殺し屋JKと異端なDS   作:りこりこ・りこりこ

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02 Very cute

 

 

 

ずる、ずるずるずる~~っと一気に喉に流し込むのは うどん。

 

 

県内でも有名店の1つで、もう閉店時間ギリギリだったのだが、顔見知りと言う理由で延長してくれた。

一心不乱にうどんを啜り、最後は出汁までグイっ! と飲み干した。

そして―――

 

 

 

「「んま~~~いっっ!!」」

 

 

 

っと、2人は息ぴったりに合わせて歓喜の声を上げる。

その後は、イエーイ! とハイタッチ。

 

 

「やっぱり、うどんはのど越しだよねっ!! 出汁も美味しい最高っ! まだまだいけるよっ!!」

「いやぁ、本場の味はやっぱし違いますなぁ! うぅ、これを求めてたんだよぉ。皆と一緒にまずは堪能だって、……ぁぁぁ、感動し過ぎて涙がでちゃうよぉ……」

「千束ねーちゃんねーちゃん、まだまだ、涙はひっこめてた方が良いよっ! 何せ、他にもおすすめがあるから! まだまだ序盤なんだからっ!」

「ふぉぉぉ!!? マジですかぁぁ!?」

 

 

「…………………」

 

 

盛り上がってる2人を尻目に、ジロリと睨み殺気を向ける少女の名はたきな。

2人には言いたい事は山の様にある。けど、なかなか口を挟めないもどかしい時間が流れてる。

 

 

ほんのちょっと前までは、本当に死ぬような思いをした。死を覚悟した。

初めての経験だった。

初めて、と言えばもう1つある。

あの良い居心地の良いと思えたチームが全滅した(と思った)絶望感を味わった事もそう。

 

でも、その後の展開の全てが何もかもが、目まぐるし過ぎて、一体どこからツッコめば良いのか、口を出せば良いのか全く解らない。

 

 

「はーい、たきなねーちゃんっ! ここはねー! 冷やしうどんが本当におすすめで最高なんだよっ! おばちゃ~~ん! おかわりーーっ!」

「あいよぉ!」

「……………………」

 

 

元凶から差し出された冷やしうどんに視線を向ける……けど、一切思考が追い付いてこない。

 

取り合えず仕方ないので、三大欲求の1つの食欲を満たそうと、たきなは箸を手に取った。

正直、色々とツッコミやら口から出すのやらをあきらめた。それと空腹であるのには変わりないので、それを満たそうと決めた。全ては食べ終わってからだ、と決めて。

 

 

―——因みに、冷やしうどんは確かにおすすめNo.1と言われるだけの事はある。非常に美味だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次も、そのまた次も、おすすめ店を案内して貰った。

うどんの梯子旅である。

 

 

 

 

移動は、リコリコの移動式自動車。盛り上がってるのは主に2人だけで、他の皆さんは目を白黒させつつも、何だか従ってる感じ。それがたきなには理解できなかった。

勿論、それには訳があるのだが…………。

 

 

 

 

 

そして、うどん屋も3件目にして、漸くたきな動く。

 

 

 

 

 

 

得体のしれない存在を、あの時のバケモノの正体が目の前のナニカであると言うのなら……と、自然と手が懐へと入っていく。

確かに、しっかりとそれは(・・・)装備されてる。

 

後は素早く取り出して、容赦なく引き金を引いてズドンッ! だ。

見た目子供の姿だろうと関係ない。危険分子を排除するのがリコリスの役目でもあるのだから。単独で、あんなにもアッサリと、DAのチームを全滅させる様な凶大な危険分子。

 

もう排除する覚悟が決まった。

……と言うか、もういい加減お腹いっぱい! と言う理由もあったりする。

 

 

「ちょ~い、ちょいちょいちょい。ここで拳銃(それ)抜いたらシャレじゃすまねーぞ? 逮捕案件逮捕案件!」

「もはやこの場面こそがシャレで済んでません! 意味不明過ぎます! 一体何をしているんですか!? 私達は!!」

「何してるってそりゃぁ……」

 

 

ずるずる~~~、っと、千束ともう1人の男のコ―――《龍》は、アイコンタクト。

示し合わせたかの様に同時に。

 

 

「「うどん店巡り」」

 

 

ハモった。イエーイ、とハイタッチも交わした。

当然、それを聞いて、見た たきなはと言うと、頭に四つ角を作ってた。(様に見えた)

 

 

「ふざけないでください!!」

 

 

それと同時に、めっちゃ怒った。

ダンッ! とお店のテーブルを叩きながら。

 

流石に店内でいざこざを起こしてはお店のおばちゃん&おっちゃんに迷惑になってしまうので、後でちゃんと話す~を条件に、このお店のうどんが最後だから~~と、たきなには落ち着いて貰うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た~きな~落ち着いた~? お腹もいっぱいだし、落ち着けるでしょ?」

「いいえ、全然! 全く落ち着けません!!」

「うむうむ。……そりゃまぁそうだよね~。まっ、かくいう私も実はこんな展開になるなんて最初は思っても無かったし? こんな形でここ満喫できるとも思ってなかったし? うんっ。やっぱ案内してもらうなら地元な人に限るよね~~っ! すごく美味しかった!」

「千束! うどんから離れてください! いい加減真面目にしてください!!」

「わ、わかったわかった。ごめんってばたきな。とは言っても私も結構真面目なんだけど。取り合えず、たきなにも説明しておくよ。何があったのか」

 

 

流石にこれ以上は、ホールドアップ! をすっ飛ばして、ズドンッ! と撃ってしまいそうな勢いで怒ってるので、一先ずたきなを落ち着かせる為に、色々と話をする事にした。

 

まだ、テイクアウトして貰ったうどんを頬張ってる龍と言う名の見た目子供と自分との絡みを――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……随分とまぁ、変な事になってるじゃないか。正直信じられないよ。……うまっ」

「そお? 世界一のハッカー・ウォールナットがこ~~んな小さな子供(ガキ)だった~~ってのも結構変で衝撃じゃない?」

「………うるさいな。食い過ぎると太るぞ」

「うっさいわっ!! 食わずにいられるかっての!!」

 

 

シッカリと外部から監視はしている。

千束やたきなをバックアップしていたメンバー達だ。

 

 

ミカ 【元・DAの訓練教官】

クルミ【ハッカー 別名:ウォールナット】

ミズキ【元・DA情報部員】

 

 

うどん店巡りをしている様だが、純粋に楽しんでるのは千束と龍と呼ばれる子供の2人だけで、他は警戒心を緩めていない。でも、うどんはしっかりと堪能している。

3件目ではあるが、夫々の店のおすすめメニューが違ってて飽きが来ない。ほんと、美味しい。でも、食べすぎは身体に脂肪と言う名の貯金をしてしまうので注意。

 

 

「取り合えず、さっき話した通りだ。アレについては千束が手綱を握れている以上これが最適。楠木には連絡を入れた。当面はリコリコ(うち)でどうにかする、って方向でどうにか説き伏せたよ。………本気で逃げられたなら、いや、本気で敵対する(・・・・・・・)となれば、大惨事は免れまい」

 

 

千束との邂逅。

その戦闘風景は圧巻。ビル内では見られなかったのだが、外にまで飛び出してくれたおかげで、クルミが配置していたドローンで映像として視る事が出来た。

 

四国の正体不明の怪物。

裏の者にとって、死を連想させる国とさせた元凶。

 

その正体を、その姿形を見て正直驚いたが、それ以上に驚いた。

噂に違わぬバケモノ染みた戦闘力を目の当たりにして……。

 

 

「………どーせなら、イケメンが良かったのに。ショタは駄目(範囲外)だわ」

 

 

太ると言われても、美味しいので食べる事を止めないミズキは、続いてビール缶を開ける。

この世界、驚く事なんて別に珍しい事ではない……筈なのだが、こうやっていつも通りに戻れているのも、あの千束達の……いや、千束のおかげだ。

 

 

つまり、うどんを楽しむ連中を見ていたら、毒気抜かれたと言う事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはうどんツアー開催の1時間前のこと。

ビル内で千束と龍は出会った。

 

 

 

「「……………」」

 

 

 

そして数秒間固まる。

この邂逅、正直想定外の事の連続だと言えるだろう。

それは、千束にも龍にもどちら側にも言える事だ。

 

千束は、まさかこんな所に子供がいるなんて思いもしなかったし、居るとしても隠れ家か秘密基地の類の遊びか? とも思った。普通に不法侵入になると思うがそれでも相手は子供。おまわりさんに怒られて、親に怒られてお終いだろう、と。

 

でも、そんなお気楽な思考は直ぐに消え去る。

 

あの子供(疑)の周囲には寝かされてるリコリスたち(・・・・・・)の姿があったから。

ピクリとも動かない彼女達の真ん中に立ってる子供の姿を見れば、只事ではないと言う事が解る。

 

 

「キミは一体、何者————」

「やッ、っっっ!!」

「あっ、ちょいちょいちょい! 待って待って!」

 

 

ぴゅっっ! とまるで風の様に姿を消した。

ヤッパリ、ただの子供なのか? ホラー的な場面に出くわして、思わず逃げちゃった的な……と思った。取り合えずこのまま放置するよりは事情を聴いた方が良い、と追いかけようとしたその時、千束は足を止めた。

 

なぜなら無線機から連絡が入ってきたから。

 

 

 

『千束! たきなのチームがヤられた! Aチーム全滅だ!』

「ええ!? まだ入ってちょっとしか経ってないのに、って たきなはっ!?」

『あ、全滅じゃなかった。すまん。たきなは無事だ。……本人から連絡が入ったんだ。どんな通信妨害(ジャマ―)を使ったか正直解らん。でも、交信が不可になって、その後直ぐにチームはたきなを残して全滅したって』

『気をつけろよ千束! 情報が一切ない未知の相手だ! たきなとの合流を優先、危険だと察したら直ぐ帰ってこい!』

 

自身の先生でもあるミカからの即撤退の指示。そして、クルミから伝えられた情報。

 

たきなの優秀さは、有って間もない千束でも解る。

機械か? って思える様な精密射撃をするし、判断力も決して悪くは無い。命令違反をしたし、確かに危ない思考では? と思わなくもないが、それでも間違いなく優秀の二文字が彼女には相応しい。

加えて、こっちのチームの評価も悪くないと来ている。それがあっという間に殲滅させられたとなれば……。

 

 

想定外の事態(・・・・・・)に陥った、って可能性大」

 

 

想定外と言えば、自分に置き換えれば一体何が当てはまる?

 

言うまでも無い。先ほどの子供だ。

 

 

「発見しちゃったっぽい。……取り合えず、確認した後、間違いないなら、たきなより先に取っちめてくる」

『はぁっ!? 敵が居たのか!』

「うん。正直、今でも目を疑ってる。……だって子供(・・)だったもん。可愛らしい小さな男の子」

 

 

 

パッと見ではあるが……年齢はお凡そ6歳前後だろうか。

保育園や小学校にも通っていて、子供との交流の多い千束は、大体ではあるが子供の容姿だけである程度見分けは着く。

 

 

そんなまさか……と口々に言うが、何を驚く事があるのだろうか?

 

 

千束は銃を取り出して言った。

 

 

 

 

「私も似たようなもんじゃん」

 

 

 

そう、自分も可愛らしい美少女だった……と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ~~~~!!」

 

 

正直、油断をしていた。

 

Aチームは 1人は外に追い出して制圧。

Bチームの位置も大まかにではあるが解っている。

 

確かに、女性の暗殺集団に囲まれたと言う事実には度肝を抜かれた。

でもやる事は変わらないので、粛々と残りのメンバーを家から追い出すだけ。

 

これまでの襲撃者はヤ◎ザやマフ◎ア、半グレ、などなど。反社会的勢力なら元居た日本にいたし、明らかに堅気ではないその面構えだったから、まだある話……と思っていたのだが、流石に女の子の暗殺集団ともなれば話は別。恐ろしい日本……と戦々恐々ともしていた。

でも、そんな日本だからこそ、前の日本とは違うからこそ、自分はここに転生してきて、特典能力(チート)を得たのだろう、とある意味納得もしていた。

 

 

考え過ぎていた。だからこそ、あそこまで接近されて、バッタリ街角で出会うイベントか!? って思う様なタイミングで出会ってしまった。

 

 

「ひ、秀爺っ!」

『ほいほい、どーした?』

「こ、こまった。すごく、こまった!!」

『………お前さんが、困る様な相手が居た、と言う事か?』

 

 

無線から聞こえてくる声は、最初こそいつものノリな軽い感じだったが、慌てた様子を聞いてからは嫌に真剣味を帯び出した。

因みに、秀爺にとってそれは、ある意味予想通りな結果でもある。

 

これまでとは比べ物にならない相手である事は秀爺も知っているからだ。

全てを遮断(・・・・・)されている為、状況を視る事は出来ないが、恐らくそう言う事なのだろう。初めて苦戦必至な相手に驚いて、通信をしてきたのだろう、と思っていたのだ。

 

 

でも、その予想は、想像は斜め上を行く。

ま~~~~ったく想像だにしてなかった返答が返ってきたのだ。

 

 

 

「ものすごく、かわいい子がいたっっ!!!」

『………ほ?』

 

 

 

裏返る声。

無線越しにも伝わるその動悸。

対面してなくても解る。その顔は絶対に真っ赤。

 

永く生きてきた年の功も発揮する事が出来ず、暫く思考停止してしまう秀爺だった。

 

 

「どうしようどうしようっ!? なんか、すごく、すごくカワイイ子だった!! え、ええっ! い、いや、確かにさっきは暗闇からの襲撃だったし、そもそも、顔なんかハッキリ見てなかったしっっ! だって、女の子って言ったって殺人鬼なんでしょっ!? ゴリラみたいな女だって思ってたのに、なに!? なにあのこっ! すごく、すごくかわいいんですけどっっ!!」

 

 

停止してしまった頭にドンドン入ってきてしまうから、止まってられなくなって思考回復。

 

 

 

『………なーに言っとんじゃ、子供が色気づきおって』

「そ、そんなこと言ったって! 仕方ないじゃんっ! こんなの初めてだもんっ!」

『もん、って。お前さん口調変わってないかの? はぁ~~~~、それは兎も角、どんな女子じゃった? めんこい~以外に特徴は?』

 

 

 

事情は分かった……が、取り合えず相手が誰なのか把握する必要はあるだろう。

もしも――――……自分が当初より思い描いていた相手なら、カワイイカワイイ言ってられる場合じゃないだろうから。

 

 

「えぇ……、そんな急に特徴って言われても……あ、そう言えば他の子と制服の色が違った……かな? 後は兎に角カワイイって事しか頭の中になくて……」

『ふむふむ。……それって真っ赤な制服……じゃなかったか?』

「え? そうそう! 他の子達は薄い茶色っぽいのと紺色、だったかな? その子だけ真っ赤な服着てて……えへへ……って、いやいや、どうしよう! どうしようっ!」

『ほっほっほ。 そうは言ってられんと思うぞい龍よ? ……何せ、制服の赤が示すは階級ファーストリコリスである証。DAの戦闘員の中でもバケモノと称される程の特級エージェントじゃ』

「………へ?」

 

 

あんなにかわいい子がバケモノ?

 

思考が止まってしまうのは今度は龍の方。

さらっと名が出てきたが、彼の名は龍。もう大分忘れてしまった前世の記憶の中で唯一鮮明に覚えている自分の名を今生でも使用しているのだ。

 

 

『それにの。さっき言った電波塔での仕事。概要はテロリストに占拠され(・・・・・・・・・・)てしまった東京の電波塔(・・・・・・・・・・・)の解放(・・・)。……それもまぁ、そのめんこい子の仕事じゃ。それもたった1人で、の? 負けずとも劣らぬ、って感じじゃないか』

 

 

新たな情報が耳に入ってきては、脳内に保管されて更新されていく。

当然、電波塔事件なんて聞いた事無いし、調べる暇も無かった知らなかった。ここを襲撃された時に、秀爺がちょこっと見せてくれた程度だから。

 

でも、その程度でも解る事くらいは有る。

 

ちょこっと見た感じだと、形状こそ違うが多分アレは、いわゆる東京タワーだろう。確か日本電波塔、って呼ばれてた様な気もするから。東京のシンボルにして観光名所。今でこそスカイツリーと言えなくもないが、それは取り合えず置いておこう。

 

重要なのは、もしも東京タワーと同じ規模の電波塔だとするなら……だ。

アレをテロに占拠されると言う日本も驚きを通り越してしまうが、それを解決して見せたのがまさかの6~8歳の女の子。今の自分と同い年な女の子で、今し方出会った女の子である、と言うのだ。

 

 

前の世界でもここまでは無かった一目ぼれと言う名の落雷。それが身体に落ちてきて大変な事になっていた身体が一気に冷静になっていく。

あんなにカワイイ子が人殺ししまくり、テロリスト皆殺しにして解放してみせた英雄さんだと? 正直信じられない。

 

 

 

―——あ、そう言えば、女暗殺者って、フィクションな世界じゃ凄い美人さんや美少女さんが多かったりしてたっけかな……?

 

 

 

ここは日本だけど、自分の知る日本じゃない。

 

 

 

「――――――そーーーいっっ!!」

 

 

 

 

そんな事を色々と考えていた時だ。

思わず駆け込んだ一室の出入口、扉が蹴破られてしまった。

 

 

「ちょ~~~っと聞きたい事があるんだけど、応えてくれる気、あるかな? かな?」

 

 

その手に握られてるは拳銃。

顔は笑っている様に見えるが、正直それがまた怖い。

美少女な所も恐怖を引き立ててる様にしか見えなくなってくる。

 

 

「えと……どちら様ですか?」

「私は千束様ですよー。……キミは、どこ子供、なのかな? そんでもって、あーーんな沢山のリコリスたちをやっちゃったのもキミだったりする? キミ1人の仕事かな?」

 

 

じり、じり、と近づいてくる。

捕食者の様に見えだした。

 

正直、凄くショックだ。

本当に可愛くて、一目ぼれっぽくなっちゃって、顔が赤くなって動悸がするのって随分久しぶりだったから。

 

そんな子が、殺人許可証を手に銃構えて向かってくるのだから。

 

 

「勝手にヒトが借りてる家に、武装して乗り込んできたんだから、……追い返されても仕方ない、って思わないかなぁ………?」

 

 

きゃっきゃっ、と歓喜モードはもう終わり。

少なくとも、今までの軽いノリで、簡単にやっちゃえる相手じゃない。

 

 

「ほっほ~~? つまりは、キミ1人でヤっちゃった、って事実は本当だって事でOKかな?」

「いや、うん。まぁ……そうだね(物騒な言い方。……誰1人ヤっちゃって無いのに。ただ、眠って貰ってるだけなのに。……あ、まずいっ、そう言えば、秀爺に話すのに夢中になり過ぎてて、全然充電出来てない(・・・・・・・))」

「うん。幾ら男の子でも 情報通り……ってか、情報全くない未知のバケモノって噂されてる相手って話だし。手加減しちゃうとこっちが危なくなる相手だし。……一応聞くけど一緒について来てくれたりする? 悪い様にはしないよー。私は優しいから!」

「…………優しい人は銃構えながら近づいてこない、って思うんだ(相手は、殺し屋集団のトップ。一緒に行って命の保証ってある訳……ないよね)」

「そりゃそうだ。……でも、流石に丸腰って言うのはね。幾ら私でも怖いからさ」

 

 

右手で銃を、そして左手には多分、拘束出来る銃だろう。ワイヤーがしっかりと見えてる。もしかしたら、テーザー銃の様に電気ショックで攻撃してくる類かもしれないが…………いや、それなら好都合でもある。

 

 

「あ、ちょっと待ってちょっと待って」

「ほいほい、攻撃したり、逃げないでくれるなら、幾らでも待つよー」

「え! 待ってくれるの? 意外と優しいっ! ―——って、そうじゃないや。待ってくれるならさっさと済ませないと……」

「意外とは失礼。千束さんはすごーく優しいのだよ! キミぃ。ちゃんと覚えといて……って、何してるの?」

 

 

ぴりっ……。

空気が一変した気がした。

流石は殺し屋集団の中でもバケモノと称される階級の兵士だろう。目の前の男の子……龍がしてるその行動の異質さ、そして目の前の光景の異常さに、警戒心を一気にトップまで上げた様だ。

 

 

ばりっ、ばりっ、ばりっ……。

 

 

青白い閃光を身に纏ってるその姿を見て。

 

 

 

「ちょっと充電(・・)しないと、いけないからさ」

 

 

 

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