え?それだけですよ?
「眩しい銀髪をフードで隠し、噴水横の茂みに入り金色の隻眼を光らせ獲物を狙う近衛騎士団長のような彼はだれでしょう。そう、俺(変態)だ。」
次の日の早朝、日が昇るまえからスタンバっていたタダオミ。
「寝過ごすなんてあり得ないからな。早起きは三文の以上の得だぜまったく。ちらほら冒険者も見えてきたしそろそろかな?」
そんなことを1人呟いているとリリルカが来たようだ。
「お、来たな。そろそろベルも来そうだな。む?噂をすれば。」
ガサッ
茂みを分けてとある人物が現れる。
「君何をしてるの?」
「何故ここに、現れる。アイズ・ヴァレンシュタイン!」
「嫌な、雰囲気を感じたから?」
「俺に聞くなよ。」
アイズと話しながらタダオミの目線はベルの方を向いている。それに気がつかないアイズではない。
「あ、見つけた。」
「ん?見つけた?」
と茂みを出て行こうとするアイズ。慌てて止めに入るタダオミ。
「おわ!バカ!やめろ!シナリオが壊れるだろうが!」
「言ってる意味がわからない。」
バカと言われたことで頬お膨らませるアイズ。かわいい。
「いいか、今は待て。お願いだから。」
「でも、これを渡したいし。早く謝りたい。だから、」
またベルの方へと向かうアイズ。必死で止めるタダオミ。悲しきかな、純粋な力じゃ敵うわけもなく。
(なんて力してやがる。STR自動失敗とか洒落になんねぇぞ!?)
「タイオワとお父さん同時発動!」
筋力にブーストを掛け、アイズを茂みの方へぶん投げるタダオミ。アイズも突然のデバフとタダオミの強化に宙に浮かされてしまう。
「は!効果時間を除けばお父さんは優秀なんだよ!」
4秒は短すぎる。後ステが酷い。運営さん待ってます。
綺麗な着地を決めるアイズ。
「君、いきなり人を投げるのはどうかと思う。」
「ならとりあえず話しをきいてくれよ。」
「どうして君の言うことを聞かないといけないの?」
「それは、あれだよあれ...」
「特にないんだね。」
また進みだすアイズ。
(まずいな。ベルとリリの大切な場面なのに邪魔をされるのはまずい。今後にどう影響するかわからん。くっ!あれしかないのか!)
「んっ!んん。あ、アイズさん。」ベルに声をよせる。
ビクッ
動きがとまり、後ろを向くアイズ
「ベルと俺は兄弟なんだ。声も似てだろ?」
「たしかに?」
(よかったぜ!CV松岡 禎丞。感謝します。)
「でも、全然似てないね。」
「そ、そうか?二人とも白髪だろ?」
「そう、だね?」
「そうだ。深くは考えるな。」
なんとか言いくるめようと頑張るタダオミ。
「それでな。アイズ・ヴァレンシュタイン。兄からの頼みなんだが、今はそっとしておいてくれ。」
「わかった。」
「今日の昼くらいにギルドへ行けばベルも来るはずだ。」
「なんでわかるの?」
「感だ。兄だからな。」
「??わかった。」
チラッと噴水の方を見るとベルとリリルカの姿はなかった。
(なんとかシナリオ通りにいったみたいだな。ベルとリリのストーリーを生で見れなかったのは悔しいが。)
「それと、すまないが。もう一つお願いしてもいいか?」
「ん?何?」
「ベルに少しでいいから稽古をつけてやってくれ。」
「どうして、私に?」
「俺がやるより、ベルが強くなれるからだ。」
「......」
「それと、ベルがどうしてあんなに早く強くなれるか知りたいだろ?」
「そう、だね。わかった引き受けるよ。」
「助かる。それはそうと、ファミリアの集会はいいのか?」
「は!そうだった!」
慌ててホームへ帰るアイズ。
(集会忘れてたな、あいつ。だから朝から噴水近くにいたのか?まぁいいや。ソードオラトリア編あんま覚えてないし。)
———————
なんやかんやで次の日の早朝
ベルが部屋を出るのと同時に目を開け起き上がるタダオミ。
「よし、いったな。追いかけねば。」
だんだんストーカー行為を隠さなくなったがそんなことは関係ない。ベルの後を付けるタダオミ。
向かう途中、レフィーヤとぶつかるベル。何かを話しているようだ。
「ご、ごめんなさぁあぁぁい!」
ベルが謝りながらその場を逃げだす。
「あ、あやしい!あの子、絶対何か知ってる!待ちななさーい!!」
追いかけるレフィーヤ。
(なんだこれ。)
ベルのストーカーを続けるタダオミ。しかし、気がつく。
(確かレフィーヤはアイズのストーカーだったな...同業者だな。)
そんなことを思い、外壁の見える場所へ移動するタダオミだった。
(よし、ここら辺ならちょうどいいだろ。)
「はぁ...あのヒューマン、一体どこに...うぅ、これだけ探してもいないなんて。」
ベルに振り切られ落ち込んでいるレフィーヤ。そして、現実は非常である。
「!あ、あれはまさか....!」
ベルがアイズに肩を貸してもらっているシーンを見てしまったようだ。
(この娘かわいそうやな。俺が同じ状況なら死ねる。うーーむ、そうだ。)
「ハイ、ジョージィ⭐」IT風ペニーワイズ
「ヒッ!」
ヌルッと背後から現れ、挨拶(ここ大事)をするタダオミ
「あ!あなた!...あなたはたしか、モンスターフィリアの...」
「そうだ。ヘスティアファミリアのタダオミだ。」
「あ、私はロキファミリアのレフィーヤ・ウィリディスです。」
「よろしくな。レフィーヤ・ウィリディス」
「い、いえ、あの時は助かりました。レフィーヤで結構ですよ。」
「そうか、俺もタダオミで頼む。」
「わかりました。」
(第一印象は大事だからね、うん。)
初っぱな、不信感を抱かせる男である。
「それはそうと、レフィーヤ。今落ち込んでいるな?」
「な、なぜそれを!」
「なに、簡単なとこよ。俺とお前が同類だからだ!」
「は?」
「おおかた、アイズをストーカーして現実を見てしまったところだろう!?」
「う...そ...それは。」
「隠さなくてもいい。俺はベルのストーカーだ。」
「......」
※タダオミは少しハイになっています。
「だが、安心しろレフィーヤ。お前が思っているようなことではない!」
「ほ、本当ですか!」
「あぁ、ベルがアイズ・ヴァレンシュタインに稽古をつけてもらっているだけだ。」
「う...それでも、納得できません!」
「そうか、何が納得できないんだ?」
「よくわからないけど、嫌なんです。」
いい淀むレフィーヤにタダオミは言う。
「レフィーヤ、お前はベルにアイズ・ヴァレンシュタインをとられて悔しいんだろ?簡単に言えば嫉妬だな。」
「そう...ですね。そうかもしれませんね。」
「なぁ、レフィーヤ。嫉妬ってのはあまりいいものではない。周りも見えなくなるし、正常な判断ができなくなる。」
「...わかっています。」
「そんなことで、アイズ・ヴァレンシュタインに迷惑をかけたいか?」
「そんなはずありません!」
(今はベル君への嫉妬がつよいな。このまま行けばレフィーヤは強くなるだろう。しかし、それではだめだ。ベル君のライバルになってもらえれば更にベル君の経験値となるだろう。
あのイベントによってレフィーヤの精神は大きく成長するが歪んでいってしまう。歪みを強制するためには支えが必要だ。アイズよりも強い支えが。)
「そうだよな。迷惑はかけたくないよなぁ。ならどうすればいいか!」
「そ、それは。」
「アイズの隣に立て。隣に立って全力で独占しろ。」
「でも、アイズさんの隣なんて。そんなの夢物語です。」
「そんなことはない!必死に努力しろ、それこそ嫉妬なんてしてる暇がないくらいな。」
「そんな、私には無理です、」
「無理じゃない。俺がなんとかしてやろう。俺は前衛だが本職はガンナーだ。何か学べることもあるだろう。」
タダオミは自分のためにレフィーヤを利用すると決めたが、ただ少しだけレフィーヤの助けになれたらと、考えがあったりなかったり。
「せっかくだ、少し稽古をつけよう。」
「え?今からですか?」
「あぁ、そうだ。俺を倒せ、Lv.は1だ簡単だろ?」
「れ、Lv.1なんですか?!それじゃ戦いならないですよ。後衛職と言ってもLv.3なんですから。」
「あぁ、全力でこい。ちょうどコインがあるから投げて、それが地面に着いたら開始だ。」
「どうなっても知りませんよ!」
「それじゃあきまりだな。なんなら、詠唱しててもいいぞ。」
「そこまで言うなら手加減しませんよ!」
そして、タダオミの手からコインが飛ばされる。
「【解き放つ一条の光、聖木の弓幹。汝、】」
今コインが落ちる。
「【弓の名手なり。狙撃せよ。妖精の射手。穿て、必中の矢】!」
(イデアで邪魔してもよかったが、おもしろくないからな。さて、どんなものか。吹き飛ばされたくないし、防弾パーカー発動っと。)
「【アルクス・レイ】!」
タダオミに光の矢が放たれる。防御を使用し正面から受ける。
「だっ、大丈夫ですか!自信があったので何かすると思って...」
立ち込めた土煙が晴れる。
「なに、気にするな。ダメージはない。」
(なんだろうな、遠距離貫通の小ダメージみたいな。そんなカードないけど。)
「う、嘘。効いてない?真正面から受けて?」
「他はないのか?」
「ッ!それならこれでどうですか!【ウィーシェの名のもとに】」
(それじゃ、ダメだ。隙がながすぎる。)
「はぁ、イデア発動」
「キャッ!」
無理やり詠唱を止められてしまうレフィーヤ。
「1対1でそれは悪手だぞ。」
「くっ!なら!」
距離を取るレフィーヤ。
「【解き放つ一条の】」
「それもダメだ。#夜行犯罪特区、終夜」
「【聖木の弓幹。———】!!」
終夜をレフィーヤの頭上で発動させ詠唱を止めさせる。レフィーヤは口をパクパクして困惑させているようだ。
「どうした?撃たないのか?」
「ッッ!」
「白井黒子発動!」
レフィーヤの背後に現れ意識を刈り取る。いわゆる首トンッである。
「まぁ、魔法使いなんてこんなもんか...いや、そんなことないか。」
鈍器の魔法少女ことルルカ、ゴリラの魔法少女(偏見)リリカのことを思い浮かべる。
「キュー...」
今だに、スタンしてるいるレフィーヤをおこす。
「おーい、もう痺れてないだろー。」
ほっぺをペチペチして起こさせる。
「はっ!...負けたんですね。気がつかないうちに...」
「仕方ない。俺が強いだけだ。」
「そう...ですね。」
すごく悔しそうにしているレフィーヤに、面白がってるタダオミ。
「よし、反省会だ。レフィーヤ。何がいけなかった?」
「そ、それは。魔法が使えなかったことですか?」
「いやそれは違うぞ、魔法しか使おうとしなかったことだ。」
「で、でも私。魔導師ですよ。」
「職業なんて関係ないぞレフィーヤ。紅魔族のウィザードは杖で殴り掛かってくるぞ。何気に痛いんだよなあれ。」
タダオミの言葉に頭を悩ませるレフィーヤ。
「まず魔導師が1対1をするのはおかしいってのはわかるな?」
「まぁ、はい。」
「でも、敵はそんなこと関係無いってのもわかるよな。経験はあるはずだ。」
「そうですね。」
「なら、どうする?」
「に、逃げる。ですか?」
「そうだ。逃げろ、そしてチャンスを探せ。ここだって時に魔法でも使えばいい。」
「でも、それは。」
「そうだな。パーティーで行動するなら1人逃げることはできない。だが、今の状況は違う。」
「うぅ、その通りです。」
「1対1になった場合。つまりだな、レフィーヤが1人でも敵を対処できるようになってもらおうと思っている。なんとなくは理解できたか?」
「はい。」
「どうだ?まだ、続けるか?」
「いえ、今日は帰ります。」
「そうか、明日もこの時間でまってるぞ。」
「......」
(後輩にこんなこと言われたらしょげるよなぁ。まぁ、明日に期待だな。レフィーヤ、待ってるぞ。)
この後ベルとアイズを観察し、てきとうにダンジョンに潜り1日の幕は降りた。
途中でエイプリルフールが終わってしまった。あぁ...
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