IS 全知全能(に近いナニカ)が転生するようです   作:見知らぬ誰か

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第07話 一次移行そしてクラス代表決定戦

より一層鋭くなった俺の専用機はとても刺々しく、装甲のエッジ部分は刃へと変貌していた……この機体は装甲のエッジ部分が多いためほぼ全身が武器となりうるのだ。特に、マニュピレーターなんかは刃そのものだ。殴るだけでも相手にダメージが与えられるだろう。

 そして特徴的なのは左腰にある量子変換されていない刃渡り3メートル近い鞘に入っている大太刀とその少し下にある鞘に入っている刃渡り1.3メートル程の小太刀代わりの太刀だった。

 

「良い子だ……」

 

 俺は特に何も考えずにそう言った。ただ何となくではなく、アンノウンに言ったのは確実だが何故そう言ったのかは分からない。本当にただ何となく言った言葉だ。

 そんな言葉に俺の専用機は反応した。

 

《ありがとうございます》

 

 とても美しいソプラノボイスが頭に響いた。視界の端には各メーター、情報と共に黒い和服を着た美が付くであろう少女がぺこりと頭を下げていた。

 俺は頭の中で話しかける。

 

(君は?)

《表向きはこの『Unknown』のコア人格『黒鴇(くろとき)』……実際はあなたの運命を弄くって遊んでみようと言い始めた1柱……【不知】を司る神『らぬか』の下神です。》

(へぇ……)

《あなた様かららぬか様に与えられたのはあなた様以外への干渉です。あなた様のISへの干渉は悪くはありません。

 なにより、私は神世界とあなた様を繋ぐオブザーバです。一々、らぬか様と脳内で会話する必要無くこの世界へラグ無しで干渉するための》

(なるほどね……まぁ、よろしく)

《私は常に……ISを解除してもあなた様の視界に残ります。ISの場合は様々な管制を行い、日常生活では日々のサポートを行います。

 ちなみに、頭の中で『私が邪魔だ』と言う思考が一瞬でも見られた場合、私は視界から消えます》

(……なぜそこまでしてここに?)

《結論から申しまして、顕界を見てみたくなりましたのでこのような形になりました》

 

 わぁ……この世を神世界では顕界と言うのか……知らなかった。

 

(……まぁ、とにかくよろしくな。呼び方は好きなように)

《はい、祓様》

 

 俺がISを解除するとアンノウンは待機状態になったのだが……その待機状態は……

 

「刀……?」

 

 正しくは『大太刀』と『小太刀』

 両方ともに黒い柄に黒い鞘。刀を抜いてみれば刀身まで黒い。しかもやはり光を反射する事のないマッドブラック……またはつや消し黒。

 大太刀はやや反りが強く、円運動をしっかりと出来れば普通の太刀よりも速く抜けるだろう。長さは1.8メートルほど……長い。

 小太刀は少し反っているだけで長いは80センチといった所だろうか。

 再び頭に声が響く。

 

《大太刀の銘は【黒鳶(くろとび)】で小太刀が【黒鷺(くろさぎ)】……切れ味は紙からゴム、鉄に合金、チタン、更にはダイヤモンド……果にては概念的な空気や水、時間更には人の迷いまで……つまりありとあらゆるものを軽く振るっただけでサクリと切れる万能の品です》

(……なんでも御座れの大太刀小太刀とか初めてだわ)

《『斬れぬものなどあんまりない』改め『斬れぬものなど絶対無い』ですね》

(十六夜可哀相)

《あ、あの咲夜モドキですか?あの人迷いだらけですから迷いを切ってあげたらその場で成仏させられますよ》

 

 ……俺、思った事があるんだが『成仏させる』って『殺す』のと同じ?成仏って魂を天国あるいは地獄に送るために必要な魂の昇華と考えて居るんだけど……やっぱり殺すのと同義かな。

 

「それがアナタのISの待機状態?」

 

 楯無が聞いてくる。

 

「……大太刀『黒鳶』と小太刀『黒鷺』……」

「……良い名前ね」

 

 ……しかし、名前が『Unknown』では呼びにくいな……

 

(黒鴇)

《何ですか~?》

(今から『Unknown』と言う名前を変える事は出来るか?)

《出来ますよ?このISの人格が嫌だと思ったのなら普通に変えられます。まぁ、私なら幾らでも変えられますけどね》

(そうかい……んじゃ変えますかね)

 

 俺は再びISを展開する。

 

「どうしたの?」

「……コア人格が名前が嫌だって拗ねて泣く泣く変える羽目になった」

「へぇ…………」

 

 俺はホロキーボードを出してIS名称を入れる。入力した名前は……

 

【不知】

 

 知ら不(知らず)……そのままだな。Unknownよりはマシかな?

 

(【黒骸(くろむくろ)】ってのもあるけどどうする?)

《いやです》

(なら不知で良いか)

 

 俺は決定ボタンを押して名前の変更を完了させた。

 

《ちなみに~IS時の大太刀・小太刀の銘は大太刀が【黒鶯(くろうぐいす)】、小太刀が【黒鶴(くろづる)】です。切れ味は【黒鳶】【黒鷺】と同じですので!ISのエネルギーシールド並びに絶対防御も楽々切れますので》

(訓読みにこだわるな……)

《良いじゃないですか~だってある意味私の姉妹なんですから》

(別に悪いとは言わないさ……)

 

 俺はその後ISを解除した。あの規格外な刀は殆ど使わないと心に誓いつつ。

 

《あ、言い忘れてましたが……【黒鳶】【黒鷺】【黒鶯】【黒鶴】は斬れるものを指定出来ますので》

 

 言うのが遅いとはツッコまないからな。

 とまぁ、これでISの受領も完了。そして、これから1週間と少しはクラス代表決定戦に向けて楯無と特訓することになった。うひゃー……我ながら頑張るなぁ……

 

※─※─※

 

 そして迎えたクラス代表決定戦。俺は1週間と少しの間楯無から特訓を受け速度特化の不知に丁度良い特殊技能を会得していた。

 なお、余談ではあるがこの1週間の間に楯無が何度か俺の教室に来て俺の彼女宣言したお陰で十六夜からおっそろしいほど睨まれた。別に怖くも何ともないから良いけど。

 で……このクラス代表決定戦はトーナメント形式となっていて、合計5戦することになっている。まぁ……途中で襲撃があって中止になるんだろうが……

 にしても……せなんとかさんと一夏とか何それ……。楯無から生徒会に入らないかって言われてるから俺は余り勝たない……俺の初戦は十六夜だ……。 そして、俺が居るのは第2ピット……せなんとかさんが第1ピットで一夏・十六夜が居るのが第3ピット、茅場・東屋が第4ピットだ。

 

「やあやあ、頑張ってね?」

 

 楯無の一切緊張していないような声が聞こえる。

 

「生徒会に入るには『クラス代表』は少し邪魔なのよ。だから善戦し、あと少しで勝てる……って言うのが丁度良いわ」

「別にどうでも良いよ。十六夜には善戦して負けるつもりだし」

「勝ちに執着が無いのね」

「別に無い訳じゃない。今勝つ必要性が無いだけだよ」

 

 そして、一夏対せなんとかさん戦が始まった。

 

※─※─※

 

 一夏対せなんとかさん戦はなんと一夏が辛くも勝利した。にしても一夏の太刀筋に迷いが無かったな……斬る速度も速かったし……原作とは違うけどまぁ、良いか。

 で、十六夜はもう既に待機済み……機体名称『幻想サテライト』……確かに、衛星みたいに十六夜の周りを何かがクルクル回ってるな。両手にはナイフ……か……ま、行くとしますか。

 俺は不知を展開する。両手には……まぁ、螺子で良いかな。

《『幻想サテライト』は特殊兵装ありの遠・中の射撃型ISです。恐らく弾幕張ってきますからそれで蜂の巣にされて終了と言うのも負け方の1つかと……私的にはその負け方の方が成長の芽も見えないため、クラス代表にはされないかと》

(サンキュー、黒鴇)

 

 俺は後ろにいる楯無を一瞥してから脚部をカタパルトに接続した。

 

「じゃ……行きますか」

 

 俺はカタパルトに射出されて密閉された限定的な空へと舞った。

 

「遅かったじゃねぇか」

「いやぁ……楯無とちょっとね」

「はっ!俺がここで勝って楯無を奪ってやるよ!!」

 

 十六夜は両手合わせて10本以上のナイフを連続で投げてくる。周囲に浮かんでいるやつ……まぁ、簡単にサテライトでいいやはエネルギー弾を大量に撃ってくる。綺麗さも壮大さもないただの相手を倒す為だけに撃たれた弾幕……なんだ、こんなものか……東方プレイヤーっぽいから美しい弾幕期待してたのに……

 その恐ろしい速度ではあるが避けられる速度の弾幕を少し、少しづつ受けて必死に動いてるように見せ、嘘の言葉を吐く。

 

「くそっ避けらんねぇ!?」

「そうだろ!?避けらんねえだろ!?だから、さっさと散り(ピチュリ)やがれ!!」

 

 さらに濃くなる弾幕。俺は徐々に被弾を多くしていく。

 

「くそっ!くそっ!クッソォォオっ!!」

「ハハハハハッ!!おら、逃げろ逃げろ!!」

 

 俺は、シールドエネルギーが3割を切ったところで、無計画(にみえる)特攻を繰り出す。

 

「クッソォォオ!!」

「そんな悪足掻きで!!」

 

 十六夜はナイフを投げるのを止めて、サテライトからの射撃もやめて掌を俺の方に突き出すとその前に十六夜の周囲にあったサテライトが集まり出し……

 

「……その意を評して最大威力を出してやるよッ!!」

 

 掌と集まったサテライトから撃ち出されたのは虹色の極太レーザー……

 

「魔砲『ファイナルスパーク』!」

 

 それを喰らった瞬間、不知のシールドエネルギーは0になり、試合は終了した。

 

試合時間:6分37秒

 

※─※─※

 

 十六夜と祓の戦闘を一夏の居る第3ピットで千冬は違和感を感じていた。

 

(何だ……?この戦い、違和感を感じる……十六夜からではない……恐らく祓から……)

 

 十六夜から放たれる大量の弾幕を拙い操縦技術で弾幕に当たりながらも必死に避け続ける祓が千冬の目に映る。

 

(専用機が渡されて1週間と少し……確かにその程度で操縦技術が熟達する事は少ないし、最悪専用機の慣熟すら行えない可能性はある……だが、十六夜は少なくとも機体の慣熟は終えて居るし一夏……いや、織斑も4日間で最低限の慣熟は終えている……しかし祓は慣熟して居ない……この操縦技術の食い違いは何だ!?)

 

 祓の操縦を見ていれば見ている程に大きくなる『違和感』。千冬にはそれがどうやっても拭えなかった。

 

(祓は生徒会長でありロシア代表の更識に特訓して貰っていたはず……更識の教え方はうまい……だが祓の操縦技術はまだまだ拙い……祓の学習能力が低いのか……?IS適正が低いのか……?)

 

 千冬は祓のIS適正を思い出す。適正は『C-』……平均よりは少し低いが動かせない訳ではない。

 

(どうしても、ナニカが引っ掛かる……何が引っ掛かる?)

 

 千冬は画面を見る。そこには虹色の光の奔流に巻き込まれる寸前の祓。

 唇が動くが声はない。だが、千冬は読唇術を心得ている。その声にされずに紡がれた言葉は……

 

――予定通り――

 

「……ッ!?」

 

 千冬は漸く気付いた……いや、気付かされた。祓はわざと負けたのだと……。

 

(あいつ……自分の実力を隠していたのか……だが何故だ?十六夜からは何か恨まれているようだからそれを無くすためか……?いや、それは考えにくいな……そこまで祓を知っている訳では無いが祓は恨みつらみはどうでも良いと言い切るに違いない……問題は後ろに着いているやつ……更識か…………更識生徒会長……ああ……そういうことか)

 

 漸く結論に至った千冬。

 

(そりゃ、勝つ必要性は無いわけだ……生徒会に入るにはクラス代表は邪魔だからな)

 

 次は東屋対茅場戦。

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