だれかはわからず、しかしただ前を向いた。
ーよぉ、元気かい?
…アンタだれ、っ!?アイツは!!
ーアイツ…あの嬢ちゃんの事なら心配すんな、まだ寝てるけどよ。
そうか、良かった……ところでここは?
ー知り合いの店さ、急に呼ばれて来てみたら店前でお前ら寄り添うように倒れてたってよ。何があった?
・・・・・分からない
ーえ?
オレが誰か、アイツがだれか、解らない。
解ルのは、俺とコイツは今普通じゃない。
オレたちは…だれだ?
***
《ピピピピ!!ピピピピ!!》
「んん、もう朝か…」
朝日が昇り、小鳥が囀り、そしてそれを伝えるかのようにけたたましく電子音を告げる目覚まし時計を止めて1人の青年が目を覚ます。
「今日は…俺が当番か。久しぶりにスクランブルエッグでも作るかな」
カレンダーを確認し、顔を洗い身支度を済ませ制服の上からエプロンを着けて朝食の準備に入る。すると自分と似たような制服を着た少女が寝ぼけ眼でドアを開けて入ってくる。
「ふわぁぁぁ…おはよー」
「おう、おはよう。寝癖付いてるからそれ直しとけよ、皿とかは俺が出しとくから」
「お願いね〜」
2人に“親”と言える存在は居ない、2人は“家族”と言うにはそこまで親密ではない、2人は“他人”と言うにはそこまで距離は開いていない。
「「いただきます」」
2人は“恋人”と言う程の愛を感じていないし、2人は“友人”と言う程の絆を結んでいる訳でもない。2人は憎み合ってはいないが“敵対関係”である事だけは確かだ、2人はそれだけを“覚えている”のを確信している。
「帽子忘れてんぞ」
「あ、ありがと」
2人はかつて命を奪い合った、そして共に戦った、それは短く…儚い出来事だった…しかし濃厚で身体が忘れていない事だけは理解出来ていた。
「「いってきます」」
「ねぇ、毎回思うけど言う必要ある?あたし達以外誰も住んでないのに…」
「言うこと自体に意味はねぇ、やる事そのものに意味があるんだよ」
「ふぅーーん…よく分かんないわ」
「そのうち分かるだろ?今んところ平和だしな」
2人は覚えていない、自分の役目を…
2人は無くしている、本来あるべき力を…
2人は理解出来ない、なぜこうなったのかを…
2人は考えられない、激痛と恐怖で縛られるから…
2人は気づかない、平和は乱されつつある事に…
2人は………歪んでいる。
記憶を無くし、自分の斬魄刀の名前すら覚えていない元護廷十三隊十三番隊所属の死神。
『
元『
『バンビエッタ・バスターバイン』の2人…
コレは、改変された2人のとある物語。
2人に何があったのか、何が起こるのか、何を成すのかは…まだ先の事。
簡単な説明
●雨晴寿限無
種族:死神
性別:男
尸魂界出身、元護廷十三隊・十三番隊所属
●バンビエッタ・バスターバイン
種族:滅却師
性別:女
見えざる帝国出身、星十字騎士団・Eの持ち主