超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して 作:ホタチ丸
有言実行、連日投稿ですよ!
それでは、 ニートLv.1 はじまります
……それは昨日の夜のことだったですぅ。
「あ、流れ星です」
ベランダから夜空を眺めていると、2つの流れ星を見つけたです。
流れ星自体、滅多に見られないのに1度に2つも見られるなんて、明日はいいことがありそうです。
「そ、そうです。お願い事をしないと……え、えっと、り、立派な看護師になれますように。立派な看護師になれますように」
わたしは手を合わせて流れ星にお願いをしました。
……正直、こんな神頼みというか、この場合流れ星頼みでお願いすることじゃないことはわかってるです。
でも、少しでも子どもの頃からの夢である看護師になれるようにお願いするです。
それに、こうしてお願いしていると、明日からまた頑張ろうって気持ちになってくるです。
ちゃんと勉強して、実習も頑張って、患者さん達を元気にする立派な看護師を目指すです。
そんな風に自分に気合を入れる意味でも、しっかりとお願いするですよ!
え、えっと、確か流れ星にお願いする時は、3回繰り返すんですよね?
2つの流れ星はまだ消えそうにないので、余裕で言えるです。
普段はのんびりしているって言われることの多いわたしですが、今夜は一味違うです。
流れ星にお願いができた女の子として、明日から自信が持てるです。
「立派な看護師になれますよ……って、えええええ!?」
最後のお願いを言いきろうとした瞬間、わたしは自分の目を疑ってしまったです。
――先に落ちていた方の流れ星が急にUターンしたと思ったら、2つの流れ星がぶつかってゆっくりと垂直に落ちていってしまったです。
な、流れ星ってそんな変則的な動きもするんですか!?
わ、わたし、そんなの知らなかったです!?
「そ、そう言えば、この場合わたしのお願いってどうなってしまうんですか!? ま、まさか、看護師になれないってことですか!? そ、そんなの嫌です!?」
変な動きをして落ちた流れ星にお願いをした場合、願い事がどうなってしまうのかわからないわたしは慌ててしまったです。
まさか、流れ星が落ちたのはわたしがお願いしたせいなんですか!?
流れ星が落ちたのは、わたしが看護師としての試験に落ちることを暗示しているのかもしれないです!?
え、えっと、確かあの辺は自然公園の辺りですよね?
「行ってみるです!!」
わたしは2つの変な流れ星が落ちた場所に行くため、一目散に部屋を飛び出したです。
待っててくださいです、わたしの流れ星さん!!
* * *
「と言うことがあって、わたしが自然公園に行った時には2人とも気絶して倒れていたんです」
「……なーんか、いろいろと端折られている気がするし、コンパの動機もアレな気がするけど、大体わかったよ」
目を閉じて昨夜のことを思い出しながら語るコンパに、ネプテューヌは苦笑してしまう。
夢人と同様に目を覚ましたネプテューヌは、揃ってどう言った経緯でコンパに助けられたのかを聞いていたのである。
因みに、夢人はコンパのジャージを借りてメイド服から着替えを済ませている。
ようやく着替えることができた夢人はもちろんのこと、ネプテューヌとコンパもその似合わない女装を見ることがなくなってホッとしたことは秘密である。
「わたしもまさか、流れ星の正体が女の子とオカマさんだったなんて思わなかったので、とってもびっくりしたんですよ」
「だ、だから、俺はオカマじゃないってのに……」
「まあまあ、ゆっくんもそんなに落ち込まない落ち込まない。空から降って来て無事だっただけでもラッキーって思わないと」
しみじみと話すコンパの言葉に、夢人は両手を床について落ち込みだす。
女装していたから仕方ないとはいえ、コンパにオカマだと認識されていることを地味に気にしていたのだ。
そんな落ち込む夢人の肩をポンポンと叩きながら、ネプテューヌは困ったように笑って宥め続ける。
「それに今のゆっくんの恰好なら、絶対にオカマなんて思われないって。ちゃんと自分は男だーって自信持ちなよ」
「はあ、どうせ俺はどこに行っても変態だよ。全裸で奴隷で誘拐犯で女装趣味な変態でオカマなんですよ」
「……うっわー、ゆっくん何気にかなり気にしてる? しかも、開いちゃいけないトラウマ的なものに目覚めてるよ」
「ご、ごめんなさいです!? そ、そんなつもりは……ちゃ、ちゃんと今はわかってますから、大丈夫ですから!?」
慰めるネプテューヌの言葉が届かないようで、夢人は過去に言われた悪評の数々をぶつぶつと呟きだす。
さすがに気まずくなったネプテューヌは、必死に謝り続けるコンパへと目配せをして話題を変えようとする。
「そ、そう言えばさ、コンパって何気に力持ち? その自然公園がどこにあるのかわかんないけど、わたし達2人をここまで1人で運んできたんでしょ?」
「は、はい、そうですけど、わたし1人で運んだわけじゃないんです」
「え、そうなの?」
突然話を振ってきたネプテューヌに戸惑いながらも、コンパはチラチラと夢人を見ながら申し訳なさそうに答えた。
コンパに助けられたものだとばかり持っていたネプテューヌは、それを聞いて目を丸くしてしまう。
「でも、コンパって1人暮らしだよね? それともルームメイトでもいるの?」
「いいえ、看護学校に通うになってからはずっと1人暮らしを続けてるですよ。ねぷねぷ達が落ちた場所にわたしより先に来てた人達がいたんです」
「そっかー、それでその人達って今どこにいるの? 助けてもらったんだから、ちゃんとお礼を言わないとね」
ネプテューヌはにこにこと笑いながら、自分達を助けてくれた人達に感謝の念を抱いた。
コンパやその人達がいなかったら、今頃ふかふかのベッドの上ではなく、冷たくて固い土の上に眠っていたのかと思うと、ネプテューヌはぞっとしてしまう。
心の中で改めて助けてくれた人達に感謝しながら尋ねてくるネプテューヌに、コンパは困り顔を浮かべてしまう。
「実はどこの誰なのか全然わからないんです。ねぷねぷの髪よりも青色っぽい薄い紫色って感じの髪を後ろの方で編み込んだねぷねぷと同い年くらいの女の子と、赤くて丸いボンボンがついたヘアゴムで髪を結んでいた小さい女の子がいたんです。でも、わたしプラネテューヌにずっと住んでいるのに、2人のことをまったく知らなかったんです」
「それって、ただ単にコンパが会ったことがないだけじゃないの?」
「そうかもしれないんですけど、その子達は散歩してたら、ねぷねぷ達を見つけたって言ってたんです。夜の遅い時間に小さい子を連れて散歩に出かけるのも考えものですけど、自然公園に1番近い住宅街はこの辺りだけなんです。でも、この地域の清掃活動やボランティアとかでも1度も見かけたことがないんです。それに、わたしのことを見ておかしなことを言ってたんです」
「おかしなこと?」
その時のことを思い出しているようで、コンパの表情には戸惑いた見てとれた。
ネプテューヌは話を遮らないように相槌を打ちながら、コンパに続きを促す。
「まだ名乗ってもないのに名前を呼ばれたり、おっきくなったねって言われたんです。何でか知らないですけど、その子達はわたしのことを知ってたみたいなんです」
「ふーん、ひょっとしてコンパの子どもの頃の知り合いだったんじゃないの? 1人暮らしする前とかのさ」
「でも、わたしの知り合いにその子達みたいな子はいないはずなんです。それに、その子達のおかしなことはそれだけじゃなかったんです。その子達、ここがプラネテューヌだってこともわからないみたいだったんです」
よっぽど混乱しているのか、話していくうちにコンパの目尻には涙が浮かんできた。
もしかして、コンパは自分が忘れているだけで本当は知り合いだったのかと思うと、その子達に酷いことをしてしまったと今更ながら後悔を感じているからである。
コンパから話を聞き終えたネプテューヌは瞳を閉じて頷いたかと思うと、すぐにクワッと目を見開いて口を開く。
「夜遅くに小さい子どもを連れての散歩、知り合いでもいないのに自分のことを知っている相手、何故か自分がいるところすらわからない様子――うん、これは事件だね! しかも、とてつもない陰謀を感じるよ!」
「じ、事件なんて大げさな……」
「いいや、わたしの乙女の勘だとその子達は何か重要な秘密を隠しているに違いないよ。ここはコンパを安心させるためにも、この名探偵ネプテューヌがその子達の秘密をすっぱ抜きしちゃうよ! コンパのおじいちゃんの名にかけて!」
「わ、わたしのおじいちゃんはそんなに有名じゃないんですけど」
ビシッと天井に指を向けながら宣言するネプテューヌを見て、コンパは苦笑してしまう。
ネプテューヌなりに不安を感じているコンパを励まそうとしているのだ。
その目論見は見事に成功しており、コンパは幾分か心が軽くなったような気がしたのである。
「そうと決まれば、早速行動だよ。コンパ、その子達の名前と体重、それとスリーサイズは何?」
「後半はまったく関係ないですよ……でも、わたしも何もわからないんです。ねぷねぷと同い年ぐらいの子がゆっくんさんの足を引っ張ってここまで運んでくれた後、急に教会の場所を聞いて来て、教えてあげたら今度は小さい子の方が勝手に飛び出して行っちゃったんです。小さい子を追いかけてその子も行ってしまったんで、名前も聞いてなかったんです。わたしもここまでねぷねぷを運ぶのに必死だったんで、道中はゆっくりと話すこともできなかったですから」
「……頭にコブができた理由はそれか。ってか、ゆっくんさんって何?」
「駄目ですか? わたしもねぷねぷみたいに仲良くなりたいからそう呼んだんですけど……」
「いや、駄目じゃなくてだな……うん、コンパが呼び辛くなかったら、それでいいんじゃないかな」
「はい! 改めてよろしくです、ゆっくんさん!」
気を持ちなおした夢人がネプテューヌ達の会話に参加しようとすると、コンパからの呼び方が変わっていることに気付いて首を傾げてしまった。
上目遣いで頼み込んでくるコンパから夢人は視線を外し、頬を掻きながら照れているのを誤魔化そうとする。
目敏く夢人の気持ちを察したネプテューヌはにやにやとする口元に軽く握った拳を添えながら、からかうように口を開く。
「おやおやー、ゆっくんってば、もしかして照れてるの? コンパみたいな美少女から愛称で呼ばれてドキドキハートが爆発寸前なの?」
「え、えええ!? わ、わたしは美少女なんかじゃないですよ!? わたしなんかより、ねぷねぷの方がとーっても魅力的な女の子です!?」
「ありがとう、コンパ。でも、もっと自分に自信を持った方がいいよ。コンパはすっごく可愛いんだから。変な男に騙されないように気をつけないと駄目だよ」
「それを言うなら、ねぷねぷも気をつけないと危ないです」
夢人のことを弄るつもりが、コンパの方へと飛び火してしまった。
顔を真っ赤にするコンパがあたふたする様子を見ながら、ネプテューヌは柔らかく口元を緩める。
楽しくお互いを褒めたり注意したりする2人を見て、夢人はため息をついてしまう。
「はあ、話が脱線しているぞ。とりあえず、俺達を助けてくれたその2人を探す、ってことでいいんだよな?」
「そうそう。ちゃんとお礼も言っときたいしね……それより、コンパから愛称で呼ばれた感想は?」
「うるさいっ!」
「ねぷっ!?」
これから何をするかを確かめる夢人をからかおうとしたネプテューヌであったが、額にチョップをされてしまった。
実際に夢人もコンパからの愛称呼びにドキッとしてしまっていたため、ネプテューヌに対するツッコミが強めになってしまった。
両手でチョップされた額を擦りながら、ネプテューヌは夢人へと不満そうに言い放つ。
「もー、そんなんだからゆっくんはヘタレなんて呼ばれるんだよ! このヘタレ女装オカマ!」
「……ほう、もう2、3発いっとくか? 今度はグーでいくぞ」
「あっ、ごめんなさい。わたしが悪かったです」
暴言を吐かれると、夢人は割と本気で怒りを感じ、ネプテューヌを睨みながら指の骨を鳴らしだす。
さすがに自分から殴られたりする趣味はないので、ネプテューヌは顔を青くして素直に謝るのであった。
「はいはい、喧嘩はそこまでですよ」
「はあ、わかってるって。それじゃ、とりあえず2人が向かったはずの教会に行ってみるか」
ほほ笑ましそうに自分達を見つめながら仲裁に入るコンパに、夢人は完全に毒気を抜かれてしまった。
だが、ため息をつきながら提案する夢人に対して、元気を取り戻してバッと片手を伸ばしたネプテューヌが物申す。
「ちょーっと待った! その2人が教会に向かったのって昨日のことなんでしょ? だったら、もういないんじゃないかな?」
「確かにその通りだけど、教会の人から話くらいは聞けると思うぞ?」
「そうだけどさ、それっていつでもできるわけでしょ? 先に自分達で探してみた方がいいんじゃないかな?」
「具体的にはどうするんですか?」
「ふっふっふ、捜査の基本は現場にあり! コンパが2人にあった場所、すなわちわたし達がいた場所に行ってみよう!」
ネプテューヌは鼻息を荒くして興奮気味に瞳をキラキラとさせながら2人に提案する。
別におかしなことを言っているわけではないので、2人とも異論はない。
しかし、何か引っかかりを感じた夢人は眉をひそめながらぼそりとつぶやく。
「で、本音は?」
「ぶっちゃけ、すぐにわかったらつまんないでしょ。せっかく名探偵ネプテューヌの初事件簿になるんだから、謎が謎を呼ぶ大スペクタクルミステリーみたいにならないとね」
「そんなこったろうと思ったわっ!!」
「ねぷっ!?」
律儀に反応を示して本音を漏らしたネプテューヌに制裁を下すべく、夢人は先程よりも強く手刀を頭に叩き落とすのであった。
* * *
バーチャフォレスト。
プラネテューヌの街に隣接している自然公園として有名で、人々の癒しのスポットになっていた。
「って聞いてたんだけど、何か変なのがうようよいるね」
「昨日まではいなかったはずなんですけど」
聞いていた情報と、目の前の状況の違いにネプテューヌとコンパは戸惑いを隠せなかった。
青いゼリー状の体に犬のような耳と鼻がついたモンスター、スライヌが道を塞ぐように大量に闊歩していたのである。
「ぬら~?」
「ぬらぬらぬら?」
2人の話す声が聞こえたのか、1匹のスライヌが夢人達の方を向くと、連鎖的にどんどんと振り向き始める。
やがて、全てのスライヌ達が夢人達を見つめながら、その距離をじりじりと詰め出す。
その様子を見て、ネプテューヌは怖気づくどころか、やる気に満ちた目になる。
「何だかわかんないけど、この子達がここに居たら皆に迷惑がかかるわけだよね?」
「は、はい。ここは皆の憩いの場ですから、モンスターさん達に荒らされちゃうと困ってしまうです」
「なら、わたし達でこのモンスター達を退治しちゃおうよ!」
「え、えええええ!? ねぷねぷ、それ本気で言ってるんですか!? 危ないですよ!?」
ここに来るまでにゴミ捨て場で拾ってきた木刀をスライヌ達に構えながら宣言するネプテューヌを止めようと、コンパは声を張り上げた。
しかし、コンパの心配をよそに、ネプテューヌは顔だけ振りかえると、親指を立てながらウインクをして笑みを浮かべる。
「大丈夫大丈夫! わたしの冒険はこんな序盤なんかで躓いたりしないって。それに目の前のモンスター達のせいで困る人達がいるのなら、見て見ぬふりはできないって言う主人公タイプの性格をしているんだよね、わたしって」
「ねぷねぷ……」
「そんな心配そうな顔しないでも平気だって。あんなそこらで拾った木の枝でも倒せそうなモンスターだよ? それに、今のわたしにはゆっくんやコンパに加えて、この修学旅行の学生達の思い出が詰まった木刀があるんだよ。この完璧な布陣で負ける気がしないって」
心配そうに見つめていたコンパであったが、自信満々に言い切るネプテューヌの姿を見ていくうちに、段々とその表情が凛々しいものへと変わっていく。
口元に軽く笑みを浮かべて強気な顔になったコンパは、ネプテューヌに続くように自分の武器である巨大な注射器をスライヌ達に構えだした。
「わかったです。わたしも皆のためにねぷねぷとゆっくんさんと一緒に戦うです! スライヌさん達なんか怖くもなんともないです!」
「……え、えっと、コンパ? つかぬことをお聞きしますが、その注射器って……」
「護身用の特注品です。この注射器でスライヌさん達にブスッときつい一発をお見舞いしてやるです」
「……最近の看護師って、そんな物騒な職業なのかな?」
戦う気になってくれたことは嬉しいのだが、ネプテューヌは別の意味でコンパが心配になってしまう。
その太い針に自分が刺される姿を想像し、顔色を青くしたネプテューヌはその場の空気を変えるべく、もう1人の仲間へと声をかける。
「ね、ねえ、ゆっくんもそれでいい……って、どうしたの? 何だかすごく震えてるような気がするんだけど?」
「い、いや、こ、ここここれは武者震いってやつさ!? い、いくら俺でも、もうスライヌになんて負けたりしない!? ああ、そうだ!? 俺だってもう負けないさ!?」
「……うわー、こっちもこっちで凄いプレッシャーを背負ってるよ。無理しちゃ駄目だよ? 危なくなったら、すぐに助けを呼んでね」
「も、問題ないって!? そ、そっちこそ油断すんなよ!?」
夢人本人は安心させようと笑おうとしているのかもしれないが、ネプテューヌには恐怖で顔が引きつっているようにしか見えない。
不安を感じながらもネプテューヌは夢人から視線を外し、再びスライヌ達の方を向く。
すると、スライヌ達もネプテューヌ達が臨戦態勢だとわかったらしく、いつでも跳びかかれるようにそのぷよぷよしている体を若干だが縮めた。
「よーっし!! 皆まとめて、ねっぷねぷにしてやんよ!!」
スライヌ達に跳びかかられる前に、ネプテューヌは1度木刀を横に払うと、勢いよくその場からジャンプする。
空中で木刀を上段に構え、スライヌ達の群れに力いっぱい振り下ろす。
「せいやーっ!!」
「ぬらーっ!?」
「ぬららーっ!?」
ただ勢いをつけた木刀の一振りであったが、スライヌ達はその衝撃に耐えられずに四方八方へと吹き飛んで行ってしまう。
吹き飛ばされたスライヌ達は光の粒子になって姿を消していく。
だが、スライヌ達もただやられるのを待つわけはなく、自分達の中に斬り込んできたネプテューヌを囲み、同時に跳びかかる。
「あまいよっ!!」
スライヌの群れの中で孤立したネプテューヌであったが、慌てることなく木刀を横に薙ぎ払いながら体を回転させる。
すると、ネプテューヌに襲いかかろうとしていたスライヌ達は全て木刀によって弾き飛ばされてしまう。
「さーって、どんどん行っちゃうよ!!」
1回転が終わると、ネプテューヌは闘志を滾らせた瞳でスライヌ達の群れを見据えながら一気に駆け出す。
ネプテューヌの動きについていけないスライヌ達は、その後も木刀によって吹き飛ばされていくのであった。
「お注射です、よっと!!」
「ぬらっ!?」
一方、スライヌを木刀片手に倒していくネプテューヌとは違い、コンパは1匹ずつ注射器を突き刺していく。
ネプテューヌの勢いに押されていたスライヌ達はコンパにまで気を回すことができずに、簡単に注射器の餌食になってしまう。
注射器を刺されたスライヌは体色を青から赤、緑や黄色へと変化させると、ガクッと気絶してから光となって消えてしまった。
「次、行きますよ!!」
「ぬららっ!?」
にっこりと笑いながら注射器を持ちあげるコンパに恐怖したスライヌ達は一斉に逃げ出す。
しかし、警戒すべき相手にはネプテューヌもいるため、スライヌ達は逃げ道が見つからずオロオロとしてしまう。
だが、周りを見渡しながら逃げ道を探していたスライヌ達に光明が差す。
――そう、唯一逃げ出せそうな穴、夢人がいたのである。
「はあああっ!?」
「ぬらっ!!」
「おごっ!?」
ネプテューヌと同じように木刀を拾った夢人であったが、その一撃はスライヌを捉える事ができずにいた。
それどころか、スライヌは木刀を避けると、そのまま夢人の腹を目掛けてタックルを仕掛けてくる。
その直撃を受け、夢人はよろめいてしまう。
(クソッ、魔法が使えれば、もっとうまく戦えるのにっ!?)
苦々しい表情でスライヌを睨みながら、夢人は唯一の武器である木刀を強く握りしめる。
……夢人は元々ゲイムギョウ界とは関係ない世界で生まれた人間である。
ファンタジーな要素のまったくない世界で育った夢人に魔力は欠片も備わってはいなかった。
犯罪組織と戦っていた時は、その体の中にアカリがいたため、彼女の魔力を使って魔法を使うことができていた。
しかし、今の夢人の体の中にアカリはいない。
――つまり、今の夢人に魔法は使えない。
失敗魔法だと卑下しながらも、何だかんだで夢人は魔法に頼っていた。
苦労を重ねて研さんを積み、独自の魔法運用で何度も窮地を脱してきたのである。
しかし、今現在魔法が使えなくなった夢人に残された戦う手段は木刀しかない。
だが、ブレイブとの2度目の戦い以後、木刀を失ってからはずっと魔法に頼りきりだった。
すなわち、夢人の木刀による戦闘技術はあの頃と何ら変わりのないものである。
加えて、犬が苦手な夢人はスライヌに対しても苦手意識を持っており、無意識であるが体の動きに精彩を欠いていた。
よって、大量に押し寄せるスライヌに夢人が勝てるかと言われると……
『ぬらららららららららららっ!!』
「ちょっ、何で俺にばっかり……うわああああああああ!?」
「ゆっくん!?」
「ゆっくんさん!?」
……勝てるわけがなく、夢人は悲鳴を上げてスライヌ達の群れに飲み込まれてしまうのであった。
その悲鳴を聞きつけたネプテューヌとコンパが夢人を助け出そうと、スライヌ達を蹴散らしながら駆け出す。
すると、スライヌ達は2人から逃げるようにバーチャフォレストの奥へと走り去ってしまう。
――青いゼリー状の粘液に塗れて無様に気絶している夢人だけを残して。
と言う訳で、今回は以上!
今日はネプテューヌの新作の発売日ですね!
アクションゲームになったネプテューヌ達の物語や特典のCDも今からすごい楽しみです!
それでは、 次回 「女神化」 をお楽しみに!