学園への入学というのはわかりやすく言えば3つのルートが有る。
1つ目は、もちろん入学試験。これは実際の競馬をモチーフにしているのだろう。ゲート試験や装具試験、そしてタイムの測定が行われているらしい。大半のウマ娘はこれだ。
2つ目はスカウト。これはわかりやすく言えば、若い時期から才能を見出されて入学が決まっている、というルート。これはメジロの一部のウマ娘や、シンボリルドルフらが当たる。
3つ目は中途入学。つまり、他のトレセンで走っている時に才能を見出され、中央に入学する形。オグリキャップなんかはそのルートであろう。
私は残念ながら普通のウマ娘であるからして、第一のルートを歩むことになっている。幸いにしてタイムやゲート、装具についは何も嫌な感じはしなかった。あとは、試験の時に正しく実力を発揮できれば入学試験は問題ないだろう、とは私のスポーツクラブの先生の言葉だ。
「トチノステラさーん!次はダートです!」
「はーい」
ただ、本格化を迎える前のウマ娘だから、ダートも芝も両方走らないといけないのが辛い所。しかも今のところ、どちらかが優れているというわけではなく、両方ともそこそこのタイムであるといいうところがまた頭を悩ませている。
「800のタイムは十分、芝もダートも既定値超えですから、中央に入学する事はできるでしょう。あとは、良いトレーナーを見つけられるかどうか、ですかねー」
「ありがとうございます」
ま、これは裏を返せばどっちでも走れる、ということだから、全てのウマ娘と並走できると考えれば約得もいいところ。
「ぐへ」
「…ステラさん?その気持ちの悪い笑顔は中央の試験では見せないほうがいいと、思いますよ?」
「あ、すいません」
「ウマ娘スキっていうのは、わかりますけどね」
口元のよだれを拭い、先生へと顔を向けた。実のところこの先生もウマ娘だ。トチノテイオーという、結構世界でも活躍したウマ娘らしい。トウカイテイオースキな私としては、テイオーという名前が一緒なだけと言うだけで拝むべき対象でもある。
「しかし、芝もダートも行ける。過去にもそういうウマ娘がいたらしいですから、ステラさんは将来有望ですね」
「本当ですか?ありがとうございます」
「ええ、本当です。ああ、それで、一つおすすめの場所がありまして」
先生がそう言いながら見せてきた一枚の紙。そこには、ある住所の名前と地図が載っていた。
「これは?」
「東京、府中近くの河原です。一流のウマ娘から地方のウマ娘が集まって練習をしている場所です。かくいう私も、過去、ここでいい経験をさせていただきました。この宇都宮トレセンの代表ウマ娘、ロマンリバーも、ここから世界の街道へと駆け上がったそうですから、一度足を運んでみて下さいね」
ほーん?そう思いながら紙を受け取る。なるほど、世界へ登る登竜門的な場所なのか。しかも、日本中からウマ娘が集まる。それはそれはとてもとても。
「魅力的、ですね…うふふふふ」
「ステラさん。顔、緩んでますよー?」
「あ、すいません」
顔を両手で軽く叩き、気合を入れ直す。よし、じゃあ今週末にでも早速行ってみるとしましょうか!