超次次元ゲイムネプテューヌ Re;夢のヒーローを目指して   作:ホタチ丸

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はい、皆さんこんばんわ!
今回は説明パート、と言うことで状況確認です。
それでは、 落し物 はじまります


落し物

 バーチャフォレストの一画に開けられた大きな穴。

 その穴から女神化したネプテューヌが夢人とコンパを抱えて飛び出してきた。

 ネプテューヌは穴から離れた安全そうな場所まで移動すると、2人をゆっくりと地面に降ろす。

 2人を降ろすと、ネプテューヌは1度大きく顔を左右に振りだす。

 女神化前と違って長く伸びた髪が風を感じるのが心地よいらしく、顎を上げたまま瞳を閉じて吐息を漏らしてしまう。

 

「ふぅ、何とかなったわね」

 

「ああ、本当に助かった。ありがとうな、ネプテューヌ」

 

「お礼を言う必要はないわ。わたし達3人はパーティー。助け合うのは当たり前よ」

 

 柔らかく表情を崩してお礼を言ってくる夢人に、ネプテューヌは軽く口元を緩める。

 意思の強そうな青い瞳で夢人を真っ直ぐ見つめながら、ネプテューヌは言葉を続ける。

 

「それに、早速いいところを見せられたじゃない。コンパを助けようと必死にモンスターにしがみつく姿、かっこよかったわよ」

 

「い、いや、それはだな。体が勝手に動いただけだし……結局、最後はお前に助けられちまったしさ」

 

「謙遜することないわ。ゆっくんがコンパを助けるために体を張ってモンスターに立ち向かった、それが全てよ。わたしはそんなゆっくんを手助けしただけなんだから、もっと自信を持ちなさい」

 

「お、おう」

 

 面と向かってネプテューヌから投げかけられる褒め言葉に、夢人は照れて頬を掻きながら視線をあちこちにさまよわせる。

 しかし、ネプテューヌは顔から目線を外すことなく、柔らかく口元に笑みを浮かべながら褒め続けた。

 すると、夢人の方がネプテューヌから顔を背けてしまう。

 その頬は赤く染まっており、ネプテューヌに対する返事も小さいものであった。

 そんな夢人の態度に、ネプテューヌは眉をひそめてしまう。

 

「どうかしたの、ゆっくん? さっきから様子が変よ」

 

「べ、別に変じゃないさ。気にするなって」

 

 呼びかけた際も声を上ずらせる夢人の対応に、ネプテューヌは心配を募らせて目を少しだけ細めてしまう。

 一方、夢人は女神化前との変化の差に加え、今のネプテューヌの姿にドキドキしっぱなしであった。

 女神化したネプテューヌの姿に、夢人は成長したネプギアの姿を連想させてしまっていたのである。

 そのせいで純粋に褒められた嬉しさや恥ずかしさをコントロールすることができずにいたのだ。

 普段の女神化前の状態でなら普通に接することができるのだが、女神化後のネプテューヌの姿に夢人は未だ慣れていなかったのである。

 さらに、初めて女神化を見た時も同じように助けられた思い出が、夢人の頭の中で今のネプテューヌの姿からネプギアの影をちらつかせる要因となっている。

 だが、同時に夢人はネプテューヌをそんな風に見てしまうことに申し訳のなさを感じてしまい、その心を大きくかき乱してしまう。

 そのため、どうしていいのかわからなくなった夢人はネプテューヌから顔を背けることしかできなかったのだ。

 

「そう? なら、いいんだけど」

 

「……え、えっと、わたしも聞いてもいいですか?」

 

「なに、コンパ?」

 

 納得しきれないネプテューヌであったが、今の夢人にいくら尋ねても無駄だと悟り、敢えて詳しく聞こうとはしなかった。

 気持ちを切り替えるように、いつの間にか力が入っていた肩を脱力させ、眉根を垂れ下げる。

 すると、タイミングを見計らっていたらしいコンパが恐る恐る手を上げながらネプテューヌへと声をかける。

 女神化前からは考えられないほどのきりっとした声で呼ばれたコンパは、おずおずと困ったような顔をしながら口を開く。

 

「あなたはねぷねぷ、なんですよね? どうしてそんな姿になっちゃったんですか?」

 

「どうしてって言われても……わたしもわからないのよ。急に声が聞こえたと思ったら力が湧いてきて、気付いたらこの姿になってたわ」

 

 コンパの質問にネプテューヌも今の自分の姿について説明ができずに困惑の表情を浮かべてしまう。

 記憶を失っているネプテューヌにとっても、今の自分の変化は驚愕の一言に尽きていた。

 2人を助けるためと、緊急事態であったから深くは考えようとしていなかったせいで、今更ながら戸惑っているのである。

 

「あの天の声なのか悪霊なのかわからない声も、もう聞こえなくなってしまっているし、正直どうしたらいいのかもわからないわ」

 

「そうですか……だったら、ゆっくんさんならわかるですか? さっきも今のねぷねぷの姿がもう1つのねぷねぷだって言ってたですし」

 

「そうね。わたしにも聞かせてちょうだい。この姿はいったい……わたしはいったいどうしてしまったの?」

 

「あ、ああ、そうだな……うん、ちょっと長くなるけど、ちゃんと説明するよ」

 

 不安そうにするネプテューヌに、コンパは顔を明るくさせて提案した。

 頷きつつも不安を隠しきれずに上目遣いで尋ねてくるネプテューヌに再びドキッと心臓を跳ね上がらせてしまった夢人は、その動揺を悟らせないように大きく開いた目をすぐに手のひらで覆いながら顔を横に向ける。

 そのままネプテューヌとコンパに顔を見られないように顔を隠しながら、落ちつくためにゆっくりと息を吸って頷く。

 同時に深く息を吐いて気持ちをある程度落ち着かせると、夢人は顔を引き締めて2人の方を向き直ってから話出す。

 

「まずコンパに言っておかなきゃいけないことがあるんだ。俺達は、このゲイムギョウ界とは違ったゲイムギョウ界からやって来たんだ」

 

「え? それってどう言う意味なんですか?」

 

「そうだな……とりあえず、俺達が別世界からやって来たってことはわかってくれ。その世界でネプテューヌはプラネテューヌの女神で、今の姿のように『変身』することができるんだ」

 

「『変身』……女神化ってそう言う意味だったのね」

 

 困った顔をして話が飲み込めないコンパを見て、夢人は無理もないと思った。

 自分も同じことを急に言われても、すぐに納得できるかどうかわからないからである。

 そのため自分達の事情を説明することを後回しにし、ネプテューヌの変化についての話に移る。

 すると、ネプテューヌはどこか納得したように目を鋭くさせながら頷く。

 

「だとしたら、この世界のわたしも女神なんでしょうね。あの声は早くこの姿に、女神化しろって言ってきたし……もしかして、わたしとこの世界のわたしを勘違いしているんじゃないかしら?」

 

「そうだろうな。ネプテューヌがいつこっちのゲイムギョウ界に来たのかわからないけど、俺が来た時にはもう記憶がなかったみたいだしな」

 

 夢人はこのゲイムギョウ界に来た時のことを思い出しながら、ネプテューヌと共に現状について確認する。

 だが、全て憶測でしかわからないことばかりで、2人の眉間には深いしわが刻まれてしまう。

 そんな2人の話についていけなかったコンパは戸惑いながらも確かめるように言葉を発する。

 

「え、えっと、ねぷねぷとゆっくんさんは別の世界から来て、その世界でねぷねぷは女神さんで、天の声さんと悪霊さんがこの世界のねぷねぷと目の前のねぷねぷを勘違いしてて、ねぷねぷはゆっくんさんと会った時にはもう記憶を失っていて……うううぅぅぅ、話が複雑すぎてよくわからないですぅ」

 

「あっ、ああ、悪い。詳しい話は帰ってからゆっくりするからさ。とりあえず、街に戻ろう」

 

「わ、わかったですぅ」

 

「賛成よ……ところで、ゆっくん。1つ聞きたいことがあるんだけど」

 

「なんだ?」

 

 考えすぎたせいで目を回してふらふらし出したコンパに気付き、夢人はバーチャフォレストから街に戻ることを提案する。

 2人も異論はないようであったが、突然ネプテューヌが神妙な面持ちで夢人に尋ね出す。

 

「わたし、どうやったら元の姿に戻れるの?」

 

「……え? 戻れないのか?」

 

 尋ねられた内容を理解できず、夢人は呆けたように聞き返してしまう。

 しかし、ネプテューヌの顔は至って真面目であり、半目になって困惑しているようであった。

 

「ええ。何だか段々体が重くなってきたし、そろそろ元の姿に戻りたいのよ。でも、どうすればいいのかまったくわからなくて」

 

「いや、それを俺に聞かれてもな……うーん、どうすればいいのかなんて俺にもわからないし」

 

「そうなの? じゃあ、どうすれば――っ!?」

 

 腕を組みながら首を傾げて必死に考える夢人であったが、女神でも『変身』できるわけでもないため、ネプテューヌの疑問に答えることはできなかった。

 

 ――そんな時、途方に暮れるネプテューヌの足元から突然光の柱が立ちのぼる。

 ネプテューヌの体をすっぽりと隠してしまった光に、夢人とコンパは驚き声をあげそうになってしまう。

 しかし、2人が声を出すよりも早く光は消失し、中から女神化する前の少女の姿をしたネプテューヌが現れる。

 

「ねぷねぷ!? 元に戻ったんですか!?」

 

「……う、うん、そうみたい」

 

「どうかしたんですか?」

 

「……えっとさ……その…………もう無理ぽ――――――がくっ」

 

「って、おい!? どうしたんだ!?」

 

 元の姿に戻ったことに驚いて声をかけるコンパに対して、ネプテューヌは今にも瞼を閉じてしまいそうな様子で力なく返事を返す。

 不審に思うコンパの目の前で、ネプテューヌは完全に瞳を閉じてしまい、前のめりに倒れそうになってしまう。

 慌てて夢人が倒れかけたネプテューヌを抱きとめて呼びかけるのだが、なにも答えは返ってこない。

 何故ならば……

 

「……すう……すう……」

 

「寝てる、のか?」

 

「みたいですね」

 

 夢人の腕の中で規則正しい寝息を立てているネプテューヌの姿を見て、2人は安堵する。

 揃って困ったように笑みを浮かべながら顔を見合わせると、2人はネプテューヌを起こさないように小声で話す。

 

「このまま寝かせておいてやるか」

 

「そうですね。ねぷねぷ、大活躍でしたから」

 

「そうだな――っと、これでよし。行くか」

 

「はいです」

 

 夢人は自分に向かって倒れこんできているネプテューヌを少しだけ押し戻し、体を反転させて今度は背中で受け止める。

 そのままネプテューヌの両腕を自分の首に巻きつかせるようにすると、夢人はおんぶの体勢を完成させて立ち上がり、コンパと共に街へと向かって歩き出す。

 

「ゆっくんさん」

 

「うん? どうした?」

 

 歩いている途中、コンパははにかみながら夢人を見つめて口を開く。

 

「モンスターさんから、わたしを助けようとしてくれてありがとうございましたです」

 

「いや、だから、それはネプテューヌであって、俺が助けたわけじゃ……」

 

「それでも、です。受け取れるものは何だって貰っておいた方がいい、ですよね?」

 

「プッ、ああ、そうだったな」

 

「ですです」

 

 ネプテューヌの声真似をしながら得意げに自分を指さすコンパの姿に、夢人は思わず吹き出してしまった。

 立場が逆転したことにおかしさを感じながら、夢人はにかっと笑ってコンパのお礼を受け取る。

 それがわかったコンパもニコニコと笑いながら、夢人の隣を歩きながら街を目指すのであった。

 

「――キキィッ」

 

 ――3人を背後から追いかける1つ目の蝙蝠のような生物に気付くことなく。

 

 

*     *     *

 

 

「ネプテューヌ、ふっかーつ!!」

 

 早朝、コンパの部屋でネプテューヌの元気な叫びが響きだす。

 ベッドから起き上がったネプテューヌはすぐにぱっちりと目を開かせると、体を思いっきり反らしながら声を張り上げたのである。

 そのままのテンションで寝ている部屋を飛び出すと、ネプテューヌは夢人達を探すためにまずリビングへと向かった。

 すると、そこにはくつろいでいる夢人とエプロンをつけているコンパの姿があった。

 2人を見つけると、ネプテューヌは困ったように笑みを浮かべてお腹を擦り始める。

 

「いやあー、何だかすごくお腹すいちゃったなあ。ゆっくーん! コンパー! プリンない?」

 

「……ようやく起きたと思ったら、食べたいものはプリンだけかよ」

 

「まあまあ、すぐにねぷねぷの分の朝ごはんも用意しますから、待っててくださいね」

 

「はーいっ! 因みに、デザートはもちろん……」

 

「ちゃーんとわたし特製のプリンを用意してますよ」

 

「さっすがコンパ! わたしのこと、わかってる!」

 

 元気があり余ってるように思えるネプテューヌの姿に、夢人は呆れてジト目になってしまう。

 夢人の反応と違い、コンパは元気になったネプテューヌを優しげな眼差しで見つめながらほほ笑んで食事の用意をし始める。

 コンパが台所に向かうと、ネプテューヌは夢人の隣にどっかりと座りだす。

 

「ごっはん! プリン! 早く来ないかなー?」

 

「……まったく、少しは落ち着けって」

 

「だってー、本当にお腹すいてるんだもん。記憶喪失だけど、こんなにお腹すいたことって絶対ないもんね」

 

「あのなあ……はあ、まあ丸1日寝たままだったし、仕方ないか」

 

「へ? 丸1日? わたしってそんなに寝てたの!?」

 

 ウキウキとテーブルに肘をつけて頬づえをつくネプテューヌに、夢人は呆れながら忠告をする。

 しかし、コンパの料理しか頭にない今の口元を緩めているネプテューヌの様子を見て、夢人はため息をついてしまう。

 すると、ネプテューヌは夢人の口から出た衝撃の事実に驚いて目を大きく見開かせてしまうのであった。

 

「ああ。だから、コンパにはあらかたの事情を説明しといたぞ――とりあえず、今の俺達の目的は3つだ」

 

 驚いているネプテューヌの姿に苦笑しながら、夢人は指を3本立てて説明し出す。

 

「まず、お前の記憶を元に戻すことだ。具体的にどうすればいいのかなんてわからないから、現状はどうしようもないんだけどな。まあ、これについては俺も知ってる限りのお前のことを話して少しずつ思い出していってもらえればと思ってる」

 

「ふんふん。なるほどなるほど。それで、次は?」

 

「……自分のことなのに、やけにあっさり流すな」

 

「だって、思い出す思い出さない以前に実感がわかないんだよね……それに、ゆっくんがついていてくれるなら安心かなぁって」

 

「そ、そっか」

 

 真面目に話しているのに、ネプテューヌが軽い態度で流しているように思えてしまった夢人は眉をひそめてしまった。

 しかし、次にネプテューヌが照れ臭そうに頬を掻きながら口にした言葉に、夢人は不意打ちを食らって頬を染めてしまう。

 それを誤魔化すように咳払いをしてから、夢人は薬指を折ってから説明を続ける。

 

「んっ! それで次はこの世界のネプテューヌを探すことだ」

 

「この世界のわたしを?」

 

 不思議そうに首を傾げるネプテューヌを、夢人は再び顔を引き締めて見つめだす。

 

「そうだ。お前が『変身』する時に聞いた声って、俺達がいたあの暗い空間で聞いた声なんだろう?」

 

「そうだけど……もしかして、ゆっくんも聞こえたの?」

 

「いいや。ただあの時も天の声やら悪霊やら言ってたから、そうなんじゃないかって思っただけさ……っと、そうじゃなくてだな。あの時、最後にあの声が助けてくれって言ったように聞こえたんだ。多分、あの声はこの世界のお前に助けを求めていたんだと思う。でも、それを聞いたのは俺達で、この世界のお前がどこにいるのかもわからない。だから、俺達でこの世界のお前を見つけて、あの声の奴を助けないか?」

 

「……うん、そうだね。わたしもゆっくんとコンパを助けるために力を貸してもらったし、ちゃんと恩返ししないとね」

 

 最後に自分に確認を取るように夢人が尋ねて来たことに、ネプテューヌの頬は自然と緩んでしまった。

 夢人が自分の意見を尊重してくれることがわかり、素直に嬉しいと感じたからである。

 ネプテューヌ自身も夢人の提案に異を唱えようとは思わず、むしろ大賛成であったためすぐに了承した。

 笑みを浮かべながらネプテューヌが提案を受け入れてくれたことにより、夢人も口元を緩めて中指を折る。

 

「そして、最後に俺達を助けてくれた女の子達を探すことだ。助けてもらったのにお礼を言わないわけにはいかないからな」

 

「オッケー! 元々その子達を探そうって話だったし、当然だよね……と言うより、ゆっくん1番大切なこと忘れてない? わたし的に3番目に来るのは元の世界に戻る方法だと思ってたんだけど?」

 

「ああ、それなら問題ないさ」

 

 真面目な話からゆるく変わった雰囲気にネプテューヌは戸惑うことなく順応して明るく返事をするのだが、予想していた内容と違っていたことに疑問を覚えた。

 しかし、心配そうに尋ねてくるネプテューヌに対して、夢人はニッと笑いながら右手首に巻かれたブレスレットを見せる。

 

「これさえあれば、いつでも元の世界に戻ることができるからな。帰る方法は気にしなくても大丈夫さ」

 

「おおう! ゆっくんってば、そんな何かの翼的なアイテムを持ってたの!」

 

「まあ、厳密にいえば俺は使えないんだけどな。しかも、俺達が元の世界に行くって言うより、呼び戻してもらうって感じだからさ」

 

「その言い方にちょっと不安はあるけど……とりあえず、大丈夫なんだよね?」

 

「ああ、そこは安心してもらっていい。俺も何度も経験しているからな」

 

 不安を感じているネプテューヌを安心させるようにほほ笑みながら夢人は右手首のブレスレットに触れる。

 

 ――夢人の考えている帰還方法は、簡単に行ってしまえばアカリに呼び戻してもらうことである。

 フィーナが残したブレスレットの反応をアカリが感知することにより、夢人は以前にも自分のいた世界とゲイムギョウ界を行き来した経験がある。

 だから、アカリが元々いたゲイムギョウ界にいる以上、夢人は別の次元に飛ばされたとしても帰還することが可能なのである。

 しかし、代償としてブレスレットに蓄えられている『再誕』の力が消費され、紫色の水晶の数が減少してしまう。

 実際に犯罪組織との戦いの後、10個あったはずの水晶は1つ数を減らしてしまい、9個になっている。

 自分のことをバグではなくし、夢人がゲイムギョウ界で生きていくために必要不可欠なブレスレットに残されている力に余裕があるわけではないが、ネプギア達の元に帰るために背に腹は代えられない。

 ネプテューヌと共に無事に帰るため、夢人も覚悟を決めていた。

 

(まあ2人だから多くて2つだろうし、それならまだ7個もある。何の問題もないな)

 

 自分に言い聞かせるように大丈夫だと考えながら、夢人はブレスレットを見つめ続ける。

 そもそも夢人はギョウカイ墓場で犯罪神の再封印をして以降、1度も『再誕』の力を1人で行使したことはない。

 正確に言えば、できなくなっていたので水晶が減る心配はないと思っているのだ。

 

「そうなんだ。だったら、そこはゆっくんのことを信じるとして、今日はこれから何をするの?」

 

「今日はもう1度あの地下……洞窟に行こうと思うんだ」

 

「洞窟? 入口が見つかったの?」

 

「昨日の内にギルドに報告したら、それらしい入口があったらしくてな。お前があそこであの声を聴いたのなら、何か手掛かりがあるかもしれないだろ? だから、もう1度行ってみて、あの声に繋がる情報を少しでも集めようと思うんだ……それに、実は俺もあそこに用があるんだよ」

 

「ゆっくんが?」

 

 詳しく理解はしていないが、夢人が大丈夫だと言っているので、とりあえず帰る方法については置いておくことにしたネプテューヌは、これからのことを聞きだす。

 すると、夢人は後頭部を掻きながらバツが悪そうに顔をしかめて、ネプテューヌから視線をそらしてしまう。

 疑問に思ったネプテューヌが尋ねると、夢人は恥ずかしそうにその理由を口にする。

 

「Nギアって言う携帯端末と……その、プレゼント用に加工した水晶を、な。あそこで落としたっぽいんだよなぁ、これが」




と言う訳で、今回は以上!
夢人がレイヴィスから聞いた話をどんな風に理解しているのかは後ほどまた。
さて、予定ではこの章も残り恒例のアレを入れて5話程度。
土日は番外編でのコラボ話も同時にあげていきたいと思っていますので、お楽しみに。
それでは、 次回 「旅する一陣の風」 をお楽しみに!
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