◆第三章予告
新たにエリモを加え、生涯一度のクラシックレースへ向け動き出すチーム・アルルバ。
来るべき三冠レースへ向け本格化を始めたウマ娘達の目には、混沌たる競走界はどう映るのか。
そんな中、蘇りつつある過去の因縁がシルクに立ちはだかる。忌まわしき父親の影を前にして、彼女の心は千々に乱れる。
「敗者は何も得ない。負ければ全てを失う。何かを欲するならば勝ち取る他無い。賭けをしよう。もしもお前がG1レースを獲ることがあれば、私はお前の望みを一つ聞き入れよう」
「親父、アンタだけは絶対に許さねえ! アンタのせいで失ったものを返してもらう! そう、アタシの望みは──」
怨讐の決意を胸にシルクは叫び、ターフを駆ける!
だがその時ついに、競走界に恐るべき宣言がこだました!
総てのウマ娘を震撼させるトゥインクルシリーズ改革プランの実態とは!?
「ジャスティスちゃん。私も一緒に走るよ……!」
「これはアタシの戦いだ! 邪魔をするなッ!」
次回、『競走界改革宣言』
近日投稿予定。
★史話解説(2)~エリモダンディー~
エリモダンディー(英語:Erimo Dandy)は日本の競走馬。一九九四年五月十一日に誕生した牡馬である。
父ブライアンズタイム(シルクジャスティスと共通)、母エリモフローレンス。
えりも農場代表の山本氏が所有する形で大久保正陽厩舎に入厩。体躯の小さな馬で、入厩時は装鞍をしても四〇〇キログラムにも満たず関係者を驚かせたという。
そのためか牧場の他の馬からいじめを受けていたらしいが、ある一頭の馬がそこへ割って入り度々エリモダンディーを助けていたという。同じブライアンズタイムを父に持ち、同い年で大久保厩舎に入厩したシルクジャスティスである。大柄な体躯に荒い気性というエリモダンディーとは真逆な当馬であったが、エリモダンディーがいじめられているところに駆けつけては相手を威嚇し返していた。そうした経緯もあってか、いつの間にかエリモダンディーはシルクジャスティスを兄貴分と慕い、常に後ろをついて回っていたという。
当時のブライアンズタイム産駒は見た目で状態や潜在能力が把握しにくい個体が多くみられたが、一九九八年の日経新春杯などを見るに、エリモダンディーは鋭い末脚を長く使える追込み戦法を得意としていた。これは、慕っていたシルクジャスティスと似通う脚質である。
今作中において、ウマ娘のエリモは艱難辛苦の幼少期にシルクと出会い交友を深めている。しかしシルクの方は「そんな覚えは無い」「人違いだ」といい、エリモとは初対面だという。
この両者の認識の齟齬が意味するものとは。またそれが物語にどう影響してくるのだろうか──。