タフネス系乙女ゲー主人公VS一般転生モブ兄妹VS出遅れたイケメンども。   作:はめるん用

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 こねると思わせて油断したところをねりながら初投稿です。



世界観ねりねり。

 いやぁ、朧は強敵でしたね! 

 

 知らんけど。

 

 

 詳しい話は気になるっちゃあそうなんだが……朝比奈も、暮間さんも、イケメンたちも、それはもう根掘り葉掘り質問責めにされていたことを思えば、ひとりぐらいは静かに労う人間がいてもいいだろう。疲れているときに同じ内容を繰り返し説明させられるイライラはよぉ〜く知ってるし。

 民間人の被害が一部のメディア関係者と動画配信者だけで朧討伐のシナリオが完了したのは、原作を知る転生者視点としては上出来だと思う。民間人の被害を可能な範囲でどうにかしようと動いてはいたが、自分から死にたがるヤツの世話まではやってられん。命が危険だと知らされた上で忠告を無視するなら勝手にすればいい。

 

 それに、正直なところ俺としては朧討伐の紆余曲折よりも黄泉比良坂から鬼が溢れなかったという事実に安心している。

 

 まだまだ鬼が大勢残っている状態で意識を手放してしまったが、寝起きを待ち構えていた黄龍の爺様が言うには現世までたどり着けた鬼はひとりもいないとのこと。きっと俺が死に戻るタイミングと朧が討伐されたタイミングがほぼ同じだったのだろう。

 日が落ちて薄暗くなった神社で、神秘的な蒼桜の中で()()()()目覚めたときには所詮はこれがモブキャラの限界かと落ち込みそうになったけどな。さすがは主人公を含めたメインキャラクターで構成された攻略チーム、仮にもラスボスが相手だというのに全員生存とは恐れ入る。

 

 

 俺は死んだけど目的は果たせたので問題はありません。ひとりでやれることなんて限られているのだから、原作知識があるからと慢心して高望みなんて、してはいけない。(戒め)

 

 

 そして紅蓮と静流の個別ルートを潰してしまったことについての是非は難しいところだ。本来ならば朝比奈真白とのイチャコラの中で抱えていた問題を解決する流れになったかもしれないが、シリーズ物のよくあるパターンとして弐のシナリオは友情ルートがベースになっていたことを思えば原作通りと言えなくもない。

 風魔と大地に関しては……まぁ、頑張ってくれとしか。イベントが潰れた影響で絆を育む時間はかなり削られてしまったが、ゲームと違って限られた条件でしか一緒に過ごせないワケじゃないんだし。邪魔もしなければ手助けもしないが、真っ当に努力するなら応援ぐらいはしておこう。頑張れ男の子、最初から手を差し伸べていればもっと印象は違っていただろうが過去を悔やむより未来に希望を見出せ。 

 

 

 あぁ〜、甘酸っぱいアオハルの音〜。

 

 やっぱり、学生が学生らしくしている姿を……最高やな! 

 

 

 そんなことより次だよ、次。初代のシナリオは概ね消化したということは、これから弐のシナリオが始まるということだ。備えあれば嬉しいな、続編でも自分にできる範囲で犠牲になる人々をどうにかこうにか助けるのが転生者としての役目でしょ? 

 

 

 だから、ステータスを鍛える必要があったんですね。いや、ホントにね……黄泉比良坂で召喚術式が使えていたらと思うと、本当にもう……。

 いや、だってしょうがないじゃん。そんな予定無かったんだもの。前世の知識に引っ張られ過ぎたよね。低レベルでもスキル含め手札さえ揃っていればどうにかなるっていうね。

 

 だから、ステータスを鍛える必要があったんですね。大事なことだから2回繰り返したが、マジでステ鍛えよう今度こそ。防御系のスキルや耐性系のスキルは概ね揃ったことだし、今度は攻撃手段を充実させる方向で鍛えるべきだろう。

 いくら死に戻りが可能だからって、さすがに敗北を受け入れ過ぎだと思います。もっとこう、勝利を求めて前に進むぞ! っていう心の強さが俺には足りない。死にゲー世界では心の強さが無ければ生き残れんのだ。俺が劣っているもの、それは……心じゃよッ! 

 

 

 と、いうことで。

 

 春休みは特訓の時間だオラァッ!! 

 

 

 と、意気込んでいたところで。先生からありがたい提案を賜ることになった俺。なんでも義塾方面のとある迷宮を管理していた神社でちょっとした引き継ぎの問題が起きたらしい。

 神主であるお爺さんが病気で亡くなって、遺されたお婆さんが引き続き管理をする予定だったがこちらも体調を崩してどうにも厳しい。それを知った息子夫婦が、せめて快復するまでは一緒に暮らそうと提案したそうだ。

 

 だがここでひとつ問題が発生。なんでも神社を離れる際に必要な手続きに不備があったらしく、お婆さんが不在の間に神社に駐在してくれる人員の手配が滞っているのだとか。朧の一件、というよりは炎翁の一件からなにかと忙しいため人手不足らしい。

 それこそ義塾関係者で解決するべき問題だろうって気がするが、学園の教師にまで助けを求めてくるぐらいだから死ぬほど忙しいのかもしれない。先生にはアレよ、なにかとお世話になっているから恩返しもしたいじゃん? だったらここで断るヤツなんていねぇよなぁッ! 

 

 

 ちなみに。

 

 ちゃっかり到着しておりますここ『風祭神社』で管理している迷宮は『薫風の庭』という名称で、特に前作を未プレイであれば序盤で攻略するのを推奨される低難易度の迷宮である。

 しかしその奥には『裏界(りかい)胡蝶夢幻回廊(こちょうむげんかいろう)』という名前の響きだけで入念な準備が必要だと初見さんでもわかりやすい高難易度の迷宮に続く入口があったりする。

 

 

 解放条件は鬼神クラスとの戦闘! 

 

 もちろん俺は条件を満たしている! 

 

 つまりエーテルを稼いでレベル上げをするための環境はバッチリ整っているってことだッ! HAHAHAHAHAッ!! 

 

 

 うーん、この。

 

 学生の立場として言いたいことは色々あるが、これは個人単位の口約束ではなく行政から許可を得た正式な仕事なんだよなぁ。

 

 

 チート転生者がギルマスやら王族やらとその場の勢いでポンポン重要任務を決定するようなヤツじゃなく、ちゃんと必要な手続きを全て済ませてから俺は風祭神社までやってきている。

 なんなら、わざわざ先生が俺の実家まで出向いてお父つぁんとお母つぁんから了承のサインと実印をしっかり貰ってきているワケで。お役所で担当者の方にも挨拶を済ませているのだから気にすることなんてなにもないんだけど。 

 

 これは、アレだな。転生モノや転移モノでよくある『原作の知識』と『前世の常識』を混同してしまう、ってのを俺もやらかしている証拠だな。

 この世界の大人たちがこの世界のルールに則ってヨシッ! って言ってるんだから余計な勘繰りしないで素直に“そういうもの”として受け取っておけばええんやで? 

 

 拠点と引き換えに行動が制限されるようになってしまったが、黄龍の巫女と四神の侍を隠れ蓑にして1年間好き勝手にやってきたツケだと思えばむしろ少な過ぎるぐらいだろう。

 担当のお兄さんなんかは「社会勉強を兼ねたアルバイトぐらいの気持ちで取り組んでくれても大丈夫ですよ」と言ってくれた。手続きの不備とお婆さんの快復までの繋ぎなのだから、重要な部分の処理は終わっているも同然だと。

 

 しかしねぇ……私としては、社会人経験者なのだから……。多方面に迷惑をかけると知っているのだから、無責任な行動は慎むべきなのだから……。

 

 ステータスの強化も、続編で起きるかもしれない事件について調べるのも、どちらも俺の個人的な都合でしかない。目の前にある果たすべき義務と責任を放り投げての人助けなど、主人公なら許されるかもしれないがモブキャラは許されんだろ。

 まずは迷宮の監視をしっかりと行い、神社が荒れないよう気配りと手入れを怠らないこと。その上で時間が余ればトレーニングに取り組んで、人を鬼に変えてしまう危ないお薬『デモンシード』に関する情報集めは運が良ければ実行する努力目標ということにしておこう。

 

 よし。

 

 いま考えるのはこんなところか。

 

 時間はある、焦っていきなりアレもコレもと予定を詰め込んだところでゲームのように処理できるはずがない。できることからコツコツと、まずは最寄りの商店街に挨拶して顔を覚えてもらうとしよう。ニンジャでなくとも、侍だってアイサツは大事だからな!




 とりあえず彼方くんを義塾方面に移動させることは成功しましたが、春休みの間だけという時間制限の中でどれだけ物語を動かすことができるか……高度な柔軟性を保ちつつ臨機応変な執筆が求められますね。
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