翌日早朝、城壁近く。昨日と同じ場所、ベルとアイズを眺めるタダオミ。
「流石だなベル、あんなにボコボコにされて...」
「おはようございます。」
「む、来たようだな。」
「私だって強くなりたいですからね!」
「そうか、では遠征の日までよろしくな。」
「はい。お願いしますね。...でもなんで遠征のこと知ってるんです?」
「さぁ?」
「え?」
「よし、始めるぞ。今回は俺の方から近づいていくからな。【換装】!」
(美琴の攻撃方法だと手加減できないからな。あれでいくか。)
手にはマジカル鈍器。杖ではない鈍器だ。
「タダオミさんも、やっぱり魔法使えるんですか?!」
「ん?あぁ、そうだな。」
「モンスターフィリアの時も使ってた氷の魔法や回復魔法。私と似たようなスキルがあるようですね。」
「んー、多分そんな感じだ。では、いくぞ!」
合図と同時に走りだすタダオミ。杖を見て魔法対決だと思っていたレフィーヤ。
「【解き放つ】って、なんでこっちに詰めよってくるんですかー!」
なんとか対応し必死に逃げるレフィーヤ。
「あたりまえだろ?近付かなければ戦えないからな。どうだレフィーヤ、今のお前に何ができる。」
「今の私ですか?」
「そうだ。好きなように動け。」
追い付かれる寸前で体をひるがえし杖でフルスイングをするレフィーヤ、当たらないギリギリで止まるタダオミ。
「大振りはやめておけ。この後が隙になるぞ。」
と言い杖で小突くタダオミ。
「超近距離戦闘では、あまり隙を作るな。相手を嵌めるのもいいが最初のうちはしない方がいいぞ。」
「は、はい。」
と、こんな風にレフィーヤの修行は続く。
ここからはダイジェストでお送りいたします。
———
「今日はこの棒で相手をするぞ。」
「余裕そうですね。」
「よし、始めるぞ」
枝を投げて、それを杖で弾くレフィーヤ。目の前に現れるタダオミ。
「訳のわからない動きやめてくださいー!」
「あまり背中向けない方いいぞ。」
容赦なく枝を投げるタダオミである。
———
「とりあえず今日はひたすら逃げろ。」
「はぁ、わかりました。」
「では、いくぞ!クラッキング発動!」
「か、体が思いです!」
「速く逃げないともっときついぞー。」
「いやぁぁー!」
———
「レフィーヤ今日も逃げまわれ。」
「え?今日もですか?」
「そうだ。今回はこの手錠というもので戦うからな?」
「は、はぁ。」
手錠の着いたロープを回し構えるタダオミ。
「なにか、嫌な予感がします。」
「捕まったらビリビリさせるぞー」
なんとか、かわし続けるレフィーヤだった。
———
「体力はある程度着いただろ?」
「まぁ、そうですね。」
「そうか、では杖を置け。今日は殴ってこい。」
「わ、わかりました。」
しぶしぶ杖を置くレフィーヤ。
「力があれば選択肢は大きく増える損はないさ。」
「じゃあ、いきますよぉ!」
頑張ってポカポカしているレフィーヤ。Lv.3だしと思い、ドルケを発動していたタダオミ。
(これは...弱いな。どうしたものか。)
———
「レフィーヤ、今日は色々とブーストしてやる。また殴ってこい。」
「わかりました。」
「ステイタスが上がればこんな動きも可能なのだと考えてくれ。」
「はい!」
「タイオワ空駆け同時発動!」
「タダオミさん!凄いです!なんだか漲ってきました!」
「ならこい!」
——— ダイジェスト終了
今日はロキファミリアの遠征日
「今日で最後だな。」
「そうですね。」
「では始めるとしよう。全部を俺にぶつけてこい受け止めてやる。」
「わかりまし。修行の成果みせますよ!」
「あぁ、全力でこい。いくぞ!タイオワ空駆け発動!」
開始と同時にタダオミの方へ走りだすレフィーヤ。
杖を振り下ろし、棒でそれを受け止める。レフィーヤは杖を手放しタダオミの鳩尾に掌打をくり出す。なんとか、体をずらし急所を外すが体が浮いてしまう。そこへ回し蹴りを決めるレフィーヤ。
「【解き放つ一条の光聖木の弓幹。汝弓の名手なり。狙撃せよ妖精の射手。穿て必中の矢】【アルクス・レイ】!」
タダオミが飛ぶと同時に詠唱を開始し、最大限の速さで魔法を完成されるレフィーヤ。
「【光散】!」
レフィーヤの魔法が爆散し、タダオミに追い討ちをかける。
「ジョバンニ発動!」
(レフィーヤの戦闘スキル高けぇ。素晴らしいな。)
レフィーヤの背後に現れるタダオミ。
「そこです!」
気配を察したのか杖を背後へ振るう。またも飛ばされるタダオミ。追撃と走りだすレフィーヤだったが、カードの効果が切れてしまう。
「おわぁ!?」
突然の足の重さに躓いてしまい、盛大に顔から地面へ突っ込んでしまうレフィーヤ。どうやら、最後の稽古はこれで終わったようだ。
「だ、大丈夫か?レフィーヤ。」
「......大丈夫です。」
何事もなかったように立ち上がるレフィーヤ
「凄いなレフィーヤ。ここ数日でこんなに強くなれるのか。」
「へへ。タダオミさんのおかげですね。アイズさんにも教わっていたのでここまでこれたんだと思います。」
「抜け目がないな。まぁ、よく頑張った。」
「そうですか!ありがとうございます!」
「ご褒美と遠征前の餞別として何か送ろう。」
と言いつつ何にするか悩むタダオミ。
「そうだなぁ、レフィーヤ。魔法か、能力かペット?何が欲しい?」
「え?なんですその3択。」
「なんでもいいから選べ、基本プラスになるはずだ。」
「そうですねぇ。魔法は使えるし、ペットが気になるのでペットでお願いします。」
「わかった。はらぺこメイジを召喚。」
そこには、カクばった緑物体がいた。
「これは、はらぺこメイジだ。」
「へー、なんです?これ?」
「ペットみたいなものだ。これを送ろう。」
「え?生き物なんですか?」
「多分だがな。はらぺこメイジ、レフィーヤをマスターにしろ。」
体から何が抜け落ちた感覚がした。どうやら、レフィーヤに譲渡されたようだ。
「こんな見た目だが、なかなかに強力なはずだ。可愛がってくれ。」
「は、はいわかりました。」
「はらぺこメイジ、姿は消せるか?」
透明になるはらぺこメイジ。
「き、消えましたよ!」
「レフィーヤ、念じてみてくれ。」
「わかりました。」
姿を現すはらぺこメイジ。
「戦いもできる、頼りになるさ。じゃあ、遠征頑張れよ!」
「ありがとうございます!頑張ってきますね!」
「あぁ、じゃあまたな!」
「はい!」
想像強化を果たせたレフィーヤ喜ぶタダオミだった。
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レフィーヤと別れ昼食を済ませたタダオミ。
「さてと、レフィーヤの件は大成功と言っていいじゃないか。今からが本番だ、今日はベルのランクアップの日だからな。行くしかねぇよなぁ!」
スキップ気分でダンジョンへ向かう。のだが、
「そう言えば何階層で戦うんだっけ?...あーやっべしらねぇわ。とりあえず8階層とかそこら辺だろ。背景てきに。」
と、なんだかんだ焦りつつ走り出すタダオミ。しらみ潰しに探し、そして聞こえる
キンッ!ガキン! ブモォォォオ!
「近くだ急げ!」
なんとか間に合ったと足取りを軽くする。
「ハッ!殺気っ!」
足を止めて、思い切り後ろへ飛ぶ。
「なぁ、通してくれねぇか?俺はその先に行きたいんだよ、オッタル。」
「...ダメだ、あのお方にとってお前は邪魔なようだ。」
「邪魔はしないと言っただろ?覚えてる?ねぇ?」
だんだんイライラしだすタダオミ。この日ためにオッタルにちょっかいをかけて戦闘までしたのに。なんて思いつつ。
「どうしたら通して貰えるんだ?」
「...そうだな...俺と戦え。」
「なんでそうなるんだよ。ふざけんな。」
「最後のあの瞬間、目を見張るものがあった。だから、俺と戦え。」
「だからじゃねぇよ。」
「ならば、ここは通せない。」
「さてはお前、俺と戦うために待ってたんじゃねぇだろうなぁ?」
「......」
「まさか、図星か?」
「戦うのか、戦わないのか。お前が決めろ。」
(この状況どう切り抜ける。無視して行けるようなやつじゃねぇ。かといって諦めるのはもっとない。短期決戦か?いやでも、そもそも勝てる相手じゃない。...やるだけやるか。)
諦めきれず、オッタルとの戦いに覚悟を決めるタダオミ。
「わかった。やってやるよ。出し惜しみはなしだ。【換装】!」
狐ヶ咲 甘色の刀である。タイマン最強(PS必要)のキャラだからね。
「チートなんて言うなよ?お前は存在がチートなんだから。」
「何を言ってるのかわからないな。」
「ぶっ倒してやるよ!オッタル!」
鞘のから抜かずそのまま攻撃を仕掛けるタダオミ。それを軽くあしらうオッタル。そして、簡単に吹き飛ばされてしまう。
「ここだ!シャドウ!」
空中からオッタルに向けてシャドウを発動する。ガードをしているが直接のダメージではない。スリップを狙っているようだ。
「これは知らねぇよなぁ。格上を倒すには割合ダメージしかねぇからな!味わってくれよ。」
「なるほど。毒か何かのようだな。しかし、俺には耐異常がある。意味は無いぞ。」
「チートすぎるぞお前。」
「小細工は止めて、全力でこい。」
「はぁ、きてるちゃん発動!」
何かに気がつきその場から回避するオッタル。
「こいつも貰っとけ!アバカン!」
タダオミが刀を振るうと雷の光線がオッタルを突き抜ける。
「多少はスタンしてくれよ!」
一気に近づき。近距離カードを発動する。
「新カードだ!聖火の女神と宴!こいつは効くだろ?」
「ぐはぁ...」
片膝を付くオッタル。
「こんなダメージは久しぶりだろ?こっちは訳わからんくらい回復したぞ?」
「何をしたか知らないが。なるほどな。ではこっちからいくぞ!」
その巨体が姿を消し、気がついたら目の前に現れた。咄嗟に刀に手をかけて居合いの構えをとる。
「くっ!まにあえ!」
「フン!」
ガキン!
カウンターは発動した。しかし、どうやらオッタルには聞かないようだ。何度もその大剣を振り下ろすオッタル。タダオミはカウンターを発動さられているため動けずにいた。
(カウンターが効かないか。そんな気はしていたが、信じたくなかったぜまったく。無駄に時間を使うだけだな。発動してくれ!バーゲン!)
タダオミの周囲に青いバリアが浮かぶ。
「今だ!マジスク!ゲームバズーカ!」
マジスクをくらい、判断そのものが遅くなってしまったオッタルはゲームバズーカによりダンジョンの壁に張り付けられてしまう。
「【換装】!」
タダオミの手には黒く染まった剣があった。
「防げるもんなら防いでみやがれ!」
「【我が一撃、受けよ!】【エクスカリバー・モルガン】!!」
全てを飲み込む黒い光がオッタルをおそう。
「ッッツ!うぉぉぉお!!!」
黒い光がきえる。ダンジョンはボロボロになっており、かなり抉られている状態だ。その中オッタルは剣を杖代わりにして立っていた。
「お前、化け物すぎるだろ。」
「はぁ、はぁ、はぁ、」
オッタルは満身創痍になりつつもタダオミを睨み付けていた。
ゴゴゴゴゴ!!
突然の地響きが鳴り響く。どうやら、ダンジョンを破壊しすぎたようだ。
(なんだ、突然。何故かわからないが嫌な予感がする。なにか、イレギュラーが起きそうか予感がする!)
先ほどの戦いにより気がついたのか、1人分の足音が聞こえる。
「おい!なんだこの有り様は!」
どうやら、ベートが来たようだ。
「ここで何がありがった!それにお前は!...オッタル!こんなとこ何してやがる。」
「ベート。少し黙れ!嫌な予感がする!」
「なんだぁ、おめぇはよぉ!」
ベートに気が向き、警戒が薄くなった瞬間。腹部に冷たさを感じる。
(なん...だ...これ。なんで、お腹から氷が...)
ザシュ!
タダオミの腹部より剣が抜かれる。
「カハッ!」
(だん...だん、熱くなって...きた...ちから...が入ら...)
バタン。
崩れ落ちるタダオミ。
「何やってだお前!」
吠えるベート。しかし、タダオミは今だに理解が追いつかない。
(あぁ...痛い、これは...死ぬ...もっと...ベ...ルを)
そして、視界が暗転した。、
次回もお楽しみ!じゃんけん。ぽん!うふふ!
これ見ると日曜日の終わりを感じていたあの日が懐かしい。笑