【一巻発売中】たのしい異世界ハクスラ生活、あるいは超紳士的英雄譚   作:いらえ丸

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 感想・評価など、ありがとうございます。直でやる気に繋がっております。
 誤字報告もありがとうございます。助かってます。
 キャラ・ボスのご応募もありがとうございます。

 今回からまた一人称です。
 よろしくお願いします。


炉利乙女

 魔導人機とは、異世界における古代兵器の一種である。仕組みとしては現代で用いられている防具の超スゴイ版といったところ。

 その性能は凄まじく、魔導人機を纏った適合者は単騎で各種族の王と比肩するレベルであるという。ちなみに、歴代ラリス王は銀細工が束になっても勝てないらしい。

 

 開発時期は魔王戦争の前で、第二大災厄時に投入されたそうだ。残念ながら、その多くは災厄戦で失われ、残った機体も後のゴタゴタで永久封印されたりぶっ壊れたり。また、魔導人機の製造法は表向き失伝しているようだ。そも、分かってる限りでも一機あたりの生産コストはとんでもないんだとか。

 

 仕様上、魔導人機にはそれを身に纏う適合者が必須である。また、その稼働に際しては適合者に高い負荷をかけ、時に命を落とす事さえあったそうだ。

 畢竟、魔導人機は人工的なラリス王であり、重いデメリットのある古代の超兵器……らしい。

 

 らしいというのは、これを淫魔女王自ら教えてくれた為だ。

 発情期が収まった後、エリーゼを診察してもらって、そのまま軽くお茶をしてる最中に教えてもらったのだ。要するに、夢魔騒動に関わった俺への口止めだった。

 ちなみに、魔導人機については調べようと思えば普通に出てくる情報なんだとか。かなり頑張る必要はあるそうだが。

 

「予め言っておくけれど、これは淫魔王国だけの問題じゃないわ。それは分かってくれてるのよね?」

「はい」

 

 そんな中、俺は魔導人機について詳しく聞いた後、先に現れた白銀魔導人機の追跡の協力を申し出た。

 勿論、これは偏に白銀鎧の中にいたであろうロリの身を案じた為だ。あの時、彼女は助けを求めていたのだ。これに応えねばロリコンが廃る。件の兵器が危険であるなら、尚の事。

 今回の騒動、間違いなく淫魔王国だけでは収まらない。異世界警察たるラリスが出張るのは確実だ。黒幕の捜査、内憂の警戒に外患への対処。そうなると、推定ヴィランサイドであろうあの子は高い確率で巻き込まれる。乗るだけで危険な欠陥兵器に乗って、である。

 

「自分は、あの鎧を……その中の子を放ってはおけないのです。捜して倒すのではなく、助けたいと考えています。理由は先ほど申し上げた通りで、その根拠は勘としか言えないのですが……」

 

 こういう時、後から巻き込まれるばかりではいけないと思う。例えどうなろうと、先んじて行動すべきだ。

 無論、この事は皆に相談済みである。ホウ・レン・ソウを怠ってはいない。その上で、俺は淫魔女王にお伺いを立てたのである。

 

「そう、わかったわ……。一応言っておくけれど、確約はできないわよ。向こうがどう動き、貴方をどう扱うかも分からない。駒か、騎士か、猟犬か……ラリスに近づくというのはそんな風になるかもしれないって事、忘れないでね」

「承知しております」

 

 迷いはない。女王の忠告を、俺は当然として想定し、これもまた相談済みである。

 元より、俺は国のゴタゴタに関わらない事を重視して異世界を生きてきた。自由気ままな冒険者スタイル。成り上がるなんてとんでもない。今もその気持ちに変化はない。何もなければ、何もないのが一番だ。

 だが、ロリを救う為ならば、相応のリスクは覚悟できる。どうしようもない性であった。

 

「そう。まぁ実際どうなるか分からないし、案外良く計らってくれるかもね。とりまラリスに貴方を推しとく、それでいいのよね?」

「はい。陛下のご厚情を賜り、感謝の極みにございます」

「あー、いいのいいの。こっちからすりゃイシグロさんは恩人で英雄なんだもの。こんくらい安いわ~」

「陛下、少々はっちゃけ過ぎかと……」

 

 要するに、俺は鎧ロリとの接触を図るべく、対ヴィランに協力するつもりなのだ。

 この一件、ラリス王国主導で調査される事になるだろう。その時に外部戦力の俺を混ぜてほしいのである。

 信用できない冒険者身分ではあるが、夢魔とそいつが話していた事に関しては既に知ってしまっている。そうなると、良くも悪くも俺は現状単なる冒険者ではなくなっているのだ。

 女王の言う通り、どうなるか分からない。考えが甘い自覚はあるが、今俺にできるのはこれくらいだ。

 

 ラリスにも、黒幕にも、あの鎧の子を殺させる訳にはいかない。

 秩序や善悪、世論や政治も関係ない。

 ロリへの祝福もなく、世界が在ってはならんのだ。

 

 

 

 

 

 

 王城でのお話を終え、ケフィアムに戻る頃。カラッと晴れた空模様はちょうど昼食時になっていた。

 最近はホテルに引きこもっていたので、外出自体が新鮮な心地である。

 

「ちょっと見てくか。お昼も外にしよう」

「うッス! せっかくッスし、乳鮑で食えねぇモンがいいッス!」

「いつも思いますけど、お昼にご飯を食べられるなんて本当にありがたいです」

「うむうむ、一日三食ってのはいいもんじゃのぅ」

「ええ、そうね」

 

 そんな訳で、俺達は買い物がてら街を散策する事に。青い空の下、ホテルを離れ活気のある方へ歩き出す。

 夢魔騒動で大きな被害が出たと聞いたケフィアムだが、既に元の美しい街並みを取り戻しているようだった。

 ルクスリリア曰く、ケフィアムの建物の殆どは魔法で造ってるらしい。だからこそ、淫魔はスクラップ&ビルドには慣れているのだ。家壊れたし、次はもっと良い家にしようのノリでこんな煌びやかな街になってるようだった。

 

 広場に着くと、そこは予想通り賑わっていた。

 淫国菓子を売る屋台に、楽器の演奏に没頭するアーティスト淫魔。そして、美人淫魔を観てニヤニヤする男達。

 ていうか、前より賑わっているような……。

 

「なんか人増えてない?」

 

 よくよく見てみると、賑やかな広場は交流会時よりも男性人口が多くなってるように見受けられた。

 参加者全員が冒険者だった以前と違い、今は身なりの良い人達とガタイの良い人達の二種類がいる印象だ。

 

「あそこにいるのは商人とその護衛ッス。多分、野生動物の一件が解決したからまた商いに来たんスよ」

「あー、なるほど」

 

 相も変わらず屋台ではチンポコキャンディー等のトンチキアイテムを売ってるのだが、当の男連中はというと一切狼狽せずに「そうそうこれこれ」みたいに楽しんでいるように見えた。

 何というか、戦闘力云々じゃなく皆さん男としてワンランク上って印象だ。どいつもこいつもアッチの方が鋼鉄の威厳を発している。

 

「ん?」

 

 ふと視線を感じて目をやると、一般立ち話淫魔達が俺を……というか俺の股間をガン見していた。

 

「見て見て、あの抑えたヴァイオレンス……! ヒューッ! 間違いないわ、あの男がイシグロよ! 女王から力を授かったという噂は本当だったのね!」

「オッオオオーッ♡ なんて淫力なのかしら! よし、今すぐあの男でオナニーよ!」

「あいや待たれぃ。私は泣く男でオナニーできるが、オナニーで男を泣かせる淫魔は許せんのだ。どうしても致したいのなら、私の屍を越えてゆけぃ」

 

 こういう時、淫魔王国に来る前の俺だったら、それはもう盛大に困惑した事だろう。

 が、今の俺に精神的動揺による判断ミスは決してないと思って頂こう。

 

「ちょっと見てこっか」

 

 という訳で、広場を適当に見て回る事にした。モブの視線なんて気にせんでよろしい。

 商人や護衛達も銀細工に注目こそすれ俺につっかかってくる感じはなさそうだしな。第一、大なり小なり王都でもチラチラ見られてた訳で。他人様の目なんてもう慣れちゃったよね。

 

「え? なにこれ?」

 

 と思って売店を冷やかしていると、昼間の露店だというのに堂々とディルドが陳列されていた。そう、そのディルドである。

 しかも、これかなりリアルめである。飴とかチョコバナナとかそんなんじゃない、マジのやつ。あまつさえ大中小と色んなサイズが……。

 

「えーと、何でしょう? 黒剣味、剛剣味、鼬人味? 舐めたら味がするのでしょうか?」

「グーラ、これは食べ物じゃないわ。匂いもしないでしょう?」

「なっつかしぃの~。これ、遊郭にもあったのじゃ」

「実際、これ味とかすんの?」

「いやー、アタシおもちゃ系は全然で……」

 

 まあ、うん、何となくは分かるんだよ。こういう商品さ。

 詳細こそお口チャックされてるが、俺やトリクシィさんが夢魔騒動で活躍したのはその通りだし。淫魔流のファングッズみたいなもんなのかもしれない。

 

「あ、お客さんってンギャアアア!? ご本人登場!? すすすスンマセンっしたぁあああ!」

 

 と、ここで店主登場と同時に謝罪ムーブ。

 いや、まぁ怒ってはないよ。黒剣なんて恥ずかしい二つ名、ギルドが勝手に付けただけだし、商標登録してないし、私困っちゃうし。

 

「いえ、自分は何も……」

「だ、第二弾はもう少し大きくしますんで! 何卒ご容赦を!」

「えぇ……?」

 

 違う、そうじゃない。別にサイズとかはいいんだよ、気にしてないよ、そんなん。

 ふと、改めて黒剣味を見てみる。残念、モノホンより小さいじゃんね。

 

「オイコラァ! ご主人のご主人はもっとモゴゴゴゴ!」

「失礼しますねー」

 

 俺は何事か文句をつけようとしたルクスリリアの口を塞ぎ、そそくさとその場を去るのであった。

 じゃあな、黒剣レプリカ。皆に愛と夢を与えてやってくれ。

 

「ぷはぁ! なんスかご主人~、ああいう時は盛大にいちゃもん付けてやるのが楽しいんじゃないッスか~」

「貴女、将来痛い目見るわよ……」

「ところで、あの棒は何に使うんでしょうか? お掃除用具?」

「グーラは純粋じゃのぅ、ほんに」

「ああいうのいる?」

「要らないわ。私は……いえ、なんでもないわ」

「お? なんスかなんスか? 続き言ってみ?」

「うるさいわね……」

 

 今人気のあるところに行くとああいうのに遭遇しちゃうかもしれないし、お昼は人気のない隠れ家的お店を探そうか。

 

「ん?」

 

 なんて思いつつ先を行こうとしたら、初代女王像の前で見知った顔を発見した。

 最早シルエットだけで分かる。丸い獣耳、裾の長いイキりコート。そしてお腰のサムライブレード。彼こそ、今この国で一番アツい男の子じゃあないか。

 

「こんにちは、トリクシィさん」

「あ、イシグロさん、どうもこんにちは」

 

 声をかけると、こちらに気づいた彼は礼儀正しく挨拶を返してきた。

 交流会が終わって数日後、彼は馬車に乗って王都に帰ったはずだが、何故また此処にいるのだろうか。

 

「王都に戻った後、銀行でお金を下ろしてから来たんです。現地で馬を買う為に」

「ああ、言ってましたね。買う馬を見に来たんですか?」

「いえ、それは決めてあるんです。一歳の馬で、もう名前も決めてあったり」

 

 どうやら、騒動の日に彼を死地から救ってくれたあの馬を購入するつもりらしい。

 わざわざ王都にまで戻ったのは交流会の終了手続きの為だろう。スケジュール的に、そこからトンボ返りしてきた感じか。

 

「それで、ここで待ち合わせを……おや?」

「トリィくぅ~ん♡」

 

 と、ここで背後から甘ったるい声が聞こえた。声の主はお姉さん淫魔ことヴィーネさんだった。

 異世界人らしい脚力で走ってきた彼女は、以前と違って私服姿である。私服、というかザ・淫魔って感じの半露出狂ファッションなんだが。

 

「久しぶり、トリィくん♡ んちゅぅ~♡ ぢゅぷ♡ ぢゅるるるる♡ れろれろ♡ ちゅぅううううう……ぷはぁ♡ 会いたかったよぉ~♡」

「はい、自分もです」

 

 かと思えば、俺達の目の前で会って早々二人は激しいディープキスを敢行した。

 周囲の淫魔が嫉妬の炎を燃やす中、ヴィーネさんは愛しい彼の身体をまさぐっていた。対するトリクシィさんは余裕げにいなしている。

 

 ん? ていうか、あれ? お別れの時、次に会う時までに馬に乗れるようにとか、待っててくれ的なこと言ってたような?

 なおもスケベしようとするヴィーネさんを見る。まるで三年以上恋人と会ってなかったかのようなイチャつきぶりである。

 まぁ俺からしちゃあどうでもいいんだけれども。

 

「ほえ~、淫魔の方って大胆ですよね~」

「むっ、負けてらんねぇッス! ご主人、アタシ等もするッスよ!」

「やめなさい。はしたないわ……」

「ん~? 顔が赤いのはどっちの意味かのぉ? うりうり」

「言うようになったじゃない」

 

 散々乳繰り合った後、トリクシィさんはようやっと俺達の存在を思い出したようだった。

 

「あはは、すみません。今からヴィーネさんと一緒に牧場に行く予定なんです。それでは、自分達はこれで……」

 

 言って、片腕にお姉さん淫魔を巻きつけたトリクシィさんは門に向かって歩いて行った。

 女慣れしたトリクシィさんは、例のイキりコートを完璧に着こなしているように見えた。卒業した彼は、あっと言う間に男を上げたようである。

 

「若いねぇ」

「ッスねぇ」

「わしからすりゃ皆年下なのじゃ」

 

 まぁ二人が仲良しなのは置いておいて、俺達は俺達で今度こそ歩き出した。とりまお昼食べて、そのあと買い物だ。

 明日、俺はルクスリリア母のいる所へ向かうのだ。その為に、色々と手土産を買う予定なのである。

 

「つっても、淫魔にゃそんな文化ないんスけどね~」

 

 とはルクスリリアの談。

 曰く、淫魔族の子は生まれてすぐ幼淫魔学校で過ごすらしいので、他種族より親子の感覚が薄いらしい。

 

「それでも、ピシッとしとかないとな」

 

 とはいえ、である。

 常々郷に入りてはの精神で異世界生活を送っている俺だが、迷惑じゃない限りこういう時は故郷流の筋を通したいところである。

 

「手紙は出したよな。土産はいい感じの買うとして、取り敢えずしっかりした服買わないと……」

「竜族の場合、相手の一族に合わせた礼服を着るのだけれど」

「やー、そんなん着てったらオカンびっくりしちゃうッスよ~」

「普通にラリス風で良いと思うのじゃ。グーラんとこはどうじゃった?」

「ボクのいた村だと、そもそもそういう風習がなかったような……?」

 

 なんて話しつつ、俺達は訪問の準備を進めるのであった。

 ルクスリリアのママさん、どんな人なんだろう。

 緊張は当然として、不安や楽しみも半々といった気持ちだった。

 

 こんな俺が、まともな事をやろうとしてる。

 諦めてたのだ、色々と。

 

 

 

 

 

 

 身長差バカップル――トリクシィさんの方が頭一つ分小さいのだ――と別れた俺達は、昼飯もそこそこに明日に備えて準備を開始した。

 

 まず、手土産についてだが、当然として異世界に日本で売ってるような菓子折りなどあるはずもなく、色々と探し回る事となった。

 検討の結果、ナウなサキュバスにバカ受けの大人気チーズケーキを購入した。

 

 次、当日に俺が着ていく服。

 皆の服は沢山持ってるが、俺にカチッとビシッとそれでいてカジュアルな服の持ち合わせなどなかったので、新しく買う必要があったのだ。

 これには相当苦戦した。というのも、ファッションリーダー・エリーゼさんがああでもないこうでもないと俺を着せ替え人形にした為である。そのうち皆もノッてきて、柄にもなく俺はアレコレ試着する羽目になった。

 ちなみに、ケフィアム唯一の紳士服専門店には、実に様々な服が陳列されていた。何でなんでしょうね(すっとぼけ)

 

 結局、俺は第一再臨のロムルス=クィリヌスみたいな服を着てく事になった。

 これは古き良きラリス人の恰好で、日本でいうとこのカジュアルスーツに相当するようだ。

 そういえば、異世界でサラリーマンが着るようなスーツって見た事ないな。どこかで皆用のスーツをオーダーメイドできないものだろうか。秘書プレイ……。

 

 それはそれとして、買う服は決まったにも拘わらず、テンションを上げた皆はなおも俺で着せ替え遊びをしまくってきた。

 森人風だの獣人風だの、見るのはいいが興味はあんまり……。元年中ジャージマンワイ、無事死亡。銀細工ボディでも気疲れってのはするもんで。

 

 この時、俺はモヤモヤして仕方なかった。

 どうしてこうカワイイ女子が四人もいて、アレコレ選ぶ服が俺用なのか。皆が楽しいならそれでいいのは間違いないが、やはりフラストレーションは溜まってしまう。

 

「すっげへぇ~! アタシ、ここ一回入ってみたかったんスよ~! リリィ感激~!」

「こ、これも服なのね。うん……?」

「防具でもないのに、なかなかの値段ですね……」

「す、すごい光景じゃ……」

 

 そんな訳で、俺は皆の分の服を買うべく高級淫魔服専門店へやって来た。

 店内には種々様々な淫魔族の伝統衣装があり、中には子供用の服もあった。

 率直に言って、淫魔服はエロい。ルクスリリア以外もこういう服着てほしいなって思う。

 のだが……。

 

「お腹丸出しじゃない……」

 

 エリーゼさんが露出度の高さを気にしていらっしゃる。

 異世界には国ごと種族ごとのファッションというものがあり、淫魔には淫魔が好むファッションがあるのだ。

 ルクスリリア曰く、寒暖差に影響されない淫魔族は動きやすい恰好で、且つエッチな服を好むらしい。

 

「おっ、これホワイトショットの新作ッスよ! ひゃー、かっけぇーって、えぇ!? なにこれたっか!」

「胸だけじゃなく全てのサイズがガバガバですね……」

「ガバガバどころかスカスカじゃ。ほれ、わし等でも着れる子供用買うのじゃ」

 

 つまり、淫魔は皆さんパブリックイメージのザ・淫魔って恰好をしているのである。

 肩出しヘソ出しは当たり前で、モノによっては出会って二秒で即吸精できるように股間が観音開きになってるパンツなんかもある。子供用の淫魔服など、どれもメスガキが着てそうな感じだ。

 また、多くの生地は自国産のレザー製であり、そのどれも流石の淫国クオリティで無駄に洗練されていた。いやホントに良いレザーだな。ジャージにしか興味ない俺だけど、こうも質感の高いレザーなど見るとイカした革ジャンなんかに興味湧いちゃうね。そういえば、異世界革ジャンも見た事ないな。

 

「ご主人~、アタシこのブランド品が欲しいんスけど~」

「ええんやで」

「やったぜッス!」

「嬉しそうじゃの~。主様も」

 

 そりゃもうニッコニコである。

 何はともあれ女の子の服なんてナンボあってもええのである。

 

「う~ん、エリーゼはどれにしますか?」

「わ、私にはよく分からないわ……」

 

 そんな中、さっきの店じゃニコニコ笑顔で服を選んでたエリーゼさんは、ドエロい衣装を見ては何事か想像して顔を赤らめていた。

 どうやら、ノーブルブラッド・ドラゴンの彼女には淫魔ファッションはキツかったようである。まぁ無理強いはすまい。似合うと思うけどな~、黒レザーとか。

 

「きひひ! じゃあ、エリーゼの分はアタシが選んでやるッスよ!」

「ちょ、ちょっと……!」

「あ、ボクもお願いします」

「わしも。コレとコレ、どっちがいいと思うかのぅ?」

 

 普段とは一転、今回はルクスリリアが皆の服を身繕う事となった。

 ルクスリリアとてファッションにはさほど興味がない性質をしているのだが、今日この時に限ってはやる気十分である。

 俺の見守る中、淫魔の彼女はそれぞれ皆に合うものを選んでいった。

 そうしてお出しされたのが……。

 

「ふっふ~ん♡ ガキんちょ用なのは癪ッスけど、ご主人こういうの好きっしょ?」

「革ですけれど、着てみるとけっこう柔らかくて動きやすいですね。ギチギチしてないというか」

「いやぁ~、こういうのなんか新鮮なのじゃ。ちょっと恥ずいのは否めんがの」

 

 皆、ロリにして立派な淫魔ファッションである。

 ルクスリリアは言わずもがな、淫魔族の服がよく似合っている。いつもがメスガキだとしたら、今は完全にそういう店の女王様だ。

 グーラも褐色肌が際立つ露出度高めの恰好で実にグッドである。煌めく肌艶が眩しい。

 普段リンジュ服を着ているイリハもいつもと雰囲気を変えて新鮮だ。ファッションを楽しみつつ、ほんのり顔が赤いのもポイント高いですね。

 

「あ、あまり見ないで頂戴……」

 

 そして、エリーゼはというと、着慣れない恰好を隠すようにモジモジしていた。

 艶のある黒いレザーと、陶磁器のような白い肌のコントラストが最高に美しい。

 裸になるのは恥ずかしくないくせに、こういうファッションをするのは恥ずかしいようだ。そういうトコもまたイエスだね。

 

「いいねぇ~」

 

 その後、俺は皆を褒め殺しにした。

 やっぱ、ゲームもリアルもファッション愉しむなら美少女だよな。

 つくづくそう思うね、まったく。




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 淫魔王国は畜産最強国という都合上、革製品にも強いです。安い革でもめちゃくちゃ質が高いです。防具というより、衣服としてですが。
 あと、異世界には現代地球で一般にスーツと言われている服は存在しません。単なる革のジャケットならありますが、某神室町探偵めいた革ジャンは存在しません。技術云々ではなく、発想と需要がないんですね。作ろうと思えば普通に作れます。
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