超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
朝に寒いと思ったら雪が降っていて驚きました。
と言うより、最近急に冷え込んできたような気がして今も指が震えてます。
それでは、 new女神通信(ブラン編) はじまります


new女神通信(ブラン編)

 正直、まず何から言えばいいのか分からないわ。

 色々とあり過ぎて疲れているのかしら。

 それとも、わたしの目がおかしくなったのかしら。

 

 ――どうして誰もいないの?

 

 わたし、場所間違えてないわよね?

 何でカメラがポツンと置いてあるスタジオで1人で収録作業をしなきゃいけないの?

 ここには確かいつも御波夢人が居たはず……えっ、【体調不良により、欠席します】ってまるで学生がズル休みをする時の定型句のような書き置きがあるんだけど。

 えっ、今回本当にわたし1人で進めるしかないの?

 

 ……ぐだぐだ言ってても仕方ないわね。

 とりあえず、次回までには新しいアシスタントを用意しておかないといけないみたいわね。

 

 さて、話がずれてしまったけど、そろそろ本題に移らせてもらうわ。

 ルウィーを襲ったマジェコンヌと名乗る魔女の目的。

 それを知った時、わたし達は本当の意味で罠に嵌ったと理解したのよね。

 

 それでは、 new女神通信 ブラン編 始めるわ。

 

 

*     *     *

 

 

 ……1番に信じていた相手がいた。

 わたしは彼女に対して部下以上の思いを抱いていた。

 常に孤独だった女神のわたしだけど、人間の彼女に友情を――いえ、確かな絆を感じていた。

 だけど、それは全部わたしの一方的な思い込みだったのかもしれない。

 

「あなたの気持ち、とても嬉しいわ。いつも支えてくれてありがとう、フィナンシェ」

 

「そんなお礼だなんて……私はブラン様に仕えることが幸せなんです」

 

 目の前でわたしの姿に化けたマジェコンヌに寄り添うフィナンシェの頬はわずかに赤くなっていた。

 寒さのせいではない。

 瞳を潤ませるその姿はわたしに大きなショックを与えてくる。

 

「あ、あぁ……」

 

「ブラン!? しっかりして!? ――ブラン!?」

 

 足元が崩れていくような感覚を覚え、気付けばわたしはネプテューヌの腕に抱かれていた。

 女神化も解けてしまったようで体に力が入らない。

 

「ど、どうしちゃったんですか、フィナンシェさん!? そっちは偽物です!? こっちが本物のブランさんなんですよ!?」

 

「黙りなさい! 私がブラン様を見間違えるわけがないわ!」

 

 コンパが慌てた声で叫ぶが、フィナンシェは聞き入れようとしない。

 キッとわたしを睨んでくるフィナンシェの目が心を傷つけてくる。

 

 ――信じたくなかった。

 フィナンシェがそんな目でわたしを見るなんて。

 ずっと……ずっとわたしを支えてくれたフィナンシェがマジェコンヌの方を本物だと叫ぶ姿なんて信じたくなかった。

 

「落ち着きなさい、フィナンシェ。それよりも先にやらなければいけないことがあるわ」

 

「はい、申し訳ありませんでした」

 

 マジェコンヌが声をかけると、フィナンシェは恭しく頭を下げて職員達の方まで下がる。

 逆に、マジェコンヌはわたし達の方へと近づいて口を開く。

 

「よくもわたしの国で好き勝手してくれたわね。これ以上の暴虐は許さないわ」

 

「っ、黙りなさい!? あなたの方こそ、こんな真似して何をするつもりよ、マジェコンヌ!?」

 

「マジェコンヌ? 誰のことかしら?」

 

 マジェコンヌは知らぬ存ぜぬを貫き通すつもりらしい。

 怒りが込められたネプテューヌの言葉を受け流すと、マジェコンヌはわざとらしく周りを見渡す。

 

「なるほど。そう言うことだったのね。今、すべて理解できたわ」

 

 瞬間、ゾワリと背筋が凍るような感覚が襲ってきた。

 マジェコンヌの顔を見てみると、口の端を吊り上げて歪んだ笑みを浮かべている。

 すると、ゆっくりとマジェコンヌはネプテューヌを指さす。

 

「プラネテューヌの女神、パープルハート。それに……」

 

 そのまま指を動かし、マジェコンヌはミモザの方へと顔を向ける。

 

「リーンボックスの次期協院長と名高いミモザ。極めつけに……」

 

 今度は周りに散らばるロボットの残骸へと目を向ける。

 

「あの機械は確か、ラステイションのアヴニールと言う企業のものだったはず。そうよね、フィナンシェ?」

 

「はい、その通りでございます」

 

 わざとらしくフィナンシェに確認を取るマジェコンヌに対して、悔しさと怒りが込み上げてくる。

 涙が溢れ、目の前が滲みだす。

 

「ありがとう。これで確信を持てたわ」

 

「何を言っているの!? フィナンシェもそっちの人達も目を覚まして!? あなた達の信仰する本物のホワイトハートはこっちのブランなのよ!?」

 

 満足そうに頷くマジェコンヌを見て、ネプテューヌの嫌な予感を感じたのだろう。

 必死にフィナンシェや職員達へと訴える。

 しかし、誰ひとりネプテューヌの言葉を信じようとしない。

 睨むような目つきでわたし達を見つめるだけだった。

 

「見苦しいわ。こんな卑怯な真似までして、まだ反省していないの? この場にいないグリーンハートやブラックハート共々、恥を知りなさい!」

 

「何を言って……」

 

「あなた達の企みはまるっとするっと全部お見通しなのよ」

 

 意味の分からないわたし達が呆けていると、マジェコンヌは声高らかに説明を始める。

 

「――あなた達女神3人が共謀してルウィーを侵略しようとしていたことをね」

 

 まったく身に覚えのない疑惑だった。

 どうしてそんなことを言い出したのかも分からない。

 

「っ、マズイ!? それ以上、そいつに……」

 

「プラネテューヌの女神にリーンボックスの次期協院長!! 加えて、さっきまで街を破壊していたラステイションの兵器まであるのよ!! もう言い逃れはできないわ!!」

 

 何かに気付いたらしいミモザの言葉を遮り、マジェコンヌは大声で叫ぶ。

 この場に居る全員に言い聞かせるように強調する3国の名前。

 ここに来て、わたしもようやくマジェコンヌの企みに気付けた。

 だけど、もうわたしには止められそうにない。

 

「友好を結ぼうなどと嘘をつき、まんまと侵入したあなた達が密かに持ち込んでいた大量の兵器で街を破壊する所をわたしは見たわ!! しかも、そんな偽物まで用意して街の人達を騙していたなんて!! 絶対に許せない!!」

 

「なっ!?」

 

 ……そう、全部遅すぎた。

 わたし達は罠に嵌められてしまったのだ。

 この場で職員の人達が信じるのはマジェコンヌの言葉だけ。

 どれだけわたし達が叫ぼうとも、それを信じてくれない。

 

「そう言えば、『魔王派』なんて言う組織を広めたのもプラネテューヌだったわね? しかも、最初に目撃されたのはリーンボックス……出来過ぎた演出だったわね」

 

「っ、違うわ!? 『魔王派』を最初に言い出したのはルウィーの宣教師よ!? ルウィーの宣教師、コンベルサシオンよ!?」

 

 ミモザが叫ぶ名前に、わたしは心当たりがない。

 コンベルサシオンなんて宣教師、ルウィーの教会には居ないはずだ。

 

「コンベルサシオン? そんな宣教師、居たかしら?」

 

「私も記憶にございませんね」

 

「くっ、やっぱり!?」

 

 キョトンと首を傾げるマジェコンヌと追従するフィナンシェを見て、ミモザは悔しそうに唇を噛んだ。

 だが、それだけでわたしにも状況が理解できる。

 おそらく、コンベルサシオンのこともマジェコンヌの策略の1つだったのだろう。

 

「とにかく、これで分かったわ。『魔王派』なんて組織は存在しない――その実態はルウィーを侵略するために3国の女神が隠れ蓑として利用した架空の存在だったのね!!」

 

 マジェコンヌの宣言に、職員達がざわざわと囁きだす。

 非常にマズイ状況になってしまった。

 このままでは全部マジェコンヌの思う壺。

 きっと彼女はこの状況を最初から狙っていたのだろう。

 だから、さっき“茶番”だと言っていたのだ。

 

「……マズイな。ここで逃げれば、余計に疑惑を深めてしまうことになるぞ」

 

「……だが、ここで捕まるわけにもいかないだろう」

 

 ひそひそとMAGES.と銀髪の男が話しあっているようだが、何の解決策も思いつかないようだ。

 本当なら、わたしが……と言うのにも関わらず、体はまったく言うことを聞いてくれない。

 膝が震えてネプテューヌの支えがなければ立っていられないのだ。

 

「――逃げるわよ」

 

 そんな時、ネプテューヌの凛とした声が聞こえてきた。

 思わず顔を見上げると、そこにはいつも戦っている時に見せる真剣な表情をしたネプテューヌがいる。

 

「で、でも、それじゃ……」

 

「捕まったら何もできなくなってしまうわ。皆の目を覚ますためにも、ここでブランが捕まるわけにはいかないのよ」

 

 煮え切らないわたしに、ネプテューヌは強く言い聞かせてきた。

 この状況の中で、ネプテューヌだけが諦めてなかったのである。

 フィナンシェや職員の人達をマジェコンヌから助け出す可能性を。

 

「分かった。俺が時間を稼ぐ。その隙に……」

 

「全力で逃げるわよ。いいわね、皆」

 

「で、でも――いえ、分かったですぅ」

 

「……それしかないわね」

 

「うむ、では私も殿を務めよう。ネプテューヌは絶対に白の女神を守れよ」

 

「分かってるわ」

 

 ネプテューヌの思いが伝染したかのように全員が頷いた。

 失礼かもしれないけど、ネプテューヌが腐っても女神だと改めて思い知らされる。

 

「この状況で逃げられるわけ……」

 

「爆ぜろ!!」

 

 マジェコンヌが1歩踏み出した途端、銀髪の男が剣を投擲した。

 剣は地面に突き刺さると同時に爆発を起こし、辺りに煙が発生する。

 逃げるには今しかない。

 

「しっかり掴まってて!!」

 

「……うん」

 

 横抱きにされたわたしはネプテューヌの腕をギュッと掴む。

 こんな時に満足に動けない自分が情けない。

 癪だけど、安心するネプテューヌの腕の中でわたしは誰にも見られないように涙を流した。

 

 

*     *     *

 

 

「いや、しかし厄介なことになったものですのう」

 

 リーンボックスの協院長、イヴォワールが白いひげを擦りながら呟く。

 どこか他人事のような言い方に、ミモザはムッとした様子で噛みつく。

 

「何をのんきなことを言っているんですか!! あなたはリーンボックスの協院長でしょ!! だったら、この状況を覆す方法の1つや2つ考えなさいよ!!」

 

「……無茶を言うでないわ。どう考えても詰みの状態じゃろうて」

 

 イヴォワールの言う通り、状況はわたし達の思っていた以上に厳しいものだった。

 

 ……あの後、そのままルウィーに残るのが危険だと判断したわたし達はすぐにリーンボックスへと渡った。

 幸い大陸が近づいていたこともあり、すぐにリーンボックスに渡って追手を撒くことには成功できた。

 しかし、既にマジェコンヌは次の手段に出ていた。

 

「ネットの書き込みや動画に関する問い合わせで協会の電話がパンクしそうじゃわい。おそらく、デンゲキコ殿が勤めておられる出版社も同じ状況じゃろうな」

 

 そう、あの街であったこと――具体的に言えば、フィナンシェ達が到着した後の映像がネットに拡散されているのだ。

 しかも、明らかに煽りと思わせる書き込みもあちらこちらで広まっているらしい。

 あまりにも不自然な手際の良さ……確実に裏でマジェコンヌが絡んでいるに違いない。

 

「ワシらもどうにかしたいのは山々なのじゃが、こうも後手に回されてしまうとのう。しかも、『魔王派』に関することは否定もできないから弁解のしようもないのじゃ」

 

「まー、勝手に名前を使っちゃったのはゆっくんだし? つまり、戦犯はゆっくん?」

 

「ねぷねぷ!! ゆっくんさんは悪くないです!! ゆっくんさんはミモちゃんやイヴォワールさんのことを考えて……」

 

「じょ、冗談!? ジョーダンだってば!?」

 

 詳しい事情は分からないけど、このことにも御波夢人は関係しているようだ。

 だが、わたしもコンパと同じように彼を責めるつもりはない。

 元はと言えば、わたしがもっとしっかりしていれば防げた事態なのだ。

 わたしがしっかりしていれば、フィナンシェ達も……

 

「あまり思い詰めるなよ。顔がまた酷いことになってるぞ」

 

「……ごめんなさい」

 

 気遣ってくれるMAGES.に、わたしは謝ることしかできない。

 不甲斐ないわたしのせいで彼女達を巻き込んでしまった。

 そのせいで不自由な思いもさせてしまっている。

 

「まあ、ここでいくら騒いでも仕方あるまい。ここは1度、状況を整理してみようではないか」

 

「……そうね。何か突破口を閃くかもしれないし、もう1度考えてみましょう」

 

 MAGES.の提案に、ミモザは眉間を指でほぐしながら賛成する。

 

「まず、ゲイムギョウ界全体の状況だな。ネットのせいで軒並みプラネテューヌやリーンボックス、ラステイションで女神を信じられなくなっている者達が出て来たらしいぞ。逆に、その反動でルウィーを信仰し出す者が出ているらしいな」

 

「……随分と詳しいわね。どうやって調べたの?」

 

「ふっ、それもネットだ。少し火消しでもしようかと思って書き込みをしようとした時にだな」

 

 わたしが落ち込んでいる間にも、MAGES.は打開策を打とうとしていたようだ。

 眉をひそめるミモザに、MAGES.は得意げに笑って見せる。

 すると、きょとんとした顔でネプテューヌが口を開く。

 

「それで、火消しの結果はどうなったの?」

 

「話題が不味かったのか、逆に炎上させてしまった。リーンボックスの次期協院長はファザコンでチョロインだと書き込んだだけなのにな」

 

「――あなたはいったい何を書き込んでるのよ!? と言うより、誰がそんなこと言った!?」

 

 しかし、行動の早さは頼りになるかどうかと別問題らしい。

 とぼけた顔でとんでもない内容を書き込んでいるMAGES.に、若干引いてしまう。

 不憫なミモザの気持ちがよく分かる。

 

「ネプテューヌやREDさ。何でも父親のことや一目惚れをした男性のことを熱く語っていたらしいじゃないか。掲示板をうろつく奴らはそう言った話題にこそ食いつくものだと思っていたのだが、予想以上に面白……叩かれたり妄想されたりで炎上させてしまったんだ。因みに、現在は動画の件とは別にスレ立てされているようだ」

 

「何てことしてくれてるのよ!? それじゃ、ただの笑いものにされているだけじゃない!?」

 

 本当にミモザがかわいそうに思えてきた。

 わたしも女神だからそう言う風にネットの掲示板とかで話題にされてたりしたのかしら?

 今までそう言うのは見たことがなかったせいでよく分からないけど、ミモザが悲惨な状況に陥っているのはよく分かる。

 

「まあ真面目な話だが、話題を逸らそうとした瞬間に決まって横やりを入れられてな。どうやら連中はどうしてもこのことを広めたいらしい」

 

「なるほどのう。つまり、マジェコンヌと名乗る者はどうしてもリーンボックスを含めた3国の力を削ぎたいわけじゃな」

 

 ふざけた顔から真面目な顔へと戻ったMAGES.の言葉を聞いて、イヴォワールが納得したように頷いた。

 ネットで対抗しようにも相手も対策は万全らしい。

 

「うーん、でもさあ、ちょーっと分からないことがあるよね」

 

「一応聞いといてあげるけど、何か分かったの?」

 

「ミモリンがナチュラルに酷い。だってさあ、マザコングは女神に対して恨みがあるみたいなことを言ってたじゃん? なのに、どーしてこんなに周りくどいことをしたのかなあって」

 

「……言われてみれば、確かにそうね。後、マジェコンヌよ」

 

 ネプテューヌの言葉は尤もだった。

 どうしてマジェコンヌはこんな回りくどい真似をしたのだろう。

 彼女の魔法の実力なら、悔しいけど女神を単独で倒すのも可能のはず。

 実際、わたしとネプテューヌが力を合わせても彼女の防御を突破することができなかったのだから。

 

「うむ、おそらくじゃがマジェコンヌは極力人間に被害を出したくなかったのではないか? もしくは、女神様の地位を簒奪しようと考えていたのか……」

 

「考えられる限りではその2択か。どちらにせよ、マジェコンヌの標的は女神だけに絞られていると言うわけだな」

 

 MAGES.の言葉通り、マジェコンヌの狙いはわたし達女神で確定だろう。

 特にイヴォワールの言った後者の推論が正しいように思える。

 現状、わたしに成り替わったマジェコンヌはこのままいけばゲイムギョウ界で唯一の女神になりかねない。

 

「うかうかしている時間はない、と言うことね。マジェコンヌを早く何とかしないとルウィーだけじゃなく、ゲイムギョウ界中を支配されるかもしれないわ」

 

「で、でも、どうすればいいんですか? 皆さんの誤解を解くにも話を聞いてもらえないんじゃ……」

 

 深刻な事実を言い放つミモザを見て、コンパは慌てたようにきょろきょろし出す。

 だけど、わたし達は全員暗い顔で俯いたままだ。

 コンパの言う通り、何とかしなければいけない。

 しかし、どうすればいいのかが思い浮かばないのである。

 

「……とりあえず、ベールに連絡してみたらどうだ? 確か、ラステイションにいると聞いたのだが」

 

「そうね。向こうでも当然対策を考えている頃だろうし、ここは知恵を……うん?」

 

 今まで壁際で難しい顔のまま考え事をしていた銀髪の男――レイヴィスの提案に乗ろうとしたミモザだったが、突然聞こえてきたポップな音に首を傾げてしまう。

 音の発生源の方を向くと、どうやらネプテューヌの端末のようだ。

 

「あっ、わたしだった」

 

「ねぷねぷ、会議中はせめてマナーモードにしておくのが常識ですよ?」

 

「ごめんごめん。つい忘れ――って、ゆっくんからだ!!」

 

 コンパに叱られて困ったように笑っていたネプテューヌだったが、取り出した端末の液晶を見た途端に叫び出す。

 その名前に、わたし達も驚きを隠せない。

 特にわたしは彼が教会に向かったことを知っているため、その安否が非常に気になっていた。

 

〔もしもし、ネプテューヌですか? そちらは無事ですの?〕

 

「……いやー、ゆっくんってばいつの間にそんなに女装スキルを上げてたの? もうまるでベールの声、そのものじゃん」

 

〔そう言うボケは要りませんわ。でも、その様子ではご無事なようでよかったですわ〕

 

 端末から聞こえてきた声はベールのものだった。

 どうして御波夢人の端末からラステイションにいるはずのベールが通話をしてきているのだろうか。

 

〔とりあえず、そこにブランは居ますか? 後、そちらの端末は映像を受信できたりしますか?〕

 

「一応出来るけど、どうして?」

 

〔訳は見てもらえれば分かりますわ〕

 

 疑問を感じながらも、ネプテューヌはポチポチとボタンを操作して端末の液晶をわたし達にも見えやすいように向けてくれる。

 その液晶に映し出されている人物を見て、わたしは大きく目を見開いてしまう。

 1人はベール。

 もう1人は……

 

〔ブラン様!? ご無事ですか、ブラン様!?〕

 

 クリーム色の長い髪に赤いメイド服を着た彼女の姿を見間違えるはずがない。

 だけど、彼女は今マジェコンヌと一緒に居るはず。

 

「ふぃ、なんしぇ……なの?」

 

〔はい! フィナンシェです!〕

 

 泣きそうな顔で笑うフィナンシェを見て、わたしはもう訳が分からなかった。

 

 

*     *     *

 

 

 どうしてフィナンシェがラステイションに居るベールと一緒なのか。

 そもそもルウィーの教会に向かった御波夢人の端末を、ベールはどうしてもっていたのかなどと疑問は尽きそうにない。

 だけど、1つだけはっきりしていることがある。

 

 ――このままでは絶対に終わらせない。

 罠に嵌められてしまったけど、絶対にマジェコンヌからルウィーを取り戻さないといけないわ。

 受けた屈辱や悔しさや怒りを倍にして、まとめて返してやらないと気が済まない。

 

 そのためにもラステイションの状況を知らないとね。

 ベールと場合によってはもう1人……女神ブラックハートの協力を得るためにも。

 

 

 …………

 

 

 ……これで終わりでいいわよね?

 1人で映像見ながらしゃべるのって、すごく寂しかったんだけど。

 と言うよりも、もしかして客観的に見たら、もの凄く痛々しかったのかも……忘れましょう。

 

 さて、new女神通信もわたしで一巡してしまったわけだけど、次回からはどうなるのかしら?

 次章もルウィーがメインのはずだから、もしかしたらわたしが連続で担当するかもしれないわね。

 その時はよろしく頼むわ。

 

 とりあえず、今回はここまでにしておきましょう。

 次回はマジェコンヌからルウィーを取り戻した後で、ね。




と言う訳で、今回はここまで!
次回はREDちゃん視点……の予定でしたが、もう1人ゲストを入れて2人の視点になります。
……まあ、ゲストが誰かはすぐに分かると思いますけど。
それでは、 次回 「REDちゃんとヨメのラステイションイベント(ルウィー編)」 をお楽しみに!
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