異世界猟奇者〜プレデターは新種のオーク!?獲物を求めてどこまでも!〜 作:青もんた
「ちょっとアンタ!!!ここから出しなさい!!!」
「ブモォッ!!ウルサイ!!!」
「黙れこの豚!!!」
「オマエ、シズカニシロ!!イマ、サバクノ、イソガシイ!!」
「何言ってるか分かんないわよ!!この豚!!でもなんとなく分かるわよ!」
捕らえられた女の檻のすぐ隣がオーク戦士達の使っている獲物の解体場だ。
戦士が次々とナイフで生皮を剥ぎ、臓物を抉り、肉と骨が取り出される。
プレデターに教育されたオーク戦士達は今や熟練の狩人だ。
肉は余す所なく食べるし、最も強度の高い骨を武具として利用する。
だが、内臓の希少部位や魔石について知識が無い為廃棄していた。
「アンタら、なんなの?女子供を逃すかと思えば、他の冒険者を殺して、アタシは捕らえて、犯さないワケ?本当にオーク??」
オーク戦士はため息を吐く。
「ブンモー、、、、ゴチャゴチャト、ウルサイ、オンナ。オレ、イマイソガシイ!!!」
俺はそのやり取りをアームデバイスの翻訳機能を働かせて聞いていた。
サーモスキャナで女冒険者を走査すると、膀胱に尿が溜まって限界のようだ。
「おい、扉を開けてやれ。その女は用足ししたいだけだ。」
「ア、アルファサマ!!スグニ!!」
オーク戦士が俺を見て突然檻を開けたせいで、女は混乱した様だ。
「な、何?」
「ブモッ!!!」
オークは女の腹をツンツンして、草むらを指差した。
「なんで知ってんのよ!!?」
女は慌てて草むらの中で用を足すと、隠していたダガーナイフを持って回り込んで近付いてきた。
中々活きの良い獲物だ。
今まで見た冒険者の髄液から比べても、エネルギーにも満ち溢れている。
オーク戦士達が繁殖の為に手に入れたがる訳だ。
翻訳機能で得た情報を元に、ヘルムから音声を出し、隠れている女に警告する。
「『ちょっとアンタ!!、、捕らえて、、、逃すか、、、なんとなく分かるわよ!!!』」
「あ、、いっ、一体何よ???アタシの声??」
気付かれたと悟り立ち上がる女。
今更ながら俺の出立ちを見て怯えている様だ。
「ブモッ!!オリ、ハイレ!!メシ、オイトク!」
オーク戦士に再び檻へと閉じ込められると、葉っぱの上にどっしりと厚めに切った生肉が置いてあった。
「な、何よこれ?まさか、食べろってんじゃないでしょうね?」
多分そういう事だ。
俺は仕方なくオーク戦士に指示する。
「人間の戦士は生肉を食えん。焼いた肉しか食わん。」
「ナント!?ナンジャクナヤツラ、、、、」
焼いた肉を持って来ると、食べながらまた不満気だ。
「素材の味がするわね、、、、」
「「???」」
とりあえず意志の疎通が若干図れるだけで、特に進展は無さそうだ。
「なんでアタシを捕まえたのか知らないけど、くたばった他の冒険者と一緒にしないで欲しいわね!これでも高等魔術を修めた高位魔導師、『旋風のユラ』よ?ちょっぴり油断して気絶しちゃったけど、そのうち隙を見てアンタらの寝首を掻いてやるわ!」
何を言っているか分からないが、強気な目だ。
俺は女が隠し持っているダガーナイフを奪うと、ヘルムで解析した。
この星の鍛治技術も戦利品からある程度把握しているが、ある特定の武具に関しては俺の皮膚に傷を与えられる可能性がある。
このダガーもそれに似た作りだ。
俺は女にダガーを返した。
「???アンタ、コレを使ってアタシが逃げ出すとか考えないわけ?」
おそらく逃げ出したらどうするのか女が聞いているんだろう。
「逃げ出せるだと?グァッアッアッアッアッ!!!」
「ブモモモモモ!!!」
オーク戦士も理解して笑い出した。
俺には嗅覚が無いが、オーク戦士達は発達した嗅覚でこの女がどれだけ逃げようと必ず捕らえるだろう。
この女冒険者にも決闘の機会を与える。
屈服させたものが繁殖の権利を得るのだ。