魁!!ぼっち・ざ・ろっく!   作:レフリー

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久々に神山が出た気がする。


#13 最強への道

色々と有りましたが無事にチケットを売り切ることが出来ました。これで次のライブまでは安らかな気持ちで暮らせそうです。

 

朝の憂鬱な登校もなんだかいつもよりも清々しい気分です!しかしなんでしょうか?周りにいる(ワルそうな)人はピリピリとしているように見えます。

 

クラスに着くとクラスメイト達は先程までの和気あいあいとした雰囲気を一変。空気に緊張をまとわせて着席をします。……少し慣れました。

 

そして昼放課の時間。いつもの階段下の謎スペースでお母さんの作ってくれたお弁当を食べます。

 

ここ最近はギターの練習も兼ねて喜多さんと食べていたのですがオーディションに合格し落ち着いた事もあり喜多さんは友達と食べています。

 

よって私は久々に一人で弁当を食べています。喜多さんにお昼を誘われたのですが、ただでさえ喜多さんと食事を共にするだけで体が半分溶けるのに、日当たりの良い所で陽キャに囲まれると体が溶けてしまいますので断りました。

 

そもそも私のような陰キャは腐ったミカンのようなもの……そこにいるだけで害を与えてしまう存在なんです。これで良いのです。

 

そんなことを考えていると弁当を食べ終わりました。

 

「ご馳走さまでした」

 

両手を合わせてお茶を飲み一息つきます。前と同じ一人の食事。慣れているはずなのに何だか少し寂しく覚えてしまいます。

 

「今度誘われたら行ってみようかな……」

 

お茶を飲みながらそんなことを考えていると机の隙間から声を掛けられました。

 

「後藤さん!お話が有ります!」

 

「ブフォッ!」

 

いきなり黒田さんに声を掛けられたことによりお茶が気道に入りむせてしまう。呼吸を整えていると黒田さんが私の聖域にずかずかと入ってきた。

 

「な、何ですかいきなり」

 

「驚かせて申し訳ありません!招待状が間違えて俺の所に来ていたので届けに来ました!」

 

「し、招待状?い、いったい何のですか?」

 

私は黒田さんから封筒を貰うと中に入っている紙を覗いた。そこに書かれているのは私を驚かせるのに十分な内容だった。

 

ば、番長選手権!?なんですかこの頭の悪そうな意味不明な大会はっ!?」

 

「あぁそうでしたね。後藤さんは一年ですから知らないのも無理は有りません。番長選手権というのはその名の通り日本一の番長を決める由緒ある大会なんです」

 

「はぁっ!!?」

 

黒田さんの説明曰く……年に一度、不良校の代表が集められ行われる(オイルショックの年以外は毎年開催の)権威ある大会だそうだ。

 

ますます意味が分からなくなりましたが要はこの招待状から察するにこの危険で馬鹿げた大会に出場しろということなのでしょう。

 

絶対に受け取りたくはないのですが後々面倒なことになりそうなのは明白。私だって学習はしているのです。一度ここは招待状を受け取るだけ受け取って後はブッチしておきましょう。

 

「にしても羨ましいですね後藤さんは……」

 

「な、何がですか?」

 

「俺も去年出場したのですが普通ならハガキやWebで選手登録をしないといけないのに後藤さんは招待状が来てる……ということは十傑集に選ばれた証です」

 

じ、十傑集!?

 

「十傑集とはその年の上位十名に選ばれた番長の称号です。いや~後藤さんの元母校クロマティ高校でも毎年選ばれることは無いくらい競争率が激しいのに……流石ですね」

 

「はぁ、そ、そうですか……」

 

よく分かりませんが私の知らない所でとんでもないことが起こってるのは分かります。というか何だよ十傑集って!そういうのはちゃんと喧嘩しているワルにあげてくださいよ!……ん?待てよ。

 

「あ、あの~ちなみにその称号があると何か特典が有ったりしますか?」

 

「いえ、特には……」

 

なんだ役に立たないな。

 

「ただ番長選手権の会場まで家からリムジンで運んでくれるので移動が楽ということしか……」

 

住所押さえられている!?こわっ!逃げれないじゃん!!

後藤ひとりが膝から崩れ落ちていた同じ時刻。下北沢高校でも番長選手権の話題で持ち切り……教室内は重く危険な空気が流れていた。

 

「そんな暴力的な大会に参加なんて僕は絶対に反対だよ!!……けど念のために一応聞きますが優勝賞品って何なんですかね?」

 

「神山君まさか出るつもりかな……私はワルじゃないからよく分からないけど危険なんじゃない?」

 

優勝賞品が気になる神山に虹夏が突っ込んだ。 しかし神山も大会のことはよく分かっていないので答えることは出来ない。そんな神山の代わりにリョウが答えた。

 

「ウワサだけど……あの大会に出場して生きて帰ってきた奴はいないらしい……」

 

「えっ?そんな危険なの?」

 

「何しろルール無用の戦いらしいからね」

 

「いや……ルールはあるぜ……」

 

ま、前田君!?

 

片手に本を持った前田が答えた。

 

「まず朝の8時に大会会場に現地集合……時間厳守だ。そして当日までにWeb或いはハガキで選手登録は済ませておくんだ」

 

「選手登録?……まるでスポーツ大会みたい」

 

「それと人数に制限は無い。番長じゃなくても出場可能だからな」

 

「えっ!?番長選手権なのに番長じゃなくてもいいの!?」

 

「番長の影に隠れている才能を見つけたいのが主催者の意図らしい」

 

「えぇ……。主催者は何を目的に開催してんの?」

 

「よく分からねぇが……主催者はどうやらこの大会で真の番長を探しているらしい……」

 

「し、真の番長っ!?」

 

「もっとも戦後から開催されて60年経つが眼鏡に叶う奴は見つかってないようだがな」

 

「そんな昔からやっていたんだその大会……」

 

虹夏が驚きと呆れを混ぜた表情をする。

 

「ところでどうやって真の番長を決めるの?人数制限が無いんじゃあ時間がとても掛かると思うけど……」

 

リョウが尋ねると前田が答える。

 

「その辺は大丈夫だ。まず最初は○✕クイズ。ここで人数がおよそ半数になる」

 

「ク、クイズ?番長決める大会なんだよ?クイズ王決める大会じゃないよ!?」

 

虹夏が突っ込むと前田は頭を掻く。どうやら前田もどこか納得はしてないようだった。

 

「伊地知さん、俺に言うなよ……まぁとにかくだ。このクイズで約半数が脱落する予定だ」

 

「でもクイズって……」

 

いまだ諦めない虹夏に前田は手に持っていた本『民明書房刊・番長選手権について』を開く。

 

「えぇーと……あぁ書いてあった。どうやら知力も審査対象だからだそうだ」

 

「ち、知力?」

 

「例えばだ。ものすごい喧嘩の強い奴がいたとしよう。そんな奴がここ一番の喧嘩の時に盲腸になったらどうなる?当然だが喧嘩は中止。即入院だ」

 

前田は本を閉じる。

 

「まっ要するにだ。日本一の番長たるもの喧嘩だけじゃなくて知力と時の運も必要になる。バカなヤローや不運な奴に下の奴はついて来ないって訳だ」

 

「な、なるほど。そう考えるとクイズっていうのは理に叶ってるかもしれない……」

 

「なぁ前田……」

 

「どうした山田さん?」

 

「去年の第一問は何だったの?」

 

「傾向を知りたいのか……えーと」

 

「にしてもそんな本いったいどこに売ってるのよ……」

 

虹夏のツッコミを無視して前田は過去の問題を見る。

 

「去年の第一問は……番長の『番』と番茶の『番』は同じ漢字である。○か✕か?」

 

神山達は唾を飲み込んだ。

 

「なるほど……流石は番長選手権だ。番長にちなんだ問題を出してくるね」

 

神山が感心した顔付きで頷いた。

 

「正解は分からないけど番長にちなむ問題ならイケる!」

 

「えっ?」

 

冷や汗を流すが自信に溢れるリョウ。そしてリョウの知能に思わず愕然とする虹夏。

 

「よし!下北沢高校の力を全国のワル共に見せてやろうぜ!!いざ勝負だ!!」

 

前田の飛ばす檄にリョウ達は立ち上がり歓声をあげる。虹夏はそんなリョウ達の雰囲気に付いていけずにいた。

番長選手権当日。会場には全国から集まった生粋のワルが熱を帯びた雰囲気を纏って大会が始まるのを心待ちにしていた。

 

その心待ちにしているワルの中に鹿児島県から来た伊橋と谷沢がいた。伊橋と谷沢は初めて出場する番長選手権の熱気に思わず唾を飲み込んだ。

 

なお、この二人のキャラは作者が第三者視点を書きたいが為に作ったキャラなので今後現れることは無いだろう。

 

「伊橋、これはヤバいな……周りにいる奴ら俺らよりも強そうだよ」

 

「谷沢、あんまりうろうろするな!おのぼりに見られるだろうが」

 

谷沢の不安な声に伊橋が注意をするが、肝心の伊橋の声も弱々しいもので頼りにならなかった。

 

「オ、オイ伊橋!あれを見てみろ!」

 

「え……あっあれは!?」

 

二人の見た先には身長二メートル近いゴツい男がいた。

 

「北海道代表の熊殺しの柏原だ。なんでも熊と戦って勝ったらしいぜ……!」

 

「オイ!!今度はあっちを見てみろ!!」

 

二人の見た先にはリーゼントにサングラスを掛けた強面の男がいた。

 

「新潟代表の皆殺しの高代だ……!!風のウワサに聞いたところでは熊と会話ができるらしいぜ……」

 

「それは……強いってことになるのか……?」

 

「強いかどうかは分からねぇ……だが、スゲェ奴なのは確かだと思う……」

 

「な……!?今度は向こうを見てみろ!!」

 

体はゴツいが優しそうな顔つきの男がいた。

 

「高知代表の褒め殺しの岡持だぜ……!!ヤツは自宅に熊を飼っているらしい……」

 

「……ソレただ単に動物好きなだけじゃねぇのかな?」

 

「いずれにせよいろんな猛者が集まってるってことよ」

 

そんな話を二人がしていると会場にエンジン音が響く。

 

「な、なんだ!?会場の中は通行禁止の筈だぞ!?」

 

「い、いや伊橋!あれを見てみろ!!」

 

リムジンから出てきたのは我らが主人公・後藤ひとり。その様相はかろうじて二足歩行は保っているが限界が来ている状態であったが遠くから見ている二人は気づかない。

 

「構成員数2000人超え、約800の高校を支配している後藤軍団の大将だ。くっ……近くで面を拝みてぇが舎弟が多くて近づけねぇ!」

 

「というかさっき言っていた熊殺しや皆殺し、褒め殺しまでピンクのタスキを着けているぞ!アイツらも舎弟なのかよ!?」

 

「勢力拡大中なのは知っていたが……まさかここまで大きくなっているとは……」

 

「流石はピンクの悪魔の後藤だ!ここからでもただならぬ雰囲気を醸し出してるのがよく分かるぜ……ウワサ通り熊の力が憑依しているらしい……」

 

「……いやお前それ熊言いたいだけだろ!」

 

伊橋が谷沢にツッコミをいれていると有ることに気付いた。

 

「……オ、オイ!あれを見てみろ!!」

 

そう言うと伊橋が後藤の方に注目する。見ると後藤の横に神山がいて話し掛けていた。

 

「あの後藤に馴れ馴れしく話している奴がいるぞ!」

 

「あ、あれは……!」

 

「……あれは?」

 

「知らん。どこの学校のヤツだ?」

 

「まぁよく分からんが相当な実力者なのは間違いないだろう。恐らく決勝はあの二人で争われる……!」

 

そう二人が冷や汗を流していると会場のスピーカーから一瞬のノイズの後にアナウンスが流れ始めた。

 

『ただ今より日本番長選手権を開催いたします!!』

 

「いよいよ始まったぜ!」

 

不良達が雄叫びをあげる。

 

『それでは第一問!!』

 

「…………」

 

問題を聞き漏らさないよう不良達が静まり返る。

 

『ヨーグルトの原材料は牛乳である……○か✕か!?』

 

「…………」

 

一瞬の静寂。問題を理解した不良達は騒ぎ始めた。

 

「番長に全然関係ねぇよ~!!」

 

「番長のクイズじゃねーのかよ!?」

 

「どっちなんだ~!?」

 

「たぶん✕だろ!!」

 

「時間が迫っている急げー!!」

 

「もしもしオフクロ!?ちょっとヨーグルトについて聞きてーんだけどよ……いや違うって賞味期限じゃねえよ」

 

『正解と思う方へお進みください!!』

 

アナウンスの声に不良達が回答スペースへと走り出した。中には携帯で母親に尋ねている不良もいたがカンニングと見なされ失格となった。

 

この時、不良達が一ヶ所に集まりすし詰め状態。それによりアクシデントが発生したが……。

 

「大変だー!後藤さんが転んで下敷きになってぺしゃんこになっている!かなり薄いぞ!!」

 

「大丈夫だ!後藤さんは煎餅くらいの厚さになっても生きてたからその程度は問題ねぇ!!」

 

皆クイズの方が大切だったので問題は流された。

 

「くそっ!どっちが正解なんだ~!!」

 

「間違いねぇ!!こっちが正解だぜ!!」

 

『それでは正解です!!電光掲示板をご覧下さい!!』

 

 

正解は○です!!

 

不良達が○の方を見る。見ると一人だけ○のスペースに立っていた。

 

「…………」←神山

 

「「「…………」」」←それ以外

 

アナウンサーが駆け寄り神山の左手を挙げた。

 

優勝は下北沢高校の神山さ~ん!!

 

「「「一回戦で決まってるんじゃねーよ!!」」」

こうして番長選手権は始まって僅か一時間で終了した。周りの不良達は納得していなかったが負けたヤツがいちゃもんをつけるのはカッコ悪いと思ったので文句を言いつつも何もせず帰っていった。

 

一方、後藤はというと結束バンドの面々に抱き抱えられてなんとか立ち上がった。喜多がひとりのジャージに付いた汚れを払いながら尋ねた。

 

「後藤さん大丈夫?」

 

「アッハイ……なんとか大丈夫です」

 

虹夏が心配そうに尋ねた。

 

「体とかは痛くない?だいぶ薄くなってるけど……?」

 

「こ、このくらい……1ミリ程度はまだ許容範囲です」

 

と言ってひとりは力こぶを出すポーズをするがペラペラな体では不安しかない。そんな時だった。会場の出入口が開いたことにより突風がひとりを襲った。

 

「ひょえええっ!!?」

 

「ぼっちちゃん!?」

 

風に乗ったひとりは空を飛び会場の外へと吹き飛ばされた。数日後、小笠原諸島大戸島付近にて巨大生物と戯れているひとりが発見されるがその後、東京に騒動を巻き起こすことになるとはこの時は誰も知らなかった……。

結束バンドにそんなことを起きている間に神山は主催者の元へ案内されていた。

 

「ここです。どうぞ」

 

地下十階。薄暗い廊下の先には二人掛かりで開けられる重厚な扉。その中に神山だけが通された。部屋は広く、派手ではないが決して安物ではない高級な調度品が辺りに飾られていた。

 

いや、それ以上に目を見張るものが目の前に居た。その姿は神山の想像していた老人の姿とは違い若々しく、想像以上の威厳を持っていた。

 

「君か……。この番長選手権を僅か一問で終わらせた男というのは……第一回目から見ているがこんなことは初めてだ」

 

「あなたが主催者……ですか?」

 

「いかにも」

 

「……信じられない。60年以上の歴史が有るのに貴方の見た目は僕と同じくらいに若い……!」

 

「ふふ……この世界は君が思っている以上に不思議なことがあるのだよ」

 

「はぁ……」

 

「まぁいい。付いてこい」

 

そう言って主催者は神山を部屋の後ろの窓へと連れていった。

 

「地下に窓なんて不思議ですね……」

 

「下を見てみろ」

 

「……あっあれは!?」

 

神山が下を覗くと銀色のドラム缶に細い手足が付いた物体……秀華高校でよく見かけるアレ……がベルトコンベアの上で大量に流れていた。

 

「あれは尖兵だよ……私の野望のね」

 

「野望……ですか?」

 

「私の野望……世界征服だ。神山……君には私の部下として働いてもらいたいのだよ」

 

「世界征服だって……!?」

 

「そうだ……更なる力を手に入れた私は地球を『本来の姿』にするのが目的だ」

 

「本来の姿……!?というか仲間でもない僕にそんなペラペラと話していいんですか?」

 

「心配ない。君は必ず仲間になる。私のは当たるのだ」

 

「そんな……あり得ない!」

 

「……なぁ神山。君は今のままで良いと思ってるのかい?」

 

「えっ?」

 

「人類は愚かだ。地球の為にも一度やり直す必要が有るのだ」

 

「……」

 

「君にもやり直したい過去が有るんじゃないか?」

 

「そんなもの僕には無い!自分の選択に悔いなんてものは無いのさ!」

 

「クロマティ高校」

 

「ぐぅあっ!!」

 

「履歴書に書いたら汚点にしかならない過去を消す貴重なチャンスだぞ」

 

「くっ……!!」

 

神山は頭を押さえた。痛い。どうして自分の通っていた高校を知っているのか。自分が恥ずべき記憶としているのか。痛みから察するに目の前の男に直接頭を覗かれてる気がした。

 

神山はよたよたとした足取りで扉の外へと向かった。ただ一刻も早く目の前の男から離れたかった。

 

「私も久々に目覚めて疲れたこともあるし……今日はこの辺にしておこう。時期が来たら私は君の前に現れる。それも偶然的に……」

 

最後の言葉は神山は聞き取れなかったが心臓を掴まれた気持ちだったと後日思った。

 

神山が退出した後、男が再びコールドスリープに入ろうとする際に近くにいた男に話しかける。

 

「では引き続き『GR計画』を進めておくように……直樹」

 

「はい。全てはビッグファイアの為に……!!」

 

こうしてビッグファイアと呼ばれた男はコールドスリープにて再び眠りについた。次に目覚めた時、人類はどうなるのか……!

 

番長選手権……完!

 

しかし

 

戦いは続く!!

 

 




プライベートが忙しく投稿が遅くなってしまいました。大会の為とはいえカロリー計算めんどくさいです。ホント大雑把に出来ないもんですかね?
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