いったいどこで差がついたんだろうか……。
あっ、初投稿です。
さて、仕事の話を諸々終えた俺は街の市場に出向いてきている。
ちなみにギルマスとアリスさんはまだ仕事の相談をしていた。なんか可哀想だったが、詳しい話が明日になるそうなのでとっとと出てきた。
南無三ギルマス。
そんで、疲れてるなかで市場に来たのはもちろん理由がある。明日に備えての装備探しの面もあるのだが……。
なんかよさそうな掘り出し物とかないかな、ってちょっとした淡い期待もある。
それでもやっぱ一番の目的は爆弾とかだ。今日ドラゴンから逃げるときに結構消費しちまったからな。
とりあえず店員に声かけるか。
「へい大将!なんかいい爆弾ある?」
「爆弾…?あるにはあるが全部同じような品だぞ」
「それでもいいや!10個くれ!」
「物好きだなアンタ……あいよ、ほれ値段はこんくらいだ」
「サンキュー!……やっぱ高いなぁ…。」
物流が安定してないから物価が高いのは仕方がないんだが……やっぱり高いよなぁ…。
ついでに他の商品も見てみるが…大して惹かれるものはないな…。
ま、目的の品は手に入ったし、さっさと帰るとするか。
そんなこんなで目的のブツを買って満足な俺はとっとこ帰り宿の前まで来る。
「…スロウくん?もしかしてスロウくんですか?」
宿に入ろうとしたところで後ろから魔法学校にいた頃よく聞いた声が耳に届く。
懐かしいなぁ……なんて思いながら返答する。
「おう、もしかしなくてもスロウくんだぜ。久しぶりだなセリア。」
「…!久しぶり、ですね。元気そうで良かったです。」
この可愛い女の子はセリア。魔法学校の頃の知り合いで、攻撃魔法の天才ちゃんだ。スゴく羨ましい。その代わりサポート魔法は苦手だった……んだが努力して普通くらいにはできるようになった。才能もあって努力もできる超スゴい子だ。
「いやーセリアも元気そうで良かったぜ!で、どうだ?最近の調子は!」
「…概ね順調、といったところですね。」
さっすがセリアだぜ!そのうちこの街中に名声が広まっちゃうんじゃなかろうか。羨ましいぜ……攻撃魔法………。俺も攻撃魔法がちゃんと使えればブイブイ言わせられたはずなのに…!悔しい…!!!
「…スロウくんは魔法学校卒業した後、どこに?」
「ん?ギルドだよギルド。カッコいいだろ!」
ドヤ顔で返す。カッコいいかどうかは別として悪くはない選択肢だと思う。サポート魔法も使えるし。攻撃魔法は使えないけどな!ペッ!
「…」
「?どうかしたかセリア」
「……なぜ」
「?」
「なぜスロウくんは魔法の道を選ばなかったのですか?」
?????
なに言ってんだ?セリア。攻撃魔法が十全に使えなかったら魔法使いになっても意味がないだろ?
サポート魔法は地味だからな……華がないんだよ。
「攻撃魔法が上手く使えないからだぞ?セリアもそれは知ってるだろ?」
「知っています!!!」
うおビックリした。セリアがそんな大声出すと思ってなくて面食らっちまった。
「だけどたとえ攻撃魔法が使えなくても魔法使いにはなれます!!!それもスロウくんほどのサポート魔法の才能があればいくらだって…!!!」
えぇ…?なんかセリアからスゴい評価されてる………。確かにサポート魔法はそれなりに使えるけど……。そこまでじゃなかったと思うんだが。
「いや、いやいや。ちょっと待ってくれよセリア。俺はそんなに大したやつじゃないよ。」
「……ッ!また貴方はそんなことを…!!!」
なんかセリアちょっと性格変わったか?前はこんな感じじゃなかったような……。
「…結局スロウくんは魔法の道に戻るつもりはないんですか……?」
「お、おう。」
「………」
なんかセリアが考え込んでる……。ちょっと申し訳なさはあるが、まぁ攻撃魔法使えないししょうがないね。
「……わかり、ました。それじゃあ、またどこかで。」
「お、おう。またな!」
ちょっとぎこちなく挨拶を返すと、セリアは一礼し俺の前から去っていく。
うーむ、やっぱり少し見ない間に心変わりでもあったのだろうか?前はあんな感じではなかったんだよなぁ…?
「ま、いっか!」
考えすぎてるとよくないこともあるし、今回はそれだろ!きっと。さーて、明日に向けて色々作戦練っとこう!
あ、後で知り合いが大声出してすいません、って近所に謝りにいかなきゃ。
~~~~~~~~~~~~~~~
「………どうして、ですか。」
自分のいつも宿泊している宿のベットの中でポツリ、と呟く。枕に顔を押しつけ涙目になりながらかすれた声をだす。
その言葉は先程話していた友人。自身の想い人に対しての言葉であった。
魔法学校の頃からの唯一といってもいいほどの親しい友人。自身がサポート魔法を使えるようになった、きっかけとも言える恩人。
友情、感謝、恩、そして恋。
それらの感情を抱く、たった一人の大切な人。
できることならば、彼と一緒にいたかった。今の仕事だって、それならばもっと楽しく、日々の生活はもっと輝いていただろう。
しかしそうはなっていない。彼は魔法の道を諦めたのだ。
なぜ?なんで?どうして?
疑問が頭に浮かぶが、答えはとうに知っているし、先程も聞いた。
『攻撃魔法が使えないから』
私からしたら、それだけ。
しかし彼からしたら、それは耐え難い苦痛であるのだろう。
たとえ並外れたサポート魔法の才能を持っていても。
彼にとって攻撃魔法が使えないことは、きっと何よりも辛いのだ。
そう、辛いのは私じゃなくて彼なんだ。
普段は陽気な態度で取り繕っているのかもしれないけれど、辛いのは彼。
私が勝手に彼に期待を押し付けて、叶わなくて、勝手に絶望しているだけ。
自分のことしか考えてない、意地の悪くてこれ以上ない、ってくらい最低な女。
分かっている。分かっているのだ。
それでも、それでも。
彼から今までに聞いた言葉が脳内に響く。
やっぱり。
「辛い……よぉ…。」
涙を流して弱音を吐くことしかできない、弱虫を。
彼が見たら笑うかな?
いやきっと彼なら手を差しのべてくれる。
今までみたいに。
こんなシリアスにするつもりはなかったんじゃがのう…。
可愛い女の子が可哀想で可愛いね。
つい筆が進んだ。
後半はホントに10分で書き上げれた。
スゴいね曇らせ♡
セリアちゃんとスロウくんの過去編いる?
書かなくてもいいかな、って気がしてきた。