IS 全知全能(に近いナニカ)が転生するようです   作:見知らぬ誰か

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第01話 転生で全知全能って……これ、大丈夫かよ

 神様転生という言葉をご存知であろうか?

 名前の通り、神様に転生されるのではなく、自分が異世界へ神様の手により転生されるのである。二次創作のネタとしてよく使われる題材だ。

 そして俺が今居るこの場所だが、真っ白でなんにもない……俺はそこに浮かんでいた。

 そういや、今さっきまで俺は何してたっけ……いいや、思い出せないし。

 

『おぬし、面白いの』

「お?誰?」

 

 何か大量の人間が同じ早さで言ったときみたいに重なって聞こえたような……

 

『我等はおんしらの総称で言う『神様』という存在じゃよ』

「ほう……?」

 

 するといきなりその真っ白な空間に大量の神(?)が顕れた。

 恐ろしい量の神が出て来やがったな……えーと……?分かる奴はっと……

 日本八百万の神から天照大神、伊邪那美、伊邪那ぎ、大国主神、河童、七福神、月読神、天狗、招き猫……

 アステカ神からカンヘル、ケツァルアコアトル、テスカトリポカ……

 聖書正典並びに外典・偽典に登場する天使からミカエル、ガブリエル、カマエル、メタトロン、ザキエル、サハリエル、サンダルフォン、シャムシャエル、ラファエル……

 イスラームの四大天使並びに伝承特有の天使からジブリール、ミーカール、アズラーイール、イスラーフィール、サバーニーヤ、ムンカル・ナキール、ハールート・マールート、リドワンマーリク……

 更にオリンポス12神、エジプト神話、ウガリット神話、ギリシア神話、ゾロアスター教の神々、中国の神々、北欧神話、ヒンドゥー教、ローマ神話、スラヴ神話、シュメール神話、メソポタミア神話……etcetera

 幾ら何でも多すぎるわ!分かるだけでも30柱は居るわ!!いや、大半理解できるぞ……大丈夫か?俺の頭……。

 

『おぬし、随分神について詳しいの』

「ま、興味はあったらしくてね」

『存在することを信じておるようじゃが?』

「居たって可笑しくはないと思うね」

『ふむ…………』

 

 何か神様が考え事に耽ってるんだけど……まぁ、先ずはっと。

 

「で、俺は一体どうなった訳?ちょいとそこが知りたい」

『ああ、おぬしは暇を持て余した神々の遊戯となって死んでしまったんじゃよ』

「神様って其処まで暇なの?」

『暇じゃな』

「仕事とかあるんじゃないの?」

『全知全能の神々が多少サボって、仕事が溜まったとしてもそんなものは1千万分の1以下の時間で片付くわい』

 

 ……成る程、暇にもなるわけだ。神様となれば時間を止める神様だって居るだろうしな。

 

「んで?何で俺は輪廻転生輪っかから外れて、ここに居るわけ?」

『輪廻転生からは……まぁ、確かに外れ掛けじゃな……

 ……で、ここにおぬしが居るわけじゃが……わしらの遊び相手になった代わりに、一丁異世界に転生させようかと思っての』

「おっそろしい量の神様全員から弄ばれた結果が異世界転生かい」

『ま、それすらもわしらの遊びの一環ではあるがの。

 精々、オモシロオカシク暮らさせてやるわい』

 

 ……8百万……下手するとそれ以上の神々の遊び相手とか不運なんだか幸運なんだか分かりゃしないな……。

 

『で、おぬしには転生特典をやらねばならんのだが……』

「そんなものは要らんからオモシロオカシク暮らさせろ」

『イヤイヤ、それがの?他の神々が遊んで神様転生させまくったおかげでの、あるガイドラインが設定されたんじゃよ』

 

 ポンッと俺の前に10枚ほどの紙が綴じられた本……『神様転生ガイドライン』が顕れた。

 ページを捲れば、神様転生における様々な条項が記されていた。その中には……

 

【神が1人の人間を転生させる際は必ず転生特典を1柱につき1つ付けること】

 

「しょうもない条項を付けるなよ……神様……で、俺はどうなるわけ?これ、下手すると……いや、下手しなくても全知全能の神になりかけるんだけど」

『うむ、おぬしにはここにおる神様の力全て……ひいては【全知全能】をやろう』

「どうしようもない神様共、俺を現人神として異世界に転生させる気か」

『いや、1度で良いからやってみたかったんじゃよ』

 

 ……こんな神様で大丈夫なのかと心配になるわ……世界は本当にこいつらによって回ってるわけ?凄いな……適当にしか回ってないんじゃね?

 つか、全知全能って何から何まで全部出来るって……うわ、もう本当に人を辞めてんじゃん……人生が迷うことなく狂うぞ、これ……

 

『次のページ捲ってみ?』

「あ?」

 

 ペラリと捲ってみれば、そこにはこう記してあった。

 

【転生先の重要度は転生者、次に神様とする。】

 

「よーするに、俺が指定しなかったら神様が決めるってか?」

『そういうことじゃ』

「いや、もう色々面倒だしさ?そっちで決めて良いよ」

『そうか?なら《インフィニット・ストラトス(IS)》の世界かの』

「良いねぇ……どうせお前ら神様が運命仕組んで遊ぶんだろ?」

『いや、おぬしに【全知全能】が付いたおかげでその世界の制御権はおぬしのものじゃ、わしらはただ見ることしか出来んよ』

「遊びってまさかのテレビ的なら何かかよ……運命いじくって何かする訳じゃないのかよ」

『それが出来ればやるんじゃがな』

「ま、とにかく全知全能……貰って置くよ……

 さて、もうちょい聞きたい事があるが答えてくれるのか?」

『おぬしの疑問、質問には答えよう……全て、あまねく、何もかもの』

 

 ま、疑問と言っても1つしか無いがな。

 

「俺以外の転生者は居るのか?」

『おぬしを含めなければ3人おる。全員男じゃよ……勿論、基本転生特典として【ISを動かせる】というのが付いているがの』

「へぇ……面白いね……負けるなんてことは絶対に無いけどな。

 あとは何もない……やってくれ」

『精々、愉しく暮らすが良い……グッドラック』

 

 俺はニヤリと笑って白い光に包まれた。

 そして意識が遠ざかる時間が引き延ばされたと思ったら頭の中に声が響いた。

 

――おぬし、名前は何と言ったかの――

―ふん、神様が聞く必要も無いことを聞くかよ……―

――なんと言うんじゃ?――

―俺の名前は禊(みそぎ) 祓(はらい)……じゃあ、行ってくる―

 

 その瞬間、俺は意識を失った。

 

※─※─※

 

 この俺、禊 祓はとても短い手足を今、懸命に動かしていた。

 視線の先には転生前と大して変わらない父親と母親が俺を見ていた。

 

「名前は……決めたんだったか」

「ええ、私達『禊』性にピッタリな名前……『祓』……」

「確かに……ピッタリだな」

 

 転生前も変わらない俺の名前……それだけは、神様が弄くれたのか……それとも俺がそうなるように望んだからかは分からないが、俺は祓と言う名を使って生きていける事に安心した。

※─※─※

 

 俺は生後2ヶ月で立てるようになり、生後半年で本を読み話せるようになった。

 いや、正しくは体がそうできる分だけにまで成長したのだ。やろうとすれば、全知全能でどうとでもなるがその全知全能を証すのは俺が小学3年になってからでも遅くはない。下手すると証す必要すらない。

 因みにこの全知全能、かなり便利だ。流石は神様が出来ること全てだ……精神空間から、何から何まで全部出来る。自分が全知全能を持っていないという仮想人格まで創るのだってお茶の子さいさいだ。

 暇な時は仮想人格に俺の身体任せて俺は精神空間に引き籠もる。幼稚園とか暇すぎるわ……やってた遊びが賽子振り……初めは1つからだったんだけどおれ、なにやっても最大数が出るんだよね……全知全能には類い希なる幸運すらも含まれていたらしいのだ、6個一気にやっても全部6、仕舞いには高く上げたら全部6を上にして重なった。メダカボックスのめだかちゃんみたいな感じ。俺が好きなのは禊くんだけど。

 他にやってた遊びが双六……やっぱり最大数が出るから俺がぶっちぎりで一番だった。いやぁ、途中から俺の幸運(こううん)捻子曲げて不運にしたり、運命をランダム(ふつう)にしたりと自分の全知全能を知る良い機会だった。案外どうとでもなる能力だと言う事が分かった。

 

※─※─※

 

 そして、小学3年生に俺はなった。やはり運命は一切弄らないからか成績とか最高位、学校の先生からは唖然とされる始末……そりゃあ、フェルマーの最終定理とか解いたり、テスト用紙の余白に円周率を延々と書いてたらそうなるよな……暇で暇で仕方がない。

 で、俺は親に俺の事を証すことにした。良い加減、俺が普通じゃないことには気付いた筈だしね。

 

「なんだ、祓大事な話とは」

「祓が大事と言うのだからとても大事な事なのでしょう……?しっかり聞いてあげるわよ」

 

 優しすぎて涙が出て来ます(嘘)。まぁ、聞いてくれるのだから言わないとね。

 

「ねぇ、俺が可笑しいと思った事はない?」

「まぁ、可笑しいな。全てにおいて」

「あなた、祓が傷つくから少しオブラートに包みましょう?」

 

 ははは~……ま、話します。

 

「ま、長ったらしい確認なんかすっ飛ばして……本題だけ言わせて貰うよ?

 但し、これだけは誓って?命に関わること以外俺を頼らない事と、俺が今言う事を絶対に誰にも口外しないって」

「良いだろう。約束だ」

「ええ、約束するわ」

 

 なら、話そう。

 

「俺は、この世に存在する全ての神々によって【全知全能】を与えられた転生者なんだ」

「ほう……?」

「へぇー……」

「父さんと母さんはこれを信じる?」

 

 2人は少し考え込んだ後、答えた。

 

「全知全能だという証拠を見せてくれれば」

「信じれるわぁ……」

「証拠ね……あ、これとかどう?」

 

 俺は右の手の平を父さんと母さんに見せると、そこに透明な結晶を作り出した。

 作り出したのはダイヤモンドの巨大な結晶。

 

「これで満足?」

「満足か満足でないかと言えば、これを見せられただけで満足は出来ないが……」

「………………」

「母さんがこんなに目をキラキラさせているから満足しよう」

 

 ……母さん、ダイヤモンド1つでそこまで目をキラキラさせないでよ……。

 因みに俺は石、結晶が好きだ。お小遣いの大半以上は石の鷲掴みとかのやつに消えている。好きな物には逆らえないね。

 とは言え来年はISが発表される……今までみたいに悠々自適(?)に暮らす事は出来ないだろう。

 まぁ、俺が作り出しても良いけどあれは『篠ノ乃 束』の開発品だ。横取りする必要性は無い。俺はオモシロオカシク暮らすだけだ。

 

※─※─※

 

 時は過ぎて俺は高校1年になった。俺の目の前には真っ白い建物『IS学園』が建っている。

 俺は、神様に与えられた運命を自分で弄らずにそのまま、ISを動かした。おかげで世界で3人目の男のIS操縦者だ。俺を含めなければ他に4人居るわけだ。勿論1人目は『織斑 一夏』……他はどうでもいい。煩悩にまみれた奴らだろうしね。

 

さぁ、【全知全能】として転生した俺の本当のオモシロオカシイ生活の始まりだ。

刀が振られ、レーザーが飛び、空気が飛び、銃弾が走り抜け、動けない……そんな生活に入っていくとしよう。




こんなんで大丈夫だろうか……
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