なお例の覆面女ですがマスクド後藤にします。やっぱみんなマスクド好きなんすね!
初めまして。本編では馴染みが薄いのですが私はファン2号。現在私は後藤ひとりサイン会の列に並んでいます。
私は俗に言う古参ファンというものでひとりちゃんが結束バンドに所属していた頃から応援している。いや、厳密にいえばひとりちゃんが路上ライブをやってた時からのファンなので私は一線を画する存在だろう。顔も覚えられてるし……。
ひとりちゃんは人前に出るのが物凄く苦手だから鬱になるんじゃないか心配だったけどうまく火がついたようだ。
「にしても感無量だな……」
たぶん、ここにいる人のほとんどはにわかファンだろう。ブームとはそういうものだと分かっているけど……にわかとは一緒にされたくないな……。
無名時代からのファンからすると売れてくれるのは嬉しいけれど少し寂しい気もするよ……。どう見ても絶対にひとりちゃんの本当の良さなんか分かってないだろうし……。
そこがファン心理の微妙なトコですね。
特にあのアフロのグラサンは許せない……。アイツ絶対ひとりちゃんのことなんて分かってる筈ないよ。たぶん彼女か何かに頼まれてサインを貰いにきたんだろうなムカつく……。
けどやはり今はひとりちゃんが人気者になったことを素直に喜ぶべきだろう……。本当に嬉しいよ……良かったねひとりちゃん。
昔みたいに話したいけど……陰で見守るだけでいい……。
私はひとりちゃんとの2S写真を取り出す。この頃のひとりちゃんはまだ人前に出れるレベルではなくたびたび口から人ならざるものを出しては観客にショックを与えていた。
まぁそれはそれで良かったんだけど最近のひとりちゃんは成長して会話こそどもるものの司会者に話を振られればエピソードを話せれるくらいにまでなった。
「ハイ列を乱さないでくださーい」
係員の誘導に従い列が動く。ついにひとりちゃんを目視出来る距離になった。なんだかちょっと緊張する……。
久しぶりだよ……ひとりちゃん!!
「…………」
「……え?」
そこにいたのはピンクのジャージを着たひげ面のおっさんだった。……アレ?何か違うような気がするんだけど……STARRY でバイトしてたフレディさんに似てるような……。
まぁ生で見るのは久々だし少し姿が変わってるかもしれない……。ひとりちゃん身長サイズ自由に変えれたし……。よし!!もう一度気を取り直して見てみよう!!
「…………」
いや……全然違うぞアレ!!大体ひとりちゃんにヒゲなんて生えてないし!!ビミョーに違うならまだしも性別すら合ってない!!
というか周りの人達はどうして騒がないんだ!?明らかに別人でしょ!ジャージか?ピンクのジャージに騙されているからか?
……まぁ所詮にわかファンなんてそんなもんです。ピンクのジャージだったらなんだってひとりちゃんと思い込んでしまうのでしょう……。
仕方ありません……。ファンとしてひとりちゃんの多忙さは知っています。きっと代役を立てたのでしょう。
私だって大人です……騒ぎ立てたりはしません。分かりました。あのピンクジャージのフレディさんをひとりちゃんだと思うことにしてあげましょう。
そう思い改めてフレディさんを見ると暑かったのかジャージを脱いで団扇を扇いでいる。
「いや脱いでるし!」
チクショ~ここまでされてもみんな黙ってるのか!?お人好しにも程があるぞ!!
よーし分かった!!アイツはひとりちゃんなんだな!?どうしてもそうしたいんならそれでいい認めてやろうじゃねぇかコイツがひとりちゃんだ!!
自分の番が来る。目の前にいるのはフレディさんじゃない間違いなくひとりちゃんだ!!
今サインを書いてくれてるのもひとりちゃんだ。
握手をしてくれてる人もひとりちゃんだ。
そして……このサインもひとりちゃんのサイン……!!
『フレディ:Freddie♥️』
「やっぱりフレディさんじゃないか!!」
私はサインを地面に叩きつけた。
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自室にて落ち込んでいるファン2号。
「チクショー……こんなことなら職場の人にサイン会に行くなんて言わなきゃ良かった……」
ファン2号は悔やむ。
「写真も撮ってくるなんて言っちゃったけど……」
ファン2号はサイン会の時に撮って貰った写真を取り出した。そこには真顔で写る2号と青と黄色の髪飾りを着けたフレディさんが写ってる。
「これはマズイでしょ……」
ファン2号はうちひしがれる。
「どう見てもひとりちゃんじゃないよ……こんなの職場に持ってったら嘘つき女とハブられるよ……」
ファン2号は本棚から一冊の本を取り出した。題名は『後藤ひとり・自伝』と書かれている。
「買わないとサインくれないって言うからこんな二千円もする自伝まで買わされてしまった……ん?ちょっと待てよ……」
ファン2号は最悪の事態を想定してしまった。
まさか……この自伝もアイツが書いたんじゃないだろうな!?
「一般人だと思ってバカにしやがって……ひとりちゃんに直接会って話をつけてやる!!」
ファン2号はひとりの事務所に駆け出したのだが、事務所の方ではトラブルが発生。のっぴきならない事態になっていた。
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元クロ高の神山は大学卒業後、後藤の頼みで公務員試験を蹴りマネージャーとして後藤の芸能活動を支えていた。普段は冷静沈着な神山も今日ばかりは血相を変えていた。
「大変ですよ後藤さん!朝からサイン会への苦情の電話が鳴りやみません!」
「え?」
私こと後藤ひとりは背中から触手を生やして複数の電話に対応していた。
「あ……こっちもでしたか……」
電話線を引っこ抜き一先ず室内を静かにさせると神山さんが説教をし始めた。
「だから僕は言ったんだよ!フレディに代役任せたらダメだって!!」
「そ、そんなこと言ってもしょうがないじゃないですか……。ほ、他に頼めれる人なんていなかったんですから」
私は今朝からの電話対応で苛立ってたせいか神山さんに責任を追及した。
「だ、大体ですよ……昨日は全世界114514ヵ所で同時サイン会ですよ!だ、代役だって足りなくなっちゃいますよ!!」
「いや……確かに過密スケジュール組んだ僕にも落ち度は有るけど……でも人気が有る時はそんなもんでしょ芸能界は!!」
「せ、せめて足りなかった四人分の代役くらい用意してくださいよ!ま、まさか解散した結束バンドの皆を呼ぶなんて思ってもみなかったですよ!」
「あと四人くらいどうにかできないんですか!!」
「わ、私の分裂にも限界は有ります!!……はぁ……せめてお姉さん生きていれば……」
「廣井さん……ですよね。確かに彼女が生きていれば残り一人の代役も少しはマシになったのですが……残念です」
無理にでも禁酒させておけば良かった……。そう思っていると神山さんに電話が入る。神山さんが出るとどうやらファン2号さんが昨日のサイン会の件で苦情を言いに来たようです。
あ"あ"あ"……よりにもよってフレディさんの方に!
「厄介ですね……どうしましょうか?」
「か、彼女は昔から私のことを応援にしてくれてました。つ、連れてきてください」
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「失礼します!昨日のサイン会についてですけど!!あのヒゲは何なんですか!?」
「な、何がですか?」
私はヒゲを付けて応対した。フレディさんに寄せて葉巻も咥えてる。
「な……!」
「と、ところで2号さん……アポは取ったんですか?」
「アポって言われても……」
「ど、どうやらヒゲに文句があるようですが……昨日サイン会にいたのは私なんです……見ての通りヒゲも付いていますよね?」
「で、でも普段はテレビでヒゲなんて付けてないのに……なぜ急に……?」
「ギ、ギャグです」
「……ギャグ……そのギャグあんまり面白くない気が……」
「ぎ、疑問は解決されましたね……お帰りを」
私の渾身の説得に2号さんは帰ってくれました。まぁ納得していなさそうな顔でしたが……。
「いいんですか?あんなヒドイことをして……あの人は昔から応援してくれてたんですよ……」
「こ、これが芸能界というものです……代役なんて日常茶飯事……自伝だって他人が書いてます!む、むしろ私は2号さんに合わせただけ優しい方です!!」
「まぁ分かりますけど……」
「と、とにかくこれで一件落着です……」
そう一息ついてると係員の林田さんが呑気に鼻唄を歌いながら部屋に入って来た。
「~♪ってあれ後藤!?こんなとこで何やってるんだ?」
「「えっ?」」
「生放送始まってるぞ!」
「な、生放送!?いや……でも私はここに……」
私は急いでテレビを付けるとそこにはピンクのジャージを着たフレディさんが歌っていた。
「ば、番組乗っ取られた……」
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「はっ!?」
目が覚めると私は秀華高校の教室、自分の机に座っていた。記憶がだんだんと甦ってくる。あのハイジャック後、私はなんやかんや日本に帰っていたのだ。
本当は作者が日本に帰るまでの道のりも含めて話を書こうとしていたけど技量不足でネタ自体は有ったが話がまとまらず時間だけを浪費した結果となった。
その為、不思議な力が働いて私はイギリスから日本に瞬間移動されることになったのだった。うぅ……せっかくイギリスまで行ったのに捕まった記憶しかない。
というかさっきの夢は何なんですか!私が人気者になれたと思ったら番組乗っ取られてるし!結束バンドも解散してる!夢くらいハッピーにしてほしいです!
「……さん。後藤さん?」
「ア!ッハイ……なんでしょう……」
声を掛けられた私は意識を声を掛けた人物、学級委員長に向ける。最近の私は、林田さんの草の根運動や日頃の行いのお陰で評価が『危険な女』から『筋を通すタイプの不良で、攻撃しなければ手を出してこない女』に変わった。
その為か最近だと挨拶を受ける程度にはクラスメートに受けいられ始めた。もっとも世間話は出来ないし話す時も敬語で話されるのだが……。
「し、秀華祭のクラスの催し物なんですがコレでよろしいでしょうか」
「アッハイ……いいですよ」
委員長が怯えながら尋ねてくる。勇気を出して彼女の顔を見ればその目はうるうると涙目だった。居たたまれなくなった私は何も考えず承認したのだった。
「では後藤さんの承認も頂きましたのでクラスの催し物はメイド喫茶になりました!」
「……えっ?」
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そんな訳で折角の学校行事がイヤになってきました……。
私はそう思いながら手に持っている書類を眺める。そこには『ステージ出演希望』と書かれた記載済みの書類がある……。ん?
「え"ぇ!」
なんでこれが手元に?しかも提出場所である生徒会室の前にいるし……。自分の無意識の欲が恐ろしい……!!
えぇい煩悩よ!消えロキエロ消えろ!
私は昔見た漫画を元に『頂礼』をした。体全体を床に叩きつけることにより私の体から煩悩というものは消え去った。
ついでに意識も消えた。
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目が覚めると知らない天井が目に映る。目を覚ました私に気が付いたのか保健の先生らしき人が駆け寄ってきた。
「目を覚ましましたか」
顔を向けるとハゲたおっさんが現れた。
「起きなくて大丈夫ですよ。貴女が懸念していることは全て解決されています」
懸念?解決?一体なんの話なんだろう……。
「貴女の手に持っていた出演希望の書類ですが」
あの廃棄しなくてはいけない書類!
「ええ。ええ。分かっています」
ちゃんと捨ててくれましたか!?
「ちゃんと提出されています」
なんてことをしてくれたんだ!!?私は心拍数が上がり胸が苦しくなる!ぐぇえ!
「まずい!νοσοκόμα! νοσοκόμα! νοσοκόμα!睡眠薬を!原液のまま注入して!」
苦しむ私の元に白衣の女性が現れる。ナース?保健室の癖に人手が充実しすぎ!?そんなことを考えてると次第にマブタが重くなる……。
「大丈夫です。大丈夫ですよ。そうです……休んで」
私は再び意識を落とした。
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目を覚ました私は医者には入院を薦められたがギターが弾けないし学校で寝泊まりするのもイヤだったので断ることにした。
そして私の危篤を聞いて駆け付けてきた喜多さんと共に帰路に着いたのだが元気が無い。普段ならキターンの効果音と一緒に陽キャ発言をするのだが静かだ。
「……」
「あ、あの喜多さん?ど、どうかしましたか?」
「ごめんなさい!」
「えっ?」
突然の謝罪に私は驚いた。喜多さんには今まで迷惑しか掛けてないがその逆は無い。もしかしたら知らぬ間に陰キャムーヴをかまして苦しめてしまったか!?
私も頭を……いや、それだけでは足りない。体全体を床に叩きつけるくらいじゃないと……!
「ステージの出演希望の書類!どうしても出演したくて私が出したんです!」
「えっ?」
「本当にごめんなさい!」
「……顔を上げてください。む、むしろ感謝しています」
「えっ?」
「さ、最初は何てことをしてくれたんだこの赤陽キャと思っていましたが今は少し楽しみというか……」
私は生徒会室の前での醜態を思い出していた。きっと私だったら怖じ気づいて出すことは出来なかった。中学みたいに何もせずにイベントを消化していたのだろう。
「だから感謝しているんです」
「ご、後藤さん……!」
喜多さんが私に近づいて手を掴む。
「私!もっとギターを上手く弾けるよう頑張るから!」
まるで少女漫画のような展開に私はどぎまぎする。夜にも関わらず喜多さんだけじゃなく喜多さんの周囲までもがきらびやかに輝く。
これが陽キャ……!
「だから!絶対に文化祭ライブ成功させましょうね!!」
「あ……はい」
私は喜多さんの輝きに満ちた熱意に打たれ柄にもなく心を熱くさせた。そうだ。私は中学とは違い仲間がいる。一緒に演奏してくれる仲間が!絶対にライブを成功させよう!そう誓いました。
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翌日の学校。私は廊下をいつものように俯きながら歩く。と言っても全てが同じという訳ではない。
「ふぁああ……」
昨日は興奮してしまい、家に帰った後一睡もせずにギターを弾いてしまった……。喜多さんには人を興奮させる成分が配合されています。絶対に!
「うへへ寝ていない疲れてる筈なのに清々しいです……歌でもひとつ歌いたい気分です~フフフハハハ!!」
気が付けば私は廊下をスキップしていた。徹夜明けの独特なテンションではしゃいでいた私に周りの生徒達は普段以上に距離を開けていましたが私は気にしません。
テンション爆上げで突き進む私は普段なら気を付けている曲がり角にも速度を緩めず突入する。コーナーで差を付けろ!
そんな訳で予定調和と言いますか……私は曲がった先に人がいるのに気づくのが遅れぶつかってしまいました。やってしまった……!
「すすすいません!」
高ぶったテンションが一気に沈みいつもの陰キャに戻った私はぶつかってしまった人に土下座をして謝る。
「とんでもない。待っていた」
「えっ?」
下げていた顔を上げようとしましたが、その男の人は背中から人間一人はすっぽり入るであろう麻袋を取り出して私に被せてきました。えっ!?拉致?誘拐!?
もがこうとするのですが麻袋の上にロープで縛られ体はピクリとも動かすことが出来ない。
「ククク。怪我をしたくないなら大人しくしたまえ」
一体なんなんだこの存在Xは!?一応私はこの学校の番長です。なんやかんや恨まれています。対象が多すぎて誰なのか分かりませんが(笑)助けてぇ!!
抵抗できない私は必死にこの男が誰なのか考える。麻袋を被せられる時に一瞬だが私は男の顔を見た。
その男は白塗りにコウモリ?のようなのフェイスペイントをしていた。うん。誰だ!?
後藤の夢の中でみた未来の結束バンドとその他の面々。
後藤ひとり・結束バンド解散後、ソロで超売れっ子となっており日本だけでなく世界的にも活動をしている。体を114510体まで分裂出来る。
伊地知虹夏・結束バンド解散後、大学では経営について学び卒業後はSTARRYの経営に携わり現在は株式会社STARRY の役員をしている。
山田リョウ・結束バンド解散後、いつも通り草を食べる生活を行っていたところ偶然にも新種の植物を発見。博士の学位を取得する。
喜多郁代・結束バンド解散後、ヨーチューバーとして活動する。主に『歌ってみた』やメイクグッズ紹介等で人気を博している。日本人で初めて登録者数一億人を達成した。
神山高志・大学卒業後、国家公務員一種試験に合格するも将来に面白味がないと感じていた。そんな時に後藤に土下座で頼まれて専属マネージャーとなる。他のメンバーに比べて脚光こそ浴びてないもののその辣腕に『神山がいなければ後藤は世界に進出することは出来なかった』と言われる。
林田慎二郎・高校卒業後、ボクサーとして活動するもそれだけでは食べていくことが出来ず後藤に頼み込んで係員として雇われる。その後、世界チャンピオンに『モヒカンが面白い』という理由だけで対戦相手として指名される。それを切っ掛けに昨日までの自分に打ち勝っていくがそれは別の話。
廣井きくり・死亡。その死の詳細はSICKHACKしか知らない。後藤は廣井についてインタビューを受けた際に『私の師匠はお姉さんだけ』と短く語っている。このインタビュー以降、後藤は飲酒をするようになった。
覆面を被り後藤に成り代わった女の名前。
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マスクド後藤
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ジェット後藤
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後藤ザグレート