ようこそ陰謀論者が荒らす教室へ   作:みはいるすーす

11 / 15
 10話でとんでもないミスをしていたので訂正しました。誠にごめんなさい、、

 訂正前 「これ絶対裏切るね、履行されないよ。」 ✕

 訂正後 「これ絶対穴あるよ!」 ○

 あ、あと誤字報告ありがとうございます...




11

 

 夕方、契約どおりに龍園が物資を渡しに来た。契約の内容は、CクラスはAクラスにリーダーの情報と一週間分の物資を渡す。Aクラスの皆はCクラスに毎月2万ポイントをAクラスに払う。大まかにはこんなところだ。

 

 契約の履行を確認して龍園は帰る。が、その道中、橋本がやって来た。龍園は振り返る。

 

 

 「何か用か?」

 

 

 「俺は、」

 

 

 「知ってる。Aクラス坂柳派、橋本 正義だろ。」

 

 

 ほぉ、と橋本は感嘆した。情報が早い、既にAクラスの内部事情に精通していると見えた。ならば話も早い、と橋本は早速喋りだす。

 

 

 「じゃあわかってるな、うちの姫さんが葛城を落としたいってこと。それで早速提案だが、50万ppでAクラスの情報を買う気はないか。」

 

 

 橋本の提案はAクラスを裏切るものだ。だが、それでいい。今のクラスを率いているのは葛城なので、敵対する坂柳派はどうしても葛城をこの試験で陥れたいようだ。

 

 当然、龍園にもその意図はわかった。

 

 「ククッ、手間が省けて助かるな。ただ、失敗すればどうなる?」

 

 

 「50万ポイントは正解したあとでもらう。失敗すれば払う義務はない。」

 

 

 「ククッ、そうか。」

 

 

 そういうと、龍園は右手を差し出した。橋本がそれに応えて交渉は成立である。

 葛城を失脚させるため、橋本はCクラスに情報を売った。龍園もAクラスの対立は知っているから、安心して橋本の情報を買う。互いに損のない、完璧な契約であった。

 

 交渉は成立したので、あとは帰るだけ。しかし、そうさせなかったのは龍園だ。自らの顔を上げ、顎をゆっくりと撫で、少しずつ橋本に目線を合わせつつ、最初はゆっくりと、橋本に質問する。

 

 

 「にしても...Aクラスの黒幕に誰がいる(・・・・・・・・・・・)?」

 

 

 明らかに空気が変わった。橋本は表情に変わらない笑みをたたえたまま、質問の意図を探る。

 

 

 「どう言うことだ?」

 

 

 「とぼけんなよ、さっき葛城が俺の方を疑心暗鬼に見てたんだ。誰か何かを唆したんだろ。」

 

 

 あちゃー、と橋本には思い当たる節があった。もちろん暁子だ。

 龍園の契約を真っ先に否定したのは暁子である。場所には気を付けていたが、やはりどこかから暁子の疑念は漏れ出ていたらしい。

 

 しかし、橋本には言う選択肢はない。なぜなら....

 

 

 「お前が口をそうやってつぐむのは、そいつが坂柳派か、敵対したくない誰かってことだろ?」

 

 

 図星だ。橋本が望むのは強者につくこと、そしてその甘い蜜を吸うことだけである。どこぞのロリのように、強者を見つけたら挑みたいという好戦的な人物では決してない。

 橋本が微笑んだまま口を閉ざしていると、先にしびれを切らしたのは龍園だった。

 

 

 「まぁいい...こっちは俺の方でやるだけだ。じゃあな。」

 

 

 面倒くさいことになった、と橋本はため息をついた。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 「ってことだよ。」

 

 

 橋本は、坂柳派の重役と暁子に経過を説明した。面々に暁子が含まれているのは、この試験で暁子に目的があった場合に利害が衝突してそのまま敵対ルートに入るのを防ぐためである。ちなみに...

 

 

 (え、なにそれ、怖い。)

 

 

 暁子は今、Aクラスの派閥争いを知った。記録は3ヶ月と少し、逆RTA大成功である。

 

 そしてもうひとつ、暁子が参加させられた理由は、龍園が暁子のことを探っているということを伝えるためである。龍園について暁子に訊いたとき、暁子は龍園を“胡散臭い”と表現した。良い感情を持っていないのは確かである。そんな奴が、今回は茶々をいれてきそうだ。

 それを以て、橋本はいま暁子に近づいている。派閥に入らせなくとも、今回共闘が可能ではないかと考えた。

  

 

 「暁子ちゃん、さっき言った通りだけどさ、龍園が探ってるんだよ。それでさ、こっちに協力してくれれば、こっちも手を貸すよ。」

 

 

 尤もな提案。坂柳派にとって暁子は味方に付けたい頭脳(笑)だし、暁子はとってもすごい脳(笑)を持っていても使える手が少ない。両者の利益は重なっている。

 さて、暁子はどう答えるか。

 

 

 (え、なんで探られてんの!)

 

 

 おっと、それどころではないようで、暁子は押し寄せる情報をいまいち処理できずにいた。初めてクラス内闘争を知り、よくわからない中共の手下には探られている(誤解)。

 しかし、探られているなら隠れたいのが暁子。答えなんてもともと一つしかない。そうしてやっと、暁子は答える。

 

 

 「お願いします...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「伊吹、金田、そして石崎。」

 

 

 ところ変わって浜辺、夜中に龍園が3人を前に話している。しかし、3人の体にはあざ、腫れが見受けられた。

 

 

 「あとは金田の作戦通りだ。伊吹から順にD、B、Aに潜り込め。」

 

 

 金田の作戦とは、暴力による痕を残しつつ、他クラスに 『虐められたよー。ぴえん。』 と同情を誘いながら保護を受ける。そうしてクラスに侵入し、リーダーなどの情報を盗む。トロイの木馬~同情Ver~である。

 

 

 「伊吹と金田、必ずリーダーを探し当てろ。いいな? そして石崎、お前はAクラスの(・・・)を探れ。」

 

 

 「「「はい。」」」

 

 

 橋本の予想通り、Cクラスは確かに介入してきた。3者は無線機を持ち、それぞれ山の中へ入る。無線機を持ったまま、龍園はしばらくその森を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 今回は前書きみたいなものです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。