殺し屋JKと異端なDS 作:りこりこ・りこりこ
「まさかたきな姉ちゃんも千束姉ちゃんみたいになっちゃうなんて……」
「いえ、なってません。私
「ちょっと待ていッ!! 言い方!! 私
それはランジェリーショップの中で一悶着あった後の事。
何があったのか、逐一、懇切丁寧に説明してくれるのは たきな。
それを聞いて、店内に他のお客さんがいなくて良かったなぁ……と何処か遠い目をしていた龍が色々と呟いたのだ。
そしてその後直ぐにたきなは否定に入り、それに続く形で千束も手を挙げて盛大に抗議していた。
「まぁ、一応試着室の中だからね。こういうのがグレーゾーンって言うのかな?」
「いえ、そういった意味でもありません。私は千束の言う見せても良い下着、と言うのを実際にこの目で確かめたかっただけです。私の要求に千束も断る事なく了承しました。だからこそ
確かに、たきなの弁明は一見筋が通っている様に聞こえなくもない。
でも、普通……一般常識的に考えたら、男物の下着を穿くなんてことは無く、誰かに見せて良い下着なんてモノも無い、と解る筈だ。
例外的に、いわゆる見せパン~と言うモノも無い事は無いが、それは取り合えず端に寄せて置いておくとしよう。
一応、たきなが一般人ではなく、DAのリコリスであると言う事実もこの際置いておく。常識を学ぶには丁度良いから。
たきなの弁明が龍の頭の中に入っていってるのを感じた千束も慌てて再々……説明に入る。と言うより、断固否定をした。
「私も違うっつーの!! たきなだけでなく、私! 千束も違うってーーの!! たきなは、見られて大丈夫な下着かどうかを確かめたくなっただけで――――って、私だって何で見せたか解んないんだもんっ! そう言う時だってあるでしょっっ!!? って話だよっ!」
手をぶんぶんと振って顔を赤くさせる千束。
たきなの下着を強引に見た千束でも、流石に自分のを見せるのにはある程度の抵抗と羞恥があった様で、茹蛸か? と見紛う程に顔を真っ赤にさせていたらしい。
つまり、相応な抵抗はあった様だ。でも、結局見せた事実には変わりない。たきなも見た事実を否定している訳ではない。好奇心旺盛で色々と無垢だったから~とここで言っておこう。
「うーん。…………」
龍は取り合えず2人の話を聞きつつ、腕を組んで、ほんの数秒間だけ考える。
下着を確認したいから、自分が穿いてるのを見せてくれ、と誰かに言われて実際に実行するか否か。
その1点だけを考えて考えて――――考える仕草をして、龍は結論を出した。
「うん。無いね? 結論。千束姉ちゃんのは無いと思います」
首を横に振った。
それも結構な勢いでぶんぶんと。
つまり、たきなの事は解った。取り合えず痴女疑惑は頭の中で消去した。でも、千束の弁明は特に真面目に聞いてない……訳ではないが、無い! と言い切った。
勿論、おふざけが入ってる~のは当然。
因みに、シンギングタイムは非常に短い。
「えええ! もうちょっと考えてよっ!! それとお姉ちゃんをもうちょっと労わって!!」
「いや、でも、流石に下着を他人に見せる趣味はちょっと―――」
「だから、それたきながぁぁ~~~、わ~~~~んっっ! 龍がいぢめるよぉぉ、たきなぁぁ~~~!」
千束はとうとう何も言えなくなってしまい、そのままたきなに抱き着いた。
龍に痴女だと思われるのは納得いかない、だって自分は違うから。自信を持って答えるだけのたきなにとって、今の千束の様に羞恥に悶える事は無いのだ。
そもそも、龍からしっかりと審判は頂いてる。
だから、極々冷静に、冷たく(千束談)答えた。
「今後、自身の姿勢を改めて、改心した所を龍に見て貰えば良いのでは?」
「―――――――ぐはっ」
それは、正論たきなパンチ! となり、これでもか!! と千束の心にクリティカルヒットをぶちかます結果になるのだった。
会心の一言
こうかは ばつぐんだ
閑話休題。
「それはそれとして、これからは男物の下着とはおさらば! ぜーーんぶ処分しまーす! 良いですね? たきなさんっ??」
「はぁ……わかりました」
「ねーちゃん復活速っ!!」
今の今まで落ち込んでいた姿は一体何だったと言うのだろうか?
千束は、たきなに向かってこれまで穿いていた男物の下着は全て廃棄すると宣言。たきなもそれに同意した様だった。
「ふっふ~~ん! もう開き直っちゃったもんねっ! あ、でも何度言われても否定するから! 私痴女チガウって。私は花のJK!」
胸を張りながらそう宣言する千束。
取り合えず揶揄うのが面白かった龍も一通りは満足した様で、にひひっ、と悪戯な笑みを浮かべた。
その笑みに何かを感じた千束は、色々と察し、返礼と言わんばかりに龍にヘッドロックを決めるのだった。
「さぁさぁ、龍にはお仕置きし終わったし! これから行くのは千束さんお待ちかねのオヤツタイム!!」
「む~~む~~!」
「終わった、と言いますが千束。拘束を解いてないので、龍が息出来てない様ですよ」
千束の二つの巨峰。女の子を象徴する二つの巨峰。
その片方に完全に顔を潰された龍は、気道の全てを封鎖されて、窒息させられてしまった。
これは正に世の男が歓喜し、ご褒美だと称する行為ではあるかもしれないが、酸素がずっと入って来なければ普通に死ぬ。窒息で死ぬのは辛い。
非常に大きく非常に柔らかく、心地良い~と思う暇もない、と言う事だ。
右手で必死にタップ。
ぽむ、ぽむっ、と見た目以上に柔らかい感触があっても解ってない。
ひたすらにギブの合図を千束に送り続ける。色々と当たってるのも龍は自覚が無い。
取り合えず千束はと言うと、たきなにも言われたので一応は満足した様に手を離した。
顔を真っ赤にさせてる龍を見た千束はニヤっと笑い。
「ふっふ~~ん、お姉さんを揶揄った罰でーす! 何だかんだ、龍だって嬉しかったんじゃないの~~? マセてるもんね~? この私の☆ か・ら・だ ☆堪能できて良かったね~♪」
クネクネ~とポージングをする。
その姿を冷めた目でじ~~~っと見るのは、何故かたきな。たきなは千束と違って、そこまでの豊満なアレではないので。
でも、今までそれに対して何か思う所は無かったし、そもそも戦闘にジャマになるだけだから有ったら有ったでデメリットしかない、と思っていたのだが……、顔を赤くしている(意味が違う)龍を見て初めて苦々しく思ったのである。
「でも龍。
「げほっ、げほっ、う、ぅ~~、な、なに? たきなねえちゃん……」
「いえ、何でもありません」
余韻に浸る所ではない。龍はただただ息を沢山吸っては吐いて、どうにかこうにか脳みそに酸素を届けて頭を回転させる事に注視。
たきなも漸く龍の状態が分かった様で、それ以上は何も言わなかった。
「人の乳を脂肪の塊~~とか言うな~~~~~!!」
そして、千束の絶叫が木霊した。
カフェテラス【BonBons】
ショッピングモールの外、千束行きつけのカフェテラスに3人は足を運ぶ。
甘味処と言えば、リコリコだが、あちらは和菓子。こちらは洋菓子でまた種類が違う。美味しさもまた違う。
リコリコも十分美味しいけれど、全く違う美味しさがこの店にはあるのだ。
「えっと、フランボアーズ&ギリシャヨーグレットルジッタダッチベイビーケークとホールグレインハニーコームバターwithジンジャーチップスと……」
「……モンブランとイチゴのロールケーキをよろしくお願いします」
「畏まりました」
まるで早口言葉の様にすらすら~~とメニューを注文する千束。
何を言ったのか聞き取れなかった龍は、自分の選んだメニューから目を離して、千束が頼んだモノを再度確認した。
「名前からしてカロリーが高そうですね。特に前者……千束が頼んだモノが」
「それは野暮、ってもんだよたきな~! 女子は甘いモノに貪欲で良いのだっ! そんでもって、龍は育ちざかり! どんどん食すが良い!! そして、こちら側へやってきたまえ~!」
「舌噛まずにすらすら言える姉ちゃん凄い、って思っちゃった」
「ほっほっほ~! もっと崇め奉りたまへ~~♪」
ニコニコとはち切れんばかりの笑顔な千束。今頼んだパンケーキたちがやってくるのが楽しみで仕方がない様だ。因みにたきなは、懐かしむ様に表情を少しだけ緩ませて。
「寮の食事も美味しいですけどね」
それはDAの……つまり、リコリスが入る事になる寮の事だろう。
そこで提供される食事が美味しい、と。何処か懐かしむ姿、何処か寂しそうな顔をする姿は
、きっとまだまだ未練があるのだろう、と解る。そして、直ぐにその表情は消える所を見ても、まだまだ諦めていないのも解る。
「あの料理長、元宮内庁の総料理長だったらしいよ?」
「へぇ……それは凄いね。味が想像できないや。DAってやっぱり人材の宝庫でもあるんだ?」
この中で唯一、寮に入っておらず、その料理長の味を体験していない龍は想像だけで語る。
間違いなく超一流の腕を持っているのは解るので、何なら食べてみたい……と何処となく思ったが、その考えは直ぐに削除。
何だか、たきなの目がキランっ! と輝いた様に見えたからだ。
間違ってもDAの中に入ろうなどとは考えない。少なくとも今の所は―――――。
そんな龍の決意を知ってか……どうかは解らないが、たきなは2人に小首を傾げながら聞く。
「それは、そんなに凄い事なのですか?」
元宮内庁の総料理長。
千束や龍は反応したが、たきなにはいまいち伝わってないらしい。
「え? 凄いだろう?」
「全然説明になってない……。だって、たきな姉ちゃん。宮内庁って行政機関のひとつで皇室関係とかを色々と受け持つ場所でしょ? そんな所で総料理長出来るなんて、凄い所の話じゃないと思うんだけど」
「やーやー、龍ってば ほんっと子供とは思えない知識量ですなぁ~~。お姉ちゃん鼻が高いわ~~」
僻みが入ってそうな物言いな千束だったが、龍に感心しているのは本当な所。
たきなも、それなら確かに――――と、1つ知識の幅が広がったと頷いていた。
「でも、ここやリコリコみたいに、スイーツ作ってくれないんだよねぇ~~」
「皇室関係の元総料理長だったら、懐石料理が中心~とか思っちゃうね。食べた事ないけど」
「かりんとうは作ってくれますよ。凄く美味しくて好きです」
「そりゃ、かりんとうがある、ってのいうの忘れてたし、美味しいのは認めるけど、ず~~~っとかりんとうなんだよ? 私なんか10年。たきなは最近きたばっかで思わなかったのかもしんないけど、ずっとかりんとうだったら飽きちゃうよ。貪欲な女子であれば尚更っ!」
と、色々と話をしている間に、【お待たせしました】と、注文した品々が届き始めた。
手早くテーブルに並べられる色とりどり鮮やかで、甘味の香りが周囲を彩って、あっと言う間に千束は虜になってしまった。そして龍も別に辛党と言う訳でもなければ甘党と言う訳でもないが、好きか嫌いか? と言われれば間違いなく好きな分類。故に千束に倣って視線を釘付けにしてしまう。
「おお~~~♡ 美味しそう~~~♡」
「美味しそうっ」
ただ、唯一たきなだけは違った。
やや驚き顔になりながら……。
「これは糖質の塊です」
「たきな!」
身も蓋も無い事を言い始めた。
食べる前の女子にそれは
「人間はさ! 一生で食べられる回数は決まってるんだよ? つまり、何が言いたいかと言うと~~~!」
千束はナイフとフォークを手に取り、さくさくっ、と切り分ける。
「全ての食事は美味しく楽しく幸せであれ~~♪」
「千束姉ちゃんに賛成っ! これ、凄く美味しそうだよ、たきな姉ちゃん!」
「おお~~、我が同志よ! ほれほれ、あ~~んっ」
「あーんっ」
パクリっ、と美味しく食べる。
口の中で溶けて、柔らかい感触と優しい甘みが身体中をめぐってる様に思えた。
これは美味しい。美味しい以外の言葉が出てこない。語彙力何処にいった? ともう千束に言えない。
「美味しいのは良い事です。ですが、私達リコリスにとっては余分な脂肪はデメリットになります」
「うまっ、うまっ♪ もぐ、もぐ、んくっ……。姉ちゃん姉ちゃん、カロリー計算して運動すれば良いと思うよ! それなら脂肪だって大丈夫だよね?」
「……余計な手間ではありませんか?」
「でも、日頃鍛えてるんでしょ? 大丈夫だよっ♪ あ、それに 糖分とっても頭使って、脳を使う様にすれば太らない、って話聞いた事あるよ! VRゲームしながら身体動かすのってどうかな? もぐっ、もぐっ」
確かに龍が言う様に摂取カロリーを消費カロリーが上回れば理論的に考えて脂肪がついたりはしないだろう。ただ、一時の欲の為に、余計な運動時間を割くのはデメリットではないか? とも思えたたきなだったが………今、目の前で幸せそうに頬張る龍を見て、千束が野暮だと言った意味が何となくではあるが解る様な気がしてきた。
千束だけではこうは思わなかったかもしれない。
「そうそう! いつもよりちょっと走る! 動く! 頭使うっ! それだけの価値がこれにはあるのだよっ! あ、龍~~、私にもちょーだい」
「ほいっ」
「うま~~~~♡」
楽しそうに食べている2人を見て、仲間外れになるのはいかがなモノか。
「ほらほら! たきなも食べて~! あーんっ!」
「……あーん」
言われるがままに、ケーキの一欠片分を一口で食べる。
口に入れた瞬間、そして租借した瞬間から、甘味が場を支配し、食欲を刺激しているのがよく解る。
確かに美味しい。
2人が幸せそうに食べる理由がよく解る。
糖質だ脂肪だデメリットだ、と言っていた自分が情けないかもしれないが、本当に美味しい。
そんなたきなの表情から何かを読み取ったのか千束は歯を見せながら笑みを向ける。
龍ともハイタッチを交わす。
何だか恥ずかしくなってきて、たきなは顔を仄かに赤く染めた。
「―――――?」
「―――――!」
そんな時だ。
後ろから声が聞こえてきたのは。
普段ならば、別に気にする事の無い。カフェテラスで話声が聞こえてくるなんて当然の事だから。でも、普段と少しばかり違うのはこれは日本語ではなく恐らくフランス語である、と言う事。
それを聞き取った千束は、ニコリと笑って席を立った。
そして、外国の人の席へと赴き、持ち前の光の様な笑顔で話しかける。
母国語で話しかけられた事が嬉しかったのか、或いは千束に感化されたのかは解らないが、旅行客の2人は次第に笑顔になっていった。どうやら、メニュー表の読み方がイマイチわからなかったらしい。英語表記はしてくれているけど、フランス語では書かれていないから。
「………良いね」
「え?」
そんな千束の姿を見て、龍は頬を緩ませながらポツリと呟いた。
その声はたきなにも聞こえており、一体何の事か? と言う意味を込めて声を発する。
龍は千束の方を見ながら続けた。
「ぼくもさ。以前いた場所では誰か困ってる人を見つけたら、何とか手助けをしてたんだ。……最初は普通に子供だから、相手にされない事もあったし、出来る事だって少ないだろう、って思われてたり、最初から怪訝そうだったりってあったけど……、何度か重ねていくにつれて、ああやって笑顔を向けてくれる事が沢山あったよ」
千束は誰かを助ける仕事をしている。小さな事かもしれないが、それを積み重ねている。ほんの少しかもしれないが、千束と共に居れば、それがどういった事なのか、直ぐに理解できる。
「ぼくは、前に千束姉ちゃんにこれまでやってきた事、全部駄目だったんじゃないかな、って言っちゃったけど」
「それはどうしてですか?」
「えー、それたきな姉ちゃんが聞く? 色々と人助けしてた結果……何でか解んないけど、変な人達が押し寄せてきたからだよ」
「…………ぅ」
ホントに解ってなかったのだろう。
たきなは、自分は変な人ではない、と否定したいの山々だったが、事実 DAの地方支部では総力を上げて四国の実態を調査。
正体不明の相手をそのまま名称UMAとして、捕獲対象として認定、動きだした。
結果は散々だったが、それでも龍にとってしてみれば、他の外国勢のマフィアと大差ない事だろう。今更ではあるが、DAに行きたくない! と騒ぐのだって仕方ない事。
「あの、龍……」
以前の事を今更ながら謝ろうとしたその時だ。
「うん。言った通り全然駄目じゃなかった。皆笑顔だった。それに千束姉ちゃんや、たきな姉ちゃんにも出会う事ができたし。僕、全然間違って無かった」
千束の様な笑顔を龍が魅せた。
その瞬間、たきなの中で謝る、と言う選択肢を捨てた。
別に謝罪の念が無くなったと言う訳ではない。この笑顔を前にしては、謝罪などと言う負の感情を向けるのは相応しくない、と思ったからだ。
「………そうですね」
だから、たきなは、龍の言葉に対して肯定した。
同じ様に出来ているか解らないが、彼らの様に笑顔を作り、自然と視線を空へと向ける。
今日は快晴。透き通った空……心地良い風が頬を撫でる。目の前には美味しい美味しい糖質の山。そしてそれを目の前で龍は頬張っている。幸せそうに。
たきなは、手に持ったフォークを突き刺して、一欠片掬い上げると龍に向かって差し出した。
「龍。私にも下さい。その代わりにこちらを分けてあげます」
「! 良いよ~」
お互いに幸せを分かち合う。
そんなひと時だった。
「はいはーーい、千束も混ざりま~~す! 2人だけイチャイチャさせないゾ!」
人助け任務完了! と千束は敬礼をしつつたきなと龍の中に混ざった。
DAにいてはこういった経験は出来なかっただろう。
【次へと進む】と言うのはこういう事なのだ…………と、たきなは思うのだった。
その頃リコリコでは……。
人手が3人も減っててんてこ舞いになっていた。ミズキがひーひー言いながら仕事をしていたのに、クルミはまさかの入浴タイム。
「てめー、何してんだ?」
「見てわからんか? 風呂だ」
「アホか! 仕事中だぞ!」
当然激怒。
風呂から叩き出したのだった。
でも、クルミもただ仕事をサボっていた、と言う訳でも無さそうだ。
何せわざわざ風呂場にまでノーパソを持ち込んで色々と調べていたから。
その調べていた内容とは、武器相場。
「武器相場に変化が無いからってなんなのよ?」
「ああああああ゛~~~」
「オラ! いつまでソレしてんだ!? 我々は宇宙人だ、ってか? コラぁ!! 誰が古いギャグだ!!」
「何1人で盛り上がってんだ?」
扇風機で髪と火照った身体そのものを冷ましているクルミ。
そして、何だか1人でボケとツッコミを併用しているミズキ。
それはそうと、武器相場の件はしっかりとクルミは考えがあって調査、目を光らせているのだ。
「相場の件はアレだ。闇市場にばら撒かれてない事の確認だよ」
「はぁ~~、そゆこと。そもそも1,000丁も武器をガメてどうするってんだ? 腕は二本しかないのに?」
「500人の兵隊がいるんじゃないか?」
「軍隊か! ……って、そんなのDAが見逃してる訳ないっしょ」
日本でテロなんて行為をしようものなら、即座に動くのがDAと言う組織だ。見つけ出しては殺し屋に育て上げたJK軍団が根絶やしにする。
それがいつもの日本の裏側であり、世界でもトップクラスの治安維持となってる所以だ。
「まぁ、ここから追えるだけ追ってみる。絶対何かしでかすのは目に見えてるからな。……後、龍にも手伝ってもらう」
「てか、もしDAの包囲網搔い潜って、こわ~~い500人の軍隊がやってきたとしても、龍にちゃっちゃと追っ払って貰うってのも手じゃね? あの子の実力だったら余裕っしょ。リコリスたちの一斉掃射を千束とは違うやり方で掻い潜るわ、四国を悪党どもの界隈であ~んな物騒な異名に変えちゃったりするわ、規格外の象徴なガキんちょなんだからさ?」
「オマエ、龍に対して恨みの類があるとでもいうのか? それか嫌がらせでもされたってか? そもそも歳の話は全部千束の横やりだろうに」
「ちっげーーし!! どーせ、店にくんならイケメンが良かった~とか、思ってねぇし!! それに本人の前で言ったりしないから、セーフだし!!」
「何だ、その醜い言い訳は」
色々と言い合ってる間に、休憩時間が終わり。
ミカの声が聞こえてくる。
2人は【はいよ~~~!】と返事だけ返して、持ち場へと戻る。
そして、残されたクルミのPC画面には武器取引であろうやり取りの映像が映し出されていた。