仮面ライダーバレット 作:了見
「ふー、やっぱり朝の散歩ってものはいいものだなー!」
里奈は、朝早く起きたため、少し散歩をしていたところ、人人のざわつく声が聞こえてきた。
何事かと思い、その場所へ行ってみると…
「って…なんじゃこりゃー!!」
そこには破壊された校舎と、それを見ている野次馬がいた。
「いやいやいや!何事!なんでこんなことに!」
耳を傾けると、野次馬の少年や、女子校生の会話が聞こえてくる。
「また怪物が出たんだって~、なんだか怖いね。」
「大丈夫、きっと仮面ライダーがなんとかしてくれるよ!」
(その仮面ライダー、現在がっつりお眠の時間です…。)
薄ら笑いを浮かべた里奈は、ふと周りをみると、一人の少女がおびえた様子で現場を見ているのを見かけた。
その様子を見てどうしたのかと思った里奈は、少女に話を聞くことにした。
「あのー、どうかしたの?」
その少女"望月 紡"は、この学校の生徒であると分かった里奈は、話を聞いているうちに、とあることを勘づく。
「もしかして紡ちゃんって、いじめられてたりとかするの?」
それを聞いた紡は、ビクッと体を震わせた。
「ご、ごめん!ちょっと気分悪くしちゃったなら「大丈夫です。」…え?」
「いじめられているのは、本当なので。」
「そう、なんだ。」
そう答えられた里奈は、なんだか申し訳ない気持ちになった。
「でも、どうしてわかったんですか?」
「…まぁ、私も昔色々あったからさ。そういうのわかっちゃうんだよ。」
それから2人は、須戸にの間話を続けた。
「私、ちょっと悩んでるんです。いくらいじめられてるからっていって、復讐がしたくないわけじゃない。でも、自分がやられたからって相手にも同じ思いをさせるのは、なんか違うかなぁって。」
「うーん、だったらさ、もうガツンと言っちゃいなよ!『うるせぇ!バーカ!』ってさ。」
「ええ、それは、ちょっと。」
話の中で紡は、自分とこんなに楽しく話をしてくれる人と出会えたことで、初めて自分を『認めてもらえた』ような気がした。
里奈と出会って、少し心が軽くなった気がした。だが、そんな時…
「おいおい、まだ終わっとらんで。」
その声を聴いた2人が振り向くと、そこには豪拳坂がいた。
「え?あなた、どちらさま?」
「ハッ、あなたは…。」
「ちょっとどいてろや。」
「うわ!」
豪拳坂は里奈を突き飛ばすと紡の腕を掴み、彼女のバッグからバイオレンスガイアメモリを取り出し、無理やり彼女の腕に挿した。
「まだまだ終わらん、第2ラウンドの始まりや!」
《バイオレンス》
「うぁ…あぁぁ!」
バイオレンス・ドーパントに変身させられた紡は、そのまま学校へと向かっていく。
「そんな…紡ちゃん?」
―――――
「え?キャァー!」
「怪物だ!逃げろー!」
突如現れたバイオレンス・ドーパントを見て、周囲の人々は散り散りになって逃げだす。
自分を怪物と呼び、逃げ出す人々。
その中には、騒ぎを聞きつけていた学校の教師や同級生もいた。
彼らも自分を怪物と呼んで、中には罵声を浴びせてくるものもいた―
やっぱり自分はこの世界にいらない存在なのか?
そんなことを考えているうちに、紡の精神はガイアメモリの毒素に蝕まれていく。
感情もなく、ただ破壊を続ける
「壊す!壊す!壊す!」
「そうや、もっともっと暴れて、邪魔なもんは全部壊しちまえばええんや。」
ブゥゥン!
「ハァァー!」
「うわぁ!」
「何?」
「あっ、裕也?」
突如バレットが現れ、ガンドレッターでバイオレンス・ドーパントを吹っ飛ばした。
「へへ、がっつり寝てコンディションばっちりだ!」
「邪魔を!」
《フィスト》
「フン!」
豪拳坂はフィスト・ドーパントとなり、バレットの前に立ちふさがる。
「お、またお前か。朝の時のようにいくと思うんじゃねぇぞ?」
「ほう?おもろいやないか。」
「お前みたいな力自慢にはこいつがうってつけだな。」
そういってバレットは"ストライクガイアメモリ"を取り出す。
《ストライク》
「こいつで相手してやるよ。変身。」
《ストライク》
バレットドライバーにストライクガイアメモリをセットし、ドライバーのトリガーを引くと、バレットの姿は全体的に深緑色となり、頭にバンダナが取り付けられ、両手にガンレット状の武器"ストライクボンバー"を装備した姿。"仮面ライダーバレット ストライクフォーム"にフォームチェンジした。
「姿が変わった!?」
「さぁ、行くぜ!」
「フン、少し変わったくらいで…くらえや!」
「オラァ!」
バレットとフィスト・ドーパントの拳がぶつかり合う。
「ぬぅッ!」
「うぅ…!でりゃぁ!」
バレットはフィストの拳を振り払って、フィスト・ドーパントに特大のパンチを叩き込んだ。
「うぉ!?」
「ハァァァ…オラァ!」
「うわァァァ!」
さらにバレットは、間髪入れずにフィスト・ドーパントにアッパーをくらわせる。
「アホな…さっきとは、まるでパワーが違う!」
「本来は銃メインなんだが…たまにはこういうのもいいだろう?」
「調子に乗んなや!」
「どんどん行くぜ!」
2人は同時に走り出し、怒涛のラッシュをぶつけ合う。
「「オラオラオラオラオラオラァ!!」」
連打。連打。小細工なしの本気のぶつかり合いの末に、2人の拳は互いに強烈な一撃を叩き込み、その衝撃で2人は吹っ飛ばされる。
「くっ…これがお前の本気か?結構やるようやが、お前じゃぁオレに勝てても玲央には勝てへんで。」
「ッ…玲央?」
(俺はジャッジメント最高幹部。トロワ・シュバリエの一人、狩間玲央。)
バレットはヒートヘイズ・ドーパントの事件の時に出会ったドーパントを思い浮かべる。
「あいつの事か…。」
「アァァァァ!」
バイオレンス・ドーパントは突如雄たけびを上げ、バレットに襲い掛かる。
「あん?」
「ッ!」
「ウワァ!」
バレットは臨戦態勢をとるも、バイオレンス・ドーパントは地面を殴ると、突然姿を消した。
「…!消えた?」
「ハァ!」
「うわ!」
次の瞬間、バレットの背後に回っていたバイオレンス・ドーパントがバレットに攻撃する。
「チッ、くらえッ…?」
バレットが反撃しようとするも、バイオレンス・ドーパントはまた姿を消し、現れたと思えば今度は大量の礫をとばしてくる。
「うらぁ!」
「うぉぉ!」
「なんや、だんだん使いこなせて来とるやんか。だが…。」
「舐めんな!」
バレットは即座にバレットドライバーで反撃し、礫を全て撃ち落すとストライクボンバーをロケットパンチのようにバイオレンス・ドーパントに発射した。
「うわぁ!ウッ…はぁ、はぁ、私は…!」
「もうやめて!」
「あっ。」
「アァん?」
「里奈?」
「里奈、さん…?」
「紡ちゃん、あなたは本当はこんなことしたくないんでしょ!?さっき話を聞いて分かった、あなたは優しい人だよ!」
里奈はバレットとバイオレンス・ドーパントの間に割って入り、必死にバイオレンス・ドーパントを説得する。
それを見たバイオレンス・ドーパントはその場に立ち止まってしまう。
なんでこの人は、自分をここまで気遣ってくれるのか。
なんでこの人は、こんな自分を助けようとしてくれるのか。
「私、は…あ、アァァァァ!!」
目の前の状況に理解が追い付かず混乱したバイオレンス・ドーパントは様子がおかしくなり、巨大な球状の形態であるビック・バイオレンス・ボールへと変化した。
「ッ、なんだ!?」
「で…でっかい玉!?」
「チッ、面倒なことになったな。仮面ライダー!お前との決着はまた今度や!」
「あ、おい!待て!」
バレットの静止も聞かず、フィスト・ドーパントは逃げ去った。
ドォォン!
ビック・バイオレンス・ボールは転がり続けて周りの地形を破壊していく。
「今はこっちが最優先だな。」
バレットに狙いを定めたかのように、ビック・バイオレンス・ボールは転がり始める。
「フン!うぉぉぉ、りゃぁ!」
バレットはそれを真正面から受け止め、上空に投げ飛ばした。
「これで、チェックメイトだ!」
バレットは腰のマキシマムスロットにメモリをセットし、力をためる。
《ストライク マキシマムドライブ》
「うぉりゃぁぁぁ!」
バレットは"ストライクスマッシュ"でビック・バイオレンス・ボールを殴り飛ばし、ビック・バイオレンス・ボールは爆散した。
―――――
「はぁ、はぁ…。」
「紡ちゃん!」
倒れている紡に、里奈が駆け寄る。
「大丈夫?」
「…ごめんなさい、私、取り返しのつかないことをしちゃって。」
「取り返しのつかないことねぇ。」
「じゃあなんで人もいないようなあんな時間に襲撃したんだ?そのおかげでこっちは満足に寝れなかったが。」
「え?」
そうだ、そもそもなんで自分は誰もいない校舎を襲撃したんだ?
自分が恨みを持っていたのは自分を認めない"学校の人々"だったはずなのに。
まさか…命を奪うのが怖かったから?
「お前が何に恨みを持って暴れてたかは知らねぇが、命を奪う覚悟のないやつに、あの力を使う資格なんてねぇよ。」
バレットにそういわれた紡は、何も言い返せなかった。
「それじゃ、あとは頼んだ。」
そしてバレットは、里奈をおいてガンドレッターに乗ってどっか行った。
「え?ちょっとー!…行っちゃった。」
「里奈さん。」
紡は頭がいっぱいいっぱいになり、涙を流しながら里奈に話しかけた。
「私、これからどうしたらいいんでしょう。」
「えーい!なんでもかんでもすぐ泣くな!そうやって泣いてばっかりだから何も変わらないんだぞ!」
紡が泣いているのを見た里奈は、何かを思い出したかのように苦い顔をし、紡を咎めるも、
「大丈夫、あなたが変われば、あなたから見える世界も、少しは変わるかもよ?」
そういって激励した。
自分がどれだけ嘆いても、そう簡単に世界は変わってくれない。
でも、自分自身が変われば、見える景色も変わってくる。
「里奈さん…ありがとうございます。」
「なんだ、たまにはいいとこ見せるじゃねぇか。」
その様子を陰からこっそり見ていた裕也は、うれしそうな表情をみせると、そのまま帰って行った。
―――――
ここは、柴ヶ崎市の一角にある、アンダー教会―そして、ジャッジメントのアジトである。
そこの礼拝堂に、玲央はいた。
「まさか豪拳坂と張り合うほどとはな。」
動き出すは、ジャッジメント最高幹部にして、最強の男。
「仮面ライダー…おれもそろそろ遊んでみるか。」
次回、仮面ライダーバレット
「ヒヒヒ、順調順調。」
(誰だこいつ…)
「こいつの相手は俺がやる。」
「ゴールドメモリ!?」
第6話 Cの謀略/最強の狩人
新フォーム解説
仮面ライダーバレット ストライクフォーム
容姿
深緑の体色に、頭部には白色のバンダナがまかれている。両腕にはガンドレッター(今思ったけどバイクと名前同じだから結構ややこしいな)型の武器(わかりやすく言うとパンチングコングやサゴーゾコンボの両腕についているアレである。)ストライクボンバーが装備されている。ちなみにこれは着脱可能で、ロケットパンチのように相手に飛ばすこともできる。怪力。
マキシマムドライブ
ストライクスマッシュ
相手に強力なパンチを叩き込む。シンプルに強い。
Q:なんで銃メインのライダーなのにゴリゴリに格闘戦用のフォームなの?
A:パンチングコングがアリならこれもアリでしょ。