【一巻発売中】たのしい異世界ハクスラ生活、あるいは超紳士的英雄譚 作:いらえ丸
誤字報告も感謝です。マジで助かってます。
キャラ・ボスのご応募もありがとうございます。
キャラ案もらえると驚く程やる気に繋がります。嘘に聞こえるかもしれませんが、本当です。
アンケのご協力、ありがとうございました。
結果、イシグロが注文した刀は「打刀&脇差」になりました。登場は少し後です。
無銘と差別化できるよう、何か適当に考えときます。
夏が過ぎ、季節はすっかり秋である。
秋と言えば何だ。食欲か、読書か、運動か……ていうかこれ全部満たしてるな俺の一党。あと性欲もプラスしとこう。
まぁそれは置いておいて、なんか知らんが夏の盛りが終わると妙な虚しさが心を通り過ぎるような気がしないだろうか。
色んな秋がありますが、俺はそこに“物欲”も入れていいと思うんですよ。その虚しさを埋めるような感じで。
うん、適当言った。別にそんな事ないわ。ただ、言い訳したかっただけだ。
「へっへっへっ! ご来店ありがとうごぜぇやした!」
似非江戸っ子口調のイケボを背に、俺はドワーフみたいなエルフが経営するオーダーメイド武器専門店を出た。
とても、大きな出費だった。消費でも投資でもない、気分的には浪費である。深夜テンションと若気の至りとその他諸々をミックスした衝動で、結構な額を使ってしまったのである。
「買っちゃった……!」
本日、俺は皆と別れて一人でドワルフの店にやってきた。
そこで、バカほど高い刀を購入してしまったのである。
皆に何を買うか言ってない訳でもないのだが、なんか後ろめたい気持ちがある。この胸を掻きむしりたくなるような感覚、何なんだろうね。
まあ、買っちまったもんは仕方ない。
この世界において、刀という武器カテゴリーはピーキーになった直剣といった立ち位置である。
基礎攻撃力が高く、斬撃・刺突の属性値に優れ、クリティカル威力が物凄い。代わりに扱いが難しく、盾との併用ができず、耐久性に難がある。決して。初心者向きの武器種ではない。
今の俺には“無銘”がある。直剣は斬撃も刺突もできるし、特化武器でもない限り無銘一本で事足りるのだ。
その点、今後のダンジョンアタックで刀が必要かどうかで言えば、要らないだろう。
けど、買っちゃった。
いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう?
そういう事だ。言い訳にもならんね。
ドワルフのセールストークに乗せられたってのも無いではない。が、決めたのは俺だ。
今は要らんのに、前は欲しかったのだ。揺さぶられりゃあ堕ちやすい。
以前俺が刀を注文しようとしたのは、エリーゼを購入する前の事だった。その時は何やかや言われて断られたが、今になって用意ができたと言われたのだ。
しかも、打ってくれるのは本場リンジュの鍛冶師であるという。こうも条件が揃っていては、俺の財布の紐も緩まってしまうという話で……。
模擬刀じゃない、真剣。どうせならと、ガッツリ実用的なモンを作ってもらう事にした。
サンプル刀を振ってみてベストな長さを測ってみたり、使う敵を想定してみたり、合う補助効果を色々話したり。
めっちゃ楽しかった。俺とドワルフ、夢中になって話しちゃったよね。
で、提示された金額を見て、俺氏愕然。
お値段、凡そ3億ルァレ。
一応、この値段には理由がある。というのも、俺が注文した“無銘”や“ぶちぬき丸”は素材持ち込み作成であり、且つ馴染みのあるメンバーでバーッと作れたから安かったのであって、本来オダメ武器はもっと高いらしいのだ。
加えていうと、今回使用される素材の“
ロリでもないのに、億超えの出費。
当然だが、ルクスリリア達のお金には手を出していない。けど、なんだか凄い喪失感だ。
お陰で、残高が寂しい事になってしまった。次行くダンジョンは金策重視にしよう。
「さて……!」
ふぅと強めの呼気ひとつ。努めて意識を切り替える。
完成は当分先らしいので、何となく計画していたリンジュ旅行は後回しだ。
遠ざかってしまった温泉旅行。
今日は、その代用をしようというのだ。
少し歩いて、待ち合わせ場所の噴水広場に辿り着いた。
見渡すと、広場の隅でベンチに座る三人の美少女の姿があった。三人はお喋りしながら串に刺さったお団子を食べていた。ふわっと醤油の匂いが鼻をくすぐる。どうやら本日もシュロメさんが団子を焼いてるらしい。
気持ち早歩きで近づいていくと向こうも気づいてくれたようで、立ち上がったルクスリリアが先行して飛んで来た。
その手には手つかずの団子。俺用も買ってくれたのか。
「はい、ご主人♡ あ~ん♡」
言われた通りあーんされる。うん、OC! リリィのあ~んで倍率ドンだ。
「ありがとう。皆は何してたの?」
浮いてるふわふわ頭を撫でながら問うと、近づいてきたエリーゼが応えた。
「通りの花屋を見ていたわ」
「はい。綺麗な花が沢山ありました……!」
「そうなんだ。あれ、買わなかったの?」
「あ、はい。観葉植物? は、あんまり……」
「グーラは地面からバーッと生えてるのが好きらしいんスよ」
「へえ。じゃあ、今度植物園的なトコ行ってみようか」
「しょくぶつえん……! い、行ってみたいです……!」
「植物の園? 何かしら、それは……?」
「さぁ? 淫魔王国にはなかったッスね」
「えっ、無いの? 植物園」
そんな話をしつつ、俺たちは目的地へと歩き始めた。
初めて行く所だが、迷いはしない。すっげぇ目立ってるし、その上部分を見た事があるから。
目指すは西区で一番デカい風呂。
テルマエ・ロリマエである。
〇
幸いな事に、異世界は風呂文化が盛んである。
お安い宿屋でもお金を払えばお湯を用意してくれるし、中級宿屋には客共同の風呂がある。上級宿には部屋ごとに風呂が付いてたり。流石に追い炊き機能とかはないが、魔力があれば湯沸かしは簡単だ。
何か給湯器的な魔道具があるらしく、使える人がフンと気張ればお湯を沸かせるのだ。薪燃やして沸かさないあたりエコである。
で、そういう個人用風呂より盛んなのが、大衆浴場だ。
これも大体三つのランクがあり、少額払って入れる小さな銭湯や、もう少し払って入れるそれなり銭湯。それから結構がっつり払って入れる如何にもなスーパー銭湯なんかがある。
夕方になると、お風呂セットを持った家族が風呂屋から出て来る光景が見えたりするくらい、王都民と風呂は近しい関係にある。
個人風呂と、大衆浴場。これらのお陰で、異世界は割と衛生的だ。
一般王都民が毎日お風呂入る勢かどうかは知らないが、それでも皆さん身体を清潔にしていらっしゃる。
魔術師とかは魔法で代用してるかもしれないが、それはそれ。最初俺も似たようなもんだったし、ともかくクリーンで何よりだ。
話は変わるが、俺は温泉が好きだ。
湯に指を突っ込んで泉地を当てられるほど大好きだったという訳ではないが、足を伸ばせる露天風呂に入るととても気分が良くなるのだ。
温泉だけでなく、スーパー銭湯も好きだった。ジャグジーとか炭酸風呂とかサウナとかいっぱいある奴。
脱衣場から入った時の、あの籠った音と解放感。身体動かした後のサウナに、その後の飯。最高である。
リンジュ共和国に温泉があるかは知らないが、王都に無いのは知っている。
代わりの異世界スーパー銭湯。伝染病とか諸々が怖くないではないが、一度は行ってみたいよね。
ロリと混浴なら、尚の事。
「でっけぇ~」
「ッスね~」
繁華街から外側に逸れた場所に、ひときわ目立つ建造物がある。どこまでも続くような白い塀に囲まれ、煙突めいた六つの塔が空を突くようにそびえ立っている。
城か砦か、はたまた牢か。しかしてその正体は異世界屈指のスーパー銭湯。西区ニカノル大浴場である。
件の目立つ建物に近づくと、その大きさは想像以上だった事が分かる。建物もデカいが、土地も広いのだ。ところで、東京ドーム一個分ってどれくらい広いんだろう?
白い外塀の周り、学校の門扉めいた入り口からは人々が列をなしていて、門の前には槍を持った衛兵が立っていた。
「あれに並ぶのかしら……?」
「あんなに沢山の人が入るんですね」
ニカノル大浴場の営業時間は昼過ぎから夜までである。それまで門扉は閉じている。なので、ちょうど今開門した。
門の内側には屋根付きの受付があり、衛兵の適当チェックを通った人は受付にお金を払ってそのまま奥に入っていった。受付窓口は何個かあり、長蛇の列はスイスイと捌かれていった。
四人揃って列の最後尾に着く。俺たちの前には如何にも金持ちそうなおじさんがいた。
おじさんは妻と思しき女性と子供を連れて入る様で、その後ろに男女の奴隷を連れていた。これぞ裕福な家庭って感じ。奴隷は家族のお世話をするんだろう。
おじさんだけでなく、ここに来る客はそれなりに身なりが整っている人が多い。けれども、止まり木協会で炊き出しに来ていた様な家族連れとかもいるあたり、庶民が行けないような場所でもないのか。裕福そうなとこもそうでないとこも、子供はみんな楽しみにしてるようだった。
ゲートといい、雰囲気といい、広さといい。
遊園地、そういう印象を受けた。
「ニカノル大浴場の利用は初めてでしょうか?」
やがて俺の番になって人数分の料金を払うと、受付さんはそんな事を聞いてきた。
素直に是と答えると、受付さんは大浴場の事を丁寧に教えてくれた。
曰く、まず更衣室で男女に分かれてお着換えをする。
その際、脱いだ服は更衣室にいる従業員に預ける。それにも料金がかかるので、お金は持っておく事。
あと、中に入ってからも色々とお金は必要であると。
「なるほど、ありがとうございます」
説明の後、俺たちは早速ゲートをくぐった。
更衣室に続く道は石造りの外廊下になっており、左右には綺麗に整備された庭が見える。突き当りはT字路になっていて、そこで男女で分かれるのだ。
「えーっと、とりあえずルクスリリアに渡しとくな」
「あいッス」
小銭入りの巾着袋をリリィに渡し、ここで一旦お別れだ。
俺は男子更衣室に、ルクスリリア達は女子更衣室に。
なんか市民プール思い出すな。
男子更衣室に入ると、当然ながらそこにはお着換え中の男たちがいた。
屈強な異世界人らしく、皆さんなかなか良い身体をしている。そういえば、異世界来てからというもの、男女共に太った人見た事ないな。太い人はいたけど、あれはプロレスラー体型というか。いやそれはいい。
システムを確認する。従業員さんの横に木籠があり、皆そこにお着換えをインしていた。それから服の入った籠を従業員に渡すと、小さな札のついたブレスレットみたいなのを渡されていた。
預けた籠は、奥まった部屋から出てきた奴隷が回収していった。多くの人は貰ったブレスレットを腕に巻いていたが、金持ちそうなおじさんは奴隷に持たせていた。なるほど、大体わかった。
例に倣って、俺も装備ではない普段着を脱いだ。今から入るのは混浴だ。なので裸ではなく局部を隠す海パンみたいなのを履く。
入浴に海パンとは妙な気分だが、これがラリス式なら従おう。俺は万一にもずり落ちないよう、腰紐をキュッと縛った。
ちなみに、銀細工は風呂の中では外していいらしいので、銀の貴重品はアイテムボックスにポイだ。
「よろしくお願いします」
「はい。お戻りの際はこちらを提示してください」
脱いだ服を入れた籠を預かり係さんに渡す。お金を払ったが、高くはなかった。
渡されたブレスレットには番号付きの木札が付いていた。これを見せて返してもらうんだろう。
ふと、着替えも何も
さて、準備OK。いざ出陣。
更衣室を出ると、そこは廊下になっていて、二度ほど曲がると広いエリアに辿り着いた。
「おぉ……」
異世界スーパー銭湯。どんなものかと思っていたら、それは予想以上のクオリティだった。
更衣室を出てはじめに来たエリア、そこは屋根付きのアーケード街とホテルのロビーを悪魔合体させたような場所だった。
内と外を繋げる通路にして、行き帰りの安らぎ空間。此処はそういうトコなのだ。
天井は体育館ほどに高く、人の話し声が反響して聞こえる。床はじんわり温い石製で、真ん中には緩やかに流れる水路があった。水路の中心には控えめな噴水があり、そこに足を突っ込んで涼んでいる男女がいる。
アーケード街と感じたように、壁沿いには何かしらの店舗がズラリと並んでいる。結構本格的なレストランから、マッサージ店、石鹸や香油を売っている店もある。
今ここにいる人の多くは水着姿だ。服を着てるのは従業員か。従業員には首に奴隷証を付けてる人もいたが、外で働いてる人より表情が柔らかい。
騒がしいというより賑やか。混雑しているというより、繁盛している。ここに居る人たちは、皆楽しそうにしていた。
どこぞの流儀じゃあないが、ホントにテーマパークに来たみたいだ。テンション上がるなぁ。
「あっ、ごしゅじ~ん!」
異世界銭湯の賑やかさに圧倒されていると、視界外から聞き慣れた声が聞こえた。振り向くと、そこには三人の天使がいた。
いや、天使というとこの世界では適切ではない。とにかく、どちゃくそに可愛いロリがいたのだ。各々、胸元の奴隷証がキラリと光る。
「お待たせ」
「今きたとこ」
「ここでもやるのね、それ……」
「あっ、ちょっと待ってくださいぃ……!」
いつもの待ち合わせの常套句を返しつつ、俺はまじまじと三人の艶姿を網膜に焼き付けた。
此処は共同浴場であり、男女混浴だ。一部形骸化しているところもあるらしいが、原則局部を隠す規則である。
俺はシンプルな謎革製の海パンスタイルだが、彼女たちは各々オシャレな水着を着ていたのだ。
「ふふ~ん♡ どうッスか? エロいッスか?」
ルクスリリアは極めて露出部位の多いマイクロビキニ風の水着を着ていた。隠してるのは本当に局部のみで、他は惜しげもなく晒されている。
普段から露出度の多いルクスリリアである。今回はそれに輪をかけてエッチだった。健康的な身体には肌荒れしている箇所が全くなく、シミ一つとして存在しない。メスガキのドヤ顔はわからせ検定一級である。
無意識にお腹を注視してしまう。普通にしてるけど、今あの中には……いや、止めておこう。勃起しそうになる。
「それにしても凄い建造物ね……。竜族式とは全然違うわ」
エリーゼはパッと見スク水に見える水着を着ていた。平坦な胸の上で綺麗な鎖骨が輝いている。
スク水とは言ったが、構造は上と下が独立しているタイプだった。所謂、旧々スクである。
旧々スク、もちろん大好物だ。胸の名札はないが、彼女には綺麗な字で「エリーゼ」と書いてほしい気持ちがある。いや、丸文字で「えりーぜ」とかでも……いやそれは狙い過ぎか、いやむしろそれがいい。想像すると勃起しそうで危険である。
「うぅ……ぼ、ボクなんかがこのような派手な服を着て……」
もじもじと恥ずかしそうにしてるグーラの水着は、可愛らしいリボンやレースの付いた乙女チック全開水着だった。
彼女が気にしているのは露出云々ではなく、如何にも少女趣味なデザインの水着を着てる事だろう。俺的にはオールオッケーだ。スポーティな雰囲気の女の子が、キュート極振りの服を着て羞恥に悶えている姿は健康に良いのだ。
本当に、グーラの褐色肌は表情豊かである。日に当てられるとスポーティで、水に濡れるとエロの化身なのだ。背中からお尻にかけて、水滴の流れる様といったら筆舌に尽くしがたいほど、エロい。猟師の魂も勃起しそうだ。
「皆すごい似合ってるよ」
そんな彼女等の神々しい御姿に、俺の語彙は消失してしまった。
と言うか、股間のカイオーガがゲンシカイキしないように気を付けていて、脳リソースが持ってかれてるのである。
このままじゃ“かたくなる”からの“メガホーン”で“からをやぶる”してしまった後に“ハイドロポンプ”が暴発しそうだ。幸い、俺の
「きひひ♡ できればもう少し気の利いたセリフ言って欲しかったッスね~♡」
「まあ、アナタにそういうのは期待していないわ。けれど、精進なさい……」
「に、似合っている、のでしょうか……?」
メスガキスマイルを浮かべるリリィに、パサッと髪をかき上げるエリーゼ。さらに顔を赤らめるグーラ。
控えめに言ってクッソかわいい。デビルマンじゃなくてもわかるマンだ。ワイトもそう思うよな?
やっぱ、可愛いロリに水着が合わさり最強よ。水着ピックアップがよく回る理由が分かるね。
前に見せてもらったのは、もっと地味でシンプルな水着だったが、今回のは彼女たちが休日に購入した奴だ。
その日に「何買ったの?」って訊いたら「見た時のお楽しみッスよ~」とはぐらかされたのである。なんというサプライズ力。そして何というエロ可愛さ。
気を抜くと人の鼻の下と下の象の鼻が伸びてしまう。息抜きなのに気を抜けないとはこれ如何に。
「いやホントに似合ってる。えーっと、リリィはこう……セクシーだし、エリーゼは可愛くて綺麗だ。グーラもフリフリしてるの凄く可愛いと思う、変じゃないよ」
「え、えへへ……。変じゃないなら、いいんですけど……」
「うわ♡ ドーテー臭っ♡ ご主人~、もう少し落ち着いて見れないんスか~♡ 銀細工持ちとは思えないッスね~♡」
「嗤ってはいけないわ、ルクスリリア。人の子は成長するのよ、見守りましょう?」
そんな感じで、俺たちは異世界スーパー銭湯に初入りしたのである。
まだ入浴してないのに、俺の心はポッカポカだった。
感想投げてくれると喜びます。
現在、本作に登場するキャラクターを募集しています。
ご興味のある方は是非、気軽にご応募ください。
作者のやる気に繋がります。
リンジュのキャラクター、絶賛募集中です。
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こっちも投げてくれると喜びます。
前話に遅れるかもと書いたな、あれは嘘になった。
予定は未定ですからね、どうなるかなんてわかりません。
けど、次も予防線張っときます。次話遅れるかもしれません。