【一巻発売中】たのしい異世界ハクスラ生活、あるいは超紳士的英雄譚   作:いらえ丸

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 はい、風邪引いてました。
 不幸中の幸いで、近年のアレとか毎年のソレとかではなかったのですが、それでも結構苦戦しました。
「風邪とか一日寝れば治るだろw」などと、その気になっていた俺の姿はお笑いだったぜ。
 てかまだ完治はしてません。本調子とは言えない状況です。俺、この病気が治ったらラーメン食うんだ……。



◆これまでのあらすじ◆

 イシグロ一党に新たなロリが加わった。
 彼女の名はシャーロット。由緒正しきルーン使いの末裔である。魔物災害によって故郷を失ったシャーロットは、件の魔物に復讐を誓っていた。
 そんなこんな、事情を知ったイシグロは彼女の復讐を成就させる為、例によって例の如くロリ奴隷強化計画を実施。その過程で、万能の天才パイモによって新たなルーンの可能性を見出される事となった。


ひろりぼっちの反逆(上)

 粘獣迷宮。

 粘体のケダモノという名の通り、スライム系且つ獣系のエネミーが出現するダンジョンである。

 迷宮ランクは中位で、タイプは屋外型。フィールドの見てくれは、端から端まで黒結晶で形成された渓谷といった感じ。そこを、粘液滴るスライム・ビーストが闊歩してるというのである。

 

 また、このダンジョンに出現するスライム達は全種に共通して物理攻撃に対する吸収属性を持っており、それどころか一部強エネミーは吸収した物理ダメージを反射してくる。簡単に言うと、普通に殴ったら回復ないし反撃されるのだ。物理偏重パーティからすると、完全に詰みのクソダンジョンである。

 攻略法としては、シンプルに魔法で焼き払うのが手っ取り早い。しかし、ここのスライムは前世ゲームでよく見たスライムにありがちな鈍重ぷにぷに君ではなく、獣らしく足が速い上に群れを成して襲ってくるのだ。基本的に足の遅い魔術師視点、これまた困ったさんである。

 

 ステージはシンプルで、エネミーはアンチ物理オンリー。基本、魔法でのみ対処可能な獣型スライム・ダンジョン。

 そんな魔術師殺しの結晶谷を、赤髪のルーン使いが駆けていた。その後ろを粘体獅子の群れが追いかける。

 振り返る事なく、ルーン使いの少女は息切れ一つせず走っていた。どう見ても逃走の只中ながら、その表情に焦りはない。その逃げ足は魔術師にあるまじき程に速く、背後の状況を睥睨する眼差しは熟練の狩人の様。事実、この時の彼女には余裕があった。

 何故か? 現在、彼女には世界がスローに見えているからだ。手札を吟味する時間があれば、如何なる状況でも冷静でいられる。

 

 やがて、少女は切り立った結晶の壁に辿り着いた。停滞した世界が戻り、遠く鈍間に見えていた獣が尋常な速さを取り戻した。

 袋小路である。獣の群れは獲物を包囲するように移動した。赤毛のルーン使い――シャーロットは、壁めいた結晶に逆手に持った短剣を突き立て、背後を振り返った。視界いっぱいに、粘液を滴らせる魔物の群れ。

 低い唸りを上げつつ、徐々に包囲を狭める魔物。一際大きな獅子が吠える。一斉に襲い来る。待った、来た、決まった! 我知らず凄絶に笑んだシャーロットは、壁に突き立てた短剣を引き、未完成のルーンに画竜点睛の一行を書き加えた。

 瞬間である。予め壁に刻まれていた特大ルーンが発光し、ついに動き出した粘体獅子の群れ全体に赤黒い電流が奔った。雷属性魔法の付帯効果“麻痺”による硬直だ。

 魔法による罠だろうか? 否。魔道具による麻痺だろうか? 否。きっかけは最小規模の雷魔法。例え顔面に直撃しようとも気づかない程の電流を起点に小数点以下の確率を操作し、群れの全てが硬直するよう因果律を操作したのである。

 

 当然、このような隙を見逃すシャーロットではない。左手の杖に魔力を籠めつつ、右手のナイフで新たなルーンを刻んでいく。

 生成した魔法は角灯の如き小さな火。刻む理は“浸透”。触媒を通して形成された種火に、本来あるべきでない外の理が宿る。

 

「対象指定、範囲拡大、魔力過剰充填、【爆焔】!」

 

 小指大の火の粉が一つ、硬直する獅子の身体に着弾し、浸透し……やがて身体内部で爆発した。

 粘体が爆ぜ、膨れ上がった炎が爆心地の周囲をも巻き込み焼き尽くす。親玉確殺で放たれた魔法は、見事に会心の一撃を与えていた。

 しかし、群れは全滅していない。指令を失った粘体獅子が、硬直を解くなり本能に従って襲ってきた。

 

「遅ぇ……ッ!」

 

 当然、視えている。加速のルーン。停滞した世界で、赤髪の森人が後から動いて先行する。

 手札を探り、最適解を導き出す。短剣が迸る。世界の理が軋みを上げる。順序よく、整然と、ルーン使いが支配する。

 殲滅の工程は、三つ。

 

 一、小さなルーンを刻む。

 二、触媒に魔力を溜める。

 三、一つ目のルーンを書き終え次第、二つ目の魔法を汎用ルーンで強化する。

 

 隙を生じぬ二段構え。

 これで殺せる。

 

「範囲拡大、魔力過剰充填、【氷波】!」

 

 視界が戻る。獣が動く。同時、森人の杖から放たれた氷の波が、迫り来る獣達を圧殺した。

 だが、その程度で息絶えるほど異世界の魔物は甘くない。凍死、あるいは圧死した同胞を踏み越え、残る獣が四肢を躍動させる。次の瞬間、生き残った獣の動きが停止した。

 重力を無視し、跳躍の体勢を維持している。氷の波を抜けた獣は、網にかかった魚のように停止した。否、厳密に言うと、止まってはいない。止まって見えてしまう程、その動きが遅延しているのだ。

 座標指定、時間差発動、その他いくつかの縛りを加えた上での足止めルーンである。冷淡な眼をした森人は次なる魔法を詠唱し、停滞した魔物一匹一匹に雷の矢を打ち込んでいた。

 それは、戦いではなく、駆除だった。

 

 群れを殲滅した直後、遠くから地鳴りのような震動が響き渡る。

 此処の魔物はスライム系であると同時に、獣の特性を持っている。つまり、音に敏感なのである。爆焔の次の氷波によって、同胞の死が知らされたのだ。

 やがて、それは姿を現した。

 

 蒸気のような鼻息を吹き、光沢のある体躯が猛進する。毒の粘液を噴出させ、物理無効の純物理アタッカーがやって来た。

 即ち、漆黒の粘体猪である。

 

 足音を察知した頃には、既にシャーロットは動いていた。再度、加速をかけ、短剣を振ってルーンを刻む。

 それは角ばった魔法陣に似て、複雑な陰陽陣のようで、幾何学模様の集合体のようだった。

 まさに、ゲーミング・ルーン・コード。虹色のルーンが完成する。

 

 彼我の距離は遠い。魔法を撃っても避けられる。罠を張っても跳び越えられる。だからこそ、やるのだ。

 左手の杖で【氷の穂先】を発動。木の根を削り出した杖に氷の刃が装着される。氷柱の槍に変じた杖を、森人は無造作に件のルーンに突き立てた。

 次の瞬間である。

 

 ずぶり、と。

 ルーン越しに、氷越しに、杖越しに、シャーロットは敵の核を貫いた手応えを得た。

 漆黒の粘猪は、突進の勢いのまま転倒し、盛大に地を滑った。

 見れば、虚空に向かって突き出した氷の槍は、虹のルーンを境に消失していた。

 矛を撃ち出したのではない。魔法が消えたのでもない。ただ、切っ先の座標を操作した。

 遠間からの一方的な近接攻撃。要するに、敵の体内――スライムの核の前に、空間を繋げて刺突したのである。

 

「ふぅ……やったぞ!」

 

 会心の一撃(クリティカル)、魔物は死んだ。

 一人でできるもんチャレンジの結果、見事に達成したシャーロットは嬉しそうな声を発した。エルフ耳もぴこぴこ動いている。

 彼女の勝利を確認すると、隠れていた一党員が姿を現した。皆、口々に賛辞を述べる。

 

「いやまさか、こうも化けるとは……」

 

 そんな中、イシグロはどこぞの淫魔がもたらした恩恵に顔を引きつらせていた。

 因果律操作能力だけでもヤバいのに、そこに時空間操作能力まで付いたのだ。

 こんなの、一人ダイヤモンド・パールである。

 

「次もアタイにやらせてくれ! 魔力には余裕があるからな!」

 

 おまけに低燃費ときた。

 イシグロは、「やっぱ、これ上に報告すべきかな」と思った。

 

 

 

 

 

 

 結論から言うと、ルーン技術は強かった。

 強かったというか、なんかズルかったのである。

 

 ルーンとは、世界の理に干渉する御業である……らしい。

 とはいえ、これまでシャロが練習してたルーンはあくまでも魔法か陰陽術の親戚といった具合で、そういう魔法システムを持った異世界とかありそうだなって印象の技術体系に過ぎなかった。

 世界の理が云々って言うほど? みたいな。

 

 しかし、だ。パイモさんの編み出したルーンとくれば、どうだ。

 一言で言うと、無法だ。

 

 いくつか例を挙げよう。

 武器工匠・アダムス氏の店でやらかしてたルーン、仮称【時止め】。これは、俺の予想通り世界全体の時間を停止させて術者だけが動けるといった仕様ではなく、一定範囲の人類の時間を停止させるものであった。つまり、某偽弟の時止めである。

 もう一つ、「体感時間を止められるなら加減速も出来るんじゃね」と某正義の味方になりたかった人の魔術を提案してみたところ、パイモさんは一〇分で作ってくれました。マジかって感じだが、出来ちゃったものは仕方ない。幸い元ネタと異なり、ルーンでの体感時間制御に身体への負荷はなかった。その代わり、魔力を注いで効果時間延長などといった応用は利かず、予め設定しておいた時間でのみ発動するようだった。前述の時間停止と違い、こっちは実戦での使い勝手がすこぶる良かった。

 その他、位置の入れ替えとか、時間差攻撃とか、一定範囲の物理運動の遅延とか色々。時空間干渉系能力は強キャラの証である。どう考えても強い。

 

 で、時空間系ルーンが誕生すると、戦闘で出来る事が増えていき、ルーン使いの戦闘法は一から組み直しとなった。

 防具が届くまでの間、俺達はパイモさんと一緒に様々な検証と考察を行い、それらを纏める事となったのである。

 既存のルーン戦闘術と掛け合わせ、実戦での立ち回りを組み立てる。こうなったらああする。ああなったらこう返すといったように、一定の型を造っていった。

 何か、ルーンを用いた武術でも創ってるみたいだった。あるいはカードゲームのデッキ構築の気分。

 そして、以下が最新環境に最適化させたルーン・コードのデッキである。

 

 汎用コード。

 これは、以前までと同じルーン技術の基本的な使用法である。無から氷を生み出したり、炎を水に変えたり、主に魔法の補助として使う。

 

 攻撃コード。

 ケナズ式に不足していた戦闘用ルーン・コードで、通常魔法のように直接ダメージを与える為のコード群だ。

 魔法触媒の方で何かしら補助行為を行う時に使う感じになるだろう。

 

 特殊コード。

 別名、パイモ・コード。魔法補助でも直接攻撃でもない特殊条件で用いるルーン・コードだ。

 時空間干渉系ルーンがこれに該当し、中にはエリーゼの【竜の裁定】みたいなものまで存在する。

 

 そして最後に、必殺技コード。

 決まれば勝ちのルーン・コードで、ぶっちゃけロマン技の類いである。イリハの【天意流転領域】に近い。

 

 膨大な量のルーンを集計・検証し、実戦での使用に値するものをカテゴリー分けした結果、先述の計四つの型にはめた。

 加えて、これらを運用する術理と鍛錬法を吟味し、既存の技術と組み合わせて再構築した。

 結果、シャロは化けた。

 

「うぇ~、なんだこのヌルヌルの玉? こんなんがホントに売れンのかよ?」

「いや、これヌルヌルボールじゃねぇ。ズルズルボールだ」

「どっちでもいいじゃない……」

 

 ちなみに、粘獣迷宮はあっさり踏破した。

 護衛がいれば、長いルーンも出来なくないのだ。

 

 

 

 初陣以降、シャロのレベリング迷宮探索は快進撃を続けていた。

 次から次へと、毎日迷宮に潜り、その全てを踏破していた。

 毎日のように、ではない。実際に毎日潜っているのである。

 

「ひゃっはー! こいつぁ楽でいいいぜぇーっ! 石落とせオラァアアアアッ!」

 

 時に、経験値目当ての巨像を破壊し、

 

「転がしちまえばこっちのもんよ! 死に晒せデカブツがぁ!」

 

 時に、巨体モンスを転倒させて封殺し、

 

「しゃあっ【氷波】ッ!」

 

 時に、魔法無効の亀の耐性値を反転させ、魔法連打で圧殺……。

 強い、というかズルい。というか無法である。

 

 加速ルーンのお陰でスピードアップした分ルーンによる隙は減っているが、とはいえそれでもピンチになる時はなる。

 しかし、彼女は魔物への恐怖に飲まれる事はなく、その日も次の日も笑って魔物を殺しまくっていた。

 

「う~ん、やっぱ攻撃ルーンは殆ど使う機会が無ぇなぁ……」

「ぶっちゃけ封印安定な気がする」

「そうね。忘れずとも、意識するだけ無駄かもしれないわ」

「ひとまず、魔法が使えない時用にもっと数を搾るのは如何でしょうか?」

 

 迷宮探索の最中、各種コード群を用いたルーン武術は適宜修正されていった。いざ実戦で使ってみたら、微妙に役に立たないルーン・コードがあったりしたのである。

 分かりやすいのが、【時止め】だ。驚いた事に、あるいは当然に、例の一割の時間停止はボス級・銀細工級の対象には通らなかったのだ。いや全く通用しなくはないのだが、想定より早く解除されるというか。そうなると、晒す隙の割に恩恵が少ない。

 これに関しては、俺達一般人類も同様だ。予め身構えていれば、【時止め】に抵抗できちまえるのだ。恐らく、ガッツリ決めるなら会心(クリティカル)じゃないといけないのだろう。

 だから、使い勝手のいい自身の加速か敵の減速を使っている訳で。凄くカッコいい【時止め】だが、ロマン技の域を出る事はなかった。

 

「ここの敵の弱点は覚えてる?」

「ああ、水系だろ?」

 

 で、だ。

 昨日の粘獣迷宮に続き、今日この日も迷宮稼業に勤しんでいた。

 

 今現在、俺達一党が潜っているのは暑い超えて熱いまである砂漠ダンジョンだ。

 俺もシャロも種族的な暑さ耐性を持っていないので、防具の補助効果と耐性ポーションで何とかするしかない。

 まぁそれでも暑いんだが。裸よりはマシである。

 

 

 

◆ルーニアの狩装束◆

 

 物理防御力:400

 魔法防御力:450

 

 補助効果1:自動修復

 補助効果2:環境適応

 補助効果3:全状態異常耐性(大)

 補助効果4:魔力回復(大)

 補助効果5:魔法防護(小)

 補助効果6:体温保護(中)

 補助効果7:精神異常耐性(大)

 補助効果8:祝福(風)

 

 

 

 ついに完成したシャロの防具。性能としては、足の速い魔術師用といった具合である。如何なる場所でも動き回れるよう“環境適応”を付け、風属性への親和性を上げて二段ジャンプも使用可能にした。

 見てくれは麻を用いた服の上に如何にも魔術師チックなマントのセットである。どことなくドルイド味を感じるデザインだ。

 また、アクセサリ枠のマントの中には、各種ルーンを補助してくれるメダルを仕込んであるそうな。そこに加えて、左手に木星杖。右手に豪奢な短剣。そして大きくて尖った耳の炎髪灼眼ロリエルフ。

 こうも揃えば、皆が想像する魔術師エルフである。実際、シャロは千年以上生きたエルフの魔法使いなのだ。某天秤大魔族にアゼられても勝てるんじゃないかな、知らんけど。

 

「亭主殿、歩く方向はこっちで合ってンのか?」

「ん? あぁ悪い。このまま真っすぐ行けば、ボスのいるとこに着くはずだ」

「ん、マスター、ぼーっとしてる」

「この程度で体調を崩すなんて、人間って大変ね」

「エリーゼも砂に足を取られないよう気を付けてくださいね」

 

 シャロのパワー・レベリングにおいて、我が一党はメンバーをローテーションしていた。とりま俺とシャロは固定で、そこに残る誰か三人が加入する計五人編成である。

 今回の留守番枠はルクスリリアとイリハである。今頃、適当に街をブラついてるんじゃないかな。

 

「いたぞ。ヤバそうな群れだから、ルーン待ってからエリーゼ砲。いけるか?」

「了ッ解ッ!」

「エリーゼ砲ってなによ……」

 

 見敵必殺(サーチ・アンド・デストロイ)。見つけ次第、どんどん魔物を倒していく。

 初迷宮の頃から、シャロは魔物に対する殺意が高かった。

 正直、境遇もあって怯えるものと思っていた。だが、違った。良くも悪くも、怨敵を前にして燃え上がる性質だったのである。

 ケラケラ笑って、酒を呑んでは酔っ払っても、シャロは既に覚悟完了しているのだ。

 

「死ねぇえええええッ!」

 

 戦闘が始まって暫く、ルーンで以て翻弄し、水の鞭を振り回し、凄まじい形相で魔物の殺戮を続けるシャロ。その双眸は見開かれ、明らかに尋常ではなかった。

 エリーゼとグーラに曰く、最近のシャロは戦いに酔いかけているらしい。

 

「シャロ! 突っ込み過ぎるな! 皆、行くぞ」

「世話の焼ける子ね」

「ん、助ける」

「砂嵐が迫っています。早く終わらせて、対策しましょう」

 

 連日の迷宮探索は、彼女の精神に悪影響を与えている。

 今でこそ顕在化していないが、いずれ取り返しのつかないところまで進行するかもしれない。

 そろそろ、無理にでも休ませるべきだろうか。

 

 復讐の後も、シャロの人生は続くのだから。

 

 

 

 そして、その懸念はすぐに的中した。

 

「やだやだやだやだ! シャロ迷宮行くぅううううッ! 行くのぉおおおおおッ! うわぁああああああ!」

 

 床に背をつけ、手足をバタバタし、ギャースカ喚く二〇〇〇歳児。

 言ってる内容が「殺戮したい」なあたり、全く無邪気とは言えまい。

 

「もう、昨日約束したでしょう? 今日はお家でゆっくりするって」

「ご主人様もお疲れでしょうし、あまりワガママを言うものではありませんよ」

「ほ~れ、シャロの好きな火酒を用意したからのぉ」

「やだぁあああああっ! 殺したいのぉおおおおっ! うんこうんこうんこうんこぉおおおおッ!」

「よく見ておくといいッスよご主人。長命種って、たまに子供に戻るんス」

「ん、アダムスには見せられないね」

 

 ともかく、何とかしなくてはならない。

 俺はシャロのイヤイヤ期に対応すべく、代案はないか思案するのであった。




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◆イシグロ一党の年齢(現時点)◆

・石黒力隆
 23歳

・ルクスリリア
 21歳

・エリーゼ
 約140歳

・グーラ
 1●歳

・イリハ
 約200歳

・レノ
 詳細不明(20歳以上)

・シャーロット
 2000歳以上(第一次魔王戦争前生まれ)
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