前世ゲーマーだったヤツが東方の世界にログインしました 作:Lcrcl (エルマル)
※竜脈についての独自設定がありますッ。
side三雲幻斗
『レベル110 次のレベルまであと130万1728』
竜脈まで来たが、相変わらず安定しているだけで何も変化は感じられなかった。
大妖精「ココじゃないよ」
幻斗「?」
大妖精「もっと奥にあるんだ、ついて来て」
スタスタ
竜脈の奥に進むと、そこには大きめの空間があった。
大妖精「まず幻斗はココに立ってて」
大妖精は空間の入口を指してそう言った。言われた通りにその位置に立つと…
ビュン!
空間の中にいる大妖精がとてつもないスピードで動きだした!
幻斗「!?」
俺が驚いたのに気付いたのか、大妖精は空間から出て戻ってきた。
大妖精「ふふん、驚いた?」
幻斗「ああ…」
大妖精「じゃあ次は幻斗くんが空間に入って、私は入口で動き回るから」
今度は俺が空間に入った、すると…
幻斗「……は?」
入口の方にいる大妖精がとてつもなく遅い動きをしているのだ。表情も変えているようだが不自然なレベルで遅い…もはや止まっているようだ。空間を出て俺はすぐに質問した。
幻斗「まさかこの空間、時間の流れが速いのか?」
少なくとも100倍速にはなってるハズだ。
大妖精「多分ね。凄いでしょ?」
幻斗「ああ…でも逆にできないか?」
そうすればかなり便利なんだが…
大妖精「逆って?」
幻斗「空間にいる間は逆に時間が遅くなるんだ」
大妖精「あ、そういう事ね。確かにソレもできたら面白そうだね」
幻斗「一先ずは実験と様子見だな」
大妖精「だね」
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空間…名付けて『時空の歪み』でいくつかの実験をした。壁を掘ることで空間を広げたり、逆に何かで埋めることで縮めたり…結果はどちらも成功だった。壁が繋がっている空間である限り歪みが生じるようだ。
このことについて数日前月夜見に手紙で伝えたが…そろそろ返答が来るだろう。
ウィィィン…ゴトン
幻斗「…ん?」
ルーミア「…ボール?」
手紙と丸っこいドッヂボールサイズの機械が送り込まれた。手紙は返信だからいいとして…何だコレ?
幻斗と仲間達へ
その空間について、私には心当たりがある。月でも発生した現象だが、恐らく竜脈のエネルギーでそこだけ時間の加速や遅速ができるようになるハズだ。手紙と一緒に送ったその機械はエネルギーの量を調整するための機械だ、『時空の歪み』の中心に置いてくれ。詳しくは説明書を読むんだ、それではな。
月夜見より
ほーん…コイツで時間を調整できるのか。というか、竜脈のエネルギーによって時空って歪むんだな…月の都でもそういうモノがあるからこの機械ができたんだろうが、研究が進んだら詳しく教えてほしいもんだな。
幻斗「まずはコイツを空間の中心に置けばいいんだな?」ゴトッ
説明書は…と。
歪み調整システムの取扱説明書
①この機械が調整できる倍速範囲は365倍~0.0365倍まで。
②倍率はシステムにある操作盤で調整できる。
以上。
365倍は外の1日で中は1年、0.0365は外の1年で中は1日ってことか…それにしても短い説明書だなおい。
ルーミア「それってつまり、この空間を1番遅い倍速にしてから一ヶ月過ごすと外では30年経ってるってこと?」
幻斗「そういうことだ。フフッ、こりゃかなり便利な代物だぞ?」
数万年の時間がたったの数百年になるんだからな。まさに究極の暇つぶしだ。
ドラゴンボールの精神と時の部屋みたいだな…365倍速なのも同じだしな。
幻斗「村人達に話すか」
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村人達に時空の歪みの事を伝え、許可制で使用できる場とした。
流石に共用にすると倍率の大きさでケンカになってしまうかもしれないからな…倍率を分けることができるようになったら考えよう。月夜見に頼んだがその内来るだろうし。
「幻斗さん、使用していいですか?」
「あ、俺も!」
仲良しコンビが許可を取りに来たようだ。
幻斗「ああ、2人ともいいぞ」
2人『ありがとうございます!いくぞ~!』ダッ
…仲いいな。
そう思っていると、天也がこちらにきて話しかけてきた。
天也「そういえば幻斗さん、時間制限は設けないんですか?」
幻斗「倍速した状態でどうやって設けるんだよ?時計なんて置いても意味ないぞ?」
天也「…あ、確かに無理ですね」
幻斗「まぁ、やりようはある。倍率を遅くするたびに使える時間を短くすればいい。例えば最遅で1時間、その倍の速度で2時間…って感じでな?」
天也「なるほど…」
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side月夜見
私は時空の歪みの空間を分けられるようにしてほしいという幻斗の頼みを聞き入れ、私達も必要になりそうなので研究に集中していた。…あくまでも研究しているのは研究員達で、私は都長として書類と格闘していただけだが。
そんなある日、都長室へ研究員が駆け込んできた。
ガチャッ
「月夜見様!例の物が完成しました!」
月夜見「本当か!」
ピッ
研究員は映像を見せてきた。
映像は月にある時空の歪みでの実験の様子で、ガラスのような透明な物を張った状態で分けた空間でそれぞれ倍率を変えて調査してみると…見事に全て正常に動いていたのだ!ガラスのような物の名称は…『時隔ガラス』のようだ。
「しかも、竜脈によるエネルギーが何故時空を歪めるのかが少し判明しました。どうやら竜脈のエネルギーは神力と似たような性質を持っており、何かを創造する力があるようです」
月夜見「ふむ…分かった、今後も研究を頼むぞ。そして早速夢幻の里に物資を送れ!」
「はい!」サッ
ガチャッ
月夜見「…恐らく、幻斗はこれから時空の歪みにこもるだろうな」
定期的に出るとしても、時間の大半はそこで過ごすハズだ。
月夜見「次に会えるのは当分先の話になりそうだ」
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side三雲幻斗
月の都から送られてきた『時隔ガラス』を張り終え、時空の歪みは分けた空間でそれぞれの倍率を設定できるようになった。…そして俺はこれから、ココで時間の大半を過ごすことにした。
幻斗「天也」
天也「はい」
幻斗「俺がいない間、里を頼むぞ」
天也「…任せてください」
幻斗「よし。それじゃあな」
天也「偶には戻ってきてくださいね?」
幻斗「ああ…」
そして、俺は時空の歪みで最遅倍速に設定し…特訓に励むのだった。
解説:夢幻の里
文明はもちろん縄文・弥生時代より遥か先のもの…多分江戸時代辺り。住民はニンゲンと妖怪で半々となっている。…月の都とパイプラインがあるのはヤバいね。他の村から夢幻の里は『第二の都』なんて言われている。一部の村は里と貿易をしたいようだが、妖怪がニンゲンと共存しているという事実により交渉出来ずにいる…そりゃ他のニンゲンからしたら妖怪は悪なので、価値観の違いというものだろう。
例のガラスは時を隔てると書いてじかく、と読みます。
次回もよろしくおねがいします。