超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
文量が多くなったせいで、また予定がずれてしまいました。
しかも、投稿も遅れて申し訳ありません。
それでは、 信じているから はじまります


信じているから

(あ、アタシ今、やっちゃった!? 言っちゃったの!?)

 

 ユニが感情に任せたまま叫んだ言葉の中にあった失言に気付いた時には、既に状況が完成されていた。

 きょとんとした顔でユニを見つめる夢人。

 ほとんど自分の気持ちを暴露したも同然なことに気付いて顔を真っ赤に染めて俯くユニ。

 2人の間に気まずく居心地の悪い雰囲気が流れだす。

 

(何でアタシったらいつも……って、そうじゃなくて、この状況をどうするのよ!?)

 

 自己嫌悪に陥りながらも、ユニは進退きわまったこの状況をどうするかに考えをめぐらす。

 しかし、冷静になりきれない頭では解決策を模索することすらできず、ユニは両腕で恥ずかしそうに体を抱きしめて次第にぷるぷると震えだした。

 その顔は何かを口にしようと唇を動かそうとしてわなわなと震わせるだけに終わり、両目もきつく閉じてしまう。

 

(ど、どうしよう!? 絶対夢人に気付かれたよ!? こ、こんな状況でアタシの気持ちなんて知られたくなかったのに!?)

 

 ユニとしては夢人の間違った女神に対する認識を改めようとしただけなのだが、聞きようによっては告白とも取れてしまう発言をしてしまったことに後悔してしまっている。

 メイド服姿に女装した思い人から渡された自分を題材にしたちょっとエッチな本を渡された状況からの告白。

 日々初恋の熱に浮かされ、見た目の年相応に乙女チックな理想を抱いていただけに、ユニに襲いかかった現実は非常なものであった。

 しかも、この事態を招いた原因の一端はある意味で自業自得とも言えるので、余計にユニは悔いてしまう。

 

(こ、こここ、こうなったら、言うしかないわよね!? あ、アタシは1歩踏み出すのよ!? 女は度胸なんだから!?)

 

 照れによって焦り混乱する思考の中で、ユニは1つの答えを導き出す。

 ……もう、ここまできたら突っ走るしかないと。

 自分を鼓舞しながら目を開くと、ユニは軽い眩暈を覚える。

 チカチカと何かが点滅しているように見える視界に普段なら気持ちの悪さを感じるのだが、今のユニにそこまで気を回す余裕はなかった。

 血が上り過ぎた影響なのか、重く感じられる頭をわずかに上げてユニは夢人を上目遣いにチラチラと見る。

 覚悟を決めたからと言って、ユニはすぐに元の強気な表情を作れるわけがなく、柔らかくほほ笑むこともできない。

 今にも涙がこぼれてしまいそうなほど瞳を潤ませ、弱々しく眉を垂れさせて、両手で口元をそっと隠してしまう。

 

(言う、言うのよアタシ!? アタシが好きな男は……)

 

「ユニ」

 

「ひゃあっ!?」

 

 この状況で告白をすると言う葛藤を拭い去ろうと、ユニが必死に口元から両手を退かそうとしていた時、今まで黙っていた夢人が真剣な表情で声をかけてくる。

 ただ名前を呼ばれただけなのだが、告白の言葉を考えるだけでいっぱいいっぱいだったユニは両肩をビクッと跳ね上がらせて変な声を上げてしまう。

 ビクッと驚いた拍子に1歩下がってしまい、ユニはおたおたと両手を忙しなく動かす。

 その動きはまるで自分と夢人との間に見えない壁があるかのように表現するパントマイムに近い。

 ペースを乱されてばかりで慌ててしまっているユニが咄嗟にしてしまった行動である。

 だが、客観的に見れば、夢人から名前を呼ばれたことに拒否反応を示しただけのように思えることにユニは気付き、頭の中はさらに滅茶苦茶になってしまう。

 

(ち、ちがっ!? あ、アタシは、そうじゃなくてっ!? あ、あれ!? な、何を言えばいいんだっけ!?)

 

 言い訳が思考を埋め尽くし、ユニは完全に自分が何を言おうとしていたのかすらも忘れてしまう。

 焦れば焦るほど唇は小さくパクパクと開閉するだけで、瞳の両端に涙の粒が溢れてくる。

 それでも無理やりほほ笑もうと頬を引きつらせ、ユニの全身が怯えるように震えだす。

 両肩はガタガタ、両足はガクガクと、できることならユニはこの場から逃げ出してしまいたい衝動に駆られてしまう。

 しかし、自分のことを真っ直ぐに見つめてくる夢人の視線から逃げることもできず、ユニはついにギュッと瞳を閉じて再び顔を伏せてしまった。

 

(だ、駄目!? アタシ、こんなの耐えられない!?)

 

 前に進むことも後ろに下がることもできなくなってしまったユニは、ただひたすら夢人の視線に耐え続ける。

 羞恥に悶えつつも淡い期待を抱くユニに、夢人は真面目な顔のまま口を開く。

 

「ユニ」

 

(き、来たっ!?)

 

「お前の好きな奴って……フェルだったのか」

 

「………………はあっ?」

 

 今までのやり取りから夢人の導いた結論を聞いて、ユニの顔から一瞬で表情が掻き消える。

 ユニが無表情のまま伏せられていた顔を上げると、目の前には何故か納得しているように腕を組んで頷いている夢人の姿が映り込む。

 

「なるほど。確かにフェルはまだ小さいけど、将来有望なイケメンになれる素質を持ってるからな。それに、初めて会った時からユニはフェルのことを意識してたし、気付くのが遅かったぐらいだな」

 

(っ、こ、コイツは……っ!?)

 

「後はフェルの気持ち次第だけど、まあ安心しろよ。俺はお前の味方……」

 

「違うわよ、この馬鹿!!」

 

「あがっ!?」

 

 したり顔で優しい眼差しを送ってくる夢人の口を閉ざすため、ユニはキッと眉を吊り上げてライフルを振り上げる。

 その後、ゴチンと言う音と夢人の悲鳴がリビートリゾートに響くのであった。

 

 

*     *     *

 

 

 ……まったく、どうしてコイツは話の流れが読めないのかしら。

 1人で舞い上がっちゃってたアタシが馬鹿みたいじゃないの。

 

「つまり、プラネテューヌの女神候補生に振られたから、女装するに思い至ったと?」

 

「ああ」

 

 アタシに代わって、ブレイブが夢人への尋問を引き継いでくれた。

 と言うより、アタシがブレイブとアヤに止められたのよね。

 まあ、確かにライフルを夢人に振り下ろしてから、地面すれすれまで下がった後頭部をぐりぐりと踏んでいたアタシにも問題があるけど……

 それにしても、前から思っていたけど夢人の体って頑丈よね。

 いくらアタシが夢人の勘違いした発言を止めるために手加減したとはいえ、ライフルで頭を殴られたのに少し腫れただけですんでいる。

 自分でやっておいてなんだけど、アタシは夢人のことを殴ろうとライフルを振り下ろした瞬間、しまったと思った。

 アタシとしては以前まで同じ感覚で、夢人を軽く小突くイメージでしてしまったのだ。

 出会って最初の頃、2人でダンジョンを巡っていた時もアタシが後ろからライフルの弾丸を間違って当ててもほとんど無傷だった。

 夢人本人は痛がっていたけど、本当に大した怪我になってなかったのよね。

 それに、ブレイブと決闘した後も倒れたって聞いたけど、次の日にはアタシを追ってルウィーまで来れるくらいに回復していた。

 そんなこともあって、アタシには夢人がある程度頑丈であると言う認識があったけど、それは勇者であった頃の話だ。

 今の夢人には当てはまらない。

 前までならアカリが体の中にいたからだと納得できたのだけど、今はいないのでおかしいと思う。

 冷静になって考えると、普通金属の塊で殴られたら頭から出血していてもおかしくないはず。

 でも、今の夢人に目立った外傷もなく、アタシがぐりぐりと頭を踏んだ時顔についた土の汚れくらいしかない。

 理由として考えられるのは、夢人をこのゲイムギョウ界のバグじゃなくしているブレスレットの効果なんだけど……

 

「それで、ユニちゃんはどうするの?」

 

「……どうするって何がよ?」

 

「も~、わかってるくせに」

 

 アタシが夢人の頑丈さについて考えていると、隣にいるアヤが体をくねらせながら尋ねてくる。

 その顔がにやにやとしていることにイラッとするけど、アヤが何を言いたいのかわかっているアタシにはプイッと視線をそらすことしかできない。

 

 ……アタシは夢人のことが好きだ。

 正直、出会いは最悪で勝手に奴隷扱いしたり、何度も喧嘩もしてしまった。

 勇者なんて名乗ったくせに何の力もない口先だけの男。

 女神候補生であるアタシに偉そうに説教してくるうるさい奴。

 アタシがネプギアよりも優秀だと証明するためだけに利用しようとした代わりなんてそこら中にいるその他大勢の内の1人。

 そんな風にアタシは夢人のことを見下していた。

 だから、当然夢人もアタシのことなんて嫌な女としか思っていなかったはずだった。

 アタシが勝手に奴隷なんて言って、ネプギアから引き離していたのだから憎まれていてもおかしくないはずだった。

 

 でも、アタシは夢人から離れたくなかった。

 奴隷扱いをして自己嫌悪に陥ったり、顔を突き合わせて喧嘩したりと、アタシにとって嫌なことばかり考えさせられる夢人との出会いだったけど、不思議と離れようとは思えなかった。

 夢人の隣は居心地がよかったのよね。

 あの時のアタシは自分の弱さにコンプレックスを感じて、いつも強いお姉ちゃんになりたいと願っていた。

 弱いアタシなんていらない、強いお姉ちゃんさえいればいいんだって、自分のことを信じられなかったんだ。

 

 そんな時だからこそ、アタシは無意識に夢人のことを求めていたのかもしれない。

 自分よりも弱くて何もできない、できそこないの人間が傍にいることで、自覚はないけど身勝手に優越感を感じていたんだと思う。

 そして何より、アタシよりもアタシのことを信じてくれる夢人の存在が嬉しかった。

 自分を否定することでしか認められなかったアタシのことを無条件で信じてくれているとわかる夢人の強い瞳が力をくれた。

 夢人と一緒にいれば、アタシはいつまでも強いままでいられる。

 もうできそこないだなんて呼ばせない。

 強いお姉ちゃんの妹、ラステイションの女神候補生ユニとして胸を張ることができると思っていた。

 

 ……しかし、それは結局虚勢でしかなかった。

 他人に認めてもらわなくちゃ強くなれないアタシの弱い心は、簡単にブレイブの語る正義にのまれてしまった。

 強がりでしかなかった自分を守る張りぼてを壊され、できそこないの弱いアタシは何もかも捨てて逃げ出したくなってしまった。

 でも、1人じゃ逃げ出せない臆病者のアタシは同じできそこないの勇者である夢人に泣きついた。

 ……アタシ達は弱いんだから、後は強いネプギア達に任せてもう何もしなくてもいいじゃないか。

 ……アタシ達2人が逃げたところで、誰も責めないわ。

 ……だから、全部捨てて2人で逃げましょうよ。

 同じできそこないの夢人なら、アタシの気持ちを理解してくれると思っていた。

 アタシを信じてくれた時と同じで、弱気になって逃げ出そうとする心を肯定してくれると思っていたんだ。

 だって、夢人は弱いもの。

 夢人は弱いから、弱いアタシのことも理解してくれる。

 だから、アタシと一緒に逃げてくれる……そんな風にアタシは夢人のことを勝手に決めつけて、自分の弱さから目を背けようとしていただけだった。

 結果、そんなアタシの心を見透かしていたのか、夢人は首を縦には振ってくれなかった。

 あの時はどうしてわかってくれないの、アタシを通してネプギアのことを考えないで、と色々卑屈になって夢人の言葉を受け取ってしまった。

 

 だけど、それでよかったんだと今は思う。

 互いの傷をなめ合うことだけを考えていたアタシと違って、夢人はゲイムギョウ界を救うことを諦めていなかった。

 ハードブレイカーにボロボロにされても、ブレイブに握り潰されそうになっても、夢人は戦いをやめようとはしなかった。

 アタシが無理だと、やめてとブレイブに泣いて命乞いしても、夢人の決意は変わらなかった。

 泣いてるアタシのために戦ってくれるとブレイブに向かって宣言した背中から目が離せなくなり、気がつくと絶対にあり得ないと思っていた夢人の勝利を信じたくなっていたんだ。

 そして、アタシの信じた夢人はブレイブに一矢報いることができた。

 しかも、夢人のできそこないの象徴であった失敗魔法でブレイブの左肩に傷をつけたのだ。

 

 その時から、アタシは心の底から夢人の隣にいたいと思うようになった。

 誰よりも近くにいて、互いに信頼し合うパートナーになりたい。

 例え、どんなに道が険しくても2人でならどんな困難でも乗り越えられる関係になりたいと強く思ったんだ。

 夢人がアタシのことを信じて守ってくれようとするのは嬉しいけど、それだけで終わらせたくない。

 アタシも夢人を信じて守りたい。

 ネプギアではなく、アタシことを認めてもらいたかったんだ。

 ナナハやネプギア達と違って、アタシの気持ちは不純な始まり方だったと思う。

 周りに対する劣等感を打ち消してくれる夢人が欲しかっただけかもしれない。

 でも、弱くても強い姿、諦めずに何度も立ち上がって自分を貫こうとした夢人に男らしさを感じたあの時、アタシはもう胸の震えを誤魔化せなかった。

 できそこないのアタシでも貫きたい1つの気持ちがあることに気付けたんだ。

 誰にも負けないアタシだけの気持ち、それこそ夢人のネプギアを思う気持ちに負けない強い思い。

 ……それこそがアタシの夢人への愛情。

 誰にも譲れない、譲りたくない初めての感情をアタシはあの時から夢人に抱いている。

 

 だからこそ、アヤはアタシに聞いてきたのだろう。

 ネプギアに振られたと勘違いしている夢人に、アタシの気持ちを伝えないのかと。

 ……でもね、アタシにできることは1つだけなのよ。

 

「そうね。今のうちに逃げ出したネプギアに文句を言っておかないといけないわね」

 

「……それだけ?」

 

「ええ、それだけよ」

 

 アタシはにかっとアヤに笑って見せる。

 予想外の行動だったようで、アヤは目を丸くしてしまう。

 だって、いつかこうなることがわかっていながら、アタシ達は夢人に恋をしたんだもの。

 後悔は……しているわ。

 どうしてあんな馬鹿な勘違いから女装するようなニートに恋しちゃったんだろうって。

 何でアタシは勝ち目がないとわかっていながら、ちょっとかっこよく見えたからって好きになっちゃったのよって。

 ……こんなに胸が苦しくなる結末を迎えるとわかっていたのにって。

 

 気を抜けば、アタシは泣きだしてしまいそうになっていた。

 無理やり笑おうとしなければ、夢人もいるこの場で大声で叫んで涙を流してしまいそうになる。

 胸が張り裂けそうなほど痛む。

 許されるなら、今この場から逃げ出してしまいたい。

 夢人がネプギアに告白したなんて聞かなかった振りをしていたいと思ってしまう。

 ……でも、それじゃ駄目なのよ。

 そんなの、夢人に認めてもらいたいアタシじゃないもの。

 

「アタシは夢人を信じるわ。選ばれたのがネプギアだとしても、きっと2人でなら幸せになれるって」

 

「ユニちゃん……」

 

「だから、アタシはネプギアのことも信じてる。今回は擦れ違っちゃったけど、アイツの夢人への愛は本物だって……アタシの信じている……両思いのアイツらが……必ず、幸せになってくれるって」

 

「そう、いい女になったわね」

 

 嗚咽を漏らすアタシの頭をアヤが優しくなでてくれる。

 その手の温かさに涙が止まらないアタシは顔を伏せてしまう。

 ぼやけた視界でぽつぽつと零れた涙が地面を濡らすのを見ながら、アタシは心の中でアヤの言葉を否定する。

 

 アタシはいい女なんかじゃないわよ。

 今だって、夢人のことを諦めたくない。

 勘違いだとしても、ネプギアに振られたと思って落ち込んでいる夢人につけ入ろうとする弱いアタシがいる。

 そんな姑息な手段を選ばなくちゃ、夢人の1番になれないと諦めてしまっているアタシがいるんだ。

 

 でも、そんなことをするのは夢人の信じてくれたアタシじゃない!!

 夢人は弱気になって逃げ道を探すアタシを肯定してくれたんじゃない。

 夢人に倣って、弱くても何度でも立ち上がろうとするアタシの心を信じてくれたんだ。

 自分を信じる心の強さ、アタシが夢人に恋心と共に教えてもらった大切なこと。

 だからこそ、アタシはこれからも夢人に胸を張っていられる自分でありたい。

 例え、アタシの恋が破れたとしても、夢人のことを信じて信じられた自分でいられますようにと。

 

 ……絶対に幸せになりなさいよね。

 そうでなきゃ、アタシが絶対に許さないんだから。

 

 素直に祝福の言葉も遅れそうにないアタシは、心の中で呟きながら頬を伝う涙を拭っていく。

 そして、通信機を取り出してネプギアに連絡を入れる。

 2回のコール音がした後、通話を受け取った音が聞こえた瞬間、アタシは一気にまくし立てる。

 

「ネプギア、アンタいったい何考えてるのよ! おかげで夢人がまた馬鹿なことをしだしたじゃないの! ちょっと聞いてるなら返事しなさいよ!」

 

〔……声が大きいよ、ユニ〕

 

「へっ? ナナハ?」

 

 泣いていたことを悟らせないように一気に文句を言っていたアタシの耳に、ネプギアではなくナナハの声が響いてきた。

 え、もしかして連絡先を間違えた?

 

〔ちょっと訳あってね。ああ、安心してよ。ネプギアにもちゃんと伝えるから。ところで、夢人がどうかしたの?〕

 

「どうもこうも、ネプギアに振られたって勘違いした挙句、女装して女になろうとしていたのよ」

 

〔……はい? 女装に女ってどう言う意味?〕

 

 多分、ナナハがネプギアの傍にいるのは夢人に関してのことだろうし、敢えて追及しなくてもいいわよね。

 むしろ、アタシの連絡を取れない状態でいるネプギアが心配だわ。

 きっとうじうじと面倒くさい感じで落ち込んでるに決まってるわね。

 だって、アイツ変に真面目で頑固だもの。

 っと、ネプギアのことばかり考えてないで、ナナハの疑問に思ったことにも答えないと。

 

「何をどう間違ったのか、女神は女同士でしか恋愛できないとか言いだして、それなら自分も女になってやるって馬鹿な真似をしでかしたのよ」

 

〔そ、それは……うん、わかった。それで私はそっちにネプギアを連れていけばいいのかな?〕

 

 呆れたように伝えると、さすがにナナハも夢人の馬鹿さ加減にうろたえたように思える。

 そのせいで、結構無理やり気味に話まで進めてきちゃって。

 

「ええ。悪いんだけど、今すぐにネプギアのことをリビートリゾートまで連れて来てちょうだい。ちゃんと2人を向き合わせるわよ」

 

〔わかった。ワンダーも使うから、すぐに着くと思うよ〕

 

「そう、それなら大至急頼むわよ」

 

〔任せてよ。それじゃ、すぐにネプギアを連れていくから〕

 

 そう言い残して通話が切られた通信機を耳から離し、アタシは空を仰ぐ。

 青い空を流れる白い雲の流れがやけに速く思えた。

 

 

*     *     *

 

 

 ユニが通話を終えてしばらくすると、夕焼けに染まろうとするオレンジ色の空に1つの黒い影が浮かび上がる。

 影は真っ直ぐにリビートリゾート、夢人達のいるところに飛んできていた。

 

「よっと、到着」

 

 影は緩やかに夢人達の近くに着地し、その姿をはっきりとさせる。

 それは1人の少女を抱きかかえて飛んでいた1人の少女であった。

 抱きかかえられていた明るい紫色の髪を長く伸ばした白いワンピース姿の少女は、緑色の髪をサイドにまとめた白いレオタード姿の少女に向かって申し訳なさそうに眉を垂れ下げながら口を開く。

 

「ありがとう、ナナハちゃん」

 

「はいはい、そんな顔しないの。ちゃんとしっかり自分の気持ちを伝えてきなよ、ネプギア」

 

「うん」

 

 申し訳なさそうにしながらもお礼を言ってくるネプギアに苦笑しながらナナハは軽く背中を押してあげる。

 ネプギアもその意味を理解し、表情を凛々しくさせて頷いて見せた。

 

「夢人さん……」

 

「……ネプギア」

 

 振り返ったネプギアは、ユニ達から1歩前に出ている夢人と向かい合う形で名前を呼び合う。

 両者とも表情はどことなく硬く、緊張していることが見てとれる。

 そんな2人の邪魔をしないように、ユニ達もナナハも下がった位置で見守っている。

 

「夢人さん……私……私……」

 

 やがて、意を決してネプギアが自分の思いを夢人に伝えようとする。

 当事者ではないユニ達の鼓動も高鳴り、ネプギアの次の言葉を緊張した面持ちで待つ。

 当然、相対している夢人もガチガチに固まっていた。

 そして、遂にネプギアは夢人の誤解を解くためにその思いを口にする。

 真剣な表情で紡がれたその内容とは……

 

「私は、男の人が好きなんです!!」

 

 ……間違ってはいないが、どこかずれた発言であった。




という訳で、今回はここまで!
……うーん、本当だったら今回でこの章の本編を終わらせようと思っていたのに。
かと言って、ユニのことを蔑にするわけにはいきませんからね。
まあ、次回は予定通りいきます。
それでは、次回をお楽しみに!
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