タフネス系乙女ゲー主人公VS一般転生モブ兄妹VS出遅れたイケメンども。   作:はめるん用

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 大まかなストーリーが決まったので初投稿です。



だいたいこんな感じ。

 まずはおさらいだ。緊張をほぐすためにも予習復習は大切だって筋肉80パーセントのサングラス兄貴(弟)の人も言っていたし、俺も日比野鈴音との戦闘に備えてもう1度情報を整理しよう。

 

 戦闘の基本についてはそこまで大きく変わらないだろう。ゲームと違いシステムの壁は一定のラインまでしか機能していないのだから当然だな。

 

 特殊行動としては、鬼神の血を引く主人公特権として神霊や精霊の力に由来する式神の召喚術式ではなく、基本的に表舞台に姿を見せない陰陽師たちと同じ鬼由来の召喚術式を扱うことができる。

 が、これもいまの段階ではまだ無縁だろうから関係ないな。そもそも迷宮に入って鬼と戦えるアテがあるなら無断侵入なんぞ企まないだろうし。朝比奈みたいに鬼→精霊→召喚みたいな流れを警戒することはないと仮定する。

 

 つまり、戦闘スタイルについては原作のデフォルト設定を想定する感じでオッケー。木刀による斬属性、いやこの世界だと打属性が反応するか? とにかく刀剣属性の武器攻撃がメインになるはず。オマケで火属性の射撃と水属性の回復ぐらいかな。

 

 

 ならば俺に求められる役目とは、日比野鈴音にエーテルの流れを掴む方法と霊力や霊気の使い方の基礎を教えて今後に備えること────なんて考えるのは浅はかってもんよ。なんでもかんでも見通せるほど賢くない俺でも、失敗から学ぶぐらいのことはできるのだ。

 良かれと思って手助けした朝比奈真白はどうなった? 確かに序盤は安定したかもしれないが、攻略対象のイケメンたちとの交流が減ってしまいイベントが省略されて弱体化しているじゃないか。最強武器の素材も横取りしちゃったし、ラスボス戦では本来しなくていいような苦戦を強いられたに違いない。

 

 

 結果的に丸く収まったのはそうかもしれない。だが俺の軽率な行動がマイナスに作用したことから目を逸らしてはいけない。終わり良ければ全てよし、で済ませられるほど俺は器の大きい男じゃない。失敗は失敗として受け止めてこそ、死にゲーは次に繋がるというものだ。

 

 

 鬼切姫・弐のエンディングは6種類。イケメン4人とのハッピーエンドのほか、友情ルートが2周目から分岐するようになる。1周目は表向きのラスボスを倒してエンディングだが、条件を満たすことでデモンシードの関係者を操る黒幕を倒すルートへと分岐する仕組みになっている。

 シナリオの流れを都合良く操作しよう、なんてことまでは考えていない。それは日比野鈴音がプレイヤーの介入無しに自分で行動して選ぶのだから、俺が口出しするようなことじゃない。重要なのは、イケメンたちとの交流を邪魔しないこと、パワーアップのチャンスを潰さないことだ。

 

 実際に、朝比奈のときだって最初はそれなりに上手くはいってたんだ。

 

 大地と静流と一緒にトレーニングを始めたときは原作通りのシナリオが始まったと、やはり世界の修正力はしっかり仕事をするんだなと安心していたのにあのザマだよ。

 だから、今度こそ油断しない。正攻法で強くなるためのアレやコレを攻略対象たちと一緒に学べるように配慮した上で、日比野鈴音にとって価値のある模擬戦になるよう考える必要があるワケだ。

 

 では日比野鈴音にとって、今後のシナリオで起こり得るシチュエーションを想定した上で価値のある模擬戦とはなんぞや?

 

 それは精神的な揺さぶりを仕掛けてくる相手に屈しないためのタフネスハートを鍛えることではなかろうか? 

 

 基本は迷宮と義塾を往復して鬼を倒して次の迷宮へ、という流れは初代と変わらずそのままだ。特に1周目の友情ルートは日比野鈴音の母親が鬼神であることをサラッと匂わせる程度でシナリオが終わってしまう。

 だがしかし、ルート分岐という名の保護が存在しないこの世界では2周目以降のクリアデータ読み込みフラグなんて知ったこっちゃないと容赦無く事件が起きるかもしれない。誰も彼もが正々堂々とした戦い方を挑んでくるワケではないのだから、万が一に備えるのは無駄にはならないはずだ。

 

 

 つまり、卑怯者と呼ばれるような手段を積極的に採用すればいいってことだな! 

 

 

 死にゲー世界でロマンス有りのメインヒロインを任されているだけあって、日比野鈴音の行動指針は『仁心』と『義侠心』こそが中心に添えられている。

 それ自体は好ましいことだが、だからこそ挑発に弱い。仲間を侮辱される、子どもなどを人質に取られる、あとはなにがあったかな……とにかく沸点がちと低め。あんまり冷静沈着が過ぎると冷たい人柄に見えてしまうからしゃーなし。

 

 ゲームではプレイヤーの介入という名の閃きでピンチを乗り切ることも可能だが、普通は感情が昂っているときに急に冷静になれる人なんて珍しいってレベルじゃないだろう。

 咄嗟の判断力が一朝一夕で身に付くとは思えないが、なにもしないよりはマシなはず。原作通りに佐々木を倒したあと宮本が乱入してきたときに、ほんの数秒でも思考停止の時間を減らせるだけでも意味はある。……と、いいなぁ。

 

 意図的に底意地の悪い戦いを仕掛けるならば、ほぼ確実に日比野鈴音からは嫌われるだろう。だが俺には関係ないね。俺が求めているのは原作ヒロインとのハーレムじゃない、ただ異能力バトルの世界を存分に堪能したいだけなんだ。ちょっと凪菜に飛び火するかもしれないけど、そこはまぁ大目に見てもろて。

 

 でもなー。半端に鍛えて、あとのことはもう知らねぇッ! ってのもちょっと無責任かなー? 責任、責任ってなんだろう。転生しても正解がわからない難しい問題だわ。

 鬼と戦って人を護ればそれが責任、みたいな単純な話じゃないし。うん、こんな余計なことを考えてしまうあたり、やっぱり朧討伐を終えて気が緩んでいる証拠だな。日比野鈴音たちが模擬戦を了承したら、俺自身の鍛錬のつもりで挑まないといかんなぁ。




世界の理
『モブキャラの転生者なんて主人公が強くなるための踏み台でも上等な扱いだと思わんかね? メインヒロインを殴れるもんなら殴ってみろよwww』


冥界童女
『さ、飯を炊く準備でもするか……』

座敷童
『あずき入れよう、あずき』
 
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