IS 全知全能(に近いナニカ)が転生するようです   作:見知らぬ誰か

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第09話 有知……全知

あの白いIS改め、有知の頭をすっ飛ばして機能停止させた後、あのアリーナに居た全員に箝口令が敷かれ当事者であった俺と東屋は個々に事情聴取が行われた。まぁ、東屋に関しては大したことしてないから10分程度で終わったらしいが……

 そして俺はIS学園の地下区画に来ていた。理由は有知の譲渡……本来ならば公開は愚か、IS委員会に報告すらしないらしいのだが今回は篠ノ乃博士直々に織斑先生に連絡があったらしく、譲渡する事になった。

 とは言え、これを国のお偉方に言った所で理解はされないらしい……理由は簡単で、ISにコア人格があることがまだ分からないらしいしコア人格の好みも分からないかららしい。それについて知っているのはISを開発した篠ノ乃博士とその親友の織斑先生、そして俺だけらしい。どのみち後者については分からないらしいが……

 何より、コア人格の表面化は事例が非常に少ないようで確認されているのがまだ俺の不知に有知だけらしい。因みにアメリカ・イスラエルの共同開発中の第三世代型IS【銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)】にはその兆候があるらしい……

 んで、俺は有知が保管されている場所に織斑先生について行っているのがたが……なんか俺の隣には何か篠ノ乃博士が居る……あんた、世界中で指名手配中じゃなかったか?

 

「キミにはぁ、興味があるんだよ?はーくん♪」

「……………………」

 

 どうやら、平和な日本の一介の通常の普通の並大抵の通り一遍のただのありふれた一般的な高校生だった俺は神々に気に入られ全知全能(に近いナニカ)に転生させられ、更には大天災にも気に入られたようです……

 普通の詰まらない何も起こらない生活は一体どこに消えたんだろ……?俺的にはのんべんだらりとその日その日をただただただただただただただただただただただただ生きたかっただけなんだけどなぁ……

 

「珍しいな束。私や一夏、篠ノ乃にしか興味の無いお前が他人に興味を持つなんて」

「んー……何かねぇ……はーくんには何かがあるような気がするんだよ」

「禊のISにではなくか?」

「不知も有知も私の大切な子供さ。そんな子供達が興味を持ったんだ、何かあるよ♪勿論、個人的にもね」

「確かに私も興味があるな」

 

 ……大天災に続き世界最強(ブリュンヒルデ)にまで興味持たれるとか……なんか恐い。

 

「おっ!?男に興味のないちーちゃんがはーくんに興味を!?何に興味を持ったの?」

「あの白いIS……有知だったか……の頭を斬った横一閃の居合い斬りがとても美しい動作だったからな……あんなにも長い大太刀を引っ掛けることなく抜きブレない斬撃……あんなにも綺麗な居合いがあるとはな……」

 

 織斑先生に彼氏が居ないのは多分これの所為だ。顔も性格も良いのに残念ちゃんとか……

 

「……ちーちゃんは刀に恋でもしてるのかな?」

「篠ノ乃博士「束で良いよ」束博士、それは言っちゃダメです」

「ハッ……!!これが俗に言う『残姉ちゃん』なんだね!!」

 

ヒュッ!(織斑先生が束博士に神速の正拳突きを繰り出した音)シュバッ!(束博士がそれを避けてまた俺の隣に戻った音)ドギャッ!(俺が束博士を蹴り飛ばした音)

 

「それはお前もだろうが」

「いたたた……中学時代を思い出すよ……」

 

 なにやら語り出した2人……

 2人とも顔はよかったのでモテたらしいのだが、織斑先生は来る男子を斬っては投げ斬っては投げ、あのときはコミュ障程度(とは言えコミュ障は酷く重症だったらしい)だった束博士は告白してきた男子をひたすらに無視し続け、最終的には織斑先生・束博士もボッチになったらしい。

 つか、織斑先生キレたのは昔の事かい。

 

「にしてもはーくんやっぱり凄いね!!束さんが避けられない蹴りを放つなんて!!」

「…………禊は私達と同じ人外だったか……」

 

 え?束博士を蹴った蹴り?全知全能なんて使ってないよ?普通に蹴っただけだよ?本当に。

 

「さ、到着だ」

 

 織斑先生がドアを開ければそこには無人機として運用するための各部補助パーツが付けられた有知が立てられていた。

 背の非固定部位は白くも鋭く刺々しい機械の翼があり、本体は曲線と直線、そしてエッジ部の鋭角的な装甲で構成されていた。

 

「やっぱり美しいよ、有知♪」

 

 束博士が右手を一薙ぎするだけで補助パーツはパラパラと崩れ落ち、残ったのはIS本体のみだった。

 

「さ……はーくん乗って?」

「初の2つの専用機所持者か……書類整理が面倒だな……」

 

 俺は有知の目の前にまで来ると1度有知に触れる。

 

(よろしくな、白鴇)

《よろしく》

 

 俺は有知の装甲を足場にして有知に登り、有知に乗る。

 

――

全機能正常稼働を確認

稼働方式を無人から有人へ移行……

無人オペレートシステム削除……削除完了

過去データの初期化(フォーマット)と新データへの最適化(フィッティング)を開始します

――

 

「とりゃ!」

 

ブスリ!!

 

 束博士が有知の装甲にプラグを挿して球状キーボードと空間投影ディスプレイを呼び出し、フィッティングおよびフォーマットを補助し、時間短縮を行う。にしてもやっぱ速いな……タイピングスピード……

 俺の場合は第三世代型ISのイメージインターフェースを補助に使ってタイピングするからかなりの速度でタイピング出来るんだが……それよりも速いな……。

 

「ほいほい、フォーマットとフィッティング終了っと……」

 

 うわ、みじけぇ……5分経ってないぞ?

 そして俺は光に包まれる。そして光が収まると非固定部位は2倍ぐらいの大きさまで巨大化して、本体各部には何かジョイントがある……なんだ?そして腰には白い大太刀・太刀……他に武器は無しか……?

 

「あ、はーくんには説明しないと……

 この有知っていうのはね?拡張領域に武器をしまわない新しいコンセプトのISなんだよ!ならどうやって攻撃するのかって?

 それはねぇ……その翼を変形させるんだよ!」

「翼を変形させる?」

「今は基本的な形状の機動性を重視した『翼』になってるけど……それで1パーツじゃなくて、数十数百数千数万数億数兆の細かい非固定部位の集まりなんだよ!

 名付けてイメージ再現システム【無限の形状(インフィニティー・マテリアル)】!!」

「……巨大鉤爪」

 

 イメージした瞬間、翼が大量の欠片となり、ジャキッと音がした瞬間には俺の腕に纏わりつくように巨大な鉤爪が出来上がっていた。

 

「……全方位火砲」

 

 360°全方位に放てる火砲が形成される……イメージとしてはACVやVDのOW『マルチプルパルス』のような感じ。

「金木犀の剣・白」

 

 SAOアリシゼーション編のヒロインであるアリス・シンセシス・サーティの武器……しかも、これはただの直剣ではない……

 

「エンハンス・アーマメント」

 

 瞬間、刀身が幾千幾万もの白い小刃となり周囲に漂う。

 

「すごいね……ここまでの量のものを普通に動かせるなんて」

「そうなのか……?」

「うん、あの青いやつとは大違いだよ!」

 

 あの青い奴って多分イギリスのブルーティアーズだよな……確かに俺は自分で動きながら無限の形状を自由には動かせるけどさ……

 

「それで~それでね~腰に大太刀と太刀があるよね?その2振りの銘は大太刀が【白鶯(しろうぐいす)】で太刀が【白鶴(しろつる)】だよ!銘は君の『不知』に合わせてみたよ!」

 

 ……真っ白な鞘に真っ白な刀身……俺は基本的に白を生理的に受け付けないが、有知や白鶯・白鶴の光を反射しない……要は現実味のない白は案外問題ないようだった……意外だね。

 

「うんうん♪どこも異常はないみたいだね!!それもはーくんが丁寧に頭だけすっ飛ばして、他には攻撃しなかった賜物だよ!」

「はぁ……そうですか……」

「んじゃ、最後に待機状態にしてね~」

 

 何となく、待機状態が予想出来てしまうが……とにかく俺は有知を待機状態にする。

 体を纏っていたアーマーは光の粒子のように解けて、大太刀と小太刀に形を成す……

 

「多分予想してると思うけど~一応説明しておくね?大太刀が【白鳶(しろとんび)】で小太刀が【白鷺(しろさぎ)】だよ~

 んじゃ、やることやったし帰るね~終日ぅ♪」

 

 ドロン!とどこからか煙が出て来て気付けば束博士は居なくなっていた……忍者かあんたは!!

 

「なぁ、禊」

「なんですか?織斑先生」

「私にあの……『不斬不知式』を教えてくれないか?」

 

 ……俺、人に物教えるの苦手なんだけど……まぁ、織斑先生だし見せれば理解は出来るだろう。

 

「えー…………偶にですけど良いですか?」

「ああ、構わん。あと、ここの事は口外するなよ」

「了解でーす」

 

※─※─※

 

「では、1年1組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりで良い感じですね!」

 

 まぁ……メイントーナメントは特に何も無く終わったし、襲撃はエキシビジョンマッチだったしな……そりゃ、こうなる。

 

「まぁ、祓さんに関しては拍子抜けでしたが……」

 

 うるさいぞ欠陥機」

 ……あ、口に出しちゃった……ま、しっかり指摘すれば問題ないかな?

 

「なんですって!?」

「だってそうだろ?あのビットと自分で同時に行動出来ないなんてさ。使い切れてないじゃん」

「グッ…………それはこれから練習しますわ!」

「あーそうですか……失言失礼しました」

 

 あー……無駄な事したぁ……だっりぃ……

 その日はISの実習からスタートだったけど……どーでもいーかな?何でか知らんが欠陥機と模擬戦やったけど完封してやったよ。つまらないな……

 

※─※─※

 

「……まだ駄目かの……」

 

 らぬかは顕界を見る鏡を眺めながらそう呟いた。

 

「祓はまだ、面白いと思っていないようだな」

 

 その隣にらぬかの反転神【有知】を司る『りねき』が顕れる。

 

「祓がオモシロく無さそうな理由は分からないのか?」

「分かってはおる。奴は緊張感を求めておるのだ……故に、まだまだぬるま湯の……IS2巻までの間は詰まらんと感じるのじゃろうな」

「それが分かっているなら……」

「駄目なんじゃよ。ヘタに弄くればジェノサイドルートまっしぐら……行き着く先は友が死に、死ぬのも生温いバッドエンドじゃ……そんな危うい世界操作など出来ぬ……そもそもあの世界は元から危うくのじゃから……」

「……多少オモシロくするための白鴇と黒鴇だが……無駄かもな……」

 

 らぬかはククッと笑ってから言う。

 

「いや……この先々必要になるじゃろうの……」

「不知を司っていながら先を知っているとはな……」

「不知……だからじゃよ。知らぬから、何について知らないのか知らねば儂はならんのだ」

「逆に私は何も知らないということか」

「かもしれんの……」

 

 すると、突然らぬかの下神の黒鶫(くろつぐみ)が急いでらぬかの部屋に入ってくる。

 

「どうしたのじゃ?黒鶫よ」

「ぜ、【全知】を司る『るのく』様以下の下神がISの世界に転生者を送り込みました!!」

「それがどうしたのじゃ?」

「ど、どうやらその転生者悪意にまみれているようで……るのく様はその悪意を利用して禊様を消そうとしているようです」

「……なるほどの……あやつは『唯一無二』でありたいと常に望んでおるからの……転生で【全知全能】を手に入れた祓が気にくわんのじゃろうな……」

「どうしますか?」

 

 らぬかは少し考え込み……そして答えた。

 

「良い機会じゃ……祓も退屈しておるし、るのくの好きにさせい……これで多少はオモシロオカシクなるじゃろうての……」

 

※─※─※

 

「ねぇ……楽しみだよねぇ……祓?」

 

 白い髪に紅い眼の少女は首輪の灰色のチョーカーに触れながら歩く。

 

「さぁ……死ぬのも生温い夢のバッドエンドナイトを見に行くとしようか?『全知』……」

 

 全知に話しかけるも反応は無い……だが、それで彼女には充分だった。

 

「さぁ、狂って叫んだ君の泣き顔をもう一度見に行くよ?禊 祓くん♪」

 

 その少女は祓の過去に……生前にも関与していることを『らぬか』も『黒鴇』も『りねき』も『白鴇』も知らない。それを知っているのは彼を転生させた『るのく』とるのくの下神『灰鴇』のみ……




なんか詰め込みすぎなきもしないではないけど……このまま突っ走ります!!

あ、感想お待ちしております
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