仮面ライダー×hololive ~正義の系譜~   作:24時間深夜テンションなエルフの剣士

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あれれーおっかしいなーholoXとアンクの活躍を書く筈だったんだけどなー


#5:狼の再起

「…………え?」

 

 何よりもその状況を読み込めていなかったのは、その場に居た3人だった。

 

 何の戸惑いもなく放たれた水の刃。

 

 切り裂かれたルイの腕は血の代わりにジャラジャラと銀色のメダルを噴き出している。

 

「…何で、何で!?」

 

 こよりが真っ先に叫ぶ。

 

 だが、そんな叫びもお構いなしにクロヱはルイに歩み寄る。

 

「これだけあれば十分ね」

 

「何を―――!?」

 

 言うが早いかクロヱはメダルに手を触れる。

 

 すると大量のメダルは吸い込まれるように次々と消えていった。

 

「この体ももう必要ないわ」

 

 

 

 クロヱの体から、何かが分離するように現れる。

 

 

 

 

 シャチのような頭、吸盤が並んだ脚部、青色のマント。

 

 その『何か』の姿が明らかになるにつれて、クロヱの顔から生気が抜けていく。

 

 その姿を見たルイは怒りと驚きが混ざったような表情で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

メズール(・・・・)……!!」

 

「久し振りね、アンク(・・・)

 

 

◆◆◆

 

 一方その頃、そこから少し離れた市街地。

 

「あ゛あ゛あ゛ー」

 

 パンダのような怪物が、人々を薙ぎ倒し暴れている。

 

 「パンダのような」と形容したが、その姿は左腕が鯱の頭になっていて、継ぎ接ぎの体の歪な怪物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、ヒーローは必ずやってくる。

 

 

 

「待てぇーーーい!!!」

 

 

 

 

 

 声の主を見た人々の表情は、パニックから安堵へと変わる。

 

 まさに英雄のように、現れた彼女の名は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんこんきーつねっ!白上フブキでーす!」

 

『きた!頑張れ!』

『今回も強そー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フブキはパンダの怪物に見得を切る。

 

「こらーっ、そこのパンダちゃん!!」

 

「あ゛あ゛あ゛?」

 

「ヒッ怖…」

 

 ホラーな外見に多少ビビリつつも、フブキは怪物の視線を自身の方に向けて、うまく民間人を逃がす手助けをする。

 

「それじゃあここからは白上が相手するよ!!」

 

 フブキは鋭く光る刀を抜刀する。慣れた手付きで刀をくるくると回し、構えた。

 

 今まさに、戦いが始まろうとしたその時。

 

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

 

 

 

 

 

 彼女は背後から、何者かの声を聞いた。

 

「!?」

 

 フブキは思わず振り向く。

 

 そこに居たのは、1人の青年。

 

 怪物が目の前に居ると言うのに、その表情には焦り等の感情はなかった。

 

 ただ有るのは『哀れみ』の感情。フブキを見下すかのような、哀れむような眼。

 

 その眼に見据えられたフブキは、背筋に伝うような寒気を感じた。

 

「…何者!?」

 

「おっとすみません、自己紹介が遅れました。僕は五十嵐(いがらし)(れい)

 

 悠長な喋り方が、フブキや視聴者の神経を逆撫でする。

 

「…昨日、拝見しましたよあの人達の配信」

 

 五十嵐は失望したように続ける。

 

「みこめっと?でしたっけ、アクシデントに助けられて撤退なんてほんっと、無様ですよね」

 

 悪意を込めたその言葉は、自身の事を悪く言われたわけではないのにフブキを酷く苛立たせた。

 

「で、僕思ったんですよ。『もうライバーは必要ない、これからは僕が怪人を叩き潰す』って」

 

 五十嵐は何か提案をするように言った。

 

「だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の英雄への道を邪魔しないでくれるかな、モブキャラ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 恐ろしく感情のない余りにも身勝手な一言と共に、五十嵐は携帯型のアイテム『ファイズフォン』を構える。

 

 

『5』『5』『5』『ENTER』

 

『STANDING BY』

 

「変身」

 

 ファイズフォンに番号を入力して、腰に着けたベルトに差し込む。

 

『COMPLETE』

 

 機械音声と共に、五十嵐の体を赤い光が伝う。

 

 一際眩い光が放たれるとほぼ同時に、五十嵐は全く別の姿へと変化していた。

 

 

 

 近未来的なプロテクターと、血管のように体中を伝う赤い光。

 

 手には某SF映画を彷彿とさせるサイリウムのような剣が握られていた。

 

「『ファイズ』。この変身システムの名前さ。貴女には到底追いつけない、英雄の力だよ」

 

「何を…」

 

 フザけた事を言わないで、とフブキが続けようとしたその時。ファイズの視線が怪人の方に突如向く。

 

 正確には、逃げ遅れて怪人に襲われている男の方に。

 

 

 

 2人や視聴者が知る由もないが、彼は『大神タクミ』。運悪く足の負傷をしてしまい、逃げるに逃げられなかったのだ。

 

「…丁度良い」

 

 ファイズが何か思いついたように言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間。

 

 ファイズの剣から放たれた斬撃波が、タクミと怪物の体を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ……………」

 

 怪物は血飛沫の代わりのメダルを噴き出し、身体が崩れて消滅する。

 

 タクミの体には、肉を切り裂かれた斬撃痕ができた。

 

 口からは血を吐き、体からも止まらない服を赤黒く染める。

 

 タクミは血の気が引いた顔をして、俯せに倒れ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大神タクミは、死んだ(・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんで(・・・)助けられなかったの?(・・・・・・・・・)

 

 

 

 ファイズが、口を開いた。

 

「怪人から人々の命を守るんだよね?君達。今そこに、助けられた命があったよね?」

 

 嘲笑う様にファイズはフブキに近寄る。

 

「結局、君達は人1人を救うこともできない『ヒーローごっこ』をしてるって訳さ」

 

「……ッこんなの」

 

「間違ってないよ。もし君が本当に英雄なら彼を救えた筈だ。君は英雄になる価値もない」

 

 子供に言い聞かせる様に、ファイズは続けた。

 

「英雄はね、僕こそが相応しい器なんだ。僕は英雄だ。コレは揺らぐことのない、真実」

 

 さも当たり前かのように、彼は言い放った。

 

「僕は英雄だから、怪人を殺す為、人を救う為、何をしても良い。その為に人を殺したって許される。僕は英雄だから。」

 

「そんなのッ…!!」

 

「ともかく、君は英雄じゃない。今ので分かったでしょ?」

 

 ファイズは再び、剣を構える。

 

 

 

「英雄に口答えした罰だ。死ね」

 

 

 

 ファイズの剣がフブキの顔面に振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛ってぇなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「は?」」

 

 起きた(・・・)。タクミが起き上がった。

 

「あれ…何で生きてんだ俺、絶対死んだよなさっきの、走馬灯見えたし」

 

「…何で、死んでないんだッ!?何で!!僕の攻撃は君の体に直撃した筈…なんで立てるんだ!?」

 

「オメーかよ、俺を()りやがったのは」

 

「!?」

 

「何か知らんが生きてるし、妙に力が漲ってくる…。だったらテメェを………。」

 

 

 

 

 

 

「いっぺんシバく!!」

 

「ウアァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

 

 

 タクミが、獣の様な雄叫びを上げる。すると不思議な事に、彼は青いオーラを纏い始めた。

 

 その姿がどんどんと変貌していく。まるで石像のような灰色の体に、狼の顔の様な頭。鋭いトゲのような体毛に覆われたその姿は、誰が見ても『怪人』だった。

 

 しかし、彼を怖がるようなコメントや倒すよう指示するコメントは一つも無かった。

 

 その理由は明確であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キツネの嬢ちゃん…俺と組んでそのクソッタレを倒そうぜ!!」

 

「…はい!!」

 

 

 

 

 英雄を気取った屑を倒す。その考えで、皆が一つになったからだ。




バジンたんはいません(無慈悲)

あとタクミに関しては地方の大学にいるのでライバーについてあんま知っていません
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