書きたくなって書きました!後悔はしてません!
ここは異聞帯。
並行世界論からも弾かれた世界。
いや、この異聞帯は神によって逸脱した世界ではない。
この世界は人によって異聞帯へとされた世界である。
そして、この世界ではあるものが全ての優劣を決める世界。
ザッ!ザッ!ザッ!と森を走る1人の男がいた。
「い、嫌だ!?」
森を走り続ける男が自身を追い掛けてくる死神から逃げようと全力で走っていた。
だが、それも無意味に終わる。もう既に追跡していた存在は、
ザシュッ!!
斬っていたのだから。
バタリと逃げていた男が大量の血を体外に吐き出し死んだ。
それを冷めた目で見ていたのは、この異聞帯の担当をしているのは
「処理は完了した」
その時、湊の持つ刀にあったものが変化する。
「ご苦労様です。四季
「……ハーズか」
「はい」
脱走者の男を始末した湊の所に現れたのは四季の率いる部隊の1人であるハーズ=ヴァールハイト特務大尉であった。
「この程度の相手ならば私か他の者が対応しましたが、よろしかったのですか?」
敬礼を崩さずにハーズは湊へと質問した。
「こいつは裏切り者だ。そんな奴に与える慈悲はいらない。……だからこそ俺の力になってもらった」
「不躾な質問をすみません」
「構わないさ」
敬礼のまま目を伏せるハーズに湊は気にしてないという風に答える。
「それと先程、元帥閣下から来てくれと連絡がありました」
「シュメルマンから?」
「はい」
ハーズのからの報告に湊は疑問を感じた表情をした。湊はハーズへと更に聞く。
「用件は何かを聞いているか?」
「詳しくは何も……ですが元帥閣下からは例の件について、との事です」
「そうか……行くぞ」
「了解しました」
それを聞いた湊は目を伏せ、その場からハーズと共に離れた。
シュメルマンがいた場所は、この異聞帯において入られる者が限定されている楽園の壁と呼ばれる場所であった。
「それで先生。例の件での話と聞きましたけど?」
「あぁ、その通りだよ。湊くん」
にっこりと人の良さそうな笑みを浮かべているシュメルマンに湊は呆れたような表情をする。
「離人の活動でも見ましたか?」
「ふむ。何故分かったのかね?」
「そんなに嬉しそうな顔を見れば誰でも分かりますよ」
ハァとため息を吐く湊。
「ふふ。そうか」
その事に本当に嬉しそうに笑う。だが、いつまでもプライベートな事を話してるばかりではダメだとシュメルマンが話し出す。
「外からの使者でコヤンスカヤという存在が君に伝言を頼んできてね」
「あの性悪狐が、ですか?」
「何でも、次のクリプターの会議とやらには参加するようにとの事だ」
「………」
シュメルマンから伝えれたことに嫌そうな顔をする湊。
「そんなに他の仲間に会うのが嫌なのかね?」
「俺からしたらそこまで仲間意識は持ってなかったと思いますけどね。俺にとっての仲間はAクラスの奴らだけですよ」
シュメルマンは湊へと近付いてその身体を抱き締めた。それをよく分からぬ顔でシュメルマンを見る湊は本人に聞くことにする。
「何ですか、これ?」
「君が辛い気持ちをしているのは理解しているつもりだよ。だからこそ私やアランには素直に甘えていいのだよ?」
「流石に、俺とあんたらの歳を考えろよ」
「………ふむ」
「おい。何か変なことを考えてないだろうな!?」
急に考え込んだシュメルマンに嫌な予感がした湊はすぐに答えるように言う。シュメルマンはそれに対して、特に問題なさそうに答える。
「いや、それならパパと呼んでもらうのがいいかなっと思ってね」
「それは離人だけに頼めや!」
「ふふ。緊張は解れたかい?」
そんな日常な雰囲気での話し合いの延長のようにシュメルマンは湊へと聞いた。
「おかげさまでね」
「私やアランで無理なら離人たちに甘えるようにしてみたまえ」
降参っという風に両手を上げる湊は、やはりシュメルマンには誤魔化せないかと思った。
実際に湊は地球の白紙化に伴い、地球時間で濾過期間の3ヶ月の間。一度たりともAチームのクリプターの面々達と連絡をとっていないのだ。
「それにそのAチームの彼らとは
「それでも昔の仲間だった奴らだろうと、このアルシアを滅ぼさせはしませんけどね」
「そうか……それと彼女は例の部屋で君を待っているよ」
「了解しましたよ。シュメルマン元帥閣下」
そう言い、湊はコヤンスカヤがいる場所へと向かう。
特務特別室
ガチャリ
湊はある一室の部屋に入った。
「それでまだ何か用か」
そこにはコヤンスカヤが座って待っていた。
「これまで一切連絡がなかったクリプターの1人のご確認でございますよ」
「白々しいな。どうせ、この異聞帯独自のバロットが目的だろうが」
「否定は致しません」
湊の殺気を含んだ視線に全く怯まずに答えるコヤンスカヤ。そして手元にある資料の入った封筒を湊へと渡し、湊は封を空けて中の資料を確認する。
「これは……」
「はい。キリシュタリア様からお預かりした資料でございます」
「……チッ」
片手に持っていた資料を湊は燃やしつくして灰すら残さなかった。
「それではまた何かご用がお有りでしたらお呼びくださいませ」
「………」
そう言ってコヤンスカヤはその部屋から消えた。湊はそのまま自分以外が居なくなった部屋から退出して、廊下を通って外に出る。
「この異聞帯では誰も
そう言いながらもAチームの面々を思い出す湊は考えた。
ペペロンチーノならばサーヴァントがいなくても単独でも戦えるだろう。
逆にカドックやオフェリアは気休め程度が限界だろう。
ベリルは思いがけない何かをしてくる可能性から注意が必要になる。
デイビットとキリシュタリアならば、この世界の秘密を暴いて動くのが分かる。
ヒナコは無関心で戦うこと自体がないかもしれない。
この世界はある存在が絶対の世界。
誰であろうとその存在の決定を破ることは出来ない。
故にこそ、この世界の平和は保たれている。
そして、この世界の英雄は今もなお生きている。
「だが……誰であろうとこのアルシアを落とそうと来るのであれば……俺が奪う」
湊が抜いた刀には星のマークとあるものが刻印されていた。
「この『奪撃』がな!」