ホロライブ・ゾンビーズ   作:鉄の掟

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酔った勢いで書き上げてしまった作品です。
読者の皆さんに面白く読んでいただく為に頑張るゾイ。


プロローグ 崩壊
第一話 始まり


 

 

 

 

 

 数日前……確か世界がおかしくなったのは、そのくらい前の事だったと思う。

 テレビやゲーム、アニメなんかでは死んだ人間が時間が経って生き返り、生きている人を襲う、所謂【ゾンビ】なんてものは珍しくも何ともないよくある設定だ。

 でも、そんな設定は、結局は映像や小説の中だけの架空のものであり、実際にゾンビが彷徨く街や世界が来るなんて、その時の俺や世界は夢にも思ってなかっただろう。

 

 そして、世界がおかしくなってしまったその日……春の季節だというのに妙に肌寒い日に、俺は目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

 

「 ふふっ、可愛い寝顔…… 」

 

「……おい、何してんだ」

 

「あ、起きた? おはよう八一君」

 

 薄いタオルと毛布の中から可愛らしい声が聞こえる。

 朝の気怠さを更に助長する布団の中の少女を無視して、布団を出ると洗面所まで向かう。

 それに続くように足音が俺の後ろまで付いてくるが無視だ無視。

 ったく、毎朝俺の布団に潜り込みやがって……大体俺も俺で何で気付かないんだろうな、

 

 水を出すと、まだ冬の冷たい水が手に流れ落ちる。

 お前までも俺の気持ちを下げるのか、水道管。

 心の中でそう思いながらも、水を掬い顔を洗うと、少しだけだが目が覚めて来た。

 一呼吸置いた俺は、後ろで綺麗な銀色の髪に一部分だけ黒色が入っている、俺がこれから通う学校の制服を着た少女に、話しかけた。

 

「……で、今日は何の用だ。

 俺はお前に布団への不法侵入の許可を出した覚えはないぞ、【沙花叉】」

 

「もー、いい加減クロヱって呼んでよっ! 

 ……今日は入学式でしょ? 八一君が寝坊しないようにこうして起こしに来てあげたのに、ひどーい」

 

「頼んだ覚えないんだが」

 

 沙花叉クロヱ。

 俺と同じ16歳の女の子で、どういう訳か中学の頃一緒のクラスになった時、何かと付き纏って来た、自称俺の友達だ。

 中学を卒業した時はやっとこいつと離れられると心底嬉しがってた俺に、こいつは笑顔で「高校からもよろしくねっ!」って言って来やがった。

 

 中学の頃はただただ学校でうざい奴という感じだったが、この数週間で誰から聞いたのか、俺の家にまで来るようになり、極め付けはこの一週間の間に妙に母さんと話し込んでるかと思えば、一昨日の朝、目が覚めるとこいつが布団の中に潜り込んでやがった。

 

 曰く、抗議の為に起きてすぐ沙花叉を退かし、リビングの母さんに怒鳴りつけた時の母さんから聞いた話では、「沙花叉ちゃんが遅刻しないように毎朝起こしに来てくれるって言ってくれたのよ〜、もうお母さん助かっちゃう!」……との事だった。

 ……母さん、生まれて初めて貴方が嫌いになりそうです。

 

 と、まぁそんなこんなでこいつ。

 沙花叉クロヱは俺の家に来るようになった。

 因みに何で布団の中に潜り込むのか聞いた所、鈍感な俺には教えないと顔を赤らめながら言ってきた。

 ……危ねぇ、こいつが男だったらぶん殴ってたぜマジで。

 

 

「はぁ、取り敢えず俺は着替えるから早く出てけ」

 

「えぇー、別に沙花叉は気にしないけど」

 

「いいから出てけ、不法侵入並びに変質者」

 

「酷い!?」

 

 全く朝から騒がしい奴だ。

 改めて大きな溜息を吐いた俺は、寝巻きを脱ぎ壁に掛けてある制服に手をかける。

 ……頼むから高校のクラスは別であってくれよ、ただでさえ何の悪戯か中学ではあいつとずっと同じクラスだったんだからな。

 周りの奴らから、「二人って付き合ってるの?」みたいな質問をされるのはマジで金輪際ごめんだ。

 

 

 

 

 

「それにしてもこんな可愛い女の子が起こしに来てくれるなんて、うちの子は幸せねぇ」

 

「やだもぉーお義母さん/// 沙花叉が世界一可愛いなんて//」

 

 ……リビングからそんな会話が聞こえてくる。

 会話を聞いた俺の中で無性に怒りが湧いてくるが、俺は我慢ができる男だ。

 それにこんな所で時間を潰していると入学式に遅れかねない。

 沙花叉はどうせ俺の後ろに着いてくるだろうし、そうなったら【入学式に遅れて来た男女】ということになる。

 ……字面だけでも寒気がしてくるのは流石だ、沙花叉。

 

「……母さん、行ってきます」

 

「あら八一、朝ご飯は?」

 

「今日はいいや、あんまり腹減ってないし」

 

「そう? それならいいけど……」

 

 母さんが心配そうな顔で俺を見つめる。

 さっきの会話を聞いた事によって生まれた怒りが一気に無くなっていく、何というか……母さんはこういう風に純粋に心配してくれるのは変わらない。

 昔からよく俺のことを気遣ってくれて、当たり前の事と母さんは言うが、そんな当たり前が子供は一番嬉しいのだ。

 

 特に俺の場合は父親が単身赴任が多く、中々家に帰って来ない。

 そんな俺からしたら、母さんは本当に大切な人なんだと心から思う。

 

「じゃあお義母さん、行ってきます!」

 

「行ってらっしゃい、この子を宜しくね沙花叉ちゃん!」

 

「はいっ!!」

 

 ……母さん、やっぱりさっきの無しで。

 

 

 

 

 

 

 

 家を出て、歩き始めた俺の後ろを、当然のように沙花叉は着いてくる。

 まぁ、今更その事についてどうこう言ったりする訳じゃない。

 

 しかし……考えてみればこいつが他の奴らと遊んだり、出かけたりといったところを見た事ない気がする。

 授業の合間や昼休み、放課後も毎日俺に付き纏って来ていたこいつは、他に遊んだらする奴がいないんだろうか? 

 どうせ学校に着くまで暇だし、話してみるか。

 

「なぁ、お前って他に友達とかいないのか?」

 

「? いるよ? いっぱい」

 

「……? じゃあ何で俺とばっかり一緒にいるんだ? 友達がいるならそいつらと遊んだりすればいいだろ」

 

「……」ゲシッ

 

「痛っ、急に何すんだよ?」

 

「……鈍感」

 

 急に人の足を蹴っといてそれは無いだろ、沙花叉さん。

 お前は本当に女に生まれてよかったな、グーでいってたぞ、男ならグーで。

 

 その後は特別面白い話をするでもなく、俺と沙花叉は学校に着いた。

 学校の前では俺達と同じ入学する生徒達がスマホで記念写真を撮っていた、そういえば今年からあのウイルスのせいで親は遅れて入学式に来るんだっけか。

 まぁ後から来るなら変わらない気もするが、色々学校側も大変なんだろうな。

 

 俺と沙花叉は写真を撮る生徒達を横目に校門から学校に入って行った。

 おいおい……学校に入ったはいいが、あそこにいる奴とか凄いな、なんだあの角は? 頭の真ん中にカラスも乗ってるし。

 それに科学者みたいな奴や奇抜なサングラス掛けてるやつもいるし……あの刀持ってる奴とかまさか本物じゃ無いよな? いつからここは仮装大会の会場になったんだ。

 

「あっ! いたいた、おーい!」

 

「げっ、お前まさか……あれと知り合いなの?」

 

「あれとは失礼だな、人間」

 

 幼げを残した声が目の前から聞こえる。

 声がした方を見てみると、丁度紫色のカラスと目が合った。

 あ、お辞儀した、これはどうもご丁寧に……。

 

「おいっ! 吾輩はこっちだ!」

 

「うわっ!」

 

 目の前の紳士的な態度のカラスさんと目で会話してると、ぐいっと下から胸倉を掴まれ、下に引き寄せられる。

 見ると鼻が当たりそうな距離で小さな少女の顔がこちらを睨んでいた。

 何だこいつ……俺とカラスさんの時間を邪魔しやがって、こちとらやっと今日初めてまともなやり取りをしてたというのに。

 

「おい、人間。

 あんまり吾輩のことを馬鹿にすると痛い目に……」

 

【ラプちゃん?】

 

「な、なんだ? 吾輩はこの人間と話が……」

 

【それならそんな近づく必要ないよね?】

 

「で、でも……」

 

【い い か ら は な れ て ?】

 

「ヒッ……ま、また後で覚えてろよ、に、人間!」

 

 そう言い残すと、胸倉を掴んでたちびは学校の中に走り去っていった。

 ……あいつ、マジで16かよ、見た目だけなら12って言われても全然分からないな。

 というか、こんなドスの効いた声出せたのか沙花叉。

 そこら辺のチンピラより今のお前はよっぽど怖いぞ。

 

「あ、待つでこざる! ラプ殿ー!」

 

「もう、仕方ないわね、また後でね沙花叉。隣の貴方も」

 

「こ、こよを置いてかないで〜!」

 

「……何だったんだあいつらは」

 

 類は友を呼ぶ、昔の人は上手いことを言った。

 沙花叉の言う友達がどういう奴らなのか、これで分かった気がする。

 この非常識な奴と友達になる奴だ、少しは変でも驚かないと思ったが、まさかまともな会話も出来ないとは思わなかった。

 天晴れだ、沙花叉。

 

「! だから痛ぇよ!? 何ださっきから!」

 

「浮気した八一なんてもう知らない! 先に沙花叉行くから」

 

 さっきより数倍強い蹴りが足に飛んできた。

 こいつ女だからって何でもしていいと思うなよ……、流石に一言言おうとした俺を沙花叉は大声で怒鳴ると、鼻息荒く歩き去ってしまった。

 ……決めた、もうあんな奴知らん。

 というかあっちから知らないと言われたんだ、それなのに何で被害者の俺が何かしなきゃいけないんだ。

 

 あいつが謝るまでは絶対にこっちから話しかけてやるもんか。

 俺はそう決意すると、痛む右足を動かし生徒達で賑わう校舎の中に入っていった。

 

 

 

 




筆者は酔うとゾンビみたいになります。
この前一緒に飲んでた友達に、「お前はさんかれあか」って言われました。
因みに男です、いえーい。
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