◆第二章予告
バブル崩壊とともに日本を襲った永世大不況。その波紋はトレセン学園とそこに属するウマ娘たちにも翳りを差した。
シルク・ラン・ダッツの三人は、混沌たる競走界に嵐を呼ぶ鬼子と化すか、それとも時の寵愛を受ける救世主となり得るのか。
「ごたごた言ってねえで働きな。働かざる者、食うべからずだよ!そのウマ脚は飾りかい!」
「あのな、この脚は走るための脚だ。労働の為の脚じゃねえ!」
三人が身を寄せる下宿先の女家主、八谷の強いる労働にも負けずシルクたちは今日も闘う!
「ジャスティスちゃん。私も一緒に頑張るから……!」
「だから誰なんだよ、お前は!」
次回、『正義の愚連隊』
近日投稿予定。
★史話解説(1)~シルクジャスティス~
※本項『史話解説』は今作に登場する人物や出来事を、現実世界の競馬界・歴史上で起きた事象等と絡めて補足説明していくものである。以後『史話解説』は作品内随所にて適宜掲載されるものとする。
シルクジャスティス(英語: Silk Justice)は日本の競走馬。一九九四年三月一八日に誕生した牡馬である。
父ブライアンズタイム、母ユーワメルド。有限会社シルク(現:有限会社シルクレーシング)が馬主で、競走馬時の所属は大久保正陽厩舎(栗東トレーニングセンター)。
現役時はずんぐりとした大柄な体型と見られていた時期があり、一部からは「牛のよう」と評されていたという。
当時のブライアンズタイム産駒は見た目で状態や潜在能力が把握しにくい個体が多いともされていたようで、本馬も鋭い末脚を長く使える追込み戦法を得意としていた。
現役時の性格は些か反抗的であったといわれている。
所属していた大久保厩舎には、シルクジャスティスの異母弟で少し遅れて生まれた同期のエリモダンディーがいた。こちらは体重が四〇〇キログラムにも満たない時期がありながらも早くから能力を評価されており、人に懐きやすく扱いやすい馬であったとされる。エリモダンディーは小柄であり幼少期から周囲の馬に虐められることが多々あり、他の馬に対して苦手意識を持っていた。大久保厩舎に入厩後もそれは同様で、同僚馬から威嚇・攻撃される場面が見られたという。
シルクジャスティスはそんなところへ駆け付けては、他馬を追い払ってまるでエリモダンディーを庇う様な姿をたびたび見せたという。
そうした経緯もあってか、二頭が同時に調教・調整を受ける事も多く、シルクジャスティスはよくエリモダンディーを気にかけるような行動を取っていたとされる。