超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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それでは、 新生活 はじまります


勇者改めニート! 冒険の始まりはいつだって突然!?
新生活


 ……ゲイムギョウ界。

 そこは4人の守護女神によって守られている世界。

 守護女神達はそれぞれの国を持ち、ゲイムギョウ界の国民達から得られる信仰、シェアを競いながらも平和な日々を過ごしていました。

 

 それでは、ここでそれぞれの守護女神達、及びその妹達女神候補生についての説明に移りましょう。

 

 まずは、重厚なる黒の大地と呼ばれるラステイション。

 守護女神ブラックハート、ノワールとその妹であるブラックシスター、ユニの治める国です。

 他の大陸に比べて重工業が活発であり、ゲイムギョウ界の中でも高い生産力があることで有名です。

 ただ守護女神であるノワールの趣味がコスプレやアニメなどのサブカルチャーに傾倒していることや、女神候補生であるユニの『変身』することでのバストダウンに過敏に反応することはやめましょう。

 最近の報告では、ユニが友達と仲良くしている姿を羨ましそうに物陰から見つめるノワールの姿が発見されているらしいです。

 基本的に2人の性格は似通っており、素直になれないツンデレさんです。

 時々過剰とも言えるほどの強いスキンシップを取られるかもしれませんが、根気よく接していけばきっと仲良くなれますよ。

 

 次に、夢見る白の大地と呼ばれるルウィー。

 守護女神ホワイトハート、ブランとその妹達であるホワイトシスターズ、ロムとラムの治める国です。

 他の大陸とは違って1年中雪で覆われており、季節の変化を感じにくいのですが、気候が安定しているので比較的住みやすい土地でもあります。

 守護女神であるブランは趣味の読者が高じて執筆活動を取っていますが、作品の売れ行きはあまり良くありません。

 普段は物静かでおとなしいロムですが、やんちゃなラムに引っ張られてしょっちゅう悪戯を繰り返しています。

 また、最近になってロムとラムが合体変身した姿であるホワイトシスターのスタイルに嫉妬しているとも報告にあります。

 この3人姉妹も非常に似通っている面があり、『変身』前と後、沸点を超す以前か以後で性格が豹変するブランの二面性がそれぞれロムとラムに遺伝していると言ってもいいでしょう。

 ブランは何だかんだ言いながら過保護な面がありますので、困った時には親身になって相談に乗ってくれると思いますよ。

 ロムとラムも一緒に遊ぶ相手としては外見的に最適と言えるでしょう。

 

 では次に、雄大なる緑の大地と呼ばれるリーンボックス。

 守護女神グリーンハート、ベールとその義理の妹であるグリーンシスター、ナナハの治める国です。

 他の大陸に比べて名前の通り緑豊かな国であり、貴重な資源や自然を利用したエネルギー開発も盛んです。

 しかし、この国で注意しておきたい点はベールとナナハの関係が義理の姉妹であると言うことです。

 外見的な特徴は似通っていますが、性格がインドア派とアウトドア派で大分違っています。

 なので、いまいち歯車が噛み合わないのか、ベールがいくらゲームを一緒にしようと誘ってもナナハは困ったように笑うことが多いそうです。

 下手をすれば、不眠不休でゲームをプレイし続けなければならない時がありますのでご注意を。

 心の中ではお互いに教祖である箱崎チカを含めた3人で本物の家族になろうとゆっくりと、本当にゆっくりとですが距離を縮めているらしいです。

 過保護が必ずしも正しいことではないと言うことの証明ですね。

 ベールはもちろん、ナナハも淡白な印象を受けられますが、アレでなかなか面倒見がよいので頼る際はお薦めですよ。

 

 いよいよ最後、革新する紫の大地プラネテューヌ。

 守護女神はパープルハート、ネプテューヌとその妹であるパープルシスター……

 

「ママだ!! ママがでてきたよ!!」

 

「あ、アカリちゃん!? わ、わかったから今は静かにしないと駄目だよ!?」

 

 ……勉強中の私語は禁止ですよ、ネプギアさんにアカリさん?

 

 

*     *     *

 

 

 3年前、私とお姉ちゃん達がマジックさんに負けて捕まっちゃったギョウカイ墓場。

 今では、その時のおどろおどろしい雰囲気は微塵も感じられない。

 青空に白い雲、少しずつだけど積み上げられていたゴミ山もなくなっていき、緑が段々と増えてきている。

 

 ここに来る度、私はゲイムギョウ界が平和になったんだなとしみじみと感じることができる。

 綺麗な世界に生まれ変わろうとしているギョウカイ墓場はまさに犯罪組織との戦いが終わったんだと言う証明のような気がして、私の心も自然と穏やかになります。

 こう言ってはなんですけど、私は今のギョウカイ墓場にいると何故かとても落ち着くんです。

 3年前やお姉ちゃん達を助けに来た時、フィーナちゃんを止めようとした時には怖かったはずなのに。

 

〔ネプギアさん? ちゃんと授業を聞いていないと駄目ですよ〕

 

「ママもちゃんとべんきょーするの!」

 

「……はい」

 

 ……でも、まさかギョウカイ墓場でアカリちゃんと一緒に勉強することになるなんて思わなかったなぁ。

 私はギョウカイ墓場にある黒い塔、その管制人格らしいエヴァさんの作った“アカリちゃん教育プログラム・楽しくゲイムギョウ界を知っちゃおう~今の女神と国の巻~”をアカリちゃんを膝の上に乗せたままで視聴させられている。

 これ、絶対本人達には見せられないですよね?

 アカリちゃんは目を輝かせて見てるけど、本当にこれでちゃんと勉強になるのかな?

 

「失礼す……むっ、すまない。アカリの授業中だったか?」

 

〔いえ、大丈夫ですよ、マジックさん。それで何かご用でしょうか?〕

 

 黒い塔の中の一室で私とアカリちゃん、そして光る球体のエヴァさんの3人で勉強をしていると、マジックさんが入ってきました。

 マジックさんは私達女神の装着するプロセッサユニットみたいな服装じゃなくて、紺色のキャミソールにジーンズを合わせた普段着です。

 本人はお洒落に関して無頓着らしく、マジェコンヌさんに普通の服を着ろと言われたからだと、エヴァさんが授業の合間に言っていました。

 

「いや、朝からリンダの姿を見ないのでな。何をしているのかを聞こうと思っただけだ」

 

〔リンダさんなら、本日はリーンボックスの方で用事があると出かけて行きましたよ。帰りは遅くなるかもしれないとも言ってました〕

 

「そうか。時間を取らせてすまなかったな。では、私もマジェコンヌ様の所に……」

 

「マジック~!!」

 

 エヴァさんの言葉に納得して頷いたマジックさんが部屋を出て行こうとした時、私の膝の上に座っていたアカリちゃんが跳びはねて、とことこと歩いていってしまう。

 行き先は当然マジックさんの所。

 アカリちゃんが名前を呼びながら近づいてくるのがわかると、マジックさんは柔らかく表情を崩して屈む。

 

「どうした、アカリ?」

 

「マジックもいっしょにべんきょーしよう?」

 

「ああ、そうしたいのは山々だが、私もまだやるべきことが終わってないのでな。今日はママと2人で勉強するんだぞ」

 

「うにゅぅ」

 

 一緒に勉強しようと誘うアカリちゃんに、マジックさんは今まで聞いたことのないような優しい声で答えた。

 断られたアカリちゃんが落ち込むと、マジックさんは苦笑してしまう。

 そして、アカリちゃんの両脇に手を入れて抱き寄せると、マジックさんはポンポンと背中を叩きながら口を開く。

 

「勉強をしっかりと頑張れたら、後でおやつを持ってこよう。何か食べたいものはあるか?」

 

「ホットケーキがいい!」

 

「ホットケーキか……わかった。ちゃんと持ってこよう。それまでちゃんと勉強しているんだぞ?」

 

「うん!」

 

「よし、いい子だ」

 

 穏やかな表情で笑みを浮かべるマジックさんが尋ねると、アカリちゃんは元気良く返事をする。

 その光景はまるで2人が親子のように見え……って、何でなの!?

 何でアカリちゃんそんなにマジックさんに懐いているの!?

 マジックさんもマジックさんで、何でそんなにアカリちゃんに甘いんですか!?

 そんな慣れた手つきでアカリちゃんの頭を撫でるマジックさんの姿が私には信じられなかった。

 アカリちゃんも気持ちよさそうに目を細めているし、マジックさんに甘えているように見える。

 

 確かに、プラネテューヌの女神候補生である私はギョウカイ墓場にいるアカリちゃんとずっと一緒にいられるわけではないよ。

 私にも女神の仕事があるし、アカリちゃんはギョウカイ墓場じゃないと体を“再現”し続けられない。

 『再誕』の力の1つである“再現”を維持し続けるためには、大量のシェアエナジーが必要になる。

 女神の卵から生まれた『再誕』の女神であるアカリちゃんは私達のように体があるわけじゃない。

 元を辿れば、女神の卵の中に記録されていた『再誕』の女神と言う情報が私の身体データを基に形になったのがアカリちゃんです。

 女神の卵を作った初代勇者さまの話では、アカリちゃんはシェアエナジーの続く限り、ナナハちゃんやフェル君、レイヴィスさんのような『転生者』が誕生したことにより、『歪み』が発生してしまったゲイムギョウ界を修復するための道具だと言っていました。

 本来なら心が生まれるはずのなかった『再誕』の女神ですが、今代の勇者である夢人さんのおかげでアカリちゃんとフィーナちゃんと言う人格が誕生しました。

 ゲイムギョウ界のためを考えてくれた初代勇者さまには悪いけど、私は夢人さんがいてくれてよかったと思います。

 無邪気に慕ってくれるアカリちゃんと、最後には私のことを母親だと認めてくれたフィーナちゃんに出会えて。

 

 話はずれちゃいましたけど、私達と違って肉体を持たないアカリちゃんが今の姿を維持するためには“再現”の力を使い続ける必要があるんです。

 “再現”とは、『再誕』の力の1つで情報を基にそれを現実に作り上げる力だそうです。

 他にも、“カット”や“ペースト”、“リバース”と言った力がありますが、私もそんなに詳しくないのでよくわからないんです。

 どれもシェアエナジーを利用して情報を操作する力だそうですけど、アカリちゃんを通して使ってみた私の感想はすごく疲れる力と言う印象が強いです。

 私自身が女神であるため、活動するためにシェアエナジーを必要とする身です。

 ですから、私がアカリちゃんと一緒にいるために“再現”の力を使うといつもの2倍以上のシェアエナジーを常に消費し続けなければいけません。

 そんなことになってしまえば、遠からず私のシェアの源であるプラネテューヌのシェアエナジーは枯渇してしまい、お姉ちゃんや国の皆にも迷惑をかけてしまいます。

 国民の皆さんも私とお姉ちゃんが女神としてプラネテューヌを守っているから、女神を信仰してシェアをわけてくれます。

 その信頼を裏切るわけにはいきません。

 

 だから、解決策としてどこの国の物でもないシェアエナジーが大量に蓄えられているギョウカイ墓場にアカリちゃんを預けることにしたんです。

 ギョウカイ墓場には犯罪組織がゲイムギョウ界中で集めたマジェコンシェア、所謂負のシェアエナジーが集められています。

 マジックさん達は犯罪神復活のためだと思っていたそれは、本来なら『再誕』の女神であるアカリちゃんのための物です。

 “リバース”と言う、負のシェアエナジーを正のシェアエナジーに変えることのできる力があるアカリちゃんだからこそ、利用できるシェアエナジーの塊が初代勇者さま達が作り上げた犯罪神だそうです。

 それは今も尚、ギョウカイ墓場に大量に残っているため、アカリちゃんはシェアエナジーの心配をせずに体を“再現”し続けられます。

 

 そのおかげで嬉しい変化があったんですよ。

 何と、赤ちゃんだったアカリちゃんが1人で歩けるようになるまで成長したんです!

 マジェコンヌさんの話ではフィーナちゃんから受け取った残りの『再誕』の女神の情報によって、アカリちゃん自身が保有できるシェアエナジーの多くなったらしいです。

 これからも『再誕』の力を使えば使う程、アカリちゃんの体は成長していくみたいなので、親として私も夢人さんも楽しみにしているんですよ。

 

 でも、それは結局のところ時間稼ぎにしかなりません。

 いくらギョウカイ墓場に大量にシェアエナジーが蓄えられていると言っても、使い続ければいずれはなくなってしまいます。

 その時アカリちゃんは体を“再現”することができなくなり、ただの意味のない情報になって消えてしまいます。

 初代勇者さまから言わせれば、それが予定調和らしいですけど、私達はそんなことを絶対に認めません。

 今、マジックさんやマジェコンヌさんが協力してどうにかアカリちゃんが消えなくてもいい方法を探してもらっています。

 頼ってばかりで、何もすることができないのはとても辛いです。

 私も夢人さんもアカリちゃんをフィーナちゃんのように失いたくない気持ちは強いです。

 アカリちゃんを助けるために、私は何ができるんだろう。

 

「ママ? どうかしたの?」

 

「えっ、あっ、な、何でもないよ。う、うん、私は大丈夫だよ」

 

 考えに没頭していたせいで、私は目の前でマジックさんに抱かれたアカリちゃんが心配そうな顔をしているのに気づくのが遅れてしまった。

 慌てて私が答えると、マジックさんはため息をつきながらアカリちゃんを手渡してくる。

 

「はあ、貴様がそんな調子ではアカリに示しがつかんだろう。もっとしっかりしろ」

 

「す、すいません」

 

「この勉強会はアカリのためだけでなく、貴様のためでもあるんだぞ。それをちゃんと理解しているのか?」

 

「……はい」

 

 マジックさんからお説教を受けながら、私は俯いて反省する。

 マジックさんの言う通り、私がアカリちゃんの勉強会に参加することにはちゃんとした意味がある。

 それは『転生者』によって『歪み』が発生したゲイムギョウ界を修復するためです。

 今現在、アカリちゃんは『再誕』の力を十全に発揮することができない。

 マジェコンヌさんの話では、『再誕』の女神は基になった身体データの持ち主と同じくらい成長した姿での力の行使を想定していたらしい。

 そのため、アカリちゃんが1人で『再誕』の力を完全にコントロールするためには私と同じくらいに成長しなければならないみたいです。

 でも、いくら成長していると言ってもアカリちゃんがそこまで成長するのを待っていられないらしく、ゲイムギョウ界を修復するために私の体を使っています。

 ギョウカイ墓場で修復するためのシェアエナジーを受け取ったアカリちゃんが私の体の中に入り、ゲイムギョウ界の各地を回ります。

 最近では、ゲイムキャラ達から受け取った女神の卵の中に記録されていた各国の情報が暴走して『歪み』を発生してしまった場所を私の体を通してアカリちゃんが修復しています。

 私が多少疲れるだけで、アカリちゃんは『再誕』の力を使うことに慣れ、ゲイムギョウ界は修復される、良いこと尽くめで文句なしの結果が手に入ります。

 ただ私の中でアカリちゃんが力を使った後、しばらく『変身』することができなくなるのが難点ですけどね。

 

 そこでなぜ勉強が関係してくるのかと言えば、勉強自体にそんな深い意味はありませんよ。

 私とアカリちゃんがちゃんとした信頼関係を結ぶことが大事なんです。

 今、アカリちゃんが私の中に入って『再誕』の力を使えるのは、親子と言う関係があるからです。

 つまり、アカリちゃんがママと慕ってくれているから、私の体を通して『再誕』の力を使うことができます。

 もし、アカリちゃんが協力してくれなければ、いくら体の中にいようとも私は『再誕』の力を使うことができません。

 ただでさえ一緒に暮らせない状態なので、このままでは遠からずアカリちゃんから愛想を尽かされてしまうかもしれません。

 それを何とかするために、私は時間を見つけてギョウカイ墓場に足を運び、アカリちゃんと親子のスキンシップを取ることにしています。

 今日は無理でしたけど、たまに夢人さんも一緒になって3人で楽しく親子の時間を過ごす時があります。

 ……そう言えば、夢人さんも今日リーンボックスに行くと言ってたような気がする。

 何かあるのかな?

 

「分かっているならいい。正直、貴様の負担は重いだろう。私も協力を惜しむつもりはない。何かあれば、私を頼れ」

 

「……ありがとうございます」

 

 言葉は少し乱暴かもしれないけど、マジックさんの気遣いはとてもありがたい。

 でも、今でさえアカリちゃんの将来のことや私や夢人さんが来れない時のギョウカイ墓場にいる間のお世話をしてもらっているのに、これ以上頼ってもいいのかと思ってしまう。

 

 それにしても、マジックさんの印象も変わったなぁ。

 3年前や犯罪組織の幹部として敵対していた時は怖かったけど、今は優しいお姉さんって感じがする。

 エヴァさんから聞いた話によると、生きたままマジェコンヌさんに仕えることができたことが嬉しいからだそうです。

 本当ならば自分の体が消滅すると同時に犯罪神が復活するため、最初から死ぬことを半ば望んでいたらしい。

 それが死ななくてもマジェコンヌさんに仕えることができ、実際はどうかわかりませんけど心に余裕が生まれたおかげじゃないかと思います。

 だから、そのきっかけになった夢人さんとアカリちゃんに対して、マジックさんの態度は他の人達よりも少しだけ柔らかく見える。

 当然と言っていいのかわからないけど、夢人さんの扱いはアカリちゃんよりも雑だけどね。

 

「おっと、長居し過ぎたな。エヴァも授業を中断させて済まなかった」

 

〔いえ、そんなことはありませんよ。ちょうどよい機会ですから、これから私の能力をフルに活用して盗撮し編集した“フィーナちゃんの華麗なる日々(はーとまーく)~かりちゅまでいずPart1~”をお2人に見せようと思いますので〕

 

「……ほどほどにな」

 

 軽く笑みを浮かべながら私達から視線を外したマジックさんが謝罪すると、エヴァさんはとんでもないことを言いだした。

 マジックさんは呆れているけど、私は少し興味がある。

 ……私は結局、フィーナちゃんのことを何も知らないから。

 

「ああ、そうだ。勇者は今何をしているんだ?」

 

「ゆ、夢人さんですか? え、えっと、その……」

 

 話の流れを変えようと、マジックさんは額に手を当てながら私に尋ねてくる。

 でも、私はその質問に言い淀んでしまう。

 だって、夢人さんは今……

 

 

*     *     *

 

 

 プラネテューヌの街外れ、住宅街からも離れた場所にその建物はあった。

 古ぼけたと言えば聞こえはいいが、実際は外観がボロボロのアパート。

 元々のキャッチコピーは自然に囲まれて伸びやかな日々を、と言った感じの売り出し文句のアパートであったが、交通の便が悪すぎたため、誰も契約をせずに土地の権利者もそのまま売りに出した悲しい過去を持つ物件である。

 しかも、売りに出されてからも業者はまったくと言っていいほどその土地に価値を見いだせずに、放置していた始末である。

 その理由として、街外れと言う場所が問題となる。

 かろうじてプラネテューヌの街へと続く道が整備されているからと言って、その土地の利用者がモンスターに襲われない保証はない。

 安全性の面で利用することができないのである。

 だからこそ、放置と言う形でアパートは寂れていったのだ。

 

 しかし、最近になってこの土地を教会が買収した。

 理由は、そのアパートに1人の人物を入居させるためである。

 その人物が利用するに当たり、一室だけ綺麗に整備されて、最低限生活することだけは可能な状態に戻した。

 

 だが、その人物はと言うと、昼間なのに整備されて清潔になった畳の上に仰向けで寝転がり、ただボーっと天井を眺めながらつぶやく。

 

「仕事、できねー」

 

 ……御波夢人。

 女神の卵によって選ばれた元勇者であり、現無職の心の叫びであった。




という訳で、今回は以上!
しばらくは説明交えながらの進行になりますね。
今回はアカリ関係でしたが、次回は夢人君関係です。
それでは、 次回 「逆戻りのニート」 をお楽しみに!
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