失敗した・・失敗した・・失敗した
降りしきる土砂降りのなか一人の艦娘が血を流しながら海の上に立っていた。
周りには他の艦娘や深海棲艦の物と思われる艤装が損傷した状態で大量に浮かんでいる。
他にも髪飾りやリボン、焼け焦げ血の付いた服の切れ端など、更にその持ち主だっただろう艦娘や深海棲艦の身体が幾つも浮かんでおりここが戦場と言う事は一目でわかる状態だった。
しかし生きているのは、ここには血を流している艦娘以外には味方であるはずの艦娘も敵の深海棲艦も誰一人居ない。
「結局・・・私は・・・」
艦娘は血を流しながら下を向き何かをぶつぶつとつぶやいていた。
激戦の中唯一残ったと思われる艦娘は一部が焼け焦げた飾り物が一つもない桃色の髪に損傷して使い物にならなそうな艤装、血と雨で濡れた服、血に塗れた腕章、そして返り血の付着した軍刀を持っていた。
目に光は無く、体には大量の血が付着し雨でも流しきれないほどである。
戦場にただ一人残された艦娘彼女は・・・
私は失敗した・・・
大切な物は直ぐに失われ、失うまいと努力しても結果は変わらない。
ならばと大切な物を少なく絞り他を全て切り捨てても結果は同じ。
失って、失って、失い続けて・・・
でも彼女だけは・・・まだ・・・もしかしたら。
それは余りにも希望的観測かもしれないけれど・・・
ただ私も少し疲れました。
少し位なら休んでもいいですよね・・・
約束は果たせそうにありません。
梅雨の季節、陽炎は埠頭を雨の中、鎮守府を目指して走っていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
髪や服は雨に濡れてびしょ濡れである。
「もう・・いつもより長めに走り込み何てするんじゃなかった」
陽炎は日課の運動を行っていたがいつもより長くやってしまったのもあり雨に会ってしまったのだ。
それは私があと少しで鎮守府と言うとこまで走っていた時だった。
「あれって・・・っ!」
ふと荒れた海を見てみると女の人が流されていたのだ。
私は今すぐ助けに行くべきだとも思ったが艤装なしでは波にのまれるだけだと思い艤装を取りに鎮守府へ急いで戻った。
鎮守府に戻った私は直ぐに背中の艤装だけをを装備し、明石さんに治療の準備をお願いしてから提督の許可を得ずに救助に向う。
「どこ・・・どこなの?」
私は先程、彼女が流されていた地点を必死に探していた。
けれども雨で視界が悪い上に荒れた海も捜索の邪魔をする。
「・・いた!」
けど数十分間根気ずよく探したお陰でようやく見つけることが出来た。
しかし彼女はもう海に沈む寸前だ。
私は最大戦速で速度をだし彼女が沈む寸前に手を掴むことが出来た。
手を掴んだ私は両手を使い彼女を引き上げると彼女にはボロボロの艤装が付いている。
「艦娘?・・・それにこの服私と同じ・・・」
彼女は桃色の髪に私と同じ服を着ており同じ陽炎型の艦娘だった。