【一巻発売中】たのしい異世界ハクスラ生活、あるいは超紳士的英雄譚   作:いらえ丸

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 感想・評価など、ありがとうございます、モチベの維持に繋がっております。
 誤字報告もありがとうございます。感謝っす。
 キャラ・ボスのご応募もありがとうございます。

 アンケートのご協力、ありがとうございました。
 結果、エリーゼの新しい杖は聖属性になりました。
 なんかソレっぽくします。


平和の報酬1億ルァレはロリの手に!?

「ふんッ……! ふんッ……!」

 

 太陽が顔を出す直前。未だ薄暗い借家の中庭で、俺は声を押し殺しながら一心不乱に素振りをしていた。

 装備は愛用の迷宮用革鎧で、振り回しているのも迷宮用の愛用ロンソ。やっているのは唯心無月流の鍛錬法である。

 

「はぁッ……!」

 

 雑念が浮かんではコレを斬り、思考がズレたらコレも斬る。常ならそのうち没頭できるのだが、今朝の素振りはどうにも集中できていなかった。

 集中できないから、無銘の柄に不必要な力が籠っている。強張る両手を解し、素振りを再開。途切れ途切れのタイミングで、重い風切り音が連続する。

 

 異世界転移してしばらく、俺は悩みを抱くと剣を振る癖がついていた。

 それというのも、今現在俺は俺自身の強化方針について迷っているのである。

 要約すると、現状維持か現状打破かといった具合に。

 

 この世界、人の能力値は就いているジョブによって上昇しやすい項目が異なる。

 大剣士は膂力が上がりやすく、魔術師は魔力が上がりやすい。これに加えて、種族ごと個人ごとに上がりやすいステータスが異なってくる。

 実際、魔法剣士亜種を鍛えている天狐のイリハのステータスは、若干ゃ技量・知力が尖り気味だ。

 

 また、使用武器種の多い下位職より、武器種を絞った上位職の方がレベルアップ時のステータス上昇率が高い。

 その代わり、下位や中位の時よりレベルアップに必要な経験値は多くなる。これまた事実として、今やルクスリリアのステータスは俺を超えている。

 そういった事情もあって、さっさと強くなりたいなら、さっさと武器決めてさっさと上位ジョブを極めるのが手っ取り早いのだ。

 

 そんな世界にて、異邦人である俺は特定のジョブに専念する事はせず、今に至るまで様々な下位・中位職をフラフラしてきた。

 長い目で見れば、悪くない選択なんだと思う。武闘家を経由したからこそ、俺は各種移動スキルが使える訳で。魔法剣士や聖騎士といった複合ジョブにせずとも、俺はジョブチェンジ機能で専門ジョブに変化できるのだから。

 だが、先述の通りにステータスが伸び難いという欠点がある。下位・中位をつまみ食いしていたせいで、今やイリハの次にステが低いのは頭目たる俺なのだ。

 

 つい先日の事、俺はあまりにも高い壁を見た。

 純白の聖王子、ジノヴィオス。ただ座ってるだけで圧倒的に強いのが分かる、怪物の中の怪物。全く以て勝てる気がしないどころか、俺程度じゃあ太刀打ちさえできないだろう。

 偏に、俺のステータスの低さが為。

 

 直近、俺は魔導人機の子を救うべく、逃れ得ぬ戦いに挑む予定である。救難信号を受け取ったのだ。助けに行かぬ理由がない。

 その戦いで、敵側にも殿下に拮抗し得る戦力が存在する事は想定して然るべきだろう。

 対し、俺個人の戦力はどうだ。銀細工程度なら余裕だ。あの夢魔レベルなら倒せる。例えライドウさんクラスでも、囲んでボーで叩けば何とかなるだろう。

 

 しかし、王族級はどうか。

 ラリス王家。各種族の長に、上澄み竜族や上位天使といった異世界ランカーの常連達。

 そんな奴等を相手にして、俺は生き残る事ができるだろうか。

 

 どうすればいいかは分かっている。

 要は、もっと強くなればいいのだ。

 やり方も単純で、迷宮に潜って魔物を狩ればいいだけである。

 

 さて、その方針を如何せんという話。

 

 初志貫徹し、更に色んなジョブに手を出して汎用性を上げる道を往くか。

 それとも、一つのジョブを極めて、ステータスを重視した道を選ぶか。

 

「ふぅ……」

 

 素振りを終え、ひと息。何気なく、手に持つ無銘の剣身を見る。

 武器工匠アダムスの手になる至高の一振り。俺が最も信頼している黒の剣。ドワルフ曰く、コイツはどんな無茶な使い方にも応えてくれるらしい。

 頼もしい武器だ。最も信頼している剣だ。

 けれど、少し。

 

「こんなに軽かったっけ……?」

 

 そう思う理由を、俺が強くなったからだとは思えなかった。

 

 

 

 

 

 

「へいどうぞ」

「確かに」

 

 朝の諸々を終え、本日は休養日。俺達はお手紙をくれたアダムス氏の店に行き、注文していた新しい武器を受け取った。

 久々に会ったアダムス氏は、相変わらずドワーフみたいな雰囲気のイケメンエルフだった。略してドワルフである。

 

「それと、別件でお話がありまして……」

 

 ブツを確認した後、俺は今朝ふと思いついた無銘の強化案について話してみた。

 カウンター特化剣、無銘。これ、なんだか前より軽い気がしたのである。以前よりも膂力ステの上がった現在、重量補正を乗せるべくもう少し重くすれば強くなるんじゃねと。要するに、グーラのぶちぬき丸みたいにできませんかという話だ。

 

「ん~、そいつぁ難しいですぜ」

 

 最後まで話を聞いたドワルフは、腕組みして椅子に深く腰を下ろして言った。

 

「というと?」

「鉱深鍛冶だろ? ありゃ、元からぶちぬき丸がソレで打ったモンだからできた荒業なんでぇ。んで無銘の方は根本から別の技術で作ってあんだよ。そこに上から合金重ねたところで何にもなりゃしねぇ……それどころか、刻んである補助効果がパーになっちまいやす」

「そうですか……」

 

 よく分からないが、これ以上の強化はできないらしい。

 所詮、思いつきの提案だ。そうショックを受けるものではない。けれども、頼もしかった無銘にこれより先がないと聞いたのは、存外に寂しい気持ちになるものだった。

 

「安心しな。ソイツぁあっしの目利きで旦那に合わせて組んだ逸品だぜ? 一年前の旦那にも、今の旦那にもしっかり応えてくれるさ」

 

 内心しょんぼりしてたのがバレたのか、ドワルフは腕組み姿勢のままニッとイケメンスマイルを浮かべてみせた。

 一流職人の自負に満ちた、力強い断言だった。自分の腕前に絶対的な自信を持っているのだ。その精神性が少し羨ましかった。

 それから、一言二言別れの言葉を交わした後、俺達はドワルフの店を出た。

 

「ご主人様はその剣に不満があるのでしょうか?」

「そういう訳じゃないけど……」

「武器買い過ぎて感覚鈍ってんスよ」

「十分良い造りだと思うけれど……?」

「うむ。素人のわしからしても、深域武装にも劣らぬ業物に見えるのじゃ」

「分かってはいるんだけどな」

 

 なんてお話をしつつ、人混みに飲まれぬよう注意しながら鍛冶区の奥へ歩いて行く。目的地は戦車工匠・ケイン氏のお店で、目的は空戦車のメンテである。

 ケイン氏の店は鍛冶区の隅っこにある。鉄と熱が支配する一帯を抜け、やや治安の悪い一角に到着。ここらへんにマイクラのトーフハウスみたいな店があるはずだが……。

 

「あれ?」

 

 記憶を頼りに辿り着いたのは、以前までのトーフハウスをそのまま廃課金で飾り立てたような珍妙な建物だった。

 騒音を出している訳でもないのに、何とも装飾の五月蠅いお店である。

 

「チカチカしてるッス! 塗装テカテカ! 下品な家ッス!」

「ルクスリリア、あまり他人様の趣向に口を出すのは……」

「ええ。けれど、品が無いのは確かね……」

「これがラリスの最先端なのかのぅ?」

 

 塗装が剥げていた看板には小さな魔導照明が繋げられ、昼間だというのに「ケインの車屋」という文字がビカビカと輝いていた。入った事ないけど、どことなくパチンコ屋みたいな雰囲気というか。

 扉も扉で何故かライオンのレリーフが刻まれているし、壁も謎の派手派手カラーリング。本当にここがあのガリガリダークエルフの店なのか疑いたくなる。

 

「お邪魔しまウォっ!?」

 

 ノックしてもしもーし。恐る恐る入ってみると、扉を開けての初手がドヤ顔ケイン氏のクソデカ肖像画だった。

 戸惑いつつ、一歩入って部屋を見渡す。トーフハウスの間取りは変わらず、床一面に派手な模様の絨毯が敷かれている。虎のマットや革張りのソファー。おまけに某クベ大佐が好きそうな壺。絵に描いたような成金部屋といった印象だった。

 

「おうおうおう、アポも無しにどこの誰が来たんだい? 此処が戦車工匠・ケインの店と知っての狼藉かね? んんっ?」

 

 下品な部屋に声が響く。応接ソファーの向こうに如何にも豪華なエグゼクティブデスク。机の上で脚を組んだ夜森人(ダークエルフ)は、偉そうにゴン太の葉巻を吸っていた。彼の頭上には決断的なフォントで「戦車前進」と書かれたリンジュ掛け軸。

 よっこらしょと姿勢を正し、夜森人店主は俺と視線を合わせた。瞬間、ケイン氏は目を丸くした。

 

「お久しぶりです」

「だ、旦那ッ……!」

 

 言うが早いか、彼は持っていた葉巻の先端をぶった切り、ギャグマンガのような素早さでソファーの方に移動した。

 

「へっ! へへへ! いやぁお久しぶり! まぁオレの感覚じゃそうじゃねぇけど、アンタぁ人間族だったな! まっ、来てくれて嬉しいぜイシグロの旦那! ほら座って座って! ちゃんと人数分あるからよ! あ、茶菓子とかその辺は無いんでよろしくゥ!」

 

 流れるようにソファーに座すよう促される。上座のチェアにケインさん、向かい合うソファーに俺達といった構図だ。

 部屋は豪華になってるのに、ケインさん自身に変化はないように見える。相変わらずガリガリのダークエルフぶりで、食生活の方に金を回してはいないっぽい。この人、食費削って趣味全ツッパなのか。不安になる細さだ。

 

「お陰様で借金を返し終えましてね! 旦那のお陰だ! 改めて礼を言わせてくれ!」

「はあ」

 

 笑顔で話すガリダフを見ながら、今一度部屋を観察する。やっぱり、成金アトモスフィアが全開だ。エリーゼなど、ケイン氏の動向というより内装のアレっぷりにご機嫌斜めになっていた。

 

「アレから色んなトコから依頼が来るようになったんですわ! いい感じの馬車作ってくれってな! 他にも貴族様から動かなくなった空戦車の整備依頼が来てたり! あとね、新しい戦車の設計依頼も! 何処の誰だと思います? それがね、あのフライシュ侯爵家なんですわ!」

「あー、フライシュ家」

「へへっ! そう、その侯爵様よ! あ、これ言っちゃいけねぇんだった! まっ、旦那なら言いふらしたりしねぇよな! ガハハッ!」

 

 フライシュ家といえば、交流会に参加して童貞を卒業したミラクムさんの実家じゃなかったか。

 話を聞くに、現在のガリダフは戦車だけでなく新しい車の設計なんかをして儲けているらしい。戦車工匠の知識を活かし、見た目と頑丈さを両立した高級馬車をメインに造ってるとか。

 

「さっきも言ったが、全部あんたのお陰だ。心底感謝してるぜ!」

「いえ、ただの客ですから」

「で、ここに来たって事は空戦車の整備かい?」

「はい。それなりに乗り回してきたので、どこかにガタが来てないか診て頂ければと」

「あいきた! 任せときなって!」

 

 という訳で、派手な事務所を出て倉庫へ移動。

 地価のバグッた王都で倉庫持つとかスゲェなと思っていたら、どうやら今は鍛冶屋のインヴァさんが使っている倉庫の一つを借りているそうだ。

 

「にしても凄い容量だな。収納魔法持ちはそれなりに見てきたが、旦那ほどいっぱい物持てる奴ぁ見たことねぇよ」

「らしいですね。言われるまで自覚はありませんでしたが」

 

 アイテムボックスから戦車を引っ張り出すと、ガリダフは俺の持つ収納力に感嘆していた。

 確かに、俺のアイテムボックスは大量のアイテムを保管できる。その気になれば行商とか運び屋的な職で食っていけそうだ。

 

「まぁ今回は軽く診るだけだからすぐ終わると思うぜ。見積もりまでやっちまうから、ちょっと待っててくれ」

 

 それから、ガリダフは細い身体を活かして戦車の隅々まで点検していった。

 さすが腕利きの工匠というべきか、さっきまでのちゃらんぽらんオーラは作業開始と共に霧散していた。

 

「オッケー。今の予約分が終わったら取り掛かるから、連絡届いたら取りにきてくれ」

「わかりました」

 

 点検と見積もりが終わり、戦車を預けて終了。

 といきたいところだが、まだ俺には用事があった。

 パイモさんと、その発明品である自転車もとい三輪車についてだ。

 

「ちょっと、これを見てもらっていいですか?」

「ほぅ? なんじゃあ、こりゃあ?」

 

 アイテムボックスから先日パイモさんにプレゼントしていただいた三輪車を出す。ガリダフはソレを興味深そうに見ていた。

 乗ってみるよう促すと、彼はおっかなびっくりサドルに跨った。

 

「えー、ここに座って、この鐙を回すのかい? あーっと、うお!?」

 

 三輪車はバランスを取る必要がない。ペダルが漕がれた瞬間、連動した前輪が後輪を引っ張るように走り出した。

 異世界の代名詞たる夜森人が、屋内倉庫で三輪車を運転している。俺視点、とてもシュールな光景だった。

 

「すげぇ……!」

 

 キコキコと三輪車を漕ぐガリガリダークエルフ。実物を知っている俺からすると質の低さが目につくが、ちゃりんこ初体験の彼は子供のように目を輝かせて夢中でペダルを漕いでいた。

 

「す、すげぇ! これ考えた奴は天才だぜ! マジですげぇよ! これをオレに持ってくるたぁ、イシグロさんアンタぁ何者だい? 呑み過ぎてパーになったオレが見てる幻影か何か!?」

 

 やがて降車したガリダフは、しゃがんで三輪車を矯めつ眇めつし始めた。

 その表情からは先ほどまでのピュアな輝きが失せており、例の妖しい技術者の目に変容していた。

 

「……が、計算が甘ぇ。車輪の事はよく分かってねぇようだな。木の骨組みも微妙だろう。合金がいいかな? できるだけ軽くて、頑丈なやつ。筒状のモンでもいいかもしれねぇ。それに、前輪と鐙が繋がってるせいでロクにハンドルがきれねぇや。車輪も小さいから、ちょっとした道荒れでケツが痛くなっちまう。オレなら真ん中にペダルを持ってきて鎖を後輪に繋げて……内部機構はどんな感じだ? 完全に連結すると色々と問題が……」

 

 かと思ったら、近くの木箱に紙を置き、凄まじい勢いで何かを描きはじめた。

 後ろから覗いてみると、それは三輪車の設計図だった。横からのシルエットだけならママチャリに近い。既にクランクっぽい機構の設計に着手している。凄いな、何の予備知識もなくもうそこまで到達したのか。

 

「アナタまで……。何がそんなに楽しいのかしら……?」

「男ってこういうの好きッスよねー」

「職人っちゅうのはラリスもリンジュも変わらんのぅ」

「そうかもしれませんね……ん?」

 

 ふと、グーラが耳を震わせて鼻をスンスンしていた。遅れて、俺の敵味方反応レーダーに敵の反応があった。

 数は三。歩くような速さで接近してくる。強襲や闇討ちって訳ではなさそうだが……。

 

「おう! ケインさんよぉ! 良い倉庫じゃねぇの、ええ!?」

 

 そうして、倉庫の中に大中小三人組の男が入って来た。

 全員筋肉ムキムキで、真ん中のリーダーらしき男の髪はモヒカンだった。大はスキンヘッド。小は角刈り。そして、三人共お揃いの棘付き肩パッドを付けていた。

 さながら世紀末か荒くれ冒険者といった様相。如何にもカタギじゃない男達は、如何にも剣呑な雰囲気を漂わせていた。で、何故俺に敵意を?

 

「邪魔するぜ」

「邪魔するなら帰ってくれ」

「あいよぉ……っと、いや邪魔はしねぇ。ちょっとお前さんに話が有ってな」

「って、お前等!? 何でここに! 金なら返し終えただろ!」

 

 どうやら、ガラの悪い三人組は借金取りであるらしかった。

 見たところ、三人共あんまり強くなさそうだ。せいぜい鋼鉄札下位くらいだろうか。リーダーは頭一つ抜けているが、言っても鋼鉄札の域を出てはいない。

 いや、それはいい。ガリダフの言う事が正しいなら、もう彼に用はないはずだ。部屋を見るに儲かってるっぽいし、タカりにでも来たのか?

 

「それがなぁ。まだ終わってなかったみてぇだわ」

「は?」

 

 唖然とするガリダフの眼前に一枚の古い羊皮紙が突き出される。

 パッと見で契約書の内容は分からないが、下の方にケイン氏の名前があるのは見えた。

 

「お、オレの字!? けど、そんなの覚えてねぇよ……!」

「実際にあったんだよ。ほら、ここ見てみろ。利子が残ってるじゃねぇか」

「ひぇえええ……!?」

 

 客である俺を差し置いて、借金取りトリオはケイン氏に凄んでいた。

 対する夜森人はというと、どれだけ稼いでも刷り込まれた恐怖には勝てないようだった。尻もちついて後ずさりなどしている。

 

「金がねぇんなら、お前の持ってるモンで勘弁してやるよ。確か、家ん中に色々置いてあるらしいじゃねぇか。随分待たされたからな、今日中に全額揃えて返してもらうぜぇ」

「待てよ! あ、違ぇ待ってくださいよ! 確かに額はトンデモねぇが、ちょっとずつなら返せる! けど今から全額は無理ってもんだぜ!」

「うるせぇ! どんだけ待たされたと思ってんだ! おっ、なんだこれは? 新しい馬車の骨組みか?」

「ソレは……!」

 

 口論の末、モヒカンが三輪車に手をかけようとした。

 と、それはよくない。俺はその手がサドルに触れる前に彼と車体の間に身体を割り込ませた。

 

「失礼、これは自分の所有物です。奪うというなら、自力で抵抗させて頂きます」

「おぉっと!? す、すまねぇ! 別にお前さんと揉めたい訳じゃねぇんだ……!」

「そうですか」

 

 すると、モヒカンは飛び上がるように退避した。暴力に慣れてはいても、武力に慣れてはいないらしい。

 チラリ、戦車工匠のケイン氏を見る。彼は借金時代のトラウマがフラッシュバックしているのか、トリオの視線に怯えていた。

 ガリダフの借金。はっきり言って無関係だが、懇意にしてる工匠がいじめられてる状況は見ていて気分の良いものではない。俺は口を挟む事にした。

 

「失礼ついでに、その契約って時効になりませんか? 古い書類のようですし、ろくに請求もされてなかったそうじゃないですか?」

「そ、そうだ! 出るとこ出てやるぞ!」

 

 ラリスの借金事情は本で読んだ範囲しか知らないが、債務者には返済義務があると同時に、債権者にも請求責任が発生するはずだ。それを怠った身の上で、今更借金返せは通らないだろう。

 味方になって言い切る。別にガリダフの借金を何とかしたいとは思っていないが、彼が無理な返済に追われて過労で倒れるとかは勘弁願いたい。この人、調度品に金使ってるせいで未だにガリガリなのだ。

 

「ここ見てみな」

 

 対し、モヒカンはにやりと笑って用紙の端っこを指差した。そこには、ガリダフの直筆と思しき字で「何があっても何年かかっても返します」という旨の文言があった。おまけに「返す時は一括」という走り書きも。

 あー、これはダメかも分からんね。

 

「そ、そんなぁ……」

「言いてぇ事があっても、契約は絶対だ。今日中に返してもらうぜぇ」

「ひぃ! た、助けてくれぇ!」

 

 返済額は相当だが、今ある調度品の全部を売れば殆ど返せる気がするんだよな。まぁ死ぬ事はないし、大丈夫っしょ。

 

「大人しく、あの壺とか売りましょう」

「やだぁあああああ!」

「じゃあ貯金出せや」

「それもやだぁああああ! オレぁ明日“にゃんにゃんパラダイス”に予約入れてるんだ! 久々の娼館だから奮発したくてよぉ! 食費切り詰めて貯めてたんだ! 今金無くなっちまったら、もう二度と入れてもらえねぇかもしれねぇ! 頼むイシグロの旦那ァ! オレを助けてくれぇ!」

「「えぇ……?」」

 

 一回痛い目見たはずなのに、性根に変わりはないようである。

 一人の人間として、ガリダフの生き様は嫌いじゃないよ。端から見てる分には面白いから。けど、何だろうね。もっとこう中庸の精神というかね?

 見れば、一党の皆もシラーッとしたジト目でガリダフを見ていた。あ、ちょっとゾクッとした。今夜はコレで決まりだな。

 

「イシグロさん、あんたがコイツの肩ぁ持つってのかい? こっちとしちゃ、誰が払ってくれてもいいんだが」

 

 もう一度、返済額を確認する。普通に払えるが、そんな義理はない。

 ケイン氏がロリダークエルフだったらなぁとか思っちゃう。が、実際は絶食系男子の如きガリガリダークエルフである。どだい無計画に借金するのが悪いと思うのは俺だけだろうか。

 

「ともかく、今日無理なく払える分で良いのではないかと……」

 

 ご利用は計画的にだ。返済計画を立てて貰えれば破綻はしないだろう。

 そう提案してみるが、どういう訳か借金取り連中は今日中の返済に拘っていた。何か入用なのかもしれない。

 

「お主等、何をチンタラやっておる」

 

 と、そこに新たな闖入者が現れる。

 リンジュでは普通だが、ラリスにあっては目立つ装いだった。時代劇の旅人のような合羽に、竹で編んだ笠。腰に大小の刀を佩いている。

 そして、彼の胸には銀細工があった。

 

「小遣い稼ぎと受けてみれば、まさかケチな取り立てだったとは」

「先生、良いところに。よろしくお願いします」

「軽い仕置きだけでいいんだろう……ん?」

 

 用心棒か。近づいてきた浪人風の男は、俺を見るなり何故か硬直した。

 

「あれ?」

 

 かくいう俺も、彼を見て硬直してしまった。なんか見覚えがあったのだ。

 誰だっけ、前にどこかで会った事ある気がするんだよな。

 

「お主、オロチ・ドッポか……!」

「え、違いますけど」

「いや、そこな矮躯の従者。間違いない、ドッポ殿ではないか。俺の名はジンエモンだ」

「あー」

 

 誰だよと訝しんでいたが、思い出した。この人、リンジュの食堂で会った人だ。

 確か、あの時は適当に偽名使ったんだよな。まさかこんなところで再会するとは思っていなかったが。

 

「ふむ……?」

 

 ジンエモンは顎に手を置いて状況を観察し始めた。

 借金取りと、俺に泣きつくケイン氏と、俺の一党という構図。何が起こってこうなってるか、一目瞭然だろう。

 やがて、得たりと頷いたジンエモンは口を開いた。

 

「であれば、工匠殿。その借金、俺が肩代わりしよう。無論、返さなくて結構」

「「「え?」」」

 

 驚いたのはケインさんと俺、あと借金取り達だった。

 呆然とする一同を前に、ジンエモンは肉食獣めいた凄絶な笑みを浮かべてみせた。

 

「その代わり、お主との立ち合いを所望する」

「えぇ……?」

 

 ビシッと指差されたのは俺で、驚いたのも俺だけだった。

 ケイン氏の借金を、お互い初対面のジンエモンが肩代わりする。その代わりに、俺が彼と戦う。

 なにそれ? 意味わかんない。

 

「どういう事なんかの?」

「ご主人と戦いたいからお金出すって話ッスよ」

「だ、そうよ。どうするのかしら? アナタ……?」

「ボクが代わりに()りましょうか?」

 

 そんな中、後ろで見ている皆は気楽そうにしていた。もう少し心配とかしてくれませんかね。

 

「さぁどうする? 断るならば、この話はナシだ」

「ひぇえええ!? 助けてくれ旦那! 何でもするからよぉ!」

「と言われても……」

 

 いやいや、普通に考えて俺に決闘受ける義理とか無いけどね。

 自分でこさえた借金なのだ。やっぱ自分で返すべきだと思う訳で。

 

「ん~?」

 

 ふと、俺は鎮座する三輪車を見やった。それから新しい三輪車の設計図を見た。で、後ろで見守る皆を見た。

 あまり気乗りはしないけど、まぁいいか。

 

「分かりました」

「そうこなくては……!」

 

 結局、俺は彼からの決闘を受ける事にした。

 どうせなら、ガリダフにはパイモさんと楽しく自転車開発をしてほしいしな。

 ともかく、俺は戦う事を決意した。良い経験になるだろうとか思いつつ。

 

 

 

 それから、借金取りを含めた俺達は以前ラザニアを召喚した空き地へと移動した。

 近くにいた衛兵にこれから決闘する旨を伝えると、恨みっこなしの正式決闘が執り行われる事と相成った。それでいいのか、衛兵。

 

 そうして決闘の準備が進んでいくと、空き地の周りには沢山の野次馬が集まって来た。

 俺のセコンドには皆とガリダフが、ジンエモンのセコンドには借金取り三人組が腕組み仁王立ちでついている。ルクスリリアは何故か首にタオルをかけていた。

 

「イシグロさん、がんばってくださ~い!」

 

 野次馬の中から、少女の声援が聞こえてきた。

 例の新人冒険者の武闘家羊人少女である。彼女の隣には一党員の剣士くんと魔術師くんの姿もある。

 

「ドッポ……いや、イシグロ殿か。噂は聞いている。なにやら、あのヤスケを斬ったそうじゃあねぇか。なるほど、偽名を名乗った理由に察しはつく……」

「そうですか」

「俺はてっきり桜闘会で会えると思っていたが、まさか総合の方にいたとは。そして、ドッポ殿の正体がラリスの剣豪だったとはな。いやはや、僥倖であるな……」

 

 くつくつと笑うジンエモンは、妖しい手つきで刀の柄尻を撫でていた。

 その目には、銀細工らしい狂気が渦巻いている。この人、戦闘狂タイプか。

 

「決闘開始の宣言をしろ、衛兵」

「は、はい。決闘開始ィ!」

 

 今、銅鑼もゴングもなく、真剣を使った決闘が始まった。

 ざわついていた観客が静まり返る。ジンエモンは腰を落とし、鞘に収まった刀に手をかけ、静止した。居合の構えである。

 経緯はともかく、相手は本気も本気のご様子だ。リンジュでの素手喧嘩と違い、斬れる刀を持っている。対する俺も無理やり戦闘思考のギアを引き上げ、腰の無銘を引き抜いた。

 

 彼我の間隔は野球の投手と捕手程度。銀細工の剣士からすれば、一足一刀の間合いである。

 相手は刀使いの侍で、居合の構えを取っている。堂に入った立ち姿からは、自身の剣速に対する絶対的な自信が見て取れる。

 剣と刀、睨み合いが続く。野次馬の息を呑む音がやけに響いた。

 

 さて、どうしたものか。

 

 無月流の教えに従い、状況と環境を確認する。

 場所は空き地で、周りに観客。派手に動くと一般人を跳ね飛ばしてしまいそうだ。上手く集中できてないので、【朱鷺流れ】は使えそうにない。

 

 相手の構えは居合だ。左から右方向へ、横一文字か斜め上か。ともかくジンエモンは剣速に自信ニキ、と。

 ゲームチックな異世界。抜刀術もゲーム仕様で、鞘から抜き打つ片手斬りが何故だか両手振りより威力が出る。加えて、達人らしい彼の居合からは飛ぶ斬撃のような謎の必殺魔剣が飛び出てくるかもしれない。それも考慮しないとな。

 練り上げられた技なのだろう。いつものような【受け流し】カウンター戦法は、少しリスキーに思えた。

 

「どうした、来ねぇのかい?」

 

 居合姿勢のまま、摺り足でジリジリ近づいてくるジンエモン。

 対し、俺は一歩後ろに下がった。

 

 速くて強い抜刀術。とはいえ、どこまで行っても居合は居合。対処法は思いつく。

 幻惑歩法による間合い騙し。遠隔からの各種魔法に、ナイフや投げ矢といった飛び道具。いっそ騎士ジョブに変えて盾を使うのもアリだろう。

 水の如き無の構え。臨機応変、千変万化。それが俺のバトルスタイルで、これによって多くの敵を倒してきた実績がある。ゲルトラウデ師匠もこの道でオッケーと太鼓判を押してくれた。

 問題は、ないはずだ。

 

「いや……」

 

 我知らず、否定の声が漏れた。無銘の柄を握り込む。

 ジンエモンは銀細工だ。強いのだろう、速いのだろう。剣術なら俺より上で、正面からは分が悪い。絡め手使えば勝てるだろうが、絡め手なしじゃあ苦戦する。これはそういう勝負である。

 けれど、これから俺は銀細工より強い奴等と戦う事になるかもしれないのだ。失礼な言い方になるが、この程度の剣士相手に小細工を使っているようでは、いつまで経っても第三王子に追いつけない。

 

 エリーゼに言われ、皆に誓った王の道。

 であるならば、この程度、戦闘以前の蹂躙で然るべきだ。できる、できるのだ。

 迷いは、晴れた。

 

 俺は左手でコンソールを操作し、“魔法剣士”から剣士系上級職の“ソードエスカトス”にジョブチェンジ。

 それから、無銘の柄を両手で握り、迷宮で使い込んだ攻勢の構え――【切り抜け】る為の予備動作を取ってみせた。

 

「ほう……!」

 

 銀細工らしい狂気から、ジンエモンの口の端が歪む。

 意図は伝わった。要するに、正面からの剣術勝負で決着をつけようというのだ。

 やる事は単純。真っすぐ行って、叩き斬る。

 

 呼吸を整える。一歩、前に出る。対手も一歩前に進んだ。【剛剣一閃】は使わない。発動モーションが察知されたら、すぐに襲ってくるはずだ。

 間隔が狭まる。互いの剣の領域が混ざり、浸食し合う。やがて、前世地球の剣道の間合いになった。

 

 静寂が張り詰める。言葉もなく、二人にはこの一刀で終わる確信があった。

 今一度、決意をする。何も博打をしようってんじゃない。ただ俺は、俺の戦績を信用しただけである。

 

 弓の弦が絞られるような、喉奥を締め付ける時間感覚。

 その中で、俺は平静を保っていた。戦場に順応する。迷宮でそうしていたように。戦いなど、日常の一つに過ぎないのだ。深い集中状態など要らない。お前など、その程度だ。

 瞬間、ジンエモンの目が見開かれた。

 

 ――交錯。

 

 瞬きと同時、二人は互いの武器を振り抜いていた。

 擦過、須臾。その時まで、互いに勝利の確信があった。

 

 すとん。僅かに湾曲した刃が、戦場の隅に突き刺さった。

 風が吹き、遅れて侍の横腹から血が噴出した。

 

 確かに、剣の速度は俺が負けていた。

 だが、無銘がそれを断ち切った。

 正しい剣の軌道の中へ、俺は無銘をぶち込んだのである。

 

「ば、バカな……!?」

 

 そうだ。俺の愛剣は、どんな無茶にも応えてくれる。

 一年前からずっと、俺の素人剣法に付き合ってくれた武器なのだ。

 畢竟、俺に合わせた珠玉の剣が、俺の成長を見越していないはずがないのである。今、彼の言葉の意味が分かった。

 

「回復しますよ」

「くっ、かたじけない……」

 

 わぁああああ! 今更響く歓声の中、俺はジンエモンの傷に手のひらを向けた。

 地球人なら死んでいただろう傷口に治癒魔法を放つ。光を受ける傷は止血され、やがて内部の損傷が回復した。

 

「イシグロ殿、この程度で結構だ」

「まだです。痕が残りますよ」

「だからこそだ。傷を見る度、この戦いを思い出せる……」

 

 言って、渋い顔をして立ち上がったジンエモンは、借金取り達に金を渡していた。

 

「迷惑をかけたな。それでは、御免……」

 

 刀を回収し、笠を被った浪人が去って行く。

 風になびく合羽が、最高に粋だった。

 

「ひゃっほぉーい! 流石旦那だ! アダムスの奴が気に入るだけあるぜ!」

「ええ、まあ」

 

 ふと思い至って、努めて頼もしく応えてみる。一党の皆も満足げに後方彼女面をしていた。

 決闘のお陰で、俺の迷いは晴れたのだ。多少イキッても罰は当たるまい。

 

 俺の強化方針は決まった。

 これから、俺は上位ジョブの育成に入る。

 初志を忘れた訳ではない。汎用性を上げる事は、長い目で見て俺を強くしてくれる。

 だが、それは今じゃない。

 

 下位ジョブ埋めは一旦休み。来る決戦に備え、少しでも多くステータスを上昇させる。

 レベルを上げて、物理で殴りに向かうのだ。

 

「あ、でもケインさん」

「なんだい? いやぁにしても気分いいぜぇ! 見たかよアイツ等の顔! ありゃ旦那の力にビビッてたぜ!」

 

 それはそれとして、彼には言っておきたい事があった。

 

「ケインさん、さっき何でもするって言いましたよね?」

「へ……?」

 

 地球でも異世界でも、その言葉はギアスに匹敵する効力を持つ。

 好き勝手に借金こさえて、挙句俺とジンエモンさんに尻拭いをさせる始末。この者、ただで済ませていい訳がない。

 そんな訳で……。

 

「うぉおおおおおお! 脅威のスケベパワァアアアアア! 早くしねぇと爆発しちまうぜぇえええええ!」

 

 予約分の仕事が終わるまで、彼には娼館禁止を約束させた。

 ちょっと可哀想な気もするが、今回ばかりは少々の罰を受けて頂こう。

 

 あと。自転車の研究費用を融資させてもらった。

 せっかくだから、自転車開発にパトロンとして噛ませてもらおう。完成した暁には、優先的に売ってもらう予定だ。

 

「わしも主様の知ってる自転車に乗ってみたいのじゃ」

「乗れるでしょうか。足が届かない気が……」

「小さいの作ればいいんだよ」

「アタシは後ろがいいッス!」

「なら、交代して二人乗りましょう。作るのは四台でいいわ」

 

 俺は、自転車デートを諦めてはいないのだ。

 

 

 

 

 

 

「やっちまったぁあああああああ……!」

 

 一方その頃、粋な侍を気取って場を離れたジンエモンは、人気のない路地裏で頭を抱えていた。

 多額の金でイシグロと決闘した事自体に悔いはない。けれども、愛刀の喪失には強いショックを受けていた。

 尋常な決闘での事、恨みはないがショックなもんはショックである。

 

「どうしよう、予備なんて脇差しかねぇよ……! リンジュに帰るか? いやそれはちょっとダサくねぇか?」

 

 あまり迷宮に行かないジンエモンだ。銀細工の割に、彼の財布に余裕はない。約束通り借金を肩代わりしたせいで、上等な刀を買える程の金はなかったのだ。

 金策すべく迷宮に行こうにも仕事道具がないとどうしようもない。流石のジンエモンも脇差一つで未知の迷宮を踏破できるとは思っていなかった。

 それに、リンジュならともかく、ラリスにまともな刀があるとは思えない。リンジュからこっちに来た手前、トンボ返りするのも気が引ける。

 

「はぁ、どうすっかなぁ……」

 

 折れた刀を見て、重い溜息を吐いた。

 せめて、この刀身をくっ付けてくれる鍛冶師がいれば、当座を凌ぐ事はできるのだが……。

 

「あ、あの、大丈夫ですか……?」

「おわ!?」

 

 突如、ジンエモンに影が差す。慌てて振り返ると、彼の前には巨人がいた。

 身長二メートルを超える巨女である。その顔立ちは幼い。彼女の大きな手には、裁縫用と思しきカワフルな毛糸玉が入った袋が提げられていた。

 誰あろう、大羅山人(ダイダラボッチ)のボッチちゃんである。ラリスの生活にも慣れて来て、つい先月齢十七を迎えた乙女だ。イシグロの刀を打った鍛冶師でもある。

 

「あ、それ、師匠の打った作ですね」

「へ? 師匠……?」

「はい。わたし、刀鍛冶なんです。その刀を打った人の弟子です、はい」

 

 人間万事塞翁が馬。 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。禍福は糾える縄の如し。

 こうして、彼は新たな刀を手にし、後々より強い刀を手にする事となる。

 が、それは少し先のお話。

 

 ともかく、なんやかんやジンエモンはラッキーだったとさ。




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 先にハクスラですかね。
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