今日はSTARRYで結束バンドの今後を決める為にミーティングを行う予定……なんですがその前に私は林田さんを喫茶店に呼び出しました。
「おう後藤。珍しいなお前から誘ってくるなんて」
「とととと突然呼び出してスミマセン!」
「別にいいよ友達だろ!」
「と、友達……うへへ」
林田さんがコーヒーを一口飲む。私もそれに合わせてアイスティーを一口飲んだ。
「で?俺を呼び出して一体どうしたんだ」
「アッハイ。じ実は悩みが有って相談したいことが有りまして……。た例えばの話です。は、林田さんは今ボクシング部に所属しているじゃないですか」
「ああ。そうだ」
「も、もし林田さんの他に初心者が入ったとして一緒に部活をしたとします。そその時にその初心者の人が実は経験者だったらどう思いますか?」
「?んー。戦力が増えたと思うな」
「その人に経験者ということを内緒にされていたのですが何とも思わないのですか?」
「別に何とも……まぁやってるなら言えよとは思うかな」
「そ、そうなんですね」
なるほど。特に怒られたりはしなさそうだな。先日の一件で私は自分がguitarheroであることを打ち明けようと思ったが、初ライブは満足に演奏出来なかった。
そんなこともあり、この状態で打ち明けたとしても変な空気になる。或いは非難されバンドをクビになるかもとビクビクして夜しか寝れなかった。そこで私は林田さんで試してみることにした。
林田さんはああ見えて義理堅く友達想いな所が有って相談しやすいのが一点。そして、ここが一番重要な所なんですが相談をする相手は口が堅くないといけません。それを踏まえると林田さんが適任でした。ぶっちゃけ明日になったら忘れてそうです。
「ほ、本題に入ります!じ、実は私guitarheroなんです!」
「な……なんだと!?」
林田さんは目を開きカップを口に近づけ一口分のコーヒーを口に含む。そして喉に流すとカップを床に置いて訊ねてくる。
「guitarheroってなんだ?」
「アッハイまずはそこからですね。すすいません説明します!」
そうして私は林田さんに自身がguitarhero名義で動画投稿していること。バンドメンバーには内緒にしていること、実力がバンドだと十全に発揮出来なくて罪悪感を覚えることを伝えた。
「な、何とかバレる前に上手くなれれば良いんですが……」
「その堅苦しい考えが駄目なんじゃないのか?」
「え?」
林田さんはコーヒーを飲んで話し出した。
「guitarheroだからブザマな格好見せられねーとか周りに示しが付かねーとか……そういう精神的なプレッシャーが有るから下手なんじゃないのか?」
「は、林田さん。き、急にマトモなことを言いますね……」
「ストレスで体調悪くなったりすることも有るだろ?周りにバレたらどうしよう……とか思うから余計にプレッシャーになる。だけど俺に打ち明けただけでも幾分楽になっただろ?」
「は、はい!そういえば楽になってきました!」
「俺からすればそれはたいした悩みじゃねぇ。お前はギターが上手い。それだけで十分だよ」
「あ、ありがとうございます!な何だか今なら人前で演奏しても大丈夫かもしれません……」
「そうだよ……その心のゆとりが大切なんだよ……。まぁあれだよな。人に悩みを打ち明ける……それだけでだいぶ気が楽になったんじゃないか?」
「は、はい!こ心のわだかまりが取れた感じです!」
林田さんがコーヒーを飲む。私も話していて口が乾いてきたので林田さんに合わせてアイスティーを飲んだ。
「それでさ……実は俺も悩みっつーか、隠し事みてぇなモンがあってな……それで色々悩んでたけど、後藤と話していて何だか悩んでいるのがバカバカしくなってきたよ」
これは意外です。私から見ると林田さんは悩みとか隠し事なんて無縁に見えるのに……。林田さんは私にアドバイスを教えてくれた。良い答えが返せるか分かりませんが悩みを打ち明けるだけで気が楽になるのなら……。
「言っちゃってください!誰にも言いませんから……」
別にたいした悩みでもなさそうですが……。
「ありがとう……。じゃあ言うけどさ」
林田さんはおもむろにモヒカンを掴むとそれを上に引っ張った。
「実は俺カツラなんだ」
「ぬお!!」
「まぁお前の悩みに比べたらたいした事じゃねーけどよ……」
七三分けされた黒髪がモヒカンの下から現れた時、私は自分の悩みが何処かにすっ飛んでしまった。せっかく人前に出ても大丈夫かも……と思っていたのですが……いやそんな事はどうでも良い!!
「いい一体なんでそんなことを!?」
「実は俺の親さ、めちゃ厳しいんだ。兄弟もエリート揃いだしな……。その反動だろうな……俺はカツラを被りワルの道に入っていた……けどいまだに親が怖くて今一つ踏ん切りがつかない。だから今でも家ではこの七三分けなのさ」
「わ、分かります。わ、私も前より悪くなりましたがそれでも親は絶対的な存在です。……ししかしその髪型でスーツ着たら100%サラリーマンですね……」
「実は……後藤は気づいてねぇだろうけどこの髪型の時に街中で二、三回会ってるんだよね。スーツなんて着たら誰も俺だと分からねぇよ……」
こうして私達は相談を終えて喫茶店を出ました。気は楽になったのですが正直林田さんの悩みに全て持ってかれて心のゆとりが消えてしまいました。人前で演奏なんていつになったら出きるのでしょうか……。
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「じゃあ第一回結束バンドのミーティングを始めるよ!」
イエーイと虹夏ちゃんが音頭をとる。どことなくリョウさんも楽しげだ。対して私の方は上手く参加出来るか不安で少し憂鬱気味になっている。
「本当ならバンドの方向性とか話し合いたいけど私達って知り合ったばかりでしょ。軽ーく雑談をしようよ。そんな訳でフレディ!例の物を持ってきて!」
そう言うとフレディが何か文字が書かれた立方体のサイコロの様な物を持ってきた。
「こ、これはなんですか?」
「このサイコロには色んなテーマが書かれてるよ!出た目のお題について話し合おう!じゃあ早速レッツゴー!!」
そう言って虹夏ちゃんがサイコロを投げた。あ"あ"あ"不味い!私は台本が無いと喋れないのに……。頼む!変なお題が出ませんように……。そう祈っている間にサイコロが止まった。
「えーとお題は……学校の話!略して……」
「ガコバナ!……じゃあぼっち、どうぞ」
「え"え"!?」
リョウさんが私に話を振ってきたが当然ながら話なんて思い付いていない……。しかしこのまま黙っていれば変な空気になるのは必定!かくなる上は……。
「そ、そういえばリョウさんと虹夏ちゃんって同じ学校なんですか?」
人に擦り付ける!これしか無い!!
「そうだよー同じ下高だよ」
「私達、家が近いんだ」
「な、なるほど下北沢にお住まいで……」
「ぼっちちゃんは?秀華高校だから近いんでしょ?」
「い、いえ私は県外で片道二時間掛けて来ています」
「二、二時間!?遠っ!なんで!?」
「新しい高校では私の事を知ってる人間がいなければ良いなと……」
「や、止めよう!何だか闇が見えるよ!」
「ぼっち。新しい高校って言ってたけど前はどこだったの?」
リョウさんのツッコミに思わず言葉が詰まる。このまま正直に話せば秀華の二の舞になるからだ。神山さんの忠告を思い出せ。なんとしてでも秘密にしなければ……。
「時期的に見てクロマティ?」
「いいいいいいいえちがいます!!」
我ながら上手く誤魔化すことができました。
「………………」
くっ。虹夏ちゃんが疑いの目を向けてきます。もう二、三個言い訳を言っておいた方が良さそうですね。
「ふーん。そう言えば私の後輩に神山っていうのが居るんだけど……知らない?」
「しししし知りません」
不味い。そういえば神山さんも同じ下北沢だった。まさか私のことは言ってないよね?言ってませんように!
「まぁクロマティじゃないなら知らないか。そういえばクロマティヤバかったらしいね。隕石落ちたそうで」
「アッハイそうですね」
よし。なんとか誤魔化せれました。隕石の件なら新聞にも載りましたし適当に話を合わせておけばなんとかなりそうですね。
「神山が言ってたけど隕石から宇宙人が出てきたらしいね。何か言ってた?」
「アッハイ自己紹介をすると書いてましたね。じ、時間が無くて帰りましたけど」
「なるほどね。とりあえず2つ分かったよ。ぼっちは嘘が苦手なこと。そして新聞をあまり読まないこと、がね」
「えっ!?」
「ぼっちちゃん。私も神山君から聞いたけど宇宙人の話は政府の意向で機密事項になってるから関係者以外知らないんだよ」
なんてことだ!リョウさんの自然で流れる様な問いに思わず言ってしまった……!これは不味い。虹夏ちゃんなんて目が泳いでいる。言い訳をしなければ……。
「えええーとそれはそのー」
駄目だ言葉が出てこない。何を言おうにもビビっちゃって口から言葉が出てこない。二人の反応が怖い。
「無理して言わなくてもいいよ。ぼっち」
「ぼっちちゃん大変だったね」
ん?二人の様子がおかしいです。恐がられるかと思いましが……あっそうか。普通に見れば私のような根暗コミュ障はクロマティではいじめられてるように見える。だから労ったような言い方をしているのか。
「に、虹夏ちゃん……り、リョウさん……」
一応悲劇のヒロインぶって目を潤ませておこう。
「神山から聞いたけど番長どうだった?」
「そ、そこそこ大変でした……ん?」
「ん?どうしたのぼっちちゃん?」
「あ、あの~。もしかして私がクロマティで一年番長だったっていうの知っていますか?」
「知ってるよ神山から全部聞いた」
神山さん!何やっちゃってるんですか!
「げ幻滅しちゃいましたよね……ま、まさか私が番長だったなんて……」
「そんなの関係ないよ!」
「に、虹夏ちゃん……!」
「ぼっちちゃんの過去なんて関係ないよ。私達は知ってるよ。ぼっちちゃんが頑張ってるところを」
「あと友達想いな所も」
「み、皆さん……!」
皆さんなんて優しいんでしょう。ビクビクしていたことが逆に恥ずかしいです。私は素晴らしいバンドに入れたことに幸運を覚えます。こんなこと一生に一度しかないでしょう。
「ちなみにぼっち。秀華ではどうなの?」
「し、秀華でも番長になっちゃいました……うへへ」
冗談らしくおちゃらけて言うとリョウさんは目を輝かせている。まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のようです。虹夏ちゃんはというと。
「…………!?」
驚いてる顔をしていますね……。少し不味いかもしれません。地雷を踏んでしまったかもしれませんね。まぁ無理もありません。私のような陰キャが番長なんてどこのギャグ漫画だよ!っていう話ですから。
「あ、あの~虹夏ちゃん。あ、安心してください。STARRYに喧嘩は持ってきませんので……」
「……ぼっちちゃん。いや後藤さん!」
「……え?ななんでいきなり名字呼びなんですか虹夏ちゃん?」
「そんな虹夏なんて……伊地知と呼んで?」
不味い!距離を取られようとしている!バンドから厄介者を追い出そうとしている!間違いない!!
「ままま待ってください!」
「出口はあっちだよ」
虹夏ちゃんが出口に指を指して出ていくよう促す。ううう……折角皆さんと仲良くなれたと思ったのに……。折角夢だったバンドに入れたと思っていたのに……。
こうして後藤ひとりは二度とSTARRYの扉をくぐることは有りませんでした……完。
「ぼっち……ぼっち!」
「はうあ!?り、リョウさん」
「トリップしてたよ。あと虹夏。冗談キツいよ。面白かったけど」
「じ、冗談?」
「私達に秘密にしていた罰的な物だよぼっちちゃん!」
「い、虹夏ちゃん……」
「バンドっていうのはある種の家族みたいなものだからね……私達は全て受け入れるよ!」
「まぁ犯罪に関わってるならともかく。そうじゃないならね」
虹夏ちゃん。リョウさん。本当にありがとうございます。
「ふふふ……じゃあ学校についてはもういいかな。サイコロを投げるよ!」
「何が出るかな。何が出るかな」
そう言って虹夏ちゃんがサイコロを投げると次はノルマの話が出た。ノルマとはなんぞやと聞くとライブに出るにはチケットノルマを達成しないといけないそうだ。
出る度に数万円の出費が発生する。
「だからさバイトをしよう!」
「ば、バイト!!」
「今日一の声だね」
リョウさんが何か言ったが聞き取れなかった。バイトなんて嫌だ。社会が怖い……!いっそ舎弟と勝手に言ってる連中から会費でも取ろうか……。
「おーいぼっちちゃん!発想が怖いよ!犯罪チックになってるよ!」
「私にも一口かませて」
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そうして拒むことを知らない陰キャ女子後藤はSTARRYでバイトをすることになったがその様子はクロマティと絡みづらいのでこの小説には書かれません。悲しいなぁ。
原作を、見よう!
喜多さんの加入をクロマティとどう絡めれば自然に出来るか考えてるが思い付かないので次は外伝的な物を書きます。ぶっちゃけそろそろ山口が書きたい。
初めてのアンケートにちょっとワクワクしている自分がいます。
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後藤ひとりを停学処分にさせたい
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結束バンドを停学処分にさせたい
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後藤ひとりを留置場に送りたい
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結束バンドを留置場に送りたい
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原作通り