【一巻発売中】たのしい異世界ハクスラ生活、あるいは超紳士的英雄譚   作:いらえ丸

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 感想・評価など、ありがとうございます。やる気に繋がっています。
 誤字報告も感謝です。マジで助かってます。

 キャラ・ボスのご応募もありがとうございます。
 有難く使わせて頂きます。

 何回も書きますが、ご応募いただいたキャラを登場させる際は、みんな例外なく作者がメタクソに弄り倒してから登場させます。
 善人が悪人に、二枚目が三枚目になったりします。ご了承ください。

 今回は三人称、一般通過銀細工がメインの話。
 長くなりそうだったので前後編に分けました。

 以前登場したキャラが再登場します。
 ウィードです。イシグロと一緒に森に行った犬人斥候です。

 主人公たちの動向についてはおいおい。


王都はおっさんの夢を見る 前篇

 終末が近い。

 

 静かに、けれど確かに迫りくる圏外からの脅威。

 王家が正式に発表した訳でもないが、その気配を王都民の多くは薄々感じ取っていた。

 ほんの少しの兆候があり、なんとなくそんな空気が流れていたのである。

 

 まず、王家の招集により、街から高名な斥候が外に出て行った。

 次に、これまで外か内に籠っていた金細工持ち冒険者が、街に姿を現すようになった。

 それから、西区を代表する銀細工持ち冒険者達が各々の拠点に戻ってきた。

 

 何かが始まる。何かが変わる。

 

 嵐の前の静けさというべきか。ともかく、逃れえぬ伽噺の戦いを前に、王都の人々は得体の知れない畏れを覚えていた。

 それは、魂の奥底にまで根付いた感覚であった。何かが来る、そういう予感がする。

 けれども、王都の民は絶望だけはしない。

 

 諦観と楽観、恐怖に耐える勇気。

 根本的に、異世界人は地球人とは魂の強度が違う。

 破滅を前に笑うのが異世界人だ。だからこそ、王都の民は今日も今日とて希望を抱いて生きられる。

 

 王が人類を守護し、英雄が民を守る世界。

 そんな世界で、民はただ生きる。

 生きる事こそ、人類の至上命題なのだから。

 

 

 

 王都西区、転移神殿。

 

 本日も冒険者たちで賑わっているこの場所は、例年よりも活気があった。少し人が増えたのだ。

 新人冒険者が増えたのもあるが、今年は洗礼の生き残りが多いのだ。それから、これまで違う神殿を拠点としていた冒険者がやってきたり、ここしばらく西区から離れていた冒険者が戻ってきたというのもある。

 

 そんな転移神殿の一角に、三人の冒険者の姿があった。

 活気ある神殿内にあって、彼らの周りの空気は煤けていた。

 

「は~、おっさんがいなくなってる間に、此処も変わっちまったな~」

「元々そんなもんでしょう。忘れちゃいませんか? 大抵の冒険者は一ヵ月生き残れないんですよ。まあ、今年は豊作な様ですが」

「オレからしちゃあ、人間なんてちょっと見ないうちに墓ン中だけどな」

 

 入口最寄りのバーのテーブル席。そこでは、三種三人の男が朝っぱらから酒を呑んでいた。

 彼らは一様に使い込まれた装備を身に着け、如何にも迷宮探索用の武器を携帯していた。そして、何より目立つのが彼らの首にある三つの銀細工であった。

 

「知らねぇ顔ばっかだよ。なんだ、顔見知りはみ~んな死んじまったのかね?」

 

 その中の一人、犬人族の中年男性が気怠そうに杯を呷った。くすんだ金髪といい、小汚い無精髭といい、疲れているはずもないのに怠そうにしているおっさんだ。

 リカルトの座る椅子には二挺一対の手斧が立てかけられていた。疲れた風のこの男は、三人の中で最も腕の立つ冒険者であった。さながら強いおっさんだ。

 

「みたいですねぇ。あたしとしましては、頼れる前衛がいなくなるのは心苦しいです。あたしぁ貧弱ですから」

 

 そう言ってため息をついたのは、狐人のソルトだ。濃い茶色の髪に、種族特性由来の若々しい容貌。吊り上がった眼は糸の様に細かった。

 ソルトの傍らには大きな弓と矢筒が立てかけられていた。この男は状態異常付与に特化した弓使いである。また、冒険者業以外にも毒薬の作成や販売もやっていて、この中だと一番儲けている。いわば賢いおっさんだ。

 

「すぐ取り戻せるってんで金ぁ殆どヴィンスで使っちまったからなァ。娼館行く金もねぇよ……。はぁ~、このままだと股間が爆発しちまうぜ」

 

 言って、度数の高い酒を呑む夜森人(ダークエルフ)の男。名をアルバートという。煌めくような銀髪に、褐色の肌。その顔立ちは美形の多い森人の中でも一等精悍であった。

 アルバートの腰には二振の曲刀が下げてあった。この男は卓抜の双剣士である。剣速に限れば銀細工でも上位に匹敵する。まさに速いおっさんだ。

 

 元々三人は西区を拠点としていた銀細工の一党であり、つい先日まで外で活動していたのだ。

 犬人と狐人と夜森人。性格も性癖もまるで違う三人組。“猟斧”のリカルト、“苛み茨”のソルト、“銀色風”のアルバート。その知名度は良くも悪くもまぁまぁ高い、ある意味西区の名物冒険者である。

 通称、西区の三悪。またの名を、まるでダメなおっさん達。略してマダオだ。

 

 このおっさん達、揃いも揃ってクズである。

 

 強いおっさんことリカルトは、ギリギリ犯罪じゃない範囲の新人いびりをするのが大好きな迷惑なおっさんであり。アルハラパワハラセクハラ完備のトリプル役満パーフェクトクソ先輩だ。

 普段はあえて大衆酒場に入り浸って木札持ちの新人冒険者に足を引っかけてインネンをつけ、初心者を“歓迎”するのを趣味としている。

 

 賢いおっさんことソルトは、信じられない程の守銭奴で金になるなら犯罪スレスレの事も平気でやらかす。

 彼の金銭目的の悪行は数知れず、殺人・強盗・恐喝・窃盗・詐欺・婦女暴行・密輸・誘拐・放火以外は大抵やっている。儲けた金は、毒の実験用奴隷の購入に使っている。なお、購入するのは決まって美女だ。趣味と実益を兼ねているのである。

 

 速いおっさんことアルバートは、森人にしては珍しく大の女好きであり、かつ他人の女を寝取るのが趣味のゲス野郎だ。実際、これまでいくつもの一党の人間関係を潰しており、故に今も各地のギルドを転々としている。

 ちなみに、アルバートは異世界基準で最高にイケてるメンズである為、彼の性根を知らない女からはめちゃくちゃにモテる。本人もそれを自覚しており、好みの女をこました後は自身に依存させ、依存度が最高潮になった瞬間に捨てるのを最高のオカズとしている。

 

 三種三人。三者三悪。頭がおかしい冒険者の中で、割と社会的に害のある類である。

 ギリギリ犯罪者ではない、捕まってないだけのクズトリオ。

 けれど、腕は本物。グレーゾーンで裁くに裁けない、何とも世渡り上手なおっさん達だった。

 彼らこそ、銀細工持ちの淀みである。

 

「あー、どっかに好きなだけいびって良い活きのいい新人いないかなー」

「いませんよ。いたとしても、すぐ何処かの同盟か一党が誘うでしょう。我々の様な者から守る為にね」

「それもあるけどよ、なんか最近はギルドが囲ってるらしいぜ。才能ある奴ァ」

「なんじゃそれ? お前知ってる?」

「ええ、今朝知りました。なんでも、元銀細工持ちの冒険者を雇って、鍛錬場で迷宮探索の基礎を教え込むんだそうで」

「はーん? そんなんで身に付くもんかね?」

「どうでしょう。前のギルド長の時も似たような事やってコケてたような気もしますが……。こういうの、お上がやって成功した試しないんですよねー」

「へへっ、何ならおっさんが無料でシゴいてやってもいいんだけどな。で、運よく生き残れたらお師匠様よ。いいよな、おっさんも可愛い弟子とか欲しいわ~」

「お師匠! お師匠! ってか。あー、そんな話してたら久しぶりに若い人間の女抱きたくなってきた。何か良いのいねー?」

「ふむ、噂によると北区にいる双子の冒険者が相当な淫売と聞きましたが……」

「んー、今はそういう気分じゃねェなぁ。もっとこう、擦れてない感じがいい」

「そう言われてもですね。なら、安い娼館にでも行けばいいんじゃないですか? それくらいはあるでしょう?」

「安いのは嫌! 前、若エルフ専門店ってんで行ってみたら、どいつもこいつも年上だったっつの! 行くなら高級店一択だろ! まぁそんな金ねーから困ってンだよなぁ……」

「なら、稼ぐしかありませんね。言っておきますが、銅貨一枚貸しませんからね」

「しかねーよなぁ。けどよぉ……」

「あぁ、それもこれも、斥候いないのが悪いよ」

 

 酒を呑みながら、うだうだと駄弁る邪悪なおっさん達。

 腕のいい冒険者だ。金欠ならば、迷宮に行けばいい。が、安全な迷宮探索に欠かせない優秀な斥候役は、今は王家の依頼で出払っているのだ。残ってるのは頼りにならない斥候か、足手まといのザコ斥候のみ。まともな奴はごく僅か。

 そうなると、どこもかしこも良い斥候の取り合い合戦。勧誘が上手くいかなかった場合、斥候なしでの探索になる。無論、つい先日王都に帰ってきて争奪戦に出遅れたおっさん達にまともな冒険仲間が確保できるはずもなく。

 それなら斥候がいなくても何とかなる系の迷宮に潜ればいいのだが、なーんかやる気になれないのだ。斥候さえ、斥候さえ居さえすればという感じである。

 

「いなくなって初めて気づきますねぇ、彼らの有難さに」

「ほんとほんと、おっさん次からは斥候の新人だけはいびらないって決めたよ」

「オレも斥候の女の子には優しくするわ」

 

 それからも、まるでダメなおっさん達は酒盛りを続けた。

 酒場に行けというバーテンの視線に臆することなく、三人は杯を干し続けた。

 しかし、彼らとて何の目的もなく朝から神殿に居座ってる訳じゃない。飲みながら、探しているのだ。とある冒険者を。

 

「ん? おい、アイツ……」

 

 朝から吞み始めてそろそろお昼という頃、この中で最も感知力の高いリカルトが片耳を震わせた。

 視線に釣られて見ると、その先で見知った緑髪の犬人男を発見した。彼こそ、目当ての人物であった。

 けれど、その容貌は以前とは違っていた。欠損して久しいと言っていた耳が左右共に生えそろっているのである。これも変化の一つか。

 

「おーいウィード! ちょっとこっち来いよー!」

 

 酔いが回っているおっさん達から、犬人斥候に熱い視線が突き刺さる。喧騒の中、耳の良いウィードにはしっかり聞こえてしまった。運悪くまるでダメなおっさん達に引っかかってしまったのだ。

 ウィードはほんの一瞬だけ「うげっ!」みたいな顔をした後、一転人好きのする笑顔を作ってから歩み寄ってきた。

 

「どうも、お久しぶりです。リカルトさん、アルバートさん、ソルトさん」

 

 それから、ウィードは腰を低くしてラリス王国式の挨拶――戦闘力の高い順に名前を呼ぶ――をした。

 何気に腕が立つ三人は、ウィードの背に彼の主武装が無い事に気づいた。なるほど、今日は潜る為に来た訳ではないらしい。

 ならば、好都合であった。

 

「おう、まぁ座れよ」

「うっす」

 

 ウィードは内心「ちょっと会いたくない人と会っちまったなー」と思いつつ、仕方なく席に座った。

 それから、リカルトは先輩らしく後輩に酒を奢って――金欠らしく安酒を――やった。

 

「てっきりお前さんも王家の依頼で出てるかと思ったよ。ほら、駆けつけ一杯」

「あざす。まぁその気がない訳でもなかったんすけど、いやむしろ残った方が稼げるかなぁと思って」

「流石ウィードさん、よくお分かりで」

「へへっ、どうも……」

 

 普段、誰に対しても飄々とした態度を崩さないウィードにしては珍しく、三人のおっさんには妙に腰が低かった。

 駆け出し時代、この邪悪な先輩方にはとてもお世話になったのだ。良くも悪くも、である。一度ついた癖はなかなか抜けないものだ。

 それに、普段はアレだが迷宮内では頼れる人達なのである。ストレスは溜まるが、仲良くしといて損はない。

 

「ん? お前、娼館行ってきたか?」

「えっ、匂い残ってます?」

「匂いっつーか、雰囲気? スッキリしてきただろ、さっき」

「ええ、まあ」

 

 対し、チャラ男のアルバートとは迷宮外でも普通に仲が良かった。

 彼とウィードは絶倫仲間である。広い意味で兄弟でもある。駆け出し時代、初めて娼館に連れて行ってくれたのがアルバートであった。

 

「にしてもよ、お前さん耳治ったんだな、おめっとさん」

「はい、つい先日、ちょっとした縁で……」

 

 それから、ウィードと同じ犬人であるリカルトは、鋭く獣の勘を働かせて“何か”を嗅ぎ取った。

 何か、耳に入れとくべき情報があるんじゃないかと。それはリカルト以外もそうだった様で、ウィードは意地汚いおっさん共から詮索される事となった。

 

「金払ったって感じでもなさそうだけど? よう、お前さん何処で何やった? 美味い話ならおっさんにも教えてよ」

「あー、いや、これは実はギルドから他言無用って言われてて……守秘義務なんす、すいません」

「ギルドぉ?」

 

 ギルドからの口止め。おっさん程ではないにしろ、割と不真面目なトコのあるウィードからは出なさそうな発言であった。

 となると、俄然興味も湧くというもの。三人は何か良い情報に繋がると踏んで詰問を続けた。

 

「なあそれ、魔術的契約はしてねぇんだろ? おい、教えろよウィード……散々あっちの世話してやったの忘れたのかァ?」

「そ、そういう訳には、いかねぇっす。報酬の事もありますし……」

 

 なおも聞き出そうとするリカルトとアルバート。が、これはマジっぽいなと別方向に鼻の利く狐人は見切りをつけた。

 

「まぁまぁ、多分これ、どれだけ叩いても言わない奴ですよ。すみませんね、ウィードさん」

「うっす、すんません。今回ばかりはちょっと……」

 

 ソルトの助けもあり、ウィードはようやくおっさんのパワハラから抜け出す事ができた。

 まあ、これは本題ではないのだ。三人の当座の目標は金であり、次なる冒険なのである。

 

「まあ、声をかけたって事はある程度用件は分かっていると思いますが……。我々はつい先日戻ってきたばかりで、斥候役がいないんです。あたしはともかく、お二人が金欠でしてね」

「そう、軽いのでいいからさ。手伝ってくれるよな、ウィード」

 

 要するに、こうして斥候をゲットして美味しい迷宮を潜ろうというのだ。

 ウィードは不真面目で素行も良くないが、腕は良い。少なくとも今西区に残ってる中では一番だろう。おっさん達はウィード一点狙いで朝から張っていたのだ。もし先約があったら、軽く脅すつもりであった。

 ウィード視点、ソルトの言う通りお誘いされる事は分かってはいたが、それに関してはウィードの返答はこうであった。

 

「あの、誘ってくれるのはありがたいんすけど……自分今新しい武器作ってもらってる最中なんで、しばらくは潜れねぇっす。前の奴も質に入れちまったんで……」

「武器?」

 

 新しい武器、そのワードに喰いつかない冒険者はいない。

 これまで、どんだけ金が貯まっても最低限残して即娼館全ツッパだった男が、とうとう武器を新調するというのだ。

 あと、今度ばかりはまともな武器にするのかなという期待もある。

 

「新しい武器というと、ようやくウィードさんもちゃんとした武器を使う気になった訳ですか」

「え? いえ、普通に(いしゆみ)っすけど」

「え、なんで?」

 

 ところで、異世界において、いくつか弱い武器というのがある。

 何かと使い勝手の悪い鎖鎌。何をするにも中途半端な多節棍。マジで使い手がいないブーメラン。

 その中でも、名実ともに弩は弱武器の代表格として知られている。

 

 第一に、弩での射撃には何の能力補正も乗らないので初心者でも玄人でも威力が変わらないという点。弱点にヒットしたところで、一発で倒せるほど異世界の魔物は柔らかくないのだ。

 第二に、継戦能力の低さ。機構の複雑さから壊れやすいという点。上手く作動しないと何もできない上、ちゃんと使うには頻繁なメンテが必要で、それを怠ると何もできなくなるのだ。

 第三に、飛距離がさほどでもないという点。これは一個目と似たような欠点だ。能力補正が乗らない分、矢の飛距離は完全武器依存なのだ。

 加えていうと、弩は需要の無さ故にロクな研究がなされておらず、今現在そもそも強い弩自体が存在しないのである。

 

「デカい稼ぎがあったんで、使い切っちまう前に工匠に注文しときました。楽しみっす、へへっ……」

「マジか……」

 

 弩のダメなところは、まだまだある。

 単に弱いだけじゃなく、異世界においての弩はその他利点もさほど無いのである。

 

 作るコストが高い。矢も専用のじゃないと撃てないから金がかかる。装填に時間がかかる。弾速も遅く、目のいい魔物ならボルト見てから回避余裕でしたが発生するのだ。

 発射音が小さいというのはあるが、鉄火場でそんな性能は役に立たない。弓よりも精密射撃に向きそうな形状だが、熟達した弓使いは1km離れた先にいる動く魔物の目を射抜けたりするのでコレも微妙。

 弓に比べて習熟が早いというのは、地球人の話だ。異世界人は一週間もあれば弓を十全に扱えるようになるし、弩も同じだ。設置型のクソデカ弩に関しても異世界では弱兵器判定であり、そんなのより適当な弓兵か魔術師を一人配置する方が火力が高いのだ。

 エトセトラエトセトラ……。

 

 弩は弱武器だが、それはそれとして何故だか根強い愛好家のいる武器である。

 噂によると、弩使いのみが入会を許される秘密の倶楽部があるとか無いとか。

 

 まあ、それは置いといて……。

 

「ふむ、デカい稼ぎ……ですか」

 

 ウィードの発言に、ソルトは線と線が繋がった感覚がした。あー、そういう事ねという奴だ。

 色々と、ウィードはギルドから口止めされている。わざわざそんなお達しがくる仕事をしたのなら、見返りもデカいんだろう。それで稼いだ金か。それで出来た縁で耳を治したんだな。

 確かにウィードは優秀な斥候だが、彼にしかできない仕事というのは考え難い。斥候不足だからこそ起きた、突発的な高額依頼とかだろうか?

 

 いずれにせよ突っつく事でもないなと、ソルトは結論付けた。

 ウィードは良いビジネスパートナーだ。彼の片耳が治り、武器を新調――ソルト的には武器カテゴリ自体を変えてほしかったが――できて彼の戦闘力が強化されたのであれば、こっちとしては得しかない。

 

「そうですか、わかりました。なら仕方ないですね」

「そいつは分かったが、まぁもう少し呑んできなよ。さっきも言ったが、帰ったばっかなんだ。おっさん等がいなかった間の話、聞かせてくれない?」

「それは勿論」

 

 迷宮に潜れないというなら、仕方ない。

 切り替えた三人はウィードから最近の西区についての情報を集める事にした。

 ウィードを探していた第二の理由がコレである。

 

 少しずつ、西区のやべーやつらが帰ってきた。




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 本作世界でクロスボウが弱いのはソウルシリーズとかと同じような原理です。
 ガチで使うなら覚悟と愛が必要不可欠です。
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