超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
遅くなりましたが、続きを投稿していきますよ。
それでは、 歪み はじまります
「――えーっと、第1回ルウィーを取り戻せ会議を始めまーす!!」
〔わぁ~!!〕
〔おおー!!〕
〔うにゅ? 何が始まるの?〕
大声で宣言するネプテューヌに、画面の向こう側から帰って来た反応は3つだけ。
盛り上げようと拍手するプルルートとRED、それにホットケーキを頬張って首を傾げるサイタマだけである。
他のメンバー……特に、画面の向こうに居るノワールとネプテューヌの後ろに居るミモザは無表情のまま怒りを感じていた。
「司会進行はこのわたしネプテューヌで、解説件アドバイザーはブランにお願いしています!」
「……ど、どうも」
急に話を振られ、ブランは戸惑いながらお辞儀をしてしまう。
このノリについていけてないのは明白だった。
「次に、書記と記録係はそっちのベールがお願いねー!」
〔はーい、了解ですわー!〕
ブランと違い、ベールはネプテューヌに合わせて笑顔で片手を上げた。
その反応を見て頭が痛いのは同じ画面を見ているミモザとイヴォワールである。
「でで、最後にタイムキーパーの……」
〔――私、帰るわ〕
〔ちょ、ちょっと待ってくださいまし!? 何を本気で帰ろうとしているのですか!?〕
無表情のまま立ち去ろうとするノワールを、ベールが慌てて呼び止めた。
〔……あなたねえ、今がどんな状況なのか本気で分かってるの? いいえ、分かってないわよね。なにせ、いきなりこんなふざけたことをし出しているんだもの〕
〔そ、それは重たい議題を少しでも軽くしようとするための配慮と言いますか、ネプテューヌのノリに便乗したと言いますか……〕
〔そんなことに配慮するよりも、今は如何にこの状況を打開するかを考えるのが先じゃないの! 本当、馬鹿じゃないの!〕
「――以上、中継先は混乱している模様であります」
〔コラー!! そっちも何関係ないって顔でのほほんとしているのよー!!〕
ノワールは割と本気で後悔していた。
自分はこんなくだらない言い合いをするために、わざわざ己の葛藤を押し殺してまでベールに会いに来たわけではない。
こんなことになるのであったのなら、1人で解決策を練った方がマシだと思ってしまう。
〔だいたい、そっちに居るホワイトハート!! あなた、どうしてそいつの横に居るのにこんな馬鹿な真似なんかに付き合ってるのよ!!〕
「え、それはちょっとわたしも予想外で……」
「ホワイトハート様、こちらお飲み物のお代わりでございます」
「あ、ありがとう」
〔――って、あなたもあなたで何くつろいでるのよ!! あなたの国の問題でしょうが!!〕
飛び火したノワールの叫びに戸惑っていると、横からジャッドがブランに飲み物のグラスを渡した。
条件反射で受け取ってしまうそれを見て、ノワールの怒りはさらに増す。
「まあまあ、そう怒らない怒らない。怒っても何にも解決しないよ?」
〔今のあなたに正論を言われたくないわよ!! そもそも諸悪の根源のくせして、なに平然としているのよ!!〕
「いやあ、でもまさかノワールが女神だったなんて思わなかったよ」
〔人の話を聞きなさいよ!!〕
怒鳴るノワールに、ネプテューヌは感慨深そうに何度も頷く。
その妙に生温かい視線のままネプテューヌは口を開く。
「そうかぁ、ノワールも女神だったんだぁ」
〔何当たり前のことをしみじみ言ってるのよ!! と言うより、その目をやめなさい!!〕
「あー、なんかノワールっていっつも怒ってるイメージがあるからさー。改めて女神だって言われて何となく違和感が……」
〔あなたにだけは言われたくないわよ!! このぐーたら女神が!!〕
ノワールの怒声も止まらないが、ネプテューヌの無駄口もとどまることを知らない。
傍目から見れば、最早女神としての威厳は皆無だろう。
ネプテューヌの傍に居るコンパなど、さっきからずっとオロオロしっぱなしである。
「えー、わたしってばどう見ても女神じゃん」
〔どうしてそんな自信満々に言い切れるのよ!!〕
「ほら、わたしには皆に愛される百万ドルの笑顔があるじゃん? でも、ノワールはいっつも怒ってしかめっ面だしさ」
〔怒らせてるのはあなたでしょうが!!〕
〔あなたも落ち着いてください!? ここで暴れても仕方ないじゃありませんか!?〕
〔私は落ち着いているわよ!!〕
ベールに羽交い締めされているノワールの言葉に説得力はなかった。
映像を中継している夢人のNギアに限界まで顔を近づけ、鋭い眼光でネプテューヌを睨み続けている。
〔も~、ノワールちゃんばっかりずるいよ~。あたしもねぷちゃんやブランちゃんとおしゃべりしたい~〕
〔ちょっ、この状況をさらにややこしくしないでくださいな!?〕
〔ほら、プルルートさんはこっちで大人しく座ってようね。話は後でも出来るんだからね〕
ラステイション側は色々と大変そうだった。
画面外で騒ぐプルルートを止めるナナハの声まで聞こえてくる。
「もー、あっちはまとまりがないなー。この違いはやっぱり絶対的リーダーであるわたしがいるかいないかで……」
「――いつまでもふざけてんじゃないわよ!!」
「ねぷっ!?」
場をかき回したネプテューヌに、ミモザのチョップが下された。
あまりにもふざけ過ぎているネプテューヌに我慢の限界を超えてしまったようである。
「グリーンハート様もふざけ過ぎです!! あなたがコイツに合わせてふざけてどうするんですか!!」
〔えっ、あの、その……〕
「……ってか、ミモリンってばナチュラルにわたしのことをコイツ呼ばわりしたよ。わたしとベール、いったいどこにこれだけの差があるんだろう」
ミモザに怒鳴られ、ベールは画面の向こうでしどろもどろになってしまう。
叩かれた頭を擦りながらぼやくネプテューヌを、キッと睨みつけてミモザは口を開く。
「もう!! 全然話が進まないじゃないの!! あなた達はそれでも女神様なんですか!!」
至極真っ当なミモザの叫びに、誰もが共感するのであった。
* * *
〔……まずは謝罪を。お見苦しいところをお見せしてしまい、誠に申し訳ありませんでした〕
「い、いえ、その私もネプテューヌに煽られちゃったわけだし、ね?」
画面の向こうで深く頭を下げるミモザを見て、ノワールはとても居心地が悪い思いをしていた。
先ほどまでのことは自分でも醜態だと思っているのである。
曖昧に濁そうとするノワールはスッと画面から顔を逸らしてしまう。
「と、とにかく、本題に入りましょう。今はどうやってこの状況を解決するのか……そっちで何か考えとかは無いの?」
〔……策、とは別に嫌な情報が入ってます。ソースは信頼できませんが、結構マズイ情報です〕
ノワールが話を振ると、ミモザの顔が曇りだす。
〔今日から数えて3日後にルウィーで大々的に会見を行うと言う情報はご存知ですか?〕
「……初耳ね」
〔各国の報道関係者を集めて一連の騒動について女神様自身が話をすると言うものらしいですが、そこで3国に対して事実上の宣戦布告をするそうなんです〕
「はあ!? 宣戦布告ですって!?」
聞き逃せない衝撃の発言に、ノワールは思わず座っていた椅子を蹴飛ばして立ち上がった。
すると、ミモザは慌てて言葉を付け足す。
〔あ、いえ、国同士での争いとかじゃないようです。人間を巻き込まないように、女神様同士で決着をつけるとか言ってました〕
「言ってました? 気になってたんだけど、いったいどこから仕入れてきた情報なの?」
〔……ブラックハート様も知っている“シン”と言う男からです〕
ノワールの疑問に答えるミモザの顔は、まるで苦虫を噛み潰したかのようになっていた。
すると、ノワールも目を細める。
「へぇ、その名前をまた聞くなんてね。こっちでもその男に関する面白い情報があるのよ」
〔おっ、なになに? まさかシンの嬉し恥ずかしマル秘情報とか?〕
「あなたは黙ってなさい――その男、アヴニールのガナッシュと個人的な繋がりがあったのよ」
思い出すのはガナッシュの事情聴取のことであった。
そこでガナッシュはノワール達の前でシンの名前を口にしていたのである。
「何でも自分はルウィーの教会との橋渡し役だとか言って、コンベルサシオンとか言う宣教師を紹介してもらったらしいわ。それで、そのコンベルサシオンって言う奴は……」
〔残念ながら、コンベルサシオンとはマジェコンヌの仮の名前だったようです。本人があっさりと私達の前で存在を否定しましたから〕
「なるほどね。最初から計画してたことってわけね」
自然とため息をついてしまうノワール。
その心中は穏やかでなく、まんまと罠に嵌められた己の不甲斐なさに憤っている。
「それじゃ、次に最初に言っていた策ってやつを聞かせてもらえないかしら?」
〔はい。厳密にいえば私達が考えたことではなく、この情報をくれたシンから提案された作戦があるんです〕
眉間にしわを寄せる様子から、ミモザがシンの言葉を信じていないことは明白であった。
しかし、ノワールはわざとそれを無視して、目線だけで先を促す。
〔……彼は“マジェコンヌの変装を暴く手段”があるから、私達に会見場を襲撃してくれと伝えてきました〕
「襲撃って、それ失敗したら今以上に私達の立場が悪くなるんだけど?」
〔ええ、その通りです。それと私見ですが、彼は信用できません〕
はっきりと言い切るミモザに同意するようにノワールも頷く。
シンの思惑はどうあれ、夢人達に隠し事をしていたことに違いはない。
そんな相手からの情報を鵜呑みにするわけにはいかないのだ。
〔ですが、このまま手をこまねいている訳には……〕
「確かにね」
しかし、ネプテューヌ達は手段を選り好みする余裕がない。
3日後、それだけの日数が経ってしまうだけで致命的である。
それだけの時間があれば、もっと多くの人々がネプテューヌ達女神を疑うだろう。
つまり、それだけ信仰――シェアが失われると言うことだ。
シェアエナジーは女神の生命線。
このままではマジェコンヌと戦う前に、ネプテューヌ達は力尽きてしまうかもしれないのである。
「ちょっとホワイトハート。そこの所、どう思っているのか聞かせてくれないかしら?」
〔……ブランでいいわ。こっちも勝手にノワールって呼ばせてもらうけど〕
「あらそう? まあ、呼び名なんてどうでもいいのよ。この状況で1番得をしそうな女神様としては、どうするべきだと思う?」
顔をしかめるブランに、ノワールの痛烈な皮肉が飛ぶ。
そう、ブランだけはこの状況でシェアが増えている。
何故なら、ブランに化けたマジェコンヌが糾弾したのは他の3女神のみ。
真偽はともかくとして、唯一清廉潔白に見えるブランへと信仰が集まるのは当然の流れだろう。
〔わたしは……誘いに乗るべき、だと思うわ〕
「へえ、それはどうして?」
〔マジェコンヌの実力は直接戦ったわたしとネプテューヌがよく知っている。相手は女神2人の攻撃を完全に無力化できるほどの実力の持ち主よ。だから、今優先することはルウィーの人達にわたしが本物であることを……〕
「そう言って、私達に差をつけようとか考えてるんじゃないの?」
言い辛そうに申し訳ない顔で話すブランを、ノワールは冷めきった目で見ていた。
口から出る言葉にも怒気が含まれている。
「シェアを大量に確保できるチャンスだものね。ここで差をつけておけば、停滞していた守護女神戦争でも有利になるもの。あなたがそう言う風に時間を稼ごうとするのも納得ね」
〔っ、わ、わたしはそんなこと……!?〕
「と言うより、あなた本当に女神としての自覚があるの? 簡単に教会やら信者の人達からの信頼を奪われて、のんきに横の馬鹿とじゃれあってる暇があったら、もっと何かできたんじゃないの? それとも、まさか本当はそのマジェコンヌとか言う奴と協力して私達を嵌めようとしているんじゃ……」
〔違う!? わたしはそんなこと考えてない!?〕
〔ちょ、ちょっと落ち着いてくださいホワイトハート様!? ブラックハート様もあまりそう言うことは……〕
「口を挟まないでちょうだい。これは女神同士の問題よ」
ノワールは協調姿勢を見せているが、心ではネプテューヌ達を信頼していない。
特に信頼していないのは今回の事件の発端ともなったブランである。
「――でしたら、わたくしの意見は聞いて下さるのですよね?」
そんなノワールへと声をかけたのは、今まで黙っていたベールであった。
何時になく真剣な表情をしている。
「わたくしはブランの意見に賛成ですわ」
「……どう言うつもり? あなたも一緒になって私を蹴落とそうって言うの?」
「そうではありませんわ。これにはちゃんと理由があります」
目尻を吊り上げて睨むノワールに怯むことなく、ベールは毅然とした態度で告げる。
「先ほど話題に挙がったシンさんですが、実はこちらにも連絡がありましたわ。しかも、夢人さん個人に対する脅迫めいた内容でしたが」
「脅迫?」
「――人質ですわ」
そのベールの発言にはノワールだけでなく、画面の向こうに居るネプテューヌ達も息をのんでしまう。
嘘や冗談で言っているのでないことはベールの真剣な表情を見れば分かる。
いや、嫌でも分かってしまうのだ。
「ネプギアさんにデンゲキコさん、ロムちゃんやピーシェちゃんは預かった。無事に返して欲しければ、大人しく3日後の会見を待て、と言う内容のメールがその端末に送られてきましたわ」
「……だから、罠だと分かっていても指示に従うべきだと?」
「ええ」
有無を言わせぬ迫力を伴うベールを見て、ノワールは考えを巡らせる。
ノワールとしても、人質の安全を最優先に考えるべきだと思っている。
だが、それでシェアを失って力が出せなくなってしまったら?
もしかしたら、ブランとベールは共謀して自分を守護女神戦争から蹴落とそうと考えているのではないかとも邪推してしまう。
「駄目よ。罠と分かっているのに相手の思惑に乗るわけには……」
〔ストップストーップ!! 何3人だけで話まとめようとしているの!! わたしの考えを聞こうとは思わないの!!〕
「……もし、シンの話に乗るんだったら私は私で勝手に動かせてもらうわ。いつあなた達に後ろから刺されるか分かったものじゃないもの」
〔無視!? ちょっと無視しないでよー!? わたしも女神の1人じゃん!?〕
今まで意図的に視界の中に入れないようにしていた騒ぎの元凶――ネプテューヌの声を聞き、ノワールはげんなりしてしまう。
出来ることなら、このままブラン達との共闘が破局になってしまうことを祈ってしまう程だ。
〔もー、そんなんだからノワールはボッチなんだよ! コミュ力低すぎのボッチ系女神なんだから! そんなんじゃいつまで経ってもボッチを卒業できないよ!〕
「ボッチボッチ言うな!? だいたい、私に友達なんて必要ないわよ!? 私は好きで1人でいるんだから!?」
〔あー出た出た。友達出来ない人に限って、そう言うプライドの高そうなこと言うよねー。本当は寂しいくせにさー〕
「こ、コイツ……!」
すぐ傍にネプテューヌがいれば、ノワールはすぐにでも殴り飛ばしていただろう。
握った拳をわなわなと震わせ、目尻をヒクヒクと引きつらせている。
やり場のない怒りが爆発寸前だった。
「違うよ~。ノワールちゃんには、あたしって言う友達がちゃ~んといるもん」
「そうそう。ネプテューヌも勘違いしちゃ駄目だって。ノワールはあいちゃんとはまたタイプの違った孤高系のツンデレキャラで、アタシのヨメの1人でもあるんだから」
「ノワールって、ボッチなの? ……うにゅ? ボッチって何?」
プルルートとREDの擁護とも言えない発言に、ノワールは頭が痛くなってくる。
サイタマに至っては空気を読まないのにも程がある。
「はあ、もういいから黙ってなさい。話が全然進まないじゃないの」
〔その話をこんがらがらせているのはノワールの方じゃん。ここまで来て勝手に単独行動とか、本当に空気読んでよ〕
「その台詞はあなたが言えたものじゃないでしょうが」
ノワールにはもう怒鳴る気力すら残っていなかった。
これ以上ネプテューヌの馬鹿話に付き合うのだったら、さっさと話をまとめてしまおうとする。
「じゃあ、ネプテューヌ……あなたの意見を聞かせてちょうだいよ」
* * *
「――とまあ、だいたいこんな感じね」
「そう、か……ぐっ!?」
ベッドに寝たままの夢人に、アイエフは自分の知る限りの情報を伝えた。
すると、夢人は無理やりにでも起き上がろうとする。
「ちょ、ちょっと!? アンタ、先生の話聞いてなかったの!?」
アイエフは慌てて夢人を止めようとした。
診察中も一緒に話を聞いていて、夢人の体が今どのような状態なのかをよく知っているからである。
「動いたら、すぐに傷口が開くって言われてたじゃない!? 大人しく寝てなさいよ!?」
ディックに斬られた傷跡が夢人の体の至る所に残っている。
特に酷いのは肩から腰にかけてに残る、綺麗で真っ直ぐな傷跡だ。
そこからの出血だけで死んでもおかしくなかったのだから、今こうして夢人が生きているのは本当に奇跡とも言えるだろう。
「寝ている、暇なんてない……早く行かないと……」
「行くって、そんな体でどこに行くって言うのよ!? いいから寝てなさいよ!?」
起き上がろうとする夢人を、アイエフは強引にベッドへと押し戻した。
そのまま夢人の両肩を動けないように押さえつける。
「何があったか知らないけど、そんな体で無理するんじゃないわよ!?」
「でも、ネプギアが……それに、俺のせいでルウィーが……」
「あーもー!? いいから落ち着け!?」
「ぐっ!?」
加減せずにアイエフがベッドに押さえつけたことにより、夢人の顔が苦痛に歪む。
その顔を見て、申し訳なさそうな顔になりながらもアイエフは謝ろうと思えなかった。
代わりに口から飛び出したのは胸の奥につかえていた疑問である。
「アンタ、やっぱりおかしいわよ。ネプギアを助けたいって気持ちは分かるけど、どうして今の状況が自分のせいだって責任感じちゃってるのよ?」
「だって、それは俺がリーンボックスで魔王派について広めたから……」
「違うわよ。アレはコンベルサシオンとか言う宣教師が持ちかけた話であって、アンタはグリーンハート様達を助けようとしただけじゃないの。悪いのは今ルウィーに居る……」
「――そうじゃない。そうじゃないんだ」
諭すようなアイエフの言葉を、夢人は首を横に振って否定した。
その顔には体の痛みと別に、後悔のようなものが浮かんでいる。
「俺があの時、もっといい方法でミモザとイヴォワールさん達を止めればよかったんだ。魔王派なんて名乗らず、ゲイムギョウ界を混乱させるようなことをしなければよかったんだ」
「……何よ、それ」
夢人の言い分を聞き、アイエフは愕然としてしまう。
ネガティブな思考なのは体と共に心が弱っているからかもしれない。
しかし、それでもアイエフには夢人が自虐的すぎるような気がしてならないのだ。
「アンタはあの時出来ることを精一杯やったじゃないの。確かにいい方法じゃなかったかもしれないけど、それでもアレぐらいしか私達に出来ることなんて何もなかったじゃない。それとも何? 今のアンタにはアレよりもいい方法が思いつくってことなの?」
「……それは……思いつかないけど」
「だったら、どうしてそこで悩むのよ。アンタは騙されて利用された被害者で、必死になって頑張っただけなのに」
しゃべっているうちに、アイエフは頭の中が混乱してきた。
何を夢人に伝えようとしているのかも本人は分かっていないだろう。
だが、たどたどしくも言葉は途切れない。
まるで溜めこんでいた何かを吐き出すかのように続けている。
「――そこまでにしておけ。それ以上言ったところで、そいつも混乱するだけだ」
「アンタ、確かアヴニールの社長秘書……」
「マジック?」
そんなアイエフを止めたのは、病室に入って来たマジックであった。
意外な人物の来室に、夢人とアイエフは目を丸くしてしまう。
「何だ、その顔は? 私が見舞いに来ることがそんなにおかしいのか?」
「え、別にそう言うことじゃなくて……ちょっとアンタ、社長秘書と知り合いだったわけ?」
「ああ。でも、見舞いに来てくれたのは嬉しいけど、俺行かなきゃ……」
「馬鹿者が。そんな体でどこに行くと言うのだ」
小声で尋ねてくるアイエフに短く答えると、夢人は再び起き上がろうとする。
そんな夢人に苦言を呈し、マジックは勝手に椅子に座りだす。
「まずは何があったのかを話せ。話はそれからだ」
と言う訳で、今回はここまで!
いや、スマフォのアプリって楽しいですね(投稿が遅れた理由)。
ネプイベまでにレベルを上げないとと思うと、ついポチポチとしてました。
それでは、 次回 「罪の在り処」 をお楽しみに!