IS 全知全能(に近いナニカ)が転生するようです   作:見知らぬ誰か

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第10話 転校生

「祓くん、明日転校生が2組に1人来るそうよ?」

「ん……至極どうでも良いな……どうせ俺には関係ないし」

「君ならそう言うと思ったよ♪禊副会長♪」

 

 自室で生徒会の仕事を片付けている最中、楯無が話しかけてきた……が、興味のない話だったのでバッサリと斬り捨てた。どーでも良いのですよ……あんな中国娘……美鈴の方が生身でもISに対抗……おっと、なんでもないぜ。真面目にどーでも良いし。

 

「ねぇ、祓くん」

「なんだ?楯無」

「亡国企業(ファントムタスク)って知ってる?」

「……かなり前からある組織で最近はISの強奪をしてるとかって聞くな」

 

 ちょいとこの先楽しみな企業だ。少しは楽しめると良いなぁ……

 

「そう、ちょっと前からファントムタスクの活動が活発になってきてるのよね……で、IS学園襲撃の可能性もあるわけ」

「で、実際にそういった事があれば、生徒会副会長の権限を以て対処しろ……ってか?」

「私は2、3年生を担当するからよろしくね♪」

「委細承知ぃ……」

 

 早く来いよ亡国企業♪俺を楽しませろよ~……?

 

「あ……そういやぁクラス代表就任パーティーあるとかって聞いたが……ま、いっかぁ……俺は初戦敗退したわけだし」

「代表就任パーティーをすっぽかすなんて度胸あるわねぇ……」

「言い訳はいくらでも出来るし」

 

 生徒会副会長になったということでその職についたことの書類整理だとか、仕事の片付けだとか生徒からの要望書、生徒会行事の確認など……挙げればキリが無いし、教師の仕事まで回ってきているのだ、パーティーなぞ参加してられん。

 第一、パーティーとかの愛想笑いは酷く疲れるのだ。精神的疲労も酷く、過去に両親が出るパーティーに出席したら頭の髪半分色が消えたのだ、毛根から綺麗さっぱり色が抜けてた……あんなのは二度と御免だ。次行ったら確実に髪の毛全部色が抜ける……ただでさえ半分色が無いってのに……

 

「ところで、祓くんの日本刀増えてない?白いのが増えてない?」

「……………………」

 

 俺は無言で生徒会の仕事を片付ける。

 その白い刀は言うまでもなく新たに増えた俺のIS『有知』の待機形態に他ならない。このせいで俺は携帯する刀が2本から4本に増えたのだ。

 パーティーに行きたくないのはこれも含まれる。てか、普通に出掛けるのにも帯刀しなくちゃならないなんて……地獄だ……出掛ける度に警察から職質受けるとか嫌だわ……別にそう言った時に限りISの展開は許可されてはいるが、警察のお世話とかやだわ……

 

「説明してくれない?祓くん」

 簡潔に簡単に説明するとしよう……延々と聞かれるのは疲れるし……

 

「……ちょっと前の1年1組クラス代表決定トーナメントの最後を飾る、エキシビジョンマッチの時に無人ISによる襲撃があったんだが……そのISに気に入られたらしく、束博士直々に俺専用にチューンして貰ったんだ」

「……なにそれ」

「ISにはコア人格があるらしくて、それに気に入られたんだそうだ」

 

 なお、ISを携帯しない場合は俺に限り、銃の携行が認められた。俺はなんとなくでフルオートで弾が撃てる『グロック18』にしておいた。実際にはS&Wの『M500』もあったが、片手でまともに撃てなかったから止めた。片手で撃てるぐらいでなければ護身用としては無意味だしな。

 

※─※─※

 

「ふぁ……ねみぃ……」

「なに、レミィ?」

「そんなあなたに『神槍《スピア・ザ・グングニル》』」

 

 なんか東方ボケをかましてきた十六夜に手刀の突きを繰り出す。

 

「グハッ!?」

 

 なんの抵抗も無しにその突きを受ける十六夜……避けろよ、秒速30メートル(時速108キロメートル)の突きぐらい……まだ音速は超えてないだろ?

 

「んで十六夜、何の用件で?最近、ちょっとした役職になったから寝不足だから簡潔に頼む」

「中国の代表候補生が転入して来るってよ……てか、なんの役職だよ!?」

「至極どーでもいいや……役職ってのはこれ……」

 

 俺が取り出したのは『生徒会副会長』と刺繍された間延び狐印の生徒会員腕章だ……ちなみにこの腕章、IS兵装の中でも抜きん出た威力を誇るラファール・リヴァイヴのパイルバンカー『灰の甲殻(グレースケール)』でも貫けなかった(実証実験済み)……間延び狐印すっげーな……

 

「生徒会副会長!?」

「おー……んじゃ、おやすみぃ……」

「あ、おい!」

「次俺に勝てたら何でも言う事聞いてやるよ~……勝てたらなぁ~……zzZ」

「いや、刀が増えてる理由が聞きたかったんだが……」

 

 そのあと朝のSHRで俺がもう1つISを所有している説明された。やめてください、彼女達や彼らを煽らないでください。

 

※─※─※

 

 んで、やって来ました昼休み。学校の方の食堂は1~3年共用であるため、昼休みはごった返すも席に座れないなんて事はない。まぁ、勿論……座る場所を厭わなければの話ではあるが……今回はそんなことにはならずに済んだ。

 

「で、副会長。中国代表候補生とは話した?」

「どーでも良いって昨日言ったじゃん」

「そうだったわね。忘れてたわ」

「別に良いけどさ」

 

 俺が座っているのは4人掛けの席で、そこには俺の他に楯無、布仏姉こと生徒会会計『布仏 虚』に布仏妹こと生徒会書記『布仏 本音』が座っている。

 

「はらはらは人付き合い苦手だしね~」

「五月蝿いぞ、仕事しない生徒会員」

「月曜日から火曜日まで生活を見つめる布仏本音で~す~」

「働け間延び狐」

 

 実際には本音は仕事が出来ないのではなく、事務系の仕事が出来ない(それだけでもはや生徒会員としてどうなのだろうか)だけであって、最近はISの装甲に使える材料の開発を行っていたが、それが終わったため今はその装甲が破壊できるIS兵装の開発をしているらしい。作者名は『間延び狐』……そう、グレースケールですら貫けなかった普通に対IS装甲に問題ない強度の腕章を作ったのは本音である。

 

「仕事をして欲しいけどこの有り様……最近はその装甲量産して地下シェルターつくってるようです」

 

 頭を手で押さえている虚さん。布仏先輩って呼んだら『あなたの禊とお嬢様の更識は対等ですのでそれはやめてください』と言われて、色々試行錯誤した結果、呼び方は虚さんに決定した。あまり呼ばないように心に誓った。

 なお、虚さんはストレス性の偏頭痛に悩まされているらしい……ちょっと同情する……

 

「にしてもあの中国代表候補生は織斑くんと面識があるようね」

「一夏曰わく『セカンド幼馴染』なんだとか……幼馴染にファーストもセカンドもあるのかね?」

「ふぅん……これは……修羅場の予感ね!!」

「要らないから!」「私達に必要はありません」

 

 俺と虚さんの同時ツッコミ(?)によって修羅場が混沌となるような事は無かった。洒落にならない……

 ここの席からは一夏達+十六夜、東屋、茅場が昼食を取っているのが見える……俺?混ざる必要性は何?わざわざ混ざる意味もないだろ、興味ない連中と連んで何をしろと言うのだ。

 

「それにしても仰々しいですね、それ」

 

 虚さんが見ているのは袋にも何にも入れていない鞘に収まった状態の俺の専用機の待機状態だ。

 

「確かに仰々しいかもしれませんが、袋に仕舞って携行するのはダメと言われたので」

「ああ、ISを待機状態から展開するときは自分で触れていなければいけないんですよね」

 

 面倒臭い設定だ……待機状態も待機状態だよ……まったく……

 

※─※─※

 

 で、放課後俺はアリーナに来て有知で訓練をしようと思ったのだが……

 

「私と勝負してはくれないか」

「…………」

 

 俺の前にはホロウ・フラグメントを展開した茅場が待っていた。

 

「……めんどくさ」

「まぁ、そう言わずに……観客も集まっているのだ。観客の期待を裏切る訳にはいかんだろう?」

 

 気付けばアリーナで訓練していた女子は全員観客席に移動していた。畜生……逃げ場は無いってか?うわ……楯無のやつまで観客席に居るよ……

 

「仕方無い……やるか……」

 

 俺は有知に話し掛ける。

 

(準備は?)

《問題ない。いつでもいける》

(そうか……)

「来い、有知」

 

 俺は光を反射しない白のIS『有知』を纏う。

 

「無知とは違うのだな……」

「エキシビジョンマッチなんかやるんじゃなかったよ……」

 

 俺は完全に無防備な状態の自然体でそこに立っている。

 

「カウント5で開始な」

「いいだろう」

「5、4、3、2、1……0!」

 

 茅場はかなりの速度で接近し、右手のクロス・リリースの片手剣で攻撃を仕掛けて来るが俺は茅場の後ろに回り込むようにして避ける。

 

(うわ……パワーアシスト無いと重いな……)

《それであの攻撃を避けるんだから禊様おかしいぞ》

(全知全能使わない分マシだろ)

《……そうだな》

 

 茅場はかなりの速度で攻撃をしてくるが、俺はそれを全てパワーアシストもPICもオフにして避ける。

 

「クッ…………」

 

 茅場はクロス・リリースを収納して黒の片手剣『ブラックリベラル』と白の片手剣『ホワイトティアー』を展開し二刀流で攻撃してきた。もはやかなりの速度で連続で攻撃されると完全に避ける事は殆ど無理だが、掠る程度に抑えられているし問題はない……

 

(パワーアシストもPICも無しだとこれが限界か……)

《ISの機能をしっかり使ってくれない》

(んー?分かった)

 

 俺はPICとパワーアシストを有効にする。おお!体が軽いな!

 俺は右手に無限の形状(インフィニティ・マテリアル)を集めて三角形が集まったような片刃の剣を作る。

 

「一刀で二刀流に対し何をする気かね」

 

 攻撃を止めて一度距離を取った茅場が聞く。

 

「別に?」

 

 答える義理はないと俺は剣を払う。三角形が剣から射出され地面に刺さる。

 

「ほう……」

「ま、概ね想像(創造)どおりか……」

 

 茅場がこちらに突っ込んで来る。まぁ……予想通りかな……

 

「フンッ!!」

 

 茅場の最初の一刀……俺はそれを流す形で避けた。茅場は慣性モーメントに従い、俺を通り過ぎてまた距離を取るが……

 

「計画通り」

 

 俺はISの手で指を鳴らした。その瞬間、茅場のシールドエネルギーが幾つもの白い三角の棘によってゼロになる。

 

「無限の形状『白き棘(ホーリーニードル)』」

 

 俺が全て翼に戻れと命ずると全て非固定部位に集まり、ジャキッと音を立てて翼へと変わった。

 

「悪いな『白鶯』に『白鶴』……しばらく出番は無いようだ……強敵が現れるまではな……」

 

 いざとなればあの最悪の破壊力を持つ武器の使用も厭わないが……流石に避けたいな……左腕失うのは嫌だしなぁ……なんであんな設定に俺はしたかなぁ……自分を殺す気かよ……まったく……

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