お仕事は何かよくわからん話を聞いて、何かよくわからん書類にハンコを押し続ける仕事です。   作:チームねこにゃん

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何で、魔法とか覚えて、JUMPヒーローの必殺技再現しないかな、という思いで書きました。
必殺技はJUMPヒーローのものだけでないけれど、リリカルな世界で、JUMPヒーローの必殺技をふるいます。
リリカルな彼女は登場しませんが、リリカルな彼女のいる世界です。
あと、龍が如くの技も出てきます。


第1話

「はぁー、仕事行きたくないなー。」

 現在は昼12時30分。

 彼、猫野王牙は時計の針が進むのを見ながらつぶやく。

 この男、顔はまあ良いとは言えないが、悪くもない。

 腰の少し上まである黒髪を首の後ろで縛っている。

 背丈は170センチくらいで、髪以外は、まあ特徴がないといえる。

 年齢は、20〜25才くらいの姿だ。

 

 さて、彼は今から職場に向かうわけだが、昼12時30分、近年時差出勤が多くはなっているが彼もそのような出勤体制で13時から仕事が始まる。

 ちなみに職場は公園を挟んで10分程度のところにある。

 気だるげに仕事着に着替え、

青く丸い宝石のついた首飾りをつける重い足取りで玄関に行き靴を履く。

 ……。

 立ち上がらない。

 

 どうか心配しないでほしい、

 この物語は、よくあるブラック企業に働く社員がトラックに轢かれて異世界転生、もしくは転移する物語ではない。

 ただし、異世界が無いわけではない。

 この世界の地球には異世界が存在する。

 その異世界は、銀座に突如できた異世界に通じる門から行くことができる。

 が、ここでは舞台としてそのような世界感であるとだけ覚えておいてくれれば良い。

 異世界で冒険することは、まあないと思う。

 なぜなら、この物語は彼、猫野王牙が異世界からそりゃあ大冒険をへて地球へ帰ってきて二年後の物語だからである。

 

 そもそも彼の仕事はホワイトどころか限りなく透明に近い白ほどの仕事で、

 

「あー、またはじまってしまう、何かよくわからん話を聞いて何かよくわからん書類にハンコを押し続ける仕事が…」

 

 という物だった。

 

 

◇◇◇

 お仕事は何かよくわからん話を聞いて、よくわからん書類にハンコを押し続ける仕事です。

◇◇◇

 

1話、人助けはただの趣味

 

「社長おはようございます。」

the秘書みたいな姿をした女性

彼女の名前は「三号三郷」

女性用のスーツに身を包み、ピンと伸びた背筋は、彼女の有能さを伺うことができる。

背も170センチ後半はあるように見える。

 

「オハヨウゴザイマス」

 

王牙は三郷の挨拶に機械のように答える。

 

「何であなたが機械みたいなんですか…。」

呆れながら王牙の前を先行し、社長室の扉を開く。

 

そう、彼、王牙は社長である。

会社の名称は「レーゼ」

 

「今日は3件の案件があります。」

三郷は社長室にズカズカと入り、

閉じられブラインドを開け、太陽の光を室内に取り込む。

 

王牙は、タイムカードを切る。

 

「…12時50分…だから13時50分には帰ってもいいのではないかな?」

そういい終わる前に、

「いつもより10分も長くお仕事できますね!」と満面の笑みで三郷が微笑む。

 

「では説明させていただきます。」

王牙が椅子に座ると、三郷は即座にクリップで3つにまとめられたファイルを提示するのだった。

 

◇

 

「目標をセンターに入れて、ハンコ。目標をセンターに入れてハンコ。」

 

三郷の説明が終わった契約書類に、ハンコを押し続ける。

 

なぜ日本は2020年を超えて未だハンコを押しているのだろうか?

この、ハンコ屋に行けば誰でも作れてしまう、印鑑に本人確認の意味がどこまであるというのだろうか?

 

すべて書類にハンコを押す。

三郷は王牙のハンコを押すスピードを熟知している。ちょうど13時に終わった。

 

「地獄か?」

「いや、この程度というか、多分世界で一番楽な仕事ですよ?」

この三郷とのやり取りは、もはや日課である。

「仕事をしたくないからこの会社立ち上げたのにな…。」

「見事成功しましたね?しましたよね?」

気だるそうにしている王牙に圧をかける。

「ほら、早くタイムカード切って、さっさとどっか言ってください。邪魔です。」

「そもそも、社長にタイムカード意味ないと思うんだけど…。」

タイムカードを切って社長室をでる。

 

レーゼ

この会社の業務は主に3系統

一つ、企業のコンサルタント業務

二つ、仕事の斡旋

三つ、自社商品の販売

一つ目、二つ目はこのレーゼが発足してから資金を集めるために行った。

現在の主軸は三つ目

商品はいくつかあるが、

一番の商品は、

「フェアリーズハート」

これは、異世界にあった「魔法」を地球の多くの人に広めた。

フィギュアのような人形とスマホサイズのタブレット端末でセットになった商品で、だれでも魔法を使用できるようにした。

最初はオタクのおもちゃと揶揄されたが、まるで人間のように返答をするフェアリーズたちを見て、オタクはもちろん普通のアニメなど普段見ていない人たちも、フェアリーズの虜にした。

所有者の魔力をかり、異世界にいた妖精のように動き、自我を持つ

「ロボット」

である。

正確には、電気で動くロボットではなく、魔力で動く

「オートマタ」

であるが、世間一般的にはロボットと認識されている。

未だ、スマホを所有している人の方が多いがそれは需要に供給が、生産が追いついていないからで、予約販売のサイトで予約開始となると、数分で売り切れとなるヒット商品である。

 

王牙がこの商品を販売し、世界に広めたのはある目的があった。

それは、

 

『マイスター こちら個体ネームブリジット。』

 

急に王牙の首につけた青い宝石が輝きアラートを告げた。

販売された、フェアリーズの一体から緊急の通信が入った。

 

『現在私のマスターが、20歳前後の男数人に、拉致されました。幸い私がついていましたので、防御魔法を展開、機会を見て逃げ出したのですが、現在追跡されています。』

 

「警察には?」

 

『すでに連絡済みです。しかし、場所と、私達が通報していることで、警察の動きは期待できなそうです。』

 

フェアリーズの販売は一年前、フェアリーズたちは今のような自身の購入者「マスター」に危機が訪れた際、然るべき場所へ連絡を自身の意志で行う機能があるが、人間からの連絡ではないということでどう対処すべきか?ということで警察内部で問題となり、その答えは今現在出ていない。

 

機械からのアラートほど、人間よりも正確なのに対応できないのは、新しいシステムを受け入れられない派閥が足を引っ張っているのである。

 

「場所は?」

 

王牙はそういった緊急性を要するようなことで、警察の対応が追いつかないときに、自ら赴いて人助けをするのである。

 

◇

 

「はぁ…はぁ。」

息も絶え絶え、少女は男たちの追跡から身を隠す。

あたりは、昼間なのに薄暗く、倉庫のような建物が多い。どこかの港なのだろうか?

 

『マスター、静かに、先程の男たちはまだ近くにいるようです。』

金色の髪をしたフェアリーズ、ブリジットが、少女の耳元で静かに注意する。

と言っても先程から自身の肺活量の限界まで走り続けた彼女にとっては無理な注文だ。

 

「カナカナちゃーん。この辺にいるのかなー。」

3人組の男たちが、カナカナと呼ばれた少女の気配に気がついたようだ。

一人は筋肉隆々の男。あとはそのおつきのようだった。。

 

「出てきて俺たちと楽しいことしようよ。」

 

男たちはわざと大きな声をあげ、わざと大きな音を立てている。威嚇のつもりだろうか?

 

少女は、苦しいくなった肺に無茶をさせ息を潜める。

男たちの足音がだんだんと近づいてくる。

彼女は積み上がった木製パレットの裏でカタカタと震えていた。

ブリジットも主を守ろうと、じっと機をうかがう。

 

男たちが最大限近づくのか足音でわかる…、そして…。

そして男たちの足音が次第に遠のいていく。

 

「ふー、良かった。」

ほっと方をなでおろす。

「マスターダメ!!」

ブリジットの忠告は虚しく終わった。

 

「はーい、カナカナちゃんそこにいましたかー。」

3人いた男の一人だけその場に残っていたのか、木のパレットを無造作に崩し少女の居場所を暴く。

「ひっ!!」

少女は慌ててその場から逃げ出そうと、男のいる反対方向へと駆け出す。

 

「バカ女がよ!!逃げられるとおもってんのか!?」

 

男は声上げ笑いならゆっくりと少女の跡を追う。

 

少女の駆け出した先の物陰から、2人の男が、現れる。

最初から居場所など知られていた。逃げられないように少女を誘導したのだった。

 

「く、来んなよ!!」

少女は強い言葉で牽制する。

 

「おーこわい、こわい。」

男どもはさらに笑い、少女を捉えようとした。

 

「マスター、問題ありません。マイスターが来ました。」

少女はえっ?と驚きの表情をしてブリジットを見る。

 

その時、先程崩された木製のパレットの上に何かが着地し、粉砕した。

 

男たちと少女は急に起きた出来事に驚き体を硬直させる。

 

瞬間、少女は瞬時にその着地した何かに抱えられ、男どもから離れることに成功した。

 

「よく頑張ったね。エライよ。もう大丈夫。」

王牙は、少女に微笑みかける。

 

「あ?なんだなんだ、正義のヒーロー様ご到着ってか?」

男どもの2人は鉄パイプを持ち威嚇する。

 

「何が大丈夫なんだ?状況は何にも変わらねぇ!!テメェをボコってその後その女を輪姦す!!ぶっ殺すぞ!!」

王牙が来て、明らかに男どもはイライラしていた。

その時、鉄パイプをもっていなかった一人が、恫喝していた二人の男を抑止した。

 

「山岡君?」

恫喝していた男に「山岡」と呼ばれた男は、確かに鉄パイプを持った男2人よりも背が高く、すらっとしているが、筋肉質なのが革のジャケット越しにわかる。

 

「あー、兄さん。先程後ろの二人が言ってたとおり、何にも状況は変わってねぇ、なのに何で大丈夫だなんて無責任に言えるんだ?」

意外に冷静に話す。

 

「何故かって?そりゃあ…。あー、人生で言いたかったセリフの一つがいえるな。」

王牙の言葉に男どもは?を頭に浮かべる。

 

「私が来た。」

 

………。

「は?」

ちなみに男どものセリフではない、少女のセリフだ。

 

「馬鹿じゃねーの!?こいつすげーうけるんだけど!」

男どもはたまらず吹き出す。

 

「ヒーロー気取りのガキが、この俺様の邪魔すんなよ。大人の世界ってもんじっくり味あわせてやる。」

山岡が手にメリケンを装着する。

クククッっと薄い笑いを浮かべながら。

 

「いや、大人の世界を分からせてやるとか、ロリコンに言われたくないんだけど。」

別に恐怖を感じることもなく、王牙が答える。

 

「こ、細かいことはいいんだよ!!シ死ねや糞が!!」

山岡の拳を少女を抱えたままバックステップで距離を取る。

 

「殺っちまえ、山岡君!!山岡君は、ボクシングでプロになったけど、チームメイトをボコって半殺しにしちまったから、追放された経歴を持つぜ!!」

「どうした急に?」

山岡以外の2人は手を出さないで見ている。

 

そんな間抜けなやり取りだが、山岡の腕はなかなかで、的確に王牙を壁へ追い詰める。

 

王牙は少女を自分の後ろへとおろし山岡の拳をさばく。パンチに合わせて山岡の体を崩そうと足払いをしようとする。

山岡はバックステップでそれを躱す。

 

「へー?俺のパンチをここまで交わした上に、反撃までしようとするとはな、空手?違うな、立技主体の格闘技経験でもあんのか?なんて格闘技だ?」

山岡はその場でリズミカルにステップを踏む。

 

「ねこかくとう」

王牙が答える。

 

………。

「は?」

少女のセリフである。

 

「ハハ、にゃんにゃんってか?ふざけてんのか!!」

山岡は切れてジャブを繰り出す。

が山岡のジャブを縫い、王牙は一瞬で間合いを詰める。

山岡が、前に出た瞬間と同時に距離を詰めたのでバックステップによる回避はできない。

『拳は、中段突?いやボディブロー!日本チャンピオンのボディブロー受けても耐えた腹筋だ!そんな中途半端な攻撃効きゃしねぇ!!』

王牙の右拳は確かに振りかぶったものでもない、前に出していた拳を山岡の腹部に添えただけだった。

『ゴリ押す!!』

山岡が王牙の攻撃を意に返さず、次の右ストレートを打つため体をさらに前に詰めたその瞬間。

 

ガン!!というような鉄板を鉄のハンマーで殴ったかのような音とともに、山岡が後方へ吹っ飛ぶ。

「な!何だ!!」

男ども2人が分けも分からず驚く。

 

「流派ねこかくとう、極道の章、奥義…虎落とし。」

王牙がつぶやく。

 

『何だそりゃあ…。何が、カウンター!?だがあいつの攻撃はヘナチョコの右だけだったろ!?』

腹部を押さえながらもかろうじて立ち上がる。

 

「ざっけんな!!」

山岡が再度攻撃を仕掛ける。

再度左ジャブを放ち、先程と同じ体勢になる。

『そうだ、このヘナチョコパンチ、腹部に当たってそれから…。!!?こいつ拳を!?』

 

流派ねこかくとう 極道の章奥義

「虎落とし」

大雑把に分類すればカウンター。

だが、拳を付き出すカウンターではない。虎落としは相手を誘いこむのだ。

相手に添えた拳を、相手が間合いを詰めると同時に拳を引き、拳を引き切ったタイミングに合わせて足を踏み込む。

踏み込みによって硬直した体は相手の体重と、自身の体重を添えた拳に乗せ叩き込むのだ。

ボクサーはパンチを放つときには拳を強く握り閉めない、軽く力を抜き当たっ瞬間に「手を握り込む」

パンチの、技法には色々あるであろうが、瞬間的に握り込むというのは手首を傷めないため、拳にスピードを最大限乗せるためである。

それを、体全体で行うのがこの虎落としである。

長々と解説したが、拳一点を相手に当てた、体当たりである。

 

王牙の虎落としがまたしても山岡を捉える、しかし山岡は今度は飛ばされず

耐えきり再度連続で右拳を繰り出す。

だがこの虎落とし。その性質上トリガーは相手の攻撃で、強い踏込みであればあるほど威力を増す。

つまり

 

連発が可能である。

 

山岡は流石に耐えきれず、一発目を無理に耐えたせいで腹を押さえながら悶絶し崩れ落ちる。

 

山岡は、男どもの中でほか二人を、二人がかりでも寄せ付けないほどケンカが強かった。その山岡が王牙を前にまるで赤子扱いである。

 

だが、男どもは引かない。

 

「動くんじゃねぇ!!」

 

男の一人は懐にしまっていた拳銃を抜く。

それを見て、王牙は少女を自身の後ろにいることを再度確認する。

 

「どんな、達人だってよ!こいつの前じゃ意味ねぇーんだよ。死ねや!!」

 

銃声が辺りに響きわたる。

男が撃った銃弾は王牙身体の中心を捉えていたはずだった。

 

頬にスッと傷ができ血が出る。

 

王牙のではない、銃弾を撃った男の頬だ。

「2発目は撃つなよ、次は当てる。」

セリフが完全に逆転している。

銃弾を撃たれたほうが、次は当てると言い放った。

 

『こいつ、今…』

王牙は銃弾をデコピンで弾き返していた。

 

男どもは完全に戦意をなくしていた、

が、山岡は…。

 

「がぁあああああ!認めねぇ!認めねぇ!!」

吐瀉物を吐きながら叫びたちあがる。

 

目が人間のもので内容に見える、血走り、しかし焦点は合っていない。

 

「糞が!!糞が!!」

 

足がふらついている。

が、その気迫は凄まじく、仲間の男も、少女も、王牙意外がその迫力に恐怖した。

 

山岡がズボンのポケットから何かのケースをだす。

そのケースの中には、緑色薬品が入ったの注射器が3本ほどあった。

その全てを取り出し自分の首に刺す。

 

山岡は自分の身体の痛みが引いていき、痛みのかわりに高揚感が増していく。

 

「殺す!!ころす!!コロシテヤル!!」

アタマノナカ、サツイデイッパイニ。

 

頭の中が単純な原語で埋め尽くされていく。

山岡の目には王牙の事も、仲間の男たちの事も、少女の事も皆同じ敵にな、それらが分裂していく。

 

「山岡君……。」

 

「なに…あれ?」

少女は今まで人の形をしていたものが、異形に変わって行くのを見る。

 

「ダー…。」

王牙だけはそれが、異世界の化け物だということがわかった。

 

ダー

異世界の寄生型の怪異である。

本来は子供や老人などの免疫能力が低くなった人間に、ミスト状になった自身の体成分を吸わせることによって寄生させる。

吸った人間を、形状は個人差があるが化け物に変えてしまうのである。

 

山岡の身体は、首がぐっと伸び、首筋、アバラから虫の脚のような触覚が生えだし、目は複数に割れ虫の複眼のようになる。ムカデを思わせる姿を見て、

 

「ひぃ」

「いや…」

「ぎゃあああ!!」

 

…。

ちなみに、

「ひぃ」は男ども。

「いや…」は少女

「ぎゃあああ!!」は王牙である。

今まで冷静そうに見えた王牙に、少女と男どもは顔を見合わせた。

 

「きっもー。いや、えぇ…。キモい。」

王牙ドン引きである。

 

「ああああああアアアアア!!」

もはや山岡は人語を返さない。

 

「ブリジット!!俺の魔力使って、その子に結界!!お前らもそこから出るなよ!!」

王牙がブリジットと、男どもに命令する。

 

『了解。結界作成します。』

薄い水色の球体が、少女と男どもを包む。

 

山岡はもう車ほどの大きさになり、建物だろうが、なんだろうが手当たり次第に攻撃し、破壊している。

 

もはや敵も認識できていない。

 

そして口からは、碧色の煙を発している。

 

「あまり近づきたくないな、というか殴りたくない。ネチョネチョしてそう。」

王牙は心底嫌そうな目を山岡だったものに目をむける。

『そうですね、あなたがどれだけダーの体組織を吸い込んでも、変異はしないでしょうけど、私もあれに近づきたくないです。』

突如王牙の首にかけた青い宝石が語りだす。

ブリジットの通信でもない。

『ですので、中距離砲撃魔法での撃破を提案します。』

「あー。」

『以前から人に、撃ってみたいと仰っていた、あれで良いですのでどうぞ。』

「流派ねこかくとうの最終究極最終奥義を?」

『YES』

 

砲撃魔法。

ねこかくとうに限らず、砲撃魔法には大まかに2種類に分類される。

砲撃魔法さその2種類と、応用によって法則的に名をつける。

 

一つ、ショット(シュート)

弾殻を形成し、それに魔力を込め発射する。

メリットとしては発射後も術者の能力により、軌道を変化させることができる。

デメリットは発射後に威力の変更をできない。軌道を操るぶん人間が操作する関係上術者の知覚できるスピードを上回らない。

 

2つ、バスター

放射状に持続的に魔力を放出する、

ビーム状の砲撃魔法である。

メリットとして、直線的であるが放射スピードがショットよりも比較的早く、発射後も放出量を増やすことで威力を変化させられる。

デメリットは直線的で、発射している最中は術者はそこから動くことができない。

 

応用

 

バリアブル

ショットの弾殻にさらにもう一枚もしくは複数枚弾殻で包む。

貫通力が増すかわり、発射までのタメに時間がかかる。

 

スマッシャー

ショットを、もしくはバリアブルで作られた弾殻をバスターで押しだす。バリアブルであるため、バスターより貫通力に優れ、バスターのため、発射後に威力を高めることができる。

 

イレイザー

魔力流を一定の力で2方向からぶつけつつかく乱させることで、空間に歪みを作りそれをバスター、もしくはショットで打ち出し対象を削り取る一撃。

 

ブレイカー

使用した魔法で消費できなかった魔力、周りにある魔力を集め再度バスターとして使用する、砲撃魔法のエクストラスキル。

 

応用は全て、バスターとショットの派生である。

 

流派ねこかくとうの最終究極最終奥義とは?

 

流派ねこかくとうがまだ流派としてならず、王牙が魔法を覚えた理由、この魔法を撃ちたいがために目指した目標の魔法。

この魔法は先程あげた砲撃魔法の全てと、発射台固定のための肉体強化魔法を使用することで使用することができる魔法である。

そしてこの技は、おそらく日本人の90%が知っているであろう技である。

 

「か」

発射土台の肉体強化

「め」

バリアブルの弾殻形成

「は」

ブレイカーによる魔力の収束。

「め」

魔力を衝突させイレイザーの弾殻を作成。

「波ぁ!!」

バスターによる魔法の発射である。

 

山岡にかめはめ波が直撃した。

 

◇

 

「いや、やりすぎたんでない?」

『大丈夫ではないでしょうか?』

 

直撃はしたが、非殺傷設定で死ぬことはない。

ないはずである。

 

「だ、大丈夫なので?」

山岡の仲間が手を擦りながら王牙に近づく。

 

「あー、一様大丈夫だと思う。」

王牙は、ダーの除去を行う魔法を使う。

「で?さっきのバケモノみたいなのはなんだったの?」

以外にも少女はどっしりと構えていた。ビクビクした男どもとは大違いだ。

 

「うん?あれは多分『ダー』だね。」

 

「ダー?」

 

「異世界、あー、『特地』の寄生型のバケモノだよ。」

ひとしきり山岡からダーの除去が終った。

 

「うぇ。あんなのいんの?」

 

「まあ、めったに会わんけどね。」

 

「……、あー。そのサンキュー。助けてくれて。」

少女は照れくさそうにお礼を言う。

「気にしないでいいよ。」

王牙は寂しそうに言う。

「…?まあ、いいか。でもヒーローってほんとにいるんだな。ブリジットがたまに、ヒーローとか魔法少女とか話してるけど…。」

 

フェアリーズのブリジットが首を、

「私のことじゃないです」

と、言うように首をふる。

 

「ブリジットって私の…し、あー、友達でさ。アニメとか漫画とか?好きなキモオタなんだよ。」

少女は聞いてもいないのに、ペラペラとよく喋る。怖い目にあったというのに…。

 

「ヒーローって給料いいの?警察から金もらえるの?」

ズケズケと踏み込む、瞳に金と書いてあるきもする。

 

「いや、ただの趣味だけど。」

 

あっけらかんに答える。

 

「…しゅ、趣味なんだ。」

 

「仕事は別にしてる。」

 

「どんな?」

 

「何かよくわからん話を聞いて、よくわからん書類にハンコを押す仕事だけど…。」

 

おわり

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