プロローグ
Side?
ドカッ!バキッ!
「またやってんのか!懲りない奴等だな!」
「く、クソッ!?…底辺のキモオタの癖に学校来てるから悪いんじゃねえかよ!」
そんな捨て台詞を吐きながら弱い者虐めを行っていた不良集団は尻尾を巻いて逃げ出していった。
「お前等の方こそ学校に何しに来てんだよって話…っとハジメ無事か?」
「う、うん…なんとかねありがとう」
俺の名は織戸輪 空音、こんな名前だがれっきとした健全な男子学生だ。
友人の南雲 ハジメを不良グループから助け出し彼と共に教室にへと戻ったのだが…。
「!?」
「な、何コレ!?」
午後の授業が開始されるおよそ四、五秒前に突如として教室全体にへと巨大な魔法陣が出現し覆われていったのだ。
「み、皆さん!早く教室の外に…」
クラス担任である愛子先生も異変に気が付いて緊急避難を促すが時既に遅し…教室に居た筈の者達はその場から姿を消してしまっていた。
「い、イテテ…何々だ今のは!?」
「恐らく異世界召喚の類だと思う…」
「異世界だあ?」
ハジメにそう言われた俺は一瞬唖然となったがある手段によって異世界の様な場所に入り浸っていた自分にとってはあまり驚く様な要素ではない事に気が付き平静になる。
「滅多に出来ない経験だろうけど強制的な召喚…きっと碌な展開にはならないと思う…」
「そうだよなあ…やらかす奴等がこっちにもいるしなあ…」
頭痛の種をもたらすクラスメイト達に俺は頭を抱えた。
案の定クラス一の秀才である天之河 光輝がこの異世界「トータス」の住人である胡散臭さしか感じられないイシュタルとかいうオッサンから告げられた言葉を鵜呑みにして戦争に加担しそうになったので慌てて止めた。
「何故止めるんだ織戸輪?!」
「アホか!半端な覚悟しか持っていねえ野郎が先走ってそんなインチキジジイの言葉を鵜呑みにして他の皆を人殺しに加担させる気なのかよ!」
「ぐっ!?…そ、それは…」
「って事だから戦争とかは無無!衣食住を保証してくれるってんなら最低限の事はしてやるよ」
俺はジジイを睨みつけて一応の安全を確保した。
「といっても元の世界に帰れる手段が今の所無いとなるとアイツ等には寂しい思いをさせちまうな…」
しばらくの拠点となるだろうハイリヒ王国の個室で俺は一人懐から何時も肌身離さず持ち歩いている端末「DDデヴァイス」を取り出し眺め思いにふける。
「異世界だと猶更無用の長物なんだろうけどな…」
俺はデヴァイスを戻してこの異世界を生き抜いてやろうと決意したのだった。