仮面ライダーバレット 作:了見
裕也は改めて里奈に自己紹介をしていた。
「改めまして、俺は弾 裕也。年齢は多分28歳。趣味はチェスと機械いじり。5年前、記憶喪失でこの辺うろついてたらこのおっさんに拾われてそれからはここに住んでる。」
「えぇ!?お父さん!記憶喪失の人拾ったってどういうこと!?」
「仕方ないでしょ!雨の日なのに傘もささずにずぶ濡れでふらついている人なんて見たら放っておけないでしょ?」
予想外の事実に里奈は驚愕して茂に詰め寄った。
「ま、そんなわけだからよろしくな。」
「…あなたがこの家にいる理由はわかった。じゃぁ、仮面ライダーやあのドーパントってやつは一体何なの?」
次に里奈は"仮面ライダー"と"ドーパント"について裕也に質問した。
「あー、それの説明もしといたほうがいいな。とりあえず、説明は俺の部屋でする。」
そういって裕也は里奈を自身の部屋に案内した。そこにはバレットドライバーと数本のガイアメモリが置かれたり、ところどころに工具が置かれていたりといかにも研究室といった内装であった。
「おおー…って、部屋魔改造されすぎでしょ!私の記憶だとここただの物置部屋だったはずなんだけど?」
里奈は、自分のいたころとはすっかり変わっていた部屋の様子に思わずツッコんでいた。
裕也は部屋に入ると、里奈にガイアメモリについての説明をする。
「簡潔に言うが、仮面ライダーもドーパントも、このガイアメモリを使って変身しているんだ。」
「ガイアメモリ?」
「地球に宿っている様々な記憶のプログラムが封じ込められていてな、具体的には俺が使っている"弾丸"やこないだのドーパントの"エネルギー"とかだな。」
「地球の記憶って…規模でかすぎてまったくわかんない…。」
里奈は話の規模の大きさについていけてなかった。
「ハハ、普通はそうなるよな。」
「てゆーか、記憶喪失って言ってたけど、名前も年もぜーんぶ忘れちゃったの?」
「まぁな、名前や年齢は、おっさんと会ったときに持ってたこれに書いてある奴を使ってるだけだしなぁ。」
そういって裕也は、"Dan Yuya 28 years old"と書かれたドックタグを取り出した。
「そうなんだ。なんか…苦労してるんだね。」
「ああ、せいぜい覚えていたことといえば、こいつの使い方くらいか。」
「そういえば、それで変身してたけど、なんなのそれ?」
里奈は裕也が手に持っているバレットドライバーについて質問をする。
「こいつは"バレットドライバー"。ガイアメモリと同じく、俺がもともと持ってたやつだな。そん時はシステムが大雑把だったからメンテナンスしたんだが。」
「へぇー…ってメンテナンスって、そんなこともできるの!?」
「まぁな、これくらいだったら簡単だ。」
「それにしてもガイアメモリって色々あるのね…ん?なにこれ?なんにも書かれてないけど。」
里奈は机に並べられたガイアメモリを見ていると、他とは違ってアルファベットが刻まれていないメモリを見つけた。
「ああ、それはおっさんと会ったときに他と一緒に持ってたやつだな。起動しようとしてもなんも反応ないし、正直よくわかんねぇんだよな。」
「えー?じゃあ捨てちゃえば?」
「馬鹿言ってんじゃねえよ、反応なしとはいえガイアメモリはガイアメモリだ。下手に放っとくわけにはいかねぇんだよ。」
「ふーん、そういうもんなんだ。」
2人が話をしているところに茂が声をかける。
「2人ともー、いつまでも話してないで、買い出しに行ってきてくれなーい?」
「はーい、ほら、行くよ裕也。」
「って、俺もかよ!」
「はいはい、文句言わない。」
里奈に引っ張られながら、裕也も出かけて行った。
「気をつけろよー。」
2人を見送った茂はテレビのニュースを見ていた。
『―連日発生している謎の放火事件ですが、いまだ犯人のは足取りはつかめていません。』
「なんだなんだ?物騒な事件もあるもんだねぇ。」
―――――
柴ヶ崎市の会社のビルの前に1人の男性が立っていた。
「次は…ここか。」
《ヒートヘイズ》
その男性は"ヒートヘイズガイアメモリ"を起動し首元に挿して、"ヒートヘイズ・ドーパント"になった。
―――――
2人は買い出しを終えて、スワンプへの帰路についていた。
「はぁ、これで全部か?」
「そうみたいだね~。そういえばさ、見てよこれ。」
里奈はスマホでとあるニュースを裕也に見せた。
「ん?『謎の連続ビル放火事件』?」
「そう、なんでも犯人の手がかりがまったくつかめていないらしいよ。」
「手がかり0?どういうことだ?」
「事件の目撃者によると、何の前触れもなく突然炎が付いたとか、事件現場周りで人気はなかったって言われてるらしいよ。」
「何?」
裕也と里奈がニュースについての会話をしていたその時、
「ピューイ!」
2人のもとにバードフォンが現れ、裕也の手に留まってフォンモードとなった。
「何だ?…ッ!」
「?」
「里奈、ちょっとこれ持ってここから離れてろ!」
「ええ⁉ちょっと!」
裕也はバードフォンを見ると、里奈に荷物を押し付けて、裕也は音が聞こえたほうへ向かった。
裕也が向かうと、そこではヒートヘイズ・ドーパントがビルに火を放っていた。
「こんなところに出やがったか、ドーパント!」
裕也はドーパントを見つけると、ガイアメモリを取り出し、バレットに変身した。
《バレット》
「変身!」
《バレット》
「オラァ!」
「ッ!!」
バレットはヒートヘイズ・ドーパントに不意打ちを仕掛けた。
そこでヒートヘイズ・ドーパントの姿を見たバレットは、最近話題のあるニュースを思い出した。
「炎に関連したメモリか…まさかお前、ビル連続放火事件の犯人か?」
「そういう貴様は仮面ライダーとやらか?」
「白昼堂々放火とは、やってくれんじゃねぇか。ここからは俺が相手だ!」
「舐められたものだな、フン!」
ヒートヘイズ・ドーパントはあたり一帯に炎をまき散らした。
「うぉ!?」
バレットは何とかその炎を避けるも、あたり一面に炎が燃え広がっていた。
「こんなもの!って熱ッ!!」
無理やり突破しようとしても、炎に阻まれてヒートヘイズ・ドーパントに近づけそうにない。
「フハハハ!仮面ライダーといえども、この炎の前ではどうすることもできまい!」
「クソッ、なりふり構わず燃やしやがって!だったらこいつだ!」
《ジェット》
バレットは『ジェット噴射』の記憶を持つ"ジェットガイアメモリ"をバレットドライバーにセットした。
《ジェット マキシマムドライブ》
「ほらよっと!」
バレットは水の弾丸を放つ技"ジェットスプラッシュ"でヒートヘイズ・ドーパントが放った炎を消火する。
「何っ!?」
「てめぇもくらいやがれ!」
「うわぁ!」
さらにバレットはヒートヘイズ・ドーパントにも水を浴びせ、それをくらったバーニング・ドーパントは吹っ飛ばされて全身から出ていた炎が小さくなっていた。
「お!やっぱ炎に水は結構効くのか?」
「チッ、いったん引くか…。ハァッ!」
ヒートヘイズ・ドーパントは自分の正面に大量の火を吹いて炎の壁を形成した。
「ッ、ハァ!」
バレットが放った水の噴射で炎は消えたが、そこにはヒートヘイズ・ドーパントの姿はなかった。
「くそ、逃がしたか…ん、なんだこれ?」
バレットはヒートヘイズ・ドーパントがいた場所に1つのキーホルダーが落ちていることに気が付いた。
「あいつが落としてったのか?」
バレットはそれを拾って、ひとまず里奈のもとへ向かった。
次回、仮面ライダーバレット
「ちょっとこの企業を調べててな。」
「お前に俺の何がわかるってんだ!」
「お前のことはおろか、自分のことも知らねぇんだからな。」
「俺はジャッジメント最高幹部。」
第3話 神出鬼没のH/愚かな炎
次回もお楽しみに。