仮面ライダーバレット   作:了見

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ども、了見です。
今回新しいメインキャラが出てきます。
それとよく考えてみたら豪拳坂の出番少ねぇなって思ったので急遽出番増やしました。これで不遇枠にはならない、多分。




第12話 闇より出でしE/月刊ミステリア

 

人通りの少ない深夜の路地。

町の影にひっそりとあるめったに人が通らないようなそこを、ジョギング中の男性が通りかかる。

それと同時に、近くに立っていた時計は、4時44分を示した。

すると、男性は背後に気配を感じ、足を止めた。しかし後ろには誰もおらず、気のせいかと思い、再び走り始めようと前を向いた、次の瞬間、

 

「フッ…ハハハハハ…」

 

「!?うわぁー!!」

 

目の前にはさっきまでいなかった"何か"が、浮遊しており、ゆっくりと男性に近づいていた。

男性は咄嗟に逃げようとするも、それは巨大な口を開いて男性に急接近し、飲み込んだ後、跡形もなく消えてしまった…

 

 

 

 

 

 

「―っていう噂が、最近広まっているんだよねー。」

 

所変わって、スワンプ。

里奈は最近話題のある噂の話をしていた。

柴ヶ崎では連日、1つの噂が飛び交っていた。

それは、「4時44分ちょうどにとある路地を歩いていたものは、あの世へ連れ去られる」

そんな噂が広まったのは1週間前、柴ヶ崎の学校に通う1人の男子学生が学校帰りにその路地を歩いたところ、行方不明になった。

それから毎日、必ずと言っていいほど人が消え続けた。

そして人々は、これを「あの世に連れ去られた」と考えるようになった。

 

「あの世、ねぇ…ま、そういうことか。」

 

酒を飲みながらその話を聞いていた裕也は、特に驚いた様子を見せていない。

普段からSFじみた事象を何回も見てるためか、今回のそれもどうせドーパントだろうとしか思っていないようだ。

 

「あの~、すいませ~ん。」

 

聞き覚えのない声がしたため、2人が振り向くと、そこにはスーツ姿にメモ帳の様なものを持った2人の男女だった。

見慣れない人物に、まさかと思い里奈が問いかける。

 

「…え、客?」

 

「ではないですね。」

 

「だろうな。」

 

案の定、客ではなかったようで、それを聞いた裕也は当然の様な反応をした。

里奈も里奈でやっぱりそうかといって何用かを聞くために2人を店内に招いた。

 

「ちょっとそこ!今結構失礼なこと言ったよね!?」

 

その裏で文句を言ってくる茂は完全に無視していたが…

 

「失礼しました、私、月刊ミステリアの記者をしている音霧 奏(おとぎり かなで)でーす。」

 

「そして私が、同雑誌の編集長を務めております。相﨑 庄(あいさき しょう)というものです。」

 

"月刊ミステリア"なる雑誌の記者と編集長という2人はついさっき里奈が話していた行方不明事件の取材でこの店にやってきたとのこと、それもそのはず、事件が起こっている路地裏とは、この店から歩いて30秒もかからないような場所にあるからだ。

とはいっても、そこはスワンプの面々でも基本的に通らず、たまに近道として利用する人がいるくらいである。

 

「記者がくるのはわかるが、なんで編集長も来てんだよ?」

 

「うちの編集長は行動力があるんでねー、こう時々て出てくるんですよ。」

 

取材の場に記者だけでなくわざわざ編集長まで来ていることに裕也はツッコミをいれたが、奏曰く「行動力がある」とのことで、行動力だけでわざわざ出てくるものか?と半ば呆れていた。

 

「それはそうと、事件が起きてるのはまさにこの店のすぐ近くの路地なんですが、なにか変わったことは?」

 

「知らん、帰れ。」

 

「裕也!!」

 

辛辣な裕也の答えに里奈は慌てて2人に謝り、改めて話を聞く。

どうやら最近いいネタが少ないらしく、この事件を暴いて巻き返したいとのこと。

その甲斐あってか結構いろいろな情報を集められている。

裕也もなんだかんだ言って受け答えこそしないが話はしっかり聞いていた。

 

「うーん…これといった情報はなしですか…」

 

「すいません、力になれなくて。」

 

「仕方ありません、別で取材を続けましょう!」

 

しかし大した情報はなかったため、2人はそのまま帰って行った。

2人を見送った里奈が店内に戻ると、裕也が先程の事件の資料を手に持っていた。

 

「あれ、裕也、それどうしたの?」

 

「隙を見てあの女記者からパクった、中身は…わりと分かりやすいな、随分調べた見てぇだ。」

 

当然のように資料を盗んでいる裕也だが、それを見てみると意外としっかりまとめられており、その辺の警察や探偵よりかはかなり事件について調べ上げたようだ。

裕也はただの記者がここまでの情報を掴んだことに多少は感心していた。

 

―――――

 

アンダー教会

気まずそうな顔をしている豪拳坂と、それを睨みつける黒風。そしてどこか呆れた顔をする羽京。

なんでも、ジャッジメントが関与した覚えのないガイアメモリ犯罪が起こっている可能性があるため、集まれる幹部陣で集まってちょっとした会議を開いていたのだが…

 

「いやホント、これは一大事だねー。」

 

「それもこれも、お前がガイアメモリを落としたりなんかしたからだろうが!」

 

「まー、こんな事件起こせそうなの、アレくらいだもんねー。」

 

なんと、つい最近豪拳坂が実験用のガイアメモリを1本落としてしまったことが判明し、この事件はそのガイアメモリによって引き起こされている可能性が出てきたのだ。

ガイアメモリでなければ説明がつかないほどの事件。

事件を引き起こしているの"怪物"とやらはドーパントでほぼ確定だが、羽京はそれよりも別のことが気になっている様子。

 

「てゆーか、僕が気になんのはガイアメモリを使()()()()()()()なんだけど?」

 

そう、本来ガイアメモリを使うためには、基本的に専用の装置で使用者の身体に生体コネクタを刻み込むものだ。その処置をしなければ、たいていはガイアメモリの毒素にやられて自滅してしまう。

 

「お前、まさかアレも落としたんじゃ…。」

 

「違うわ、オレが落としたのはガイアメモリだけや!」

 

少なくとも豪拳坂が落としたメモリはコネクタ手術をしなければ使うことのできない代物。

コネクタ手術用の装置はジャッジメントの幹部以上のメンバーしか所持していない。

少なくとも豪拳坂、黒風、羽京、そして()()()にはそんなことをする利点はない、となると―

しかし、それはそれとして今はメモリの回収及び、使用者の始末の方を優先することに。

そんなわけで、この面倒な事件を引き起こしたきっかけの豪拳坂が後始末のため、事件の調査に乗り出すのだった。

 

―――――

 

夕方4時40分、路地裏の中心に、周りを見渡しながらおどおどしている茂の姿があった。

裕也の提案した作戦とは、4時44分まで商店街で待ち伏せしておくことで、現れた"怪物"を叩くというものだった。

これまでの行動パターンから、4時44分に出現するのはほぼ確定なので、そのために茂をおとりにしておびき出そうとしたのである。

だが、当の本人は当然ながら非常に不安なようだ。

 

「裕也ー?これ本当に大丈夫なんだろうね!?」

 

「おとり捜査だよおとり捜査、もしなんかあっても骨は…残んねぇか。」

 

「ちょっと!めっちゃ怖いんだけど!?」

 

遠くの店の影から監視しながらブラックジョークを言う裕也だったが、突如バードフォンのガイアメモリレーダーが反応した。

まさかもう近くにいるのか?

裕也は警戒して周りを見渡すと、目の前のビルの屋上に、ここの路地を見つめている豪拳坂がいた。

裕也が気付いたと同時に豪拳坂の方もまた裕也に気付いたようで、2人は互いに身構えた。

 

「あっ、てめぇ、あの時の筋肉ダルマ!」

 

「お前は、仮面ライダー!ちょうどええ、お前もついでに潰したるわ!」

 

豪拳坂はビルの屋上から勢いよく飛び降りると、臨戦態勢をとった。

それに続いて裕也の方もバレットドライバーを取り出す。

 

「てめぇがここにいるってことは、あの怪物ってのはてめぇら絡みか?」

 

「…まぁ、半分正解半分不正解ってところやな。どっちにせよ、せっかく会えたんや、殴り合いといこうや!」

 

「チッ、やれやれだ、変身!」

 

《フィスト》

 

《ストライク》

 

「「オラァ!!」」

 

2人が変身すると同時に、拳がぶつかり合う。

それに続いて、互いに次々と連撃を繰り出す。

そしてバレットがフィスト・ドーパントの拳が突き出したところをついて、顎にアッパーを繰り出した。

無駄のない、完璧な攻撃。と、思われたが、

 

「浅いのう…。」

 

フィスト・ドーパントはこれを耐えきり、アッパーカットでバレットの体制が崩れたところに、カウンターとして強烈な拳をお見舞いし、さらに吹っ飛んだところに拳を振るって衝撃波を放ってくる。

一方のバレットはそれを避け、両手のストライクボンバーをフィスト・ドーパントにむけて飛ばす。

だが、フィスト・ドーパントにはいとも簡単にはじかれて上空に飛ばされてしまい、バレットは丸腰となってしまう。

 

「おいおい、武器が吹っ飛んどるが、そんなんで大丈夫かぁ!?」

 

これを好機と見たフィスト・ドーパントは一気に距離を詰め、拳を振りかぶって攻撃する。

だがバレットは臆することなく拳を受け流しフィスト・ドーパントに掌底を放ってひるませると、そのまま一本背負いを仕掛けようとする。

急に投げられかけたことに動揺するも、フィスト・ドーパントは落ち着いてもう片方の拳で地面を殴って投げを無理やり止めるとそのまま振りほどいた。

 

「さすが、そう簡単にいかねぇか。」

 

「それはお互い様や!」

 

バレットは空中から降ってきたストライクボンバーをそのまま腕にセットすると、今度は逆にバレットが殴り掛かる。

フィスト・ドーパントもまた、自慢の拳で対抗し、壮絶な殴り合いを繰り広げる。

 

激化する2人の戦い。

その中で、商店街の時計の針は、どんどん進んでいた。

そして、その秒針は1周し―

 

 

 

 

―午前0時を指した。

 

その時、茂の後ろには、すでに()()がいた。

茂自身もそれの気配を感じ、後ろを振り返った。

 

「…え?」

 

《ストライク マキシマムドライブ》

 

「これで―「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」ッ!?」

 

一方、バレットがフィスト・ドーパントにストライクスマッシュをぶちかまそうとしたその時、

0時になったことで現れた"怪物"が茂を飲み込もうとしていた。

バレットは慌ててストライクボンバーをその怪物に向け、ロケットパンチを放った。

結果、ストライクボンバーは怪物の顔面に命中し、怪物は遠くに吹っ飛ばされる。

バレットは追撃をしようと迫るが、それを見て不利を感じたのか、怪物は瞬く間に逃走してしまった。

そして、"怪物"が去ったのを見たフィスト・ドーパントも元々の標的がいなくなったので去っていった。

 

「チイっ、今日はここまでや。」

 

バレットの方も恐怖で腰を抜かしていた茂を回収すると、そのまま撤退した。

 

―――――

 

同刻、夜道を奏が歩いていた。

事件をまとめた資料を突如紛失してしまったもののデータ自体はスマホに残っていたのでそれを見ながら事件の概要を振り返っていた。

そして、そんな彼女の後ろから、"何か"が近づいて来た。

そしてそれは彼女の口を布で覆い、取り押さえた。

 

「ムッ!?ッ―」

 

奏は必死に抵抗しようとするも、そのまま意識は遠のいていった…




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