではある、か…それじゃあ公安局長、もう始めてもいいんだね?社長も準備はできてる?」

 

 カンナの後ろに控えていた4人の内、ムツキとカヨコはそう返す。

 

「えぇ、任せなさい!先生からの依頼、私たち便利屋68が完璧にこなしてみせるんだから!!」

 

「あぁ、派手な花火を頼む…まったく、まさか我々ヴァルキューレがお前たち便利屋と肩を並べて敵と相対する日が来るとはな」

 

「あら?公安局長ともあろう者が随分と細かい事にこだわるのね?私たち便利屋68はそんな過去の諍いを理由に依頼達成の成功率を下げるなんて事はしないわよ?」

 

 目を閉じて、口角を上げながらそんな言葉を漏らすカンナに自信満々な笑みで以てそう応えるアル。

 

 

「…敵」

 

 

 ふと響く。

 戦闘を前に騒然としたその場で、ぽつりと落ちたその言葉はふと何かを思い出したかのような、小さな言葉。

 

 しかし、その場にいた誰もが耳にこびりついたかのように、聞き逃せない。

 そんな声だ。

 

「…ハルカちゃん…」

 

「…ハルカ、もうすぐ戦闘がはじまるよ、いける?」

 

 カヨコがその場で自らの愛銃【ブローアウェイ】を胸に抱いて、立ち尽くすようにしたハルカへと問いかける。

 

「…大丈夫です、行けます」

 

 その様子はカンナから見ても、少々危うかった。

 常なら職務の都合上、相対する事の多い便利屋68。

 特にその集団の前衛として自分たちとまず向き合う機会の多い伊草ハルカは、どこか精彩を欠いていた。

 

「…ハルカ!しっかりなさい!私たちは便利屋68!こんなところで燻ってる暇はないのよ!」

 

「アル様…す、すみませ」

 

「ええそうよ!こんなところであんなガラクタ共に時間なんて取られるはずがないでしょう?速攻で!早急に!あのハジメが用意したおもちゃなんて速攻片付けるわよ!そして余計な仕事を増やしてくれたあの商売敵にきちんと文句を言いに行くわよ!」

 

「ん…へっ…?」

 

 俯けていたその顔を、驚いた表情で上げたハルカ。

 その上げた先には当然、いつものどことなく自信に満ち溢れているような、頼りになる微笑を浮かべるアルがいる。

 

「公安局長、私たちの依頼はあのデカブツどちらかに最短で進んで破壊する、間違いないわよね?」

 

「…あぁ、間違いない、それさえ済めば依頼は完遂。その後の動きを指示する理由はないな。むしろ自由に動いてもらった方がこちらにも都合がいい。()()便利屋68を自分の指示で動かすなど御免蒙る。ただでさえ普段よりも大所帯なんだ」

 

「聞いたわねハルカ?まずは目の前に集中よ。サクッと速攻であのハジメロボを破壊して直接ハジメに文句を言いに行きましょう!」

 

「くふふっ、は、ハジメロボって…アルちゃんやっぱりおもしろ~い♥」

 

 堂々と途中離脱宣言をするアルにハルカは呆気にとられた表情を浮かべる。

 ムツキはアルのその言いざまに思わず笑いがこぼれ、カヨコはやれやれといった風に軽くため息をつく。

 

「公安局長…悪いね、そういうことだから」

 

「…まぁ、部下のモチベーション管理は大事だ。とはいえ、ここまで堂々と全員の前で宣言されるのも少々対処に困るところだが…今回の直接の依頼主は我々ヴァルキューレではなく先生だ。そちらに苦言を呈す程度にとどめておくさ」

 

 カヨコの言にそう返すカンナだが、その表情はどちらかと言えば明るい。

 立場上遺憾の意を示しはしたが、そこまで問題にもならないだろうということはカヨコは察した。

 

「さぁ、こんな依頼はさっさと終わらせるわよ。ハルカ、いけるわね?」

 

 アルが挑戦的な笑みで視線をハルカへ向ける。

 ムツキは先ほどまでの少しつまらなそうな表情は鳴りを潜め、小悪魔めいたいつもの笑顔をハルカへと向けている。

 カヨコはハルカと目が合えば、少し微笑を浮かべ、軽く頷く。

 

 

「…はいっ!私がすべて消しちゃいますっ!!」

 

「いい返事よ、ハルカ!それじゃあ便利屋68、行くわよ!!」

 

 アルの号令と共に便利屋68の面々が正面から、眼前の機械の軍勢へと駆け出す。

 

 伊草ハルカが駆け出す。

 位置的には最後尾から同時に駆け出したはずのハルカは、ただ真っすぐに、すべてをなぎ倒さん限りの勢いでまっすぐと最前列で。

 浅黄ムツキはその後ろを、跳ねるように軽やかに。

 まるでピクニックにでも出かけるような軽やかなステップでハルカに続く。

 鬼方カヨコはその後ろをぴたりと離れずに。

 まるでどこかで訓練を受けたかのようなその隙のない身のこなしはどこか鋭角な印象を受ける。

 陸八魔アルは、悠然と。

 肩に掛けたコートがはためくその背は、何かを預けるに足る、確かな大きさを感じる。

 

 

 

「…総員!便利屋68に続け!!一機も逃さず圧し潰せ!奴らに街を踏み荒らさせるな!!」

 

 カンナの号令にヴァルキューレの生徒たちも一気に前進を開始する。

 

 

「アルちゃん、行っくよ~♪」

 

「任せなさい!!」

 

 ムツキがその言葉と共に正面の機械兵やドローンへと向けて思いきり投げつけた大きめのバッグ。

 そのバッグへとアルの声と共にアルの愛銃【ワインレッド・アドマイアー】から放たれた一発の弾丸は狙い能わず吸い込まれ…

 

 

ドッガァァァァァァン!!!!!!!!!

 

 

 それは敵集団の正面、そして側面、敵後方へと上空のヘリから撃ち込まれた砲撃。

 D.U.へと向かう鉄の波へと戦場を彩る花火が咲く。

 その花火を合図に、D.U.地区防衛戦が開始されたのだった。

 

 

 

 

 

 

─92

 

 

 

 ミレニアムサイエンススクール郊外、廃墟区画。

 その区画の奥に聳え立つ、耽溺のオントロジー。

 ミレニアムサイエンススクールにほど近いこの廃墟区画は、すでに戦場と化していたのだった。




[耽溺のオントロジー侵攻編第一フェーズ終了。
侵攻編第二フェーズへと移行します]

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