仮面ライダーバレット 作:了見
流石にすべては明かしませんが。
てか10話でようやく本編あらすじの話題に触れるのはいくら何でもヤバイ(今更)
ある日の朝
スワンプにはひと時の休みが訪れていた。
裕也が自室でゲームをしていたところに、茂が裕也に話しかけてくる。
「裕也ー、里奈知らない?」
「あ?知らねぇが、頼みてぇことでもあんのか?店は今日休みだろ?」
「いや、ちょっとその辺に転がってた里奈の私物どうしようかと思って。」
里奈はリビングにでもいるだろうと、裕也と茂がリビングへ向かうと、そこでは里奈が机に顔を赤くして突っ伏していた。
何事かと思い近づいてみると、机には酒瓶とグラスも一緒に置かれていた。
「あれ?これって俺が買ったカクテル…って、まさかお前これ飲んだのか!?」
「うへへ~…裕也ぁ~。」
「あらら~、完全に潰れちゃってるね。」
どうやら里奈は裕也たちがいない間に裕也が買っていた酒を飲んでしまっていたようであり、さらに里奈は酒に弱かったらしく、すっかり酔い潰れていた。
「これ自体は安物だからいいんだがよぉ…里奈、てめぇ酒弱いなら無理すんな!」
その後、酔いつぶれた里奈を部屋に運んで戻ってきた裕也は、ソファで一息つく。
そんな時、裕也のもとに一本の電話がかかる。
それは先日自身の記憶喪失の捜査を依頼した純二からだった。
もしやと思い電話をとると、案の定その操作の事だった。
[裕也!何とか少しはわかったぞ!]
「本当か!?」
純二曰く、裕也が記憶喪失になったとされる5年前に起こった事件・事故を片っ端から漁った結果、1つだけ気になるものを見つけたようである。
[埋まっていた資料の中から気になったものを見つけたんだ。]
「"国立柴ヶ崎研究所"…5年前に吹っ飛んでるみてぇだが。」
裕也は純二から送られてきた資料の写真を見て事故の詳細を推察する。
事故はどうやら5年前に起こっていたらしく、その規模もめったにないものだったので、確かにこれは何か掴めるかもしれない。
[興味があるんなら、そこに行ってみたらどうだ。]
「決まってんだろ。」
手がかりをつかんだ裕也は、そのままガンドレッターに乗ってその研究所へと向かった。
…一方、近くで作業をしていた茂は裕也の話したとある単語を聞いた途端、作業の手を止めてしまい、裕也の方を気にするように見ていたことに、裕也が気付くことはなかった。
―――――
羽京は、退屈だった。
最近は面白い実験も何もできておらず、実験体は全員同じような末路を迎えている。
そのため彼の楽しみといえばガイアメモリの改造と趣味の晩酌くらいであった。
そして今日ものどが渇いたので酒を飲もうと酒瓶をとるも、
「げっ、もうないし…しゃーない、新しいの買うかー。」
肝心の酒瓶が空だったので、ため息をつきながら空の酒瓶をテーブルに置き、
すると羽京のもとに一通のメールが届く、なにかと思いメールを見てみると、そこに書いてあった内容を見て羽京は顔色を変えた。
しばらく静寂が続いたのち、フッと笑った。
「来た来た来た~。」
―その顔は、さながらおもちゃを手に入れた子供の様な笑顔だった。
―――――
裕也は市内の町から少し離れた山に来ていた。近くには町につながっている川もある。
どうやらこの奥に5年前までは稼働しており、現在は誰も近づかなくなった研究所があるようだ。
進んでいくうちにどんどん木々が生い茂っており、とてもこんな場所に建物があるとは思えないが、裕也は目的の場所へ足を進めていた。
すると前から裕也を巨大な風が通り抜けると、辺りが静まり帰った。
なんの前触れもなく突然吹いた風に、妙な違和感を覚えるも、その正体に気付くのに時間はいらなかった。
なぜなら背後から猛烈なまでの殺気が裕也に迫ったからだ。
なにかがいる。そう確信した裕也が後ろを振り向くと、そこにはさっきまでいなかったはずの羽京がいた。
「フフ、
自己紹介する羽京に裕也は躊躇なくバレットドライバーで発砲するが、弾丸が羽京の脳天に当たる瞬間、再び風が吹き、気が付けば羽京は裕也の後ろに回り込んでいた。
「ハァ、あぶないな、もう。」
それに気づいた裕也は再び発砲するも、当たる直前にまた風が吹いて、また羽京は裕也の後ろにいる。
まるで風と共に一瞬で移動しているように。
埒が明かなくなった裕也は攻撃をやめ、ひとまず羽京に問いかける。
「なんでお前がここに?」
「さぁ、なんでだろうね?それよりも見てよ、これ、最近完成した自信作なんだー。」
羽京はそう言って1つのメモリを取り出す。
そのメモリを手放すと、メモリはゆっくりと地面に向かっていき、地面に挿さると同時に起動した。
《マスカレイド》
そして次の瞬間、何もなかった地面から大量のマスカレイド・ドーパントが出現した。
予想だにしない事態に驚く裕也をよそに、羽京は手を振るとそのまま森の奥へ姿を消す。
「じゃーね、バイバイ。」
すぐに裕也も追おうとするも、まずはこれをどかさなければと、バレットドライバーを構える。
そしてすぐさまマスカレイド・ドーパントが裕也に襲い掛かる。
しかし裕也はひるまず、生身のままマスカレイド・ドーパントを相手取ろうとする。
その舐め切った態度に一部のマスカレイド・ドーパントは怒っているようである。
そうして1人が裕也に殴りかかろうとするも、あっさり受け流され、0距離で銃撃をくらったのち、後ろに蹴り飛ばされた。
それを見て複数が銃で対応しようとするも、撃つ前に先制攻撃で手首を撃ち抜かれ、ひるんだところを連続蹴りを受けて次々倒されていく。
マスカレイド・ドーパントの数が残り少なくなってきたのを見計らって、バレットガイアメモリをドライバーのマキシマムスロットにセットした。
「チェックメイトだ。」
《バレット マキシマムドライブ》
バレットバーストがマスカレイド・ドーパント達に命中し、次々に爆散していく。
そうして奧の木々も突き破って終いにはそこに立っているのは裕也だけとなった。
―――――
一方、裕也を監視する謎の影があった。
その人物は先日バレットとホーク・ドーパントとの戦いを見ていた人物だった。
その人物は、裕也の様子を見てようやくここにたどり着いたかと言わんばかりの笑みを浮かべる。
そして、半分程が焼け消えてしまった1枚の写真を手にしながらこうつぶやいた。
「…私は必ず成し遂げて見せる。そのためにも、利用させてもらうぞ、仮面ライダー。」
―――――
マスカレイド・ドーパントを片付けた裕也は羽京が入っていった森の奥へ進む、そこには5年前の事件当時のまま放置されていたボロボロの研究所が残っていた。
そこで裕也は、いったん立ち止まって研究所を見つめる。
「…妙だな。」
そうなのだ。
ここでは5年前に大規模な爆発事故があったはず。それなのに取り壊されていないどころか、慰霊碑と言えるものすら建てられていない。そもそも裕也は5年間柴ヶ崎にいたのに今日までこの事件のことを知らなかった。
ニュースを見ていなかったというわけではない。そもそもテレビも新聞もこの大事故のここに5年間まったく触れていないのだ。
それに純二も、「埋まっていた資料の中から気になったものを見つけた」と言っていた。
冷静に考えてみれば、5年経っているとはいえ、この事故の資料が資料室に埋もれていた?
そんなの、まるで、"誰も最初から気にしていなかった"みたいではないか。
疑問が残る中、裕也は研究所へと入る。
ボロボロの建物内を進んでいって、ふと目についた部屋に入ってみると、そこはやけに大きな研究室だった。
当然ながら室内は乱雑していたりあちこち壊れていたりしていたが、大まかな内装はそのままだった。
そして裕也は部屋の奥に置かれてあった資料を目にする。そこには当時研究していた事柄の詳細らしきものがそのまま残されていたが、そこに書かれてあった内容に裕也は絶句した。
「"ガイアメモリの調査報告書"だと…?」
なんとその資料にはガイアメモリについての情報が書かれていた。
そして重ねてあったほかの資料も見てみると、それらすべてが"ガイアメモリに宿る力"や、"ガイアメモリの力を引き出す方法"といったガイアメモリに関する情報を記録した資料が残っていたのだ。
すると色々見ていくうちに、資料の中に一つ他とは違う真新しい紙があることに気付く。
ようやくここまでたどり着けたね
やっぱりすごいよ君は
5年前と同じだ
羽京
「5年前と…同じ?」
―――――
燃え盛る研究所
人々の悲鳴
その中で、友を背負って逃げる青年
その2人を追いかける別の青年
追い付かれた青年は、友を守るために戦い、そして―
「…んぁー…寝てた?」
椅子に座ったまま眠りについていた羽京は、眠りから覚めて背伸びをする。
そして、眠っている間に見た夢を思い返してどこか難しい顔をしていた。
「ふぁぁぁぁ…変な夢見ちゃったなー。そろそろ彼もついた頃かな?」
そうだ
難しいことを考える必要はない。
思い出す必要もない。
計画を進め、彼のすべてを出し尽くさせたとき、
確実に、完膚なきまでに―
殺す。
ただ、それだけだ。
本作におけるマスカレイド・ドーパントの設定
マスカレイドガイアメモリを地面に突き挿すことで地面から生えてきます。
ルナ・ドーパントが出してたやつみたいな感じを想像していただければわかりやすいかと。