【一巻発売中】たのしい異世界ハクスラ生活、あるいは超紳士的英雄譚   作:いらえ丸

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 感想・評価など、ありがとうございます。続きを書く原動力になってます。
 誤字報告もありがとうございます。感謝感謝!

 キャラ・ボスのご応募もありがとうございます。

 今回から本格的にリンジュ編がはじまりますね。
 よろしくお願いします。


ロリと新たな旅立ち

 両手にロリの朝である。

 

 旅立ちの日、俺は首から上の寒さで目を覚ました。

 季節はすっかり冬である。いくら異世界ナイズドされたこの身でも、冬の朝はやっぱり寒い。

 ルクスリリアを購入してからというもの、俺はすっかりパジャマなるものの概念を忘れてしまったので、尚のこと肌に冷気が突き刺さる。

 しかし、俺はこの寒さをヨシとしていた。何故なら、この腕にある温もりを直に感じられるからだ。

 

「すぅ……すぅ……、ん……」

 

 右にエリーゼ。彼女の身体は冷やっこく、それでも触れ続けると温かくなるもので、俺と彼女の接触面はほんのり熱を持っていた。

 雪のように白い肌は、薄暗い寝室でもなお淡く輝いて見えるほど美しい。髪といい肌といい瞳の色といい、こんな神秘的な雰囲気の彼女が、毎晩淫靡に甘えてくるのである。それでいて年上の包容力もあるのだから堪らない。

 

「んぅ~……」

 

 左にはグーラ。規則正しい呼吸とは別に、耳が時折ピコピコと震えるのが愛らしい。彼女は種族特性で体温が高く、全身が湯たんぽのようである。

 彼女の褐色肌は、静の美と動の美が矛盾なく同居している。購入当初は病的にガリガリだったのだが、今は華奢なスポーツ少女と言った感じだ。浮き出た肋骨と、腹周りの腹筋のコントラストは最早芸術である。

 

「ん? あっ……」

 

 あれ? ルクスリリアはどこだ……?

 と思って探してみたが、それは掛布団の中に感じる熱で理解できた。

 どうやら、ルクスリリアは一足先に朝食を食べ始めたようである。

 

「んっ……♡ ん、ほひゅひん♡ ふぉふぁおっふ♡ んぷっ♡」

 

 掛け布団をめくると、そこには食事中のルクスリリアがいた。

 目が合うと、彼女はメスガキらしい眼を三日月にして笑んだ。

 

 そういえば、昨夜は三人同時に舐めてもらったんだよな。

 当時、俺は完全敗北して、メスガキーズのテクで無様な(ワン)ちゃんと化していた。

 完璧な連携だった。操縦技術ではルクスリリアが、射程距離ではエリーゼが、瞬間火力ではグーラが一番だった。

 それが三位一体で襲ってくるのだ。俺のカーパルスは一瞬で占拠され、衛星軌道掃射砲がブッパでズガンしたのは言うまでもない。フォーアンサーである。

 

「あらあら……♡ 朝からそんな情けない顔を晒して♡ 寒いのかしら♡」

「じゃあ身体で温めて差し上げますね♡ ぎゅぅ~♡」

 

 見ると、眠っていた二人は目を覚ましていた。

 これは、もうそういうコースだろう。

 

「くっ、この程度で俺が負ける訳な――」

 

 雨のサントロペ! 恋のサントロぺ!

 

「んん~っ♡ やっぱ朝はご主人の生絞りが一番ッスわ~♡」

 

 結局、昨日一生懸命掃除した部屋をもう一度掃除する羽目になった。

 是非もないよね。

 

 

 

 お掃除の後、俺たちは住み慣れた宿屋を出た。

 

 冬の王都。がっつり四季があるらしい異世界のラリス王国は、今日も今日とて人の熱気に満ちていた。

 時間は朝と昼の中間。気温は10度以下か。日本だと防寒着がマストになるくらいだが、異世界人は全体的に露出度が高いように見える。勿論、種族により個性が出る感じ。

 防寒着を着て歩いてるのは人間族や森人族といった気温耐性のない種族で、魔族など一部の人達は夏と同じファッションしてるので脳がバグる。

 面白いのが、同じ獣人でも夏と冬で活発さに差が出てるところだ。馬人は薄着で走り回ってるのに対し、猫人はモコモコのコートを着て背を丸めていた。

 

「もう、ルクスリリアのせいで出発が遅れてしまったじゃない」

「ノリノリだったくせに何言ってんスか」

「で、でも、ルクスリリアは一人で御情けを頂戴していました。ズルいです」

 

 その点、俺の一党は皆さん寒さ耐性を持っている。

 ルクスリリアは冬でもサマーメスガキファッションだし、エリーゼも清楚お嬢様だ。グーラなど、その気になれば燃え移らない火の玉カイロを出せてしまう。

 対し、俺は人間なので寒暖対策必須だが、普段の迷宮用装備には装着者の体温を保護してくれる補助効果を付与してるので余裕である。冒険者なら鎧着ててもおかしくないしな。冒険者にとって、防具はビジネススーツみたいなもんなのである。

 

「出発する前に何か食べてこうか」

 

 さて、ルクスリリア以外は朝食を食べ損ねてしまったので、何か腹に入れたいところ。

 困った時は転移神殿である。ちょっと割高になるが、あそこのバーで食べよう。元々、寄る必要もあったしね。

 

「あら、イシグロさん」

 

 歩いていると、ニーナさん&グレモリアさんの淫魔コンビとエンカウントした。

 二人とも魔族らしくいつもと同じ格好だ。

 

「うッス~! 今日も乾いてるッスね。ちゃんとご飯食べてんスか?」

「う、うるさいですわ……! 貴女こそ、そのうち子宮(おなか)壊しますわよ……!」

 

 会って早々、元気に煽り合う二人。

 仲良し幼馴染を無視して、俺はニーナさんに挨拶した。

 

「おは……こんにちは、ニーナさん」

「はい、こんにちは。イシグロさんはこれからリンジュに向かうんですよね」

「はい、ずっと働いてましたからね」

「ははは……」

 

 何故か苦笑された。

 そんな感じでしばらく話していると、ニーナさんの視線は刀に向かっていた。

 

「どうかされました?」

「いえ、リンジュの刀は凄く切れ味が良いと聞いた事があるので。機会があれば一度試して(・・・)みたいなと」

 

 ほう、ニーナさんもこの武器の魅力が分かるか。トリクシィさんといい、刀大人気だな。

 それからちょっと話した後、それじゃあバイバイとなった。

 

「大丈夫かとは存じますが、道中くれぐれもお気をつけください。旅の安全を祈っています」

「ま、貴女に負けたお陰で色々と吹っ切れたのは事実です。例の件、実現できそうなら報告しますわ」

 

 何やら意味深な事を言い残して、グレモリアさんは髪をファサッとやって去っていった。ニーナさんも続く。

 

「グレモリアさん、何か企んでる系?」

「ん? まぁ、アタシ等にゃ関係ない事ッスね」

 

 少し歩いて転移神殿に通じる階段前。

 噴水エリアに来ると、そこでも顔見知りに声をかけられた。

 

「おや、イシグロ殿ではござらぬか」

 

 眼帯森人のシュロメさんだ。

 声に反応して、彼女の背後にいた二人とも目が合った。

 

「い、イシグロ!?」

「おや、イシグロ殿か、昨日は世話になったな」

 

 こっちを見てビックリしてるのはエフィーエナさん。その隣にはイスラさん。

 昨日は二人とも冒険者らしい防具を付けていたが、本日は各々王都っぽいファッションをしていた。

 

「イシグロお前、何でこんなトコにいんだよ……!?」

 

 何故だか、エフィーエナさんは顔を真っ赤にして動揺していた。

 

「何でと言われましても」

 

 そりゃ、俺は西区に住んでるんだし鉢合わせしても可笑しくないでしょうよ。

 すると、隣にいたイスラさんがニヤニヤした表情で口を挟んできた。

 

「いやぁ、色々あってエフィーエナがお洒落に目覚めたらしいのでな。ちょっと買い物に付き合っていたのだ」

「ばっ!? 言うんじゃねぇよ!」

「恥ずかしがる事ではなかろう。耳飾り、似合ってるでござるよ」

「くぅ~」

 

 シュロメさんにからかわれて、鬣犬の耳と尻尾が荒ぶっていた。その耳にはウマ娘が付けてそうな耳飾りがあった。

 次いで、マッチョの女性が顔赤くしてチラチラと見てくる。これ、何かの作品で見た。適当に褒めときゃいいんだ。

 

「ええ、お似合いですよ」

 

 脳内にグーラの耳を思い浮かべながら答えると、心からの賞賛が出てきた。

 

「ほ、本当か……?」

「はい」

「そ、そうか……。ん、そうなのか……」

 

 嘘か本当か訊かれたら「知らねーよ、そんなの」になってしまうが、それこそ知った事ではない。俺は適当に返事をしておいた。

 

「ところで、イシグロ殿はリンジュに行くのでござったな」

 

 などと話していると、シュロメさんがニッコニコの満点スマイルで話題を変えた。

 そういえば、この人もリンジュ出身だったな。醤油と味噌を作ったのもシュロメさんらしいし。

 

「はい、ちょっとした観光旅行に」

「うむうむ、リンジュは良い所でござるよ~」

 

 どうやら彼女は故郷がお好きなようである。

 そのうち、訊いてもいないのにリンジュの名物料理やら観光名所やらを羅列し始めた。

 とはいえジモミン情報は貴重である。拝聴せざるを得ない。

 

「宿なら“上玉館”という所がオススメでござるよ。ちょっと高いでござるが、温泉もあるし、ご飯には醤油と味噌を使ってくれてるでござる。特に豆腐のお揚げが絶品で……」

「おぉ……!」

 

 和っぽい国で、温泉! しかもお料理には醤油と味噌を使っているとの事。

 そいつぁ俄然興味ありますね。図書館にない情報は積極的に仕入れたい。

 

「せっかくリンジュにいくんだったら、武術道場に行ってみるのはどうだろうか」

 

 俺がジモミン情報に興味湧いたのに気づいてか、イスラさんが口をはさんできた。

 

「道場ですか?」

「うむ、イシグロ殿は強くなりたいご様子。通わずとも、見学するだけでも得る物はあるはずさ」

 

 まぁ、そういうのも興味がないではない。

 欲望の興味が温泉や飯であるなら、そういったものは今後に必要な興味だ。地に足着いて強くなる為、一度覗いてみるのもいいだろう。

 

「お勧めは剣鬼道場……と言いたいところだが、これは贔屓だな。ともかく、リンジュには色んな道場があるから、軽い気持ちで巡ってみるといい」

「なるほど、ありがとうございます」

 

 そんな事を話した後、俺たちはバイバイした。

 

「今日はお団子休みなんスね」

「リンジュに行く前にもう一度食べたかったです……」

「向こうにもあるさ。リンジュの屋台を制覇しようぜ」

「ほ、ほんとですか……!」

「私はリンジュのお酒が気になるわ」

「酒屋も制覇しようぜ」

 

 話しつつ、相変わらずクソ長い階段を上って転移神殿に到着した。

 ここに来た理由は朝飯もあるが、王都を出る前に書いてもらう書類があるのである。おじさんに書いてもらった通行手形的な書類に何時何分何曜日に西区出ましたという証明をしてもらうのだ。

 いわばスタンプラリーのようなものである。リンジュに向かうのに、これを都市ごとに書いてもらえばいい訳だ。

 

「は、はい! 承りました! 少々お待ちを……!」

 

 さて、いつものように受付おじさんに書いてもらおうと思ったら、おじさんは休みだった。仕方ないので新人っぽいお兄さんに書いてもらう事にした。

 彼はめちゃくちゃ緊張していた。大丈夫、俺は店員さんに怒鳴るようなクソ客じゃあないよ。ていうか、そんなクソ客はこっちじゃ合法で殴れる。ラリスは弱者には優しいが、愚者には容赦がないのである。

 

「おう、イシグロ! こっちこっち!」

 

 手続き完了後、バーで飯を食おうとしたら野太い声をかけられた。

 見てみると、そこにはテーブルを囲む四人の男たちがいた。

 

「どうも」

 

 俺はルクスリリア達に好きに食べるように言ってから、彼らと同じ席につき適当な軽食メニューを頼んだ。これもビジネスである。

 テーブルには犬人戦士のリカルトさんと、犬人斥候のウィードさん。それから鬼人剣士のラフィさんに、なんと鼬人剣士のトリクシィさんも座っていた。声をかけてきたのはリカルトさんだ。

 

「いやぁ、トリクシィから聞いたぜ。イシグロお前、あの“荒野の牙”の幹部をボコしてやったんだってな!」

「いえ、訓練ですから」

「よくやったって褒めてんだよ!」

 

 話を聞くに、リカルトさんはエフィーエナさんが所属する同盟の“荒野の牙”が嫌いであるらしい。

 なんか新人の頃にしつこい勧誘にあったとかで、一時期ノイローゼになってたとか。そんな彼の趣味が新人いびりなのは何とも言えない。

 

「あー、最近は特に強引なやり方してるって聞くっすわ。俺は声かけられてねーっすけど」

「そうなの? 俺もあるけど、一回断ったらそのあと別に何もなかったぜ」

「お前は銀になってからこっち来た類だろ。銀細工相手は慎重になるんだ。その点、トリクシィは狙われちまってたんだよな」

「トリクシィさんも勧誘を?」

「ククク……流星は常にひとり……」

「ま、どのみちお前さんは向こうとは合わなかったろうぜ!」

 

 ハードボイルドに麦茶を飲むトリクシィさんの背を、リカルトさんはバシバシ叩いていた。お茶が鼻に入ってもむせないの地味に凄い。

 

「てかさ、イシグロさんリンジュ行くんすよね」

 

 注文した飯に口を付けていると、ウィードさんが鼻息荒く問うてきた。

 

「はい、そうですが」

「ちょっと良さげなお店探してきてくださいよ。俺も行ってみたいんす」

「良いお店?」

「娼館っすよ」

「はあ、娼館」

 

 残念ながら、この異世界に俺好みの娼館はないので協力できそうにない。レビュアーズ世界だったら協力できたのだが。

 手のひらサイズのフェアリー族とか、いてもいいじゃん。何でモンスターしかいないんだよ。しかも迷宮にいたのはキモめのフェアリーだったし……。

 この世界、街や人はライトなのに迷宮周りは妙にダークなんだよな。スライムも可愛くないし、ゴーレムにも愛嬌がない。

 

「あー、行ってほしいとかじゃないんす。単に雰囲気とか噂とか、そういうの知りたいんす。リンジュの色町は凄いって話っすから」

「凄い?」

 

 話によると、リンジュには派手な歓楽街があるっぽい。シュロメさんが教えてくれた観光名所には無かったな。

 で、その凄い色町なるものは店単体でサービスするというより、区画全体で楽しませる的な雰囲気であるとか何とか。

 

「よろしく頼むっす」

「まあ見るだけなら」

「土産も頼むぜ。おっさんは何でも喜んじゃうよ」

「じゃあ俺は酒で」

「はい。トリクシィさんは何がいいですか?」

「あ、自分はお気になさらず……」

「木刀とか?」

「ボクトウ……!」

 

 それから、朝食を食べ終えたところで席を立ち、俺は三人を連れて転移神殿を出た。

 転移直後はオンもオフもソロだったが、今ではすっかり知り合いが増えた。

 

 転移神殿を出て、人混みをするりするり。西区を出るべく、俺たちは進撃めいたクソデカゲートへ向かった。

 あまり行かない門の近くは、商人と労働奴隷のスクランブル交差点のようだった。冬にも関わらず活気と熱気と男気が凄い。

 

「おや、イシグロの旦那じゃねぇですかい」

 

 これまた声をかけられた。聞き覚えというか、もはや聞き慣れた超絶イケボだ。

 今日は妙に知り合いに会うと思いつつ見てみると、そこにはドワルフと受付おじさんがいた。

 

「おうイシグロ、今から出るとこか」

「はい。本日はお休みなんですね」

「それより旦那ぁ、あっしが設計した弓は使ってもらえやしたかい?」

 

 安定の初手武器トーク。ドワルフとの会話はいつも武器についてである。

 

「取り回しは悪いですが、アレで結構色んな事ができて面白いです。少し重いですが、使いこなせるよう精進していく所存です」

「へへへっ、そいつぁ重畳」

「お前今度は何作りやがったんだ?」

「そんな言い方するんじゃあねぇや。あっしぁただ客の要望に沿ったモンをお出ししただけでい」

 

 気安く話す二人。ドワルフとおじさん、知り合いだったのね。

 その距離感は親友のソレであり、見る人が見ればとても喜びそうな構図である。

 

「しっかし、しばらくイシグロとはお別れか」

 

 と、しみじみ言うおじさん。

 確かに、俺も俺で転移直後からおじさんにはお世話になっている。こうやって離れるのは初めてか。

 それから、いやに真剣そうな眼をして、言った。

 

「お前、向こうで死ぬんじゃねぇぞ」

「ええ、もちろん」

 

 この世界は危険である。

 カジュアルファンタジーかと思えば割とバイオレンスな世界観だし、ライトなモン娘がいたかと思えば当の魔物はダーク寄りだし。

 いつ死んでもおかしくない世界だ。けど、当然俺は死ぬ気はない。なんたって、俺は真のロリハーレム作るんだからな。

 

「それじゃ、これで」

「おう」

「また今度~」

 

 そんな感じで、お世話になった二人と別れる。

 で、少し歩いて「本日も異常なし」と言う門番に例の書類を見せると、俺たちはあっさり西区を抜ける事ができた。

 

「来ぉ~い! ラザニアー!」

 

 外の広場でラザニアを召喚。

 地面に浮かび上がった魔法陣から、いつものマッスルヘラジカのエントリーだ。

 

「「「おぉ……!?」」」

 

 周囲の人達が感嘆の声を上げる。

 まさに、鹿の王。以前は地球ヘラジカと同じくらいだったのが、今では成長して骨も肉もすんごく逞しくなった。どうしてそんなに大きくなっちゃったんですか? 真面目にやってきたからか。

 

「ちょっと手伝って」

「かしこまりました」

「何をどうすればいいのかしら?」

「かぁ~! これだから家畜の世話したことねぇお嬢様は……ゴブェ!?」

「主が守護獣に蹴られてどうするの……」

「家畜扱いされてキレたんだろうな」

 

 苦戦しつつ、俺たちは協力してラザニアの身体に騎乗アイテムを取り付けた。

 この乗馬……いや乗鹿セットは専門店で作ってもらった代物で、安全に空の旅をする為の補助具だ。

 言うて鞍なんかなくても乗れるのだが、念のため付けといた方がいいよねって話。

 

「なんか、最終再臨したヤックルって感じだな……」

「ヤックル?」

「何でもない。さ、乗ろうか」

 

 よっこらセックスと乗鹿し、俺は颯爽と鞍に跨った。

 

「グーラ」

「はい。わわっ……」

 

 それから、地上にいるロリ達を引っ張り上げる。

 まず、ジャンプしたグーラを釣り上げて俺の前に。

 

「よいしょ!」

「もっと優雅にできないものかしら」

 

 次いでエリーゼをグーラの前に。

 

「よいしょ!」

「いてて……本気で蹴りやがったッスよこの鹿……!」

 

 で、最後にルクスリリアを一番前に。

 

「回復かけようか?」

「だいじょぶッス。腹に穴ぁ空いた訳でもないッスし、かすり傷ッス」

「そう? じゃ、行くぞ」

 

 俺は全員を安全紐で結び、ラザニアを空飛ぶ種族用滑走路の列に並ばせた。

 

「前方に障害物なし。テイクオーフ!」

 

 順番が来たところで、ラザニアにOKを出して発進させる。

 駆け出す巨躯。躍動する筋肉。勢いに乗ったところで、翼を広げてブワッと離陸。

 

「わぁ、綺麗です……」

「流石の速さね」

「前より速くなってるよな。ボアアップでもしたのか」

「お先に失礼~ッス!」

 

 勢いそのまま、先行していた翼人さんたちを追い越す。

 まるで空飛ぶオープンカーだ。窓もないのに、冷たい走行風が当たらない。ラザニアがペーネロペーみたいに風の障壁を張ってくれてるのだ。乗り心地は最高である。

 

 こうして、俺たちはリンジュ共和国に向かうのであった。




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