超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
バトライド創生、面白いですね。
戦闘員ver本郷の強さに泣きました(:_;)
それでは、 特命課活動報告書(超次元編) はじまります
……人選ミスのような気がするのだけど、今回は私が担当するのね。
もっとも、現状では私達全員蚊帳の外も同然だけど。
夢人の失踪から始まってフェルの異変。
前者はアカリが元に戻らなければどうにもならないけど、後者は私達に出来ることを探していかなければいけないわ。
だからこそ、ジャッジやブレイブ――それと、隅でこちらを覗いているトリックにも協力してもらうわよ。
さて、前置きはこの辺りにして、早速マジェコンヌの話から始めていくわ。
それでは、 特命課活動報告書 超次元編 始めるわ。
* * *
「さて、とりあえず何から話すか」
室内に戻った私達に、マジェコンヌはそう話を切り出した。
正直、聞きたいことは山ほどある。
何から聞くべきかと私が頭を悩ませていると、早速ネプテューヌ様が手を上げて口を開く。
「じゃあ、ネリネちゃんの正体について」
おふざけを完全に抜きにしたネプテューヌ様の質問に、私は1人頷く。
当然、気になっていたことの1つだったからだ。
「アイツか……まあ、貴様らも見ての通り、普通の人間ではないな」
「そんなの分かってるわよ。あんな腕が取れたって言うのに平気な顔している子が普通なわけないじゃない」
分かりきっている答えを返すマジェコンヌに、ノワール様が文句を飛ばす。
不満を隠そうともしない眉間にしわを寄せた顔で、マジェコンヌを睨んでいる。
「横から口を挟むな……と言いたいところだが、まあいい。貴様らの言いたいことは分かってる」
「でしたら……」
「――だが、貴様らには教えん」
ベール様が再度問いかけようとした時、マジェコンヌはきっぱりと答えることを拒絶した。
その答えに唖然としてしまう中、マジェコンヌはつまらなそうに言い放つ。
「どうせ貴様らに説明した所で、理解できるとは思えんからな。アイツが小僧の力を狙ってる敵とだけ分かっていれば、それでいいだろう」
説明の拒否にも理由があるらしい。
私ではマジェコンヌが裏で何を考えているか分からないが、現状でネリネの正体がさほど重要でないことは分かる。
もし重要なら、マジェコンヌもさすがにちゃんと説明してくれるだろうし。
「ブーブー! マジえもんのケチー! ちゃんと教えてくれないと、今度からポンコツ瓶詰め妖精って呼ぶからね!」
「誰がポンコツ妖精だ!! こんな姿になったのも、元はと言えば――っ、チッ」
質問に答えようとしないマジェコンヌへ、ネプテューヌが文句を垂れる。
すると、マジェコンヌが何かを言いかけて舌打ちをした。
……と言うよりも、瓶詰めの部分は否定しないのね。
まあ、ルウィーで瓶の中に保管されてたからだと思うけど。
「ふん、そこまで言うのなら説明してやってもいい。だが、貴様らに最後まで聞く覚悟はあるか?」
「おー、煽ってみるもんだね。これはわたしの作戦勝ちみたいな?」
「ただし、専門的な話になるから長くなるぞ。具体的に言えば、6時間以上は確実に……」
「――はい、次の質問いってみよー!?」
ニヤニヤしていたネプテューヌ様だったが、マジェコンヌの話を聞いてすぐに手のひらを返した。
そんなネプテューヌ様を、私達は呆れた目で見てしまう。
「ネプテューヌ、あなたねぇ……」
「いや、だってしょうがないじゃん!? だって、6時間だよ、6時間!? そんな長い間難しい話聞いてるなんて、わたし絶対に無理だから!?」
「情けないことを威張るんじゃないわよ、まったく」
「まあ、ねぷねぷらしいですけどね」
低い声で問い詰めようとするブラン様に、ネプテューヌ様は慌てた様子で弁解をする。
はっきりと言い切るネプテューヌ様を見て、アイエフは呆れたようにため息をつく。
隣に居たコンパの顔も苦笑いだった。
「あ、あの!? だったら、リンは大丈夫なんですか!?」
誰もが呆れた目でネプテューヌ様を見る中、ファルコムがマジェコンヌへと尋ねた。
その内容は今も気絶したままでいるフェルの相棒とも家族とも言うべき、フェンリルのリンの安否。
呆れた顔を引き締め直し、マジェコンヌは口を開く。
「アイツは嘘や冗談を言わない奴だ。宣言通り、1週間後にフェンリルは死ぬだろうな」
「そんな!? 治療とか出来ないんですか!?」
「モンスターの治療など出来るわけないだろうが」
マジェコンヌに懇願を一蹴され、ファルコムは悲痛な顔のままで俯く。
私達の中でフェルと1番付き合いが長いファルコムだからこそ、何とかしたいと言う気持ちが強いのだろう。
「仮に出来たとしても、私は絶対にやらん。今の小僧がフェンリルを御せるようには思えんからな」
「それはあの暴走のことですか?」
念を押すかのようにリンを助けないことを宣言するマジェコンヌへ、リンダが疑問を口にした。
すると、マジェコンヌは黙って頷く。
「と言うことは、あの暴走の理由も当然知っているわけね?」
「ああ」
「だったら、次の質問はそれについて教えてくれるかしら?」
ノワール様が3番目の質問を投げかけると、マジェコンヌはため息をついた。
「はあ、それも説明しなければならんのか」
〔まあまあ、いいじゃないですか。お話ししてあげても〕
「だったら、貴様が説明すればいいだろうが……仕方ない、そこの馬鹿にも分かるように手短に説明してやる」
宥めるエヴァの言葉に、忌々しそうにマジェコンヌが顔を歪める。
だが、ちゃんと説明はしてくれるらしい。
冷めた目で見られたネプテューヌ様がビクッと体を震わせたが、マジェコンヌは構わず言葉を続ける。
「小僧がああなったのは、単にこの場のシェアエナジーにフェンリルが感化されたからだ」
「……か、かんか? えっ、どう言う意味?」
あっさりしすぎる説明に、ロムが目を白黒させる。
いや、他にもネプテューヌ様やコンパも同じ顔だ。
理解していそうなベール様やノワール様も眉をひそめて難しそうな顔をしている。
「貴様らもモンスターがシェアエナジーの影響を受けて凶暴化することぐらいは知っているな?」
「汚染、よね」
「そうだ。アレも犯罪神と言う負のシェアエナジーによってモンスターが凶暴化する現象のことだ」
ユニの呟くような声に反応し、マジェコンヌが説明を付け足す。
汚染化したモンスターは私も当然目撃したことがある。
だが、それとあのフェルの状態はどう関係してくるのだろうか?
「アカリのおかげで少しは減ったが、ここにはゲイムギョウ界中から集めた負のシェアエナジーが未だ大量に残っている。そんな場所で争ったんだ。フェンリルが負のシェアエナジーに当てられて凶暴化した所で、不思議でも何でもないだろう」
つまり、マジェコンヌはここ――ギョウカイ墓場だからこそ、起こり得た暴走だと言っているのだろう。
確かに危険だが、それが聞けて少し安心もしている。
何故なら、ギョウカイ墓場にはモンスターが存在していない。
ギョウカイ墓場に居ることを強いられているアカリの安全と、フェルが2度とここでリンの力を使わなければいいことが分かっただけでもよかったと思う。
「これで分かっただろう? と言うより、そろそろ面倒になって来たし、貴様らはさっさとゲイムギョウ界に帰れ」
「待ってください。でしたら、最後にもう1つだけ答えて欲しいことがありますわ」
言葉通り面倒になったのだろう、マジェコンヌが私達に帰るように言ってきた。
そこでベール様が最後の質問をする。
「ネリネちゃんは、どうして夢人さんのことを知っているのですか?」
……確かに、夢人とネリネは何時出会ったのだろうか?
少なくとも、ネリネは夢人のことを知っているからネプギアを連れてプラネテューヌに行ったのだろう。
しかし、夢人とネリネの接点を私達はまったく知らない。
「それを貴様らが知る必要はない」
「答えになっていませんわ。夢人さんは何時、どこでネリネちゃんと知り合ったのかをちゃんと答えてくださいまし」
「……そんなに知りたいのなら、直接本人に聞け。私は知らん」
追及するベール様に、マジェコンヌは答えようとしない。
何か言いたくない事情があるのがひと目で分かる。
それが分かれば、ネリネのことが少しは分かるのかもしれない。
ここはネリネと共に夢人のアパートに行ったネプギアに期待するしかないわね。
――ネプギア、頼んだわよ
* * *
その後、マジェコンヌに追い出されるようにギョウカイ墓場からプラネテューヌに移動した私達。
今は起きたフェルにマジェコンヌから聞いた話をしているところだ。
「――と言うわけよ。分かった?」
「はい……」
代表して説明してくれたノワール様が確認を取ると、フェルは短く答えて頷いた。
意気消沈としていて顔に覇気がない。
それ程、リンのことがショックだったのだろう。
「辛い気持ちは分からなくもないわ。でも、今は落ち込んでる場合じゃないのよ。何とかフェンリルの力抜きで、あの子に勝たなくちゃいけないんだから」
「……分かってます」
ノワール様の励ましは、今のフェルに逆効果だったらしい。
見るからに顔が強張り、硬く握った両の拳が膝の上で震えている。
「フェル、あのさ、その……」
「――ごめんなさい。少し1人で歩いてきます」
声をかけようとするファルコムを無視して、フェルは1人で部屋を出て行ってしまった。
バタンッと扉が閉まると、部屋の空気の重さが倍増したかのように思える。
「……かなり追い詰められてるわね。あの様子じゃ、下手に何か言ったところで無駄かもしれないわ」
「でも、だからと言って何もしないわけにはいかないよ」
ブラン様が今のフェルをそう評すると、ファルコムはすぐに顔を横に振って否定した。
その気持ちは私も……いや、この場に居る全員が同じだろう。
だが、今のフェルに何と言葉をかけてあげればいいのか、私には分からない。
「うむ、ここは俺達に任せてもらおうか」
「ブレイブ?」
全員が思い悩む中、ブレイブが口を開いた。
隣で目を丸くして驚くユニに頷き、ブレイブは私達に言う。
「フェルも男だ。悔しくて情けない姿を見られたくはないだろうからな」
「でも……」
「今は待っていてやれ。フェルは必ず立ち上がる――いや、俺とトリックで何とかしてみせる」
「って、吾輩もか!?」
申し訳ない顔をして食い下がろうとするファルコムに、ブレイブは強く言い切った。
夢人も前に言っていたような気がするが、男の意地と言うものなのだろう。
フェルも多感な年頃に差し掛かっているし、ブレイブになら任せられる。
……だが、驚くトリックの存在がすごく不安な気持ちにさせられる。
「当たり前だろう。貴様もたまには役に立つ所を見せてみろ」
「たまにとはなんだ、たまにとは!! 吾輩はこう見えても、しっかりルウィーで……」
「俺が何も知らないとでも思っているのか? 貴様はろくに教会の仕事も手伝わず、幼い子供たちのことを遠目で見ていると……」
「――わ、吾輩に任せておけば大丈夫なのだ!? す、すぐにフェルを立ち直らせてみせるぞ!?」
慌てて部屋を飛び出したトリックに、全員が呆れてため息をついてしまう。
安心するどころか、むしろ不安が倍増されてしまった。
「……あんな奴だが、頭の方はそれなりにいい。きっとフェルにも何かいいアドバイスをしてくれるはずだ」
「アンタもフォローが大変ね」
少しでも不安を払拭しようとするブレイブの姿に、ユニが苦笑して答えた。
「それじゃ、フェルのことは頼んだわよ。私達はその間にゲイムキャラ達を探すわ」
「ゲイムキャラを? どうして?」
話も一応のまとまりを見せたことで、ノワール様が私達全員を見渡して提案する。
疑問に思ったネプテューヌ様が聞き返すと、ノワール様は眉間にしわを寄せながら口を開く。
「今回のことで何か隠してそうなのは、後アイツらだけじゃないの」
「まあ、情報を足で稼ぐのはゲームでもリアルでも同じですわね。彼女達が何か知っていれば、いいのですけど」
「その前に彼女達を探す方が大変そうだけどね」
口では難色を示しているように思えるが、ベール様もブラン様もノワール様の案に賛成のようだ。
夢人の行方不明から始まった今回の事件。
これはもう何かの大きな流れのような気がする。
「とにかく、マジェコンヌもエヴァも答えてくれないのなら、こっちは私達で調べるしかないでしょう? そのためにも私達はゲイムキャラ捜索に集中……いいわね?」
確認を取るノワール様に、異論を唱える者はいなかった。
やるべきことは決まった。
後、それに全力を尽くすだけ。
フェルのことは気がかりだけど、私もゲイムキャラを必ず見つけ出さないと。
* * *
そう言うことで、今はフェルのことをブレイブとトリックに任せ、私達はゲイムキャラの捜索をしているわ。
でも、犯罪組織との決着から姿を消している彼女達を探すのは難しい。
仮に見つけたとしても、何の情報も持っていないかもしれない。
それでも何もしないよりはマシよね。
……そう言えば、ジャッジは急にどうしたのかしら?
ギョウカイ墓場から帰ってくると、すぐに1人でどこかに行ったみたいだけど。
何か彼なりに考えがあるのかもしれないわね。
今は全員が現状を打開するために動いていることを信じましょう。
…………
色々なことが立て続けに起きるわね。
ネリネのことも結局あまり分からなかったし。
夢人の失踪から、まだ1日も経っていないのに。
本当に何か大きなことが起こる前触れなのかしら?
やっと犯罪組織との戦いが終わって平和になったはずなのにね。
愚痴をこぼしても仕方がないわね。
夢人のことや捜索に向かったナナハ達のこと、石のようになって動かなくなったアカリやフェルのことも心配だけど、私は私に出来ることをしていくしかないわ。
多分、それが1番よね。
ただ願うなら、また皆で無事に会えることだけを望むわ。
と言う訳で、今回はここまで!
まあ、今回は短かったですね。
次章からは本編の方で超次元と超次次元がリンクしていきます。
それでは、 次回 「独りぼっちの部屋」 をお楽しみに!